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世界対九頭竜?

クチナシの花はだいたい六月に咲くものだ。
しかし時々いくつかの花が秋に咲いたりもする。
人間社会だけでなくどんな所でも変わり者はいるもので、だから世界は面白いのだ。
でも、単純に面白いって思えない事も多々あるよね。

ハスターの魂を手に入れた俺は、早速大聖の代わりを作る事にした。
俺の意思を注ぎ込んだ魔砂は大量にあるが、オリハルコンはあまり多くはない。
この十年、時間が有れば作り続けて来たけれど、オリハルコンは希少なんだよね。
おそらく邪神は、蘇生したからといって術者に従順にはならないだろう。
他の面子もそうだったから。
それで結局うららたちはオリハルコンゴーレムにしたんだけど、オリハルコンは貴重だから今回は魔砂ゴーレムにしておこうか。
闇の神の蘇生は、俺の意思を注ぎ込んだオリハルコンか魔砂か、どちらかしか選択肢は無いと言えた。
後は従属の首輪のような魔法で思い通りに従わせるか。
蘇生解除の脅しだけに屈してくれればいいかもだけど、何時裏切るかも知れない奴を野放しにはできないからなぁ。
そんな訳で魔砂ゴーレムとして蘇生した。
「おっ!俺、人間の姿で蘇生されたんだ?」
「結構イケメンに作っておいたぞ」
「やっりぃ!これなら結構モテモテかもね」
ん~ちょっと軽い感じに仕上がってしまったか。
オリハルコンゴーレムか魔砂ゴーレムの場合、俺の意思が半分くらい影響するんだけど、どの辺りが影響するかは蘇生してみないと分からない。
こいつは俺の軽い所に強く影響されたようだ。
「タダで蘇生した訳じゃないぞ。一応役割を果たしてくれないとな」
「ふーん。で、俺の役割は何?」
「神武国って俺の国があるんだけど、その国を守る事かな。今の王はヴリトラの生まれ変わりで東征っていうんだけど、まずはそいつの言う事を聞いてくれ」
「ヴリトラ?だったら俺の方が王にふさわしくない?」
結構扱いが難しそうな感じになってしまったか。
でもあれだけの魔力を持った邪神の魂だからな。
これくらいは仕方がないだろう。
「いずれはお前が裏で仕切る事になる可能性もあるよ。でもまずは俺の意思を理解してやるべき事を覚えてもらう。それで任せられるようになってからだな」
「分かったよ。了解」
「それでお前の名前だが、『|神武参星《ジンムサンセイ》』に決めた。これからは参星と呼ぶからな」
「参星ね」
「ところで参星は空間操作ができるんだよな。長距離の瞬間移動なんかはできるのか?」
瞬間移動ができる奴は貴重だ。
できれば使えたらいいんだけど‥‥
「見える範囲くらいしか無理だよ。せいぜい二キロだね。しかも目の前に別の空間を持ってくるだけだから、実際に少しだけ移動しないと駄目だ」
テレポートほど使いやすくもないのか。
敵に見えない所からコソコソ攻撃するのにはいいけど、戦闘にも向いてなさそうね。
でも人に取り憑けたら強いし、決して戦えない訳じゃない。
上には勝てないけど、下には無双できる、そんな感じだろう。
魔力も高いから、大抵は対処できるはずだ。
「じゃあとりあえず神武国に送るよ」
「いや大丈夫。バイアクヘー召喚!こいつ、宇宙空間に出れば超速で移動できるから、何処でも三十分以内には行けるよ」
「凄いな」
こいつには触れて既に能力はコピーした。
今度試してみよう。
こうしてハスターの生まれ変わりである参星は、神武国へと飛んでいった。

とりあえずやる事を片付けてホッとした俺は、再びマッタリタイムを楽しもうと庭へと出た。
しかし直後、俺のマッタリタイムを邪魔する声が聞こえてきた。
「策也さん大変なんだよ!ニュースを見るんだよ!」
いつものように金魚が住民カードを片手に走ってきた。
何かニュースがあるとこうやって知らせてくれるのはありがたいが、ろくなニュースが無いから気が重くなるんだよね。
「また嫌なニュースだな。今度はなんだ?有栖川が戦争でも始めたか?」
「違うんだよ。とにかく見るんだよ」
「はいはい」
俺は金魚の住民カードを覗き込んだ。
そこに書かれていたのは、まあ想定されたものではあったが、できればあってほしくなかったものだった。
『九頭竜は商人ギルドを全て排除し、新たに九頭竜ギルドを領内に作って代わりとする。領内からの輸出、領内への輸入は商用の場合全て九頭竜ギルドを通してもらう。現在ある商人ギルドはそれなりの価格で買い取ってやってもいい。売るか破棄するかどちらか選べ。猶予は一ヶ月だ』
こういう国が現れる可能性はあったし、地域レベルなら既にいくつかそうする所はでてきていた。
しかしまさか現在のランキングトップの国がやってくるとはねぇ。
実質ランキングは三位だろうと言われているけど。
これで最も被害を受けるのは京極か。
九頭竜領内は京極の縄張りだったからな。
そして有栖川も割と被害を受ける。
九頭竜の飛び地領が元兎束の縄張りだった。
領民ギルドとしても少し被害が出るな。
飛び地の方には既に契約ができていた所があったはずだ。
どう対処するべきか。
九頭竜は元々人口の一番多い国だ。
特に魅力的な国という訳ではなく、立ち入り禁止区域内での奴隷労働も噂されているし、貧富の差が他より激しく貧しい人達は移住しようにもできないという話。
そういう人たちの存在が普通の住民の生活レベルを上げているので、多少無茶をしても他国の平均以上の生活ができてしまう。
今回このような対応をしても、おそらく出ていく住民は限定的だろう。
いやむしろ上手くやれば利益も得られるだろうし、九頭竜ならではの対応と言ってもいい。
「今まで奴隷労働とか魔力蝙蝠の魔石の件で世界は目をつぶってきた。そのツケが返ってきたと考えれば当然の結果か」
「でもきっと有栖川は怒るんだよ。金魚がもしも兎束を続けていたら怒ってたんだよ」
西の大陸の南は兎束の縄張りだったもんな。
此処の四分の一から三分の一が九頭竜領で、いきなりそこから出て行けと言われた訳だ。
「有栖川は動くと思うか?」
「間違いなく動くんだよ。叔父さんたちは短気なんだよ」
だろうなぁ。
バカでは無いから単純に戦争って事にはならないと思うが、何かしらの手は打ってくるだろう。
「領民ギルドも無傷って訳にはいかないから、今回は有栖川に味方する事になるかもな」
「兎束小麟としてできる事があるなら言ってくれていいんだよ」
「サンキュー。でもまずは京極と話してみないとな」
そんな訳で俺はホームへと飛んだ。

俺が総司の元へ到着した時、丁度京極との話し合いが終わった所だった。
「策也さん。今丁度京極さんと話していた所なんですよ」
「そうか。で、京極はどう対処する予定なんだ?」
「とりあえず抗議はするそうです。ただ京極さんの所属している近衛王国は、九頭竜とは元々敵対関係にありますからね。今回の九頭竜の決定はその辺りも影響しているんじゃないかと思うんです」
「そういやそういう関係だったよな」
九頭竜としては今まではまとまった商人ギルドだったから受け入れてきたけれど、京極商人ギルドとなると受け入れがたいという事か。
有栖川はある意味そのとばっちりを受けたようなものかもしれない。
とはいえ九頭竜は有栖川を敵に回すような事をしている。
「有栖川が何にもしないなんて考えられない。様子を見てそれに呼応していく方向で準備だな」
「領民ギルド、策也さんもその方向で動くんですよね」
「そりゃな。このままだと多少とはいえ損失が出るからな。それにそろそろ九頭竜との付き合いも潮時かもしれない。奴隷労働で安い物なんて、領民ギルドでは扱いたくないしな」
世界が呼応してそういうものを潰していければいいんだけど、安く仕入れる為に目をつぶる国も多い。
魔力蝙蝠の魔石だっておそらく生贄がいるはずなんだ。
こんな事はどこかで終わらせないといけない気がする。
今は始められるチャンスで、しかも俺の領民ギルドは九頭竜から魔法通信ネットワーク関係で世話になる事もないのだ。
有栖川の対応にもよるが、俺たちが先陣をきってもいいよな。
九頭竜が主に輸出取引するのは、魔法通信ネットワークとそれに必要な魔法機器。
そして奴隷労働で作られているであろう衣服などだ。
一方輸入品目は多岐にわたり、人口が多い分市場規模が大きい。
経済戦争をしかけるとなると、それなりの損失は覚悟しなければならないだろう。
さて次の日には有栖川も対抗措置を打ち出してきた。
『もしも九頭竜が宣言通り実行した場合、有栖川商人ギルドは九頭竜ギルドへの輸出取引と衣服の輸入取引をストップする』
しかしそれは少し弱いものだった。
この対抗措置は国としてのモノではない。
別の商人ギルド経由なら普通に輸出入すると言っている訳で、九頭竜へのダメージは少ないのだ。
そうならざるを得ないのは、やはり魔法通信ネットワークをほぼ独占している事にある。
十年以上前から秘密組織は、魔力蝙蝠の魔石を皇へと無料提供している。
これによってすぐにシェア争いが起こるかと思われた。
しかし店舗展開も大変だし、奴隷労働大国の九頭竜には価格勝負では勝てない。
品質に関しても、ずっと作り続けていた九頭竜に対して、改めて作り出した皇の魔法通信機器では負けていた。
この所ようやく追いついてきたが、既に出来上がっている市場を切り崩すのは難しかった。
それでも一部ではシェアを取り戻してきてはいたけどね。
有栖川は今でも九頭竜製品が主流で、輸入できなくなれば大いに困るのだ。
有栖川から止めるとは言えない。
九頭竜側から止めれば戦争案件になるような大きなものだしね。
そんな訳でこの程度では九頭竜は止められない。
仕方がない。
俺は資幣から声明を発表した。
『我が領民ギルドは、奴隷労働により利益を得ている九頭竜ギルドとの取引全てに、取引手数料百パーセントをかける事にします。不当な競争を防止する為、奴隷というあるまじき行為を正す為に致し方のない所です。この手数料は全て慈善団体に寄付する予定です。どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします』
神武国として関税をかけても良かったのだけれど、この世界だと関税ってあまり馴染みがないんだよね。
博士に言えばシステム的にも対応してくれたかもしれないが、とにかく民が選べるようにした。
安い物を買いたい人もいるだろうし、無理をして民が出ていく事だけは避ける必要があるから。
それと他にも俺には秘策があった。
九頭竜は奴隷労働によって安い物を提供している。
ならばこちらは魔法技術によって安い物を提供し対抗するのだ。
そして奴らから|市場占有率《マーケットシェア》を奪う。
更に先日霧島が風呂に入って気が付いた。
リンスはあくまで髪をダメージから守るコンディショナーだ。
髪に栄養を与えるトリートメントも作ればもっと売れるだろう。
魔法はイメージだし成分なんて覚えてなくてもなんとか作れるはずだ。
化粧品なんかも作っていいだろう。
それを神武国、或いはエルフ王国スバルで作り、領民ギルド独占で輸出する。
九頭竜ギルドに対しては手数料を九百パーセントにして価格を十倍にすれば、九頭竜も考えるかもしれない。
権力者はより良い物を欲するだろうからね。
どちらが得かバカでも分かるだろう。
そんな事を俺は考えていた訳だが、その日の内に九頭竜は次の声明を出してきた。
『他が何を言おうとこれは決定だ。そして何かしら対抗措置をしてきたギルドに対しては、全ての取引を止めさせてもらう』
対抗措置をしてきた場合となっているが、これはもう戦争案件だ。
転生前の世界で言えば、シェア八十パーセントの石油輸出国が『お前の国には石油を売らない』と言っているようなものなのだ。
しかも有栖川は領土が広い。
輸入先を皇国に置き換えるにしても、おそらく数年はかかるだろう。
有栖川は対抗措置を取り下げるか、それとも力ずくでなんとかするのか、その二択を突き付けられていた。
そして有栖川が対抗措置を取り下げたら、今後九頭竜には生命線を握られたままとなる。
それを許す有栖川では無かった。
次の日、西の大陸の南にある九頭竜領『ウチャル』の町が、何者か四人に襲われ占領される事件が起こったのだ。
誰もが有栖川の仕業だと考えたが、当然その四人はそんな事を言う訳もなく。
更にこの四人は思わぬ声明を出してきた。
『我々は世界平和を目指す秘密組織の者だ。九頭竜は先日、我々の想いに反するような声明を出し世界を混乱させようとしている。だから我々は立ち上がった。この地に新たな国を建国する。とりあえず「秘密組織の国」とでもしておこう。そして今後も九頭竜が撤回するまで攻撃を続ける』
おいおい勝手に俺の秘密組織の名を語らんでくれ。
と言っても秘密組織は全部秘密組織だよな。
そんなわけで元祖秘密組織として声明を出す事にした。
『今回九頭竜の町ウチャルを襲ったのは我々とは関係がない別の組織だ。紛らわしいので今後我々は「秘密組織アルカディア」と名乗る事とする』
とりあえずこれでアルカディアは無関係であると世界からは認識されたようだ。
最初は『有栖川と秘密組織が繋がっていた』とか言う奴までいたからな。
尤も、そんな事を言われて信じる奴なんて超少数派だったけれどね。
何にしても、おそらく有栖川が背後にいるであろう『秘密組織の国』と『九頭竜帝国』との争いが始まったのである。
ただこの戦いは、今の所世界ルールでは戦争とは言えない。
たった四人に町が乗っ取られ国を名乗られるなんて誰も考えちゃいないからね。
でもこの世界じゃ割とできちゃうんだよな。
統治機能はすべて魔法通信ネットワークで管理されているしさ。
兵隊の強さも上から下まで差があるしさ。
一騎当千って言葉があるけれど、この世界じゃ一騎当万なんだよ。
俺やみゆきに至っては一騎当十万って所か。
とにかく俺は一度現場を確認してくるか。
今回は有栖川に味方したい所だけけれど、それでいいかどうかは現場を見てから決めないとね。
そんなわけで俺はウチャルの町へと飛んだ。
その頃、遠く東の地セカラシカの町にある私設民間傭兵隊のアジトに『劉邦』と名乗る男がやってきていたようで、秘密組織の国を攻撃するので手を貸してほしいと依頼があった。
『という訳じゃ。どうするのう?策也』
『断っておいてくれ。今回九頭竜に味方はできないからな』
おそらくだが、ウチャルの町を襲った四人は仙人たちと互角か、或いはそれ以上に強い可能性もある。
そういう意味でも引き受けられないよな。
そして断った事が正解であったと間もなく確認できた。
強いとかそういう意味ではなく、戦えないよなって話でね。
ウチャルの町から次に攻撃するであろう『ケンド』の町へ向かう途中、四つの大きな魔力を持つ者たちを見つけた。
大きな魔力と言っても仙人たち傭兵隊と同じようなレベルだ。
そしてその魔力に俺は覚えがあった。
「あいつら、自由にさせた魔人連中じゃないか」
これからの戦いは高レベルになると考えた俺は、残りたいという最低限の人員を残して全て蘇生し直し解放した。
魔王の部下だった奴らも多くを開放していた。
その中でも割と戦闘レベルの高かった四人がそこにいたのだ。
俺は地上へと下りてそいつらの前に立った。
「よう!久しぶりだな」
「えっ?策也様じゃないですか!」
「うおっ!マジだ!」
四人は驚きと、少し申し訳なさそうな顔をしていた。
「お前たちどうしたんだ?もしかしてウチャルの町を占拠したのはお前らか?」
おそらくそうだろうと思いながらあえて聞いた。
「ええ、そうです」
「実は俺たち魔人王国ドサンコに行った後、色々やってはみたんですけどね。結局やれるのが戦闘だけみたいだったようで」
「そうか。まあでもそれはそれで仕方ないよな。それで有栖川なのか?」
問題はそこだ。
有栖川の兵隊になったというなら、俺はこいつらを解放した事を後悔しなければならない。
「いや違いますよ。俺たちは民間軍事組織『プーチャン』のメンバーでね。依頼があったからやってるだけです」
「そうなんですよ。それに依頼主が誰かは俺たちには知らされてないんです」
有栖川だと想像はできるが、仕事として頼まれた以上やるしかない訳か。
「もしかして策也様が敵になるんですか?」
「それだったらこのまま俺たち逃げますけど」
「いや、少なくとも敵じゃないな。俺は今回は九頭竜に味方するつもりはないし、むしろ九頭竜には負けて欲しいと思っている。かといってお前たちに味方するかは今の所まだ分からない」
力技はあまり良くないよな。
でも戦わないと駄目な時もあるわけで、今がそうなのかどうかは見極めないとね。
「そうですか。それは良かった」
とは言えここで会ったのも何かの縁、という訳でもないが、とりあえず聞いておかないとな。
「ところでそのプーチャンってのはどんな組織なんだ?」
「あまり喋っちゃいけないんですが、策也様に聞かれたら断れないですね」
「おそらく早乙女のトップとは繋がってますね。俺たちが相手にならないくらい強いのもいますよ。流石に策也様ほどではないですけど、魔王様くらいの力はあるでしょう」
セバスチャンか、或いは依瑠や津希くらいの奴がいるのか。
早乙女にもなんだかんだ強い戦士がいるんだな。
それに民間組織でそれくらいのがいるって事は、国にはもっと強いのがいる可能性が高い。
大国は侮れないよ。
「それでお前たち、これからどうするんだ?」
「明日ケンドの町を攻撃する予定です」
「流石にウチャルのようにはいかないでしょうが、まあ俺たちそこそこ強いですからなんとかなるでしょう」
「とにかく死ぬなよ。今度は助けてやれないだろうからな」
「分かりました」
「命は大事にって事でいきます」
「じゃあ俺は行く!」
俺はそう言って上空へと上がった。
攻撃は明日か。
どんな町か先に見ておくか。
俺はケンドへと向かった。
十分もしないうちに俺はケンドの町へと到着した。
するとそこでは既に戦闘が始まっていた。
攻撃側は又も四人だが、当然先ほど会った魔人たちではない。
それに言っちゃ悪いがあいつらよりも強いだろう。
対抗するのは九頭竜側の騎士団連中かと思われる。
流石に訓練された九頭竜の騎士団で、強い戦士四人を相手に、協力してなんとか攻撃を防いでいた。
人間はこういう戦いをするから、人数が集まると侮れないんだよな。
簡単に言えば団体でのRPG戦闘。
サポート役が多いから、戦闘員を何重にもパワーアップさせている。
ただそれでも互角だから、いずれ魔法が切れて今回は攻撃側が勝ちそうだな。
サポート役がもう五百人いたら返り討ちにできたかもしれない。
惜しかったね九頭竜くん。
負けを悟ったのか、九頭竜騎士団の後衛から順に撤退を開始した。
良い判断だな。
勝てないなら改めて勝てる戦いを挑む為に撤退もアリだ。
最悪前衛の多くはやられるだろうが、九頭竜の所ならこの程度の戦士は腐るほどいるだろう。
あのドラゴンたちを従えているのだから。
結局思った通り四人が勝利した。
九頭竜側の被害は三百人ほどで、思ったよりも上手く撤退した印象だった。
攻撃側の四人の内の一人が空を見上げ俺の方を見た。
へぇ~気づく奴もいるのか。
ほぼ二キロ上空にいるんだから肉眼だとほぼ見つけられないんだけどな。
俺はマンティコアの透明化の能力で姿を消した。
俺を見ていた奴は何事も無かったように他の三人と領主の屋敷へ移動していった。
あいつはかなり強いな。
近くにいたら透明化も通用しないだろう。
一体だれだろうか。
その疑問は三時間後、魔法通信ニュースで分かった。
ケンドの町を攻撃した四人から声明が出たのだ。
『我々は民間軍事連合所属「海の嵐」だ。依頼主の命によりケンドの町を占拠させていただいた。町はいずれ依頼主に引き渡す事になるだろう。それと秘密組織の国とは全く関係は無いとお伝えしておく』
「やはり全く関係がないか」
俺は一度マイホームの庭へと戻って来ていた。
庭と言っても此花策也邸、島津邸、西園寺邸が緩く囲むように真ん中にあるので、みんなの庭といった感じだ。
「民間軍事連合と言えば伊集院の所が中心になっているんだよ」
「でも伊集院は参戦してこないよね‥‥」
「あくまで民間組織だから、依頼が有れば何処の国の依頼でもある程度は受けるんだろ」
洋裁の言う通り伊集院は関わってこないと思うけれど、一体誰が依頼したのやら。
おそらくどちらかは有栖川だと思うけれど、あと一つは見当がつかないな。
「九頭竜は割と嫌われているから、何処の誰でも可能性があるんだよ」
「京極かな?‥‥」
「今回の件を考えればそうなるけど、今の所そんな話は総司から聞いていない」
この先どういう展開が待っているのか分からないが、とりあえず明日も次のターゲットになりそうな町へと行ってみるか。
此処までは悪くない展開だ。
でもここぞとばかりに参戦してくる国が更に現れないとも限らない。
そうなるとちょっと九頭竜にも同情してしまうな。
自業自得だけどさ。
こうして対九頭竜という戦いが始まったのである。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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