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2013年11月4日【月】19時44分48秒
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2013年11月4日【月】19時43分21秒
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パーフェクトエンド

人はどうして言葉を話すのだろうか。
それは、言葉にしないと伝えられない、伝わらない事があるからだろう。
昔付き合っていた彼女と偶然町で出会った。
なんとなくお茶をする事になって話してみると、どうして別れる事になったのか分からなくなってきた。
今なら素直に言えるのに、あの頃はそれが言えなかった。
お互い既に結婚していて、今更何かが変わるものでもない。
でももしもあの頃言葉にして伝えられていたら、俺たちの人生は変わっていたのかもしれないな。
そしてそれは元カノだけではなかった。
妻や娘にも本音を伝えられていなかったかと思う。
俺は同じ過ちを何度も繰り返していたのだ。
今更だけれど、俺は今になってようやく失敗を乗り越えられた気がするよ。

『みゆき!次の曲を流してくれ!』
『分かったよー!』
俺のテレパシー通信を受けて、バルスにいるみゆきが次の曲を流し始めた。
気分を盛り上げる二曲目は、岩崎さんが歌う|聖母《マドンナ》たちのゴニョゴニョね。
この曲を一点五倍速くらいで再生すると、いよいよ戦闘かって感じがするんだよ。
戦闘もののアニメのオープニングに使用してもらいたい曲ナンバーワンだ。
ボーカルはアンバランスさを狙って天然系女子たちに歌ってもらった。
「何々?歌が聞こえてくるよ?」
「戦いの気分を盛り上げようと思ってな。どうだ?いい歌だろ?」
「この戦場は別に町じゃないけどね」
こいつ歌詞にまで文句をつけやがって。
町の所を空に変えて歌わせれば良かったか。
でもこの世界に来て、小さな子供になっていた辺りは重なる所がある歌詞だな。
聞きたい人は動画サイトで『岩崎』と『聖母』で検索したら出て来るはずだ。
それを一点五倍速で聞いていたら、ぶっちゃけ泣けて来るよ。
俺の生まれ変わり人生に重なっているからなぁ。
「じゃあそろそろ戦いといくか」
「そうだね。じゃあ今日は最初から全力で行かせてもらうよ!」
そう言って守死は真っすぐ向かってきた。
でも俺はまだまともに戦うつもりはない。
前回同様逃げ回った。
「どうしたんだい?倒しに来たんじゃないの?」
「まだ今は耐える時間なんだよ。ヒーローは変身前にピンチになるのがセオリーだからな」
「そんな事してる間に倒しちゃうよ!?君の動きはもう分かっているんだから!」
確かにその通りだ。
少しずつ奴の攻撃が俺に当たり始めている。
演出にこだわっている場合じゃないな。
『みゆき!みんなの力を俺に集めてくれ!』
『分かったよー!』
みゆきから全員に指示が行くと、俺の魔力が徐々に上がってゆく。
「ほう。少し魔力が上がったね。でもまだまだそれじゃ僕には勝てないよ」
んな事は分かっているよ。
まだまだここからだぜ。
『みゆき!曲を三曲目に変更だ!』
『オッケーボス!』
いきなりみゆきのキャラが変わってきたぞ?
しかしこれ、どこか遠い昔に聞いた事があるセリフだな。
曲は三曲目に移った。
今度の曲は、伝説な巨神のテーマソングだ。
さあ轟が聞こえてきたぞ!
俺が人形蘇生した者たちが、テリトリーの中へと入ってきた。
『みんなすまないな。もしもお前たちを取り込んでしまっても、いつかは必ず元に戻すから』
『大丈夫です兄上様。わたくしはむしろ嬉しいのです。ずっと兄上様と一緒になれるのですから』
『夕凪も、これで心おきなく‥‥妄想三昧‥‥』
『うららは幸せでした!』
『主、私はむしろ主に感謝しているのです。心おきなく私の力をお使いください』
『お兄ちゃん、これでいつでもデートできるね!』
『自分、幸せでありました。総統のおかげであります』
『山女もとても楽しかったです。これからはずっと一緒ですね‥‥』
みんないい奴過ぎるよ。
泣けてくるぜ。
でも死ぬ訳じゃないんだ。
お前たちの力は俺が預かった。
一部を除いて俺の人形たちは、今此花策也と一体になってゆく。
八百万合体だ!
「なんだよそれ‥‥。魔力がドンドン大きくなっている‥‥。ゴーレムと合体とか出鱈目過ぎやしないかい?」
「此処はそんな出鱈目な世界なんだよ」
「でもテーマソングの巨神には程遠いね。それじゃ君の寿命が少し伸びる程度にしかならないよ」
分かってるよそんな事。
「逆だよ逆!巨神になるのはお前の方だよ!」
妖凛が影の中へと入ったのを見てから、俺は織田の力で小さくなった。
同時にみゆきや子供たちも小さくする。
「はははは!小さくなって何をするんだい?魔力コントロールはやりやすいかもしれないけれど、戦闘ではやはり体は大きい方が有利だよ?」
「分かっているよ!でも魔力の差がこれだけあったら俺は勝てない。だったら体が小さくなるとしても、勝てる可能性に俺は掛ける!」
「まだ何かあるのかい?」
「もちろんだ!『みゆき!曲をもう一度第二曲に変更だ!そしてパワーをくれ!』」
『オッケーボス!みたまちゃん、六華ちゃん、桐也くん、菊花ちゃん、いっくよぉー!ぬおー!』
BGMが再び聖母たちのララララに変わった。
そしてみゆきと子供たちが、俺をパワーアップする為に指輪に魔力を送り始めた。
「おっ!少し魔力が上がったね?でも間もなく君を捉えるよ!」
こうしている間も、俺は守死から逃げ回っていた。
そろそろヤバいかな。
でも間に合ったみたいだ。
もう時は熟したんだよ。
「永久機関!発動!」
俺はみゆきや子供たちをパワーアップさせるために、五つの指輪に魔力を送った。
「うおー!」
「ん?何が?何が起こっている?此花策也の魔力が今まで以上にグングンと上昇しているぞ?」
これが永久機関だよ。
小さくなる事で魔力の無駄を全て排除し、その魔力でみゆきたち家族をパワーアップさせているんだ。
そのパワーアップしたみゆきたちが俺をパワーアップし、更にパワーアップした俺がみゆきたちを更にパワーアップさせる。
これを繰り返す事で俺たちはお互いを高め合い、何処までも強くなる。
エネルギーのロスを完全に失くせば作り出せるのだよ。
永久機関の完成だ!
「うおぉー!!」
しかし何だろう。
魔力がグングンと上昇していく中で、周りの景色がスローモーションどころか止まっているように見える。
そして何か、忘れた遠い記憶が呼び起こされるようだ。
そうか、俺は今神の領域を超えて神になろうとしているのか。
その際、今まで失った全ての記憶が俺の所に帰ってこようとしているのだ。
ん?なんだこれは?
これはもしかして転生前の記憶か?
転生前の記憶に抜け落ちていた所なんて‥‥今まで意識した事は無かったのに‥‥。
妻の名前?娘の名前?
あれ?知らない?!
それが何だっていうんだ?
妻の名前は『みゆき』で、娘の名前は『みたま』だよ?
そうだ!
妻はみゆきで娘はみたまだ。
どうしてこの世界でも同じなんだ?!
『策也!思い出したよ!私、みゆきだよ!生まれ変わる前の世界で、策也と結婚していたみゆきだったんだよ!』
『そうだ‥‥。俺も今思い出した。俺たちは前世でも‥‥結婚していたんだ!』
でもどうして同じ世界に転生してきたんだ?
どうして又俺はみゆきと結婚したんだろうか。
そりゃ、誰よりも愛しているからだろ?
ん?これは俺が死んだ前日の出来事なのか?‥‥。
歩いているのはみゆきとみたまだ。
二人は夕方、夕飯の買い物に出かけていたんだな。
しかしその途中、信号無視をしたダンプカーに跳ねられて、俺よりも先に死んでいた‥‥のか?
『そうなの。わたしたち死んじゃったんだ。でもそのあと神様の導きで、わたしはわたしの書いた小説の中に転生する事になったんだよ』
そうだった‥‥。
あの七色のキノコを食べた日、帰宅しても家には誰もいなかった。
愛想つかされみゆきは田舎にでも帰ったのかとか、そんな事を思っていたような気がする。
しかしその後に電話があったんだ。
みゆきたちが事故にあって死んだと‥‥。
頭が真っ白になった俺はただ呆然としていた。
それでも次の日、俺は予定していたワクチンの接種に向かった。
何をしていいのか分からなくて、ただ予定通りに行動したのだと思う。
そしてそれからは覚えていた通り、俺も後を追うように命の火が消えた。
人は嫌な事ほど覚えていたりするものだ。
でも最高に辛い事は忘れるようにできている。
何故なら、覚えていたら生きられないから。
俺はみゆきやみたまが死んだ事を忘れるしかなかった。
つまり俺は、みゆきを失うのが死ぬよりも辛かったのだろう。
『そしてその後、俺も死んで同じ世界にやってきた訳か‥‥』
もしかしたらあの時の七色のキノコは、みゆきを追いかける為の印だったに違いない。
いや或いは罰だったのだろうか。
みゆきの事を放って遊びまわっていた俺に、神が罰を与えたんだ。
お前は死んで、今度こそ本当に愛している妻を大切にしろって。
ならば今俺がする事は一つだろう。
『みゆき、悪かったな。ゴメンよ。俺たちあまり上手く行かなくなっていただろ。きっと俺が女の子と遊びまわっていたせいだよな。でも本当に俺が一番好きだったのはみゆきだった。これだけは嘘じゃないんだ』
『うん、分かってるよ。策也の事はわたしが一番知ってるんだから!どうせその女の子たち、放っておけなかったんでしょ。策也は弱っている女の子を放っておけないんだもん。でもそれが策也のいい所だって、わたし知ってるんだ。だから何も言えなかった‥‥』
『ああ‥‥。俺もちゃんと言えば良かったよな。みゆきの事信じて、全て話せば良かったのかもしれない。でも罪悪感もあったんだ。みゆきが好きだから俺の口からは言えなかった』
『話されたらやっぱり寂しかったけどね。だけど今、わたしはとっても幸せだよ。この世界で生きてきて、ようやく策也の事が本当に全部分かった気がする』
『俺もだ。俺にはずっとみゆきが一番なんだ。みゆきとマッタリこの先も生きていきたいんだ。その想いは前世からずっと変わっていない』
『うん。じゃあこれからそうしようね!』
『おう!その為に必要ならば、俺はちゃんと神を倒すよ!』
今まで閊えていた何かが、一気に解消された気分だった。
別に何かが引っかかっていた訳でもないんだけどさ、凄く今心が洗われて晴れやかだよ。
八百万合体ゴッド策也、爆誕したぜ!
『みゆき!第四曲目だ!』
『オッケーボス!』
この返事は、一緒にMMORPGをやっていた頃によく聞いた言葉だよ。
もう負ける気がしねぇ!
四曲目は創世のほにゃららのテーマソングだ。
一万年と二千年前以上愛を貫く俺にはこれしかないだろう。
家族の愛に包まれて、今全てが解放された。
「何がどうなっている?このままでは僕が負けるじゃないか?!もうこの世界の事なんて考えていられないよ‥‥この世界ごとみんなフッ飛ばしてあげる!」
とうとう守死が勝つ事だけにこだわってしまったか。
でももう遅いよ。
守死の命運は既に俺の手の中だ。
自分の体が小さくとも、操る俺の一心同体少女隊は元のサイズのままなんだよね。
俺は二人に全魔力を注いで守死を攻撃させた。
「ヤマトタケルの剣なのね!」
「魂まで斬り刻むのです!」
二人の攻撃は、大魔法発動の為一瞬動きを止めた守死を捉えた。
「うがぁっ!グフッ!この程度の攻撃じゃ‥‥僕は倒せないよ‥‥」
そんな事は分かっているよ。
頼むぞ妖凛!
守死が話し終わると同時に、妖凛は少女隊が集めていたコオロギを奴の口の中へと押し込んだ。
「ふごぉ!」
お前がコオロギを嫌いな事は知ってるんだよ。
なんせこの世界はみゆきの書いた小説の世界だからな。
俺はまだ読んでなかったから内容は今も分からないけれど、みたまは既に読んでいたはずだ。
そしてそのみたまが寝言で言ったんだ。
『コオロギは食べたくない』ってね。
つまり守死の弱点はコオロギなんだ!
思った通り、守死はコオロギ攻撃に気を失っているようだった。
さて、じゃあ後はとどめだな。
『魂を斬る血塗られた剣』で奴を斬れば終わりだよ。
俺は能力を発動しようとした。
それを寸前みゆきが止めた。
『待って!この世界がわたしの小説の世界だとしたら、エンディングには別のパーフェクトエンドがあるんだよ』
パーフェクトエンドだと?!
なんかギャルゲーチックな辺りがみゆきらしいな。
俺は是非そのエンディングルートを見てみたいぞ。
『このまま神を殺すと、普通に策也はこの世界の神となって暮らす事になるよね』
『まあそうなるんだろうな』
『でもそうすると神の仕事で何十年も他の世界に出張しなくちゃならなくなるでしょ?』
『強制ではないらしいけど、やるならそうなるな』
『でも多分策也は断れないと思うんだよー!』
『そうだな‥‥確かに‥‥』
俺、特に可愛い女の子から頼まれると断れないんだった。
『それじゃマッタリライフは無理だよね。だからパーフェクトエンドで神を別の人に押し付けちゃおうよ!』
『そんな事ができるのか?!』
『うん。神を殺さずに倒せば、策也が決めた人に神を任せる事ができるだぁー!』
『なんて都合のいい話なんだー!』
『わたしが作った世界だよ?ご都合主義万歳だよ!』
だろうな。
このみゆきの小説の主人公は元々俺だったんだ。
そしてご都合主義のみゆきが作った世界だから、俺は都合よく此処までこれた。
『なるほど。だったら殺さずに倒すとしますか』
『よろしくねー!』
軽いな。
でもみゆきらしい。
と言う訳で、俺は普通のエンディングではなく、パーフェクトエンドルートを選ぶ事にする。
「じゃあいっくぞぉ!コントンジョノイコ!」
俺の放った魔法は、守死を簡単に捉えた。
すると体は一瞬で消滅し、魂は暗黒界へと飛んでいった。
神様よ、暗黒界で生きてくれ。
そして今日まで、この世界を見守ってくれてありがとう。
俺が神になる戦いの物語は、規定されていたルートとは少しだけ違った結末を迎えるのだった。

俺が神を倒した後、新たな神には環奈を指名した。
予定と違う結果にパニックになっていた大化が突然やってきて、新たな神の指名は環奈か総司じゃないと駄目だと言ってきたのだ。
ならばと、なんとなく神っぽい環奈に任せる事にした。
環奈は最初渋っていたが、『別世界に行っても神様ならモテモテだぞ』とか言ったら、割とアッサリ引き受けてくれた。
それに神様の仕事は、神の遣いとなるリンと総司がほぼやってくれる訳だからね。
遣いよりはマシという事も引き受けてくれた理由の一つだろう。
俺としては大化に言われずとも、やっぱり環奈にやってもらいたかったんだよな。
見た目も神様っぽいしさ。
何より俺の目指す世界は、みんなが仲良く暮らせる世界だ。
すぐにそんな世界は無理だとしても、元黒死鳥である環奈が神様ならいずれ達成してくれるだろう。
千年でも一万年でもかけてじっくりやればいいさ。
突然共生世界を強制なんてしたら、今を生きる人たちが不幸になるからね。
本能や文化なんてものは、直ぐに変える事はできないのだ。
長い年月をかけて、じっくりと変わって行くしかない。
だから各種族の町は、全てそのままに残しておく。
いずれ全ての民が同意する事ができたら、その時に神武国のオトロシイの町のようにすればいいさ。

俺と合体した人形たちは、結局分離する事ができなかった。
その辺りはかなり寂しかったが、俺の中で生きてはいるようで、きっといつか分離させる事ができるだろうと思う。
会話はできたりするんだよね。
だからむしろみんなを近くに感じたりもしている。
少女隊プラスよりも一心同体になってしまった訳だ。
少女隊プラスは、今まで通り常に俺の傍にいる。
こいつらの事はみゆきも認めているし、浮気を疑われる事もないだろう。
前世ではお互い言いたい事が言えなくてギクシャクした関係になっていたけれど、今はもう心が通じ合っているので何も問題がない。
神となった環奈は、黒死鳥王国をテリトリーとしてこの世界を見守る。
実際に世界を統治するのは皇であり元王族や貴族たちだ。
そしてこれからは、市井の民からも統治者が生まれてくる事だろう。
いずれは民主主義っぽい世界に変えていってくれるだろうか。
俺は神にならなかった訳で、本来はもう何も言えない立場かもしれない。
でも環奈が駄目な神様になったら、今度は環奈を討伐する神候補になるかもしれないしな。
殺しはしないけどね。
尤もそんな心配は、リンや総司がいる以上あり得ないか。
多分俺とは違う理想を持っていたとしても、違った形の良い世界にしてくれるだろう。

俺は空中都市で生活をしていた。
世界を漂いながら、のんびりマッタリの毎日を送っている。
みゆきと出会ってから、ずっと夢見ていた生活が今手の中にある。
凄く退屈な生活になる気もしていたけれど、騒がしい奴らは今もみんなご近所さんだから問題なかった。
「策也。あたしに此花商人ギルドを任されても無理なのだ」
「大丈夫だよ七魅。お前は賢いドラゴンだ。適当にやってりゃ問題ないよ」
総司が商人ギルドの仕事ができなくなったので、後は七魅に任せた。
ドラゴンは賢いしなんとかなるだろう。
「私が教えますから大丈夫ですよ」
「千える、よろしく頼むのだ」
千えるにはこれからも領民ギルドの経営を任せる。
出来る奴に任せておけば、お金は勝手に入ってくるものなのだよ。
「もしよければ望海も手伝うの」
望海は俺と神の戦いの後から、専業主婦的な感じとなった。
そして旦那の霧島だが、俺との意識共有はストップさせる事にした。
やったらできちゃったんだよね。
これからは別人として生きていく事になる。
ちなみに大帝もね。
そして資幣を動かしていた妖精資幣は、俺の体へと戻した。
別の俺が必要な時は、元妖精霧島である大聖もいるから問題はない。
「策也さん!大変なんだよ!六華ちゃんが新種のバッタを見つけたんだよ!」
金魚は相変わらずお隣さんだ。
洋裁とも仲良くやっていると思われる。
「策也どうなんだ?これは新種なのか?」
「どうなんだろうな?」
「えへへ~!変な虫だぁ~」
音羽と霍砺は俺の手足として、今は家でメイドを任せていた。
こいつらにメイドが務まるのか、マジで心配だけどね。
「それは間違いなく新種でしょ。六華ちゃんが見つけたんだから」
そして劉邦には執事をさせている。
どうしても俺の元で働きたいって言うからね。
「はははは!そのバッタは前にも見たぞ!」
賢神はまた俺の屋敷に戻ってきていた。
魔法に長けた我が子供たちに、戦闘訓練をさせるのだと張り切っている。
もしもそれで強くなったら、子供たちは俺よりもチートになっちゃうよ。
でもそれはそれで楽しみだけどさ。
他の連中はそれぞれの場所で働いている。
汽車にはアルカディアを任せ、雲長や明星、髑髏が下で働いていた。
風里・悟空・佐天・茜娘・エル・ベル・大魔王は、みんな自分たちの国で指導的立場だ。
肩書はもう国王ではないけれどね。
兎白と岩永姫、そして木花咲耶姫は、一度皇の元へと戻ったらしい。
これからどんな仕事をするのかは、まだ決まっていないそうだ。
そして他世界から来た神様である南たちは、元の世界へと帰っていった。
これであいつらの世界も良くなっていくのだろうな。
気が向いたらいつかその世界にも行ってみたいものだ。
いや、その時は南を誰かに倒させる時って事になるのだろう。
そもそも俺は神にもなっていないのだし、だったら多分もう二度と会う事はないか。
とにかく、世界は変わったけれど日常はそんなには変わらない。
でもきっと日常も、少しずつ変わって行くのだろう。
その変化を、俺はみゆきと共にマッタリと感じて行く。
そんな人生が、今の俺は最高と思える。
俺は生まれ変われて良かったよ。
それを叶えてくれたみゆきに感謝だな。
そしてみたま、いつかお前とちゃんと話せる日が来るのが楽しみだ。
まだ小さすぎるから、前世の記憶もちゃんと戻ってないよな。
「お父さん感謝してよね。勝てたの私のおかげっしょ?」
「えっ?みたま?もしかしてお前も記憶戻ってるのか?」
「余裕っしょ?つか前からだいたい戻ってたわよ。本当に、寝言のフリして伝えるの大変だったわぁ~」
「おいおいマジかよ」
だいたい三歳でそんな喋りしたら怪しいもんな。
そりゃ子供のフリするわ。
「だけど異次元収納に『なんでもできちゃう謎のバット』が入っていたのに、どうして疑問に思わないかなぁ~」
「えっ?アレ、みたまが入れておいたの?」
「そうよ。お父さん本当に適当なんだから」
「面目ない‥‥」
そんな訳で、みたまと話せる日はアッサリとやってきた。
まあなにわともあれパーフェクトエンドでハッピーエンド。
最高に可愛い嫁と、最高に楽しい生活ができる世界へとやってきたお話は此処で終了だ。
そしてこれからは、最高な世界への歴史を記して行こうと思う。
ただ一つだけ残念だった事を伝えるのなら、それは日本でこれが出来なかった事かな。
転生も良いけどさ、まずは目の前の世界を最高にできるように生きたいよね。
その為に必要なものは、きっと今なら持っていると思うから‥‥。

                  おしまい
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