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再び魔界へ!強敵ヴァンパイア

二度ある事は三度ある。
続く時には何かと続くもの。
いよいよ俺たちは人間界の旅へと戻る予定だったのだが、早朝思わぬメールが届いていた。
『策也たちって魔界に行ってるんだよね?だったらついでに探してほしいものがあるんだけど?』
メールの差出人はリンだった。
どうして俺たちがリンのパシリをしなければならないのかと思わなくもなかったが、メールの内容が俺たちの冒険者魂に火をつけるものだった。
特に俺にとっては気になる言葉が入っていた。
リンも当然それを知っていてメールをくれたのだろう。
愛い奴め。
情報源は総司の父親の遺品の中にあった手記。
そこにはこんな事が書かれてあったそうだ。
『魔界の竜宮洞窟に、もうすぐ金の生る木を誕生させる事ができるかもしれない』
金の生る木も気になるが、やっぱり俺は竜宮という言葉が気になった。
今更竜宮城に関する情報は必要ないのだが、それでも気になるものは気になる。
更に竜宮洞窟に関する記述があった。
『金の生る木を誕生させる事はできたのだろうか。私には確認する術がない。だがいずれ総司なら竜宮洞窟に行く事ができるだろう。私はそれを期待している』
行くのは残念ながら総司ではなく俺です。
「そんなわけで、俺に竜宮洞窟に行って金の生る木を探してきてくれと、リンが頼んできた」
「総司本人は行かないのですか?」
「リンと結婚したから色々忙しいんだろうな。商人ギルドの役員でもあるわけだし」
「でも面白そうなんだよ。お金がどうやって木に生るのか見てみたいんだよ」
いや金魚よ。
多分そういう意味ではないと思うぞ。
「しかしわらわはそんな洞窟聞いた事がないぞ?」
「そうなのか。だったらもしかしたら総司の親父が勝手に付けた名前かもな」
「場所は分かっているのですか?」
「一応座標は書かれているな。魔界の地図に当てはめてみると‥‥九頭竜領地のほぼ真ん中とリンクする場所か」
確かこの辺りは一般人が立ち入り禁止となる秘密のエリア辺りだな。
何をしているか分からないが、おそらく奴隷労働や、人間を魔力蝙蝠の餌にしているって可能性は高い。
そんな場所にリンクする魔界の洞窟に金の生る木。
これは気になる。
総司の親父は一体こんな所で何をしていたのだろうか。
送られてきたメールだけでは読み取れないが、おそらく誰かがそれをしていた。
或いは総司の親父がそれをさせていた。
しかし最後の仕上げの所で、その誰かが戻ってこなかったに違いない。
「じゃあみんな。この洞窟へ行ってみるぞ。とりあえず九頭竜領内のイラチの町辺りまで転移して、そこから魔界に入るか。魔界は魔素もまだまだ多いし、長居はしたくないだろうからな」
「そうですね。移動距離は最短でお願いします」
そんな訳で俺たちは、再び魔界の旅へと繰り出したのだった。

今回の移動距離だと十日もかからないだろう。
海の中を行く事もないから苦労も少ないと思われる。
飛ぶ事も可能だから、ぶっちゃけると今日中にダンジョン探索も終わらせる事が可能かもしれない。
「どうする?じっくり魔界の旅を楽しむか、飛んで行って一気にダンジョン探索に入るか」
「この辺りの魔素も割と濃いですよね。できればさっさと終わらせたいです」
「金魚も旅をするなら普通の太陽の元がいいんだよ」
「わらわもじゃ。人間界を旅したいのじゃ」
そんなわけで俺たちの予定は、飛翔して一気に目的のダンジョンまで行き、十分に休養をとってからダンジョンに入るという流れで行く事が決定した。
俺たちは空へと上がると、かなり速いペースで空を翔けた。
金魚は幽霊モードだと割と速く飛べるから、急ぐ時はこちらの方が良さそうだ。
風の抵抗を受けないっていいよな。
エルや佐天は元々能力が高いし、こりゃ思った以上に早く到着しそうだった。
しかしそうもいかないのが魔界である。
人間界以上に魔物は多い。
当然人間を見れば襲ってくる。
空にいる魔物は強いのも多く、飛行しての戦闘になるので思ったよりも時間を要した。
「ジャバウォックの大群だ!俺たちにとってはそんなに強い魔物でもないが油断はするなよ。数が多い。それとあいつらの持つ『けしにぐの剣』は全部回収するぞ。確か素材がミスリルでオリハルコンも一部使われているという話だ。希少金属は集めておきたい」
けしにぐの剣は、素材は良いがくさなぎの剣よりも劣るとされ、一文字ずつ下げた名前が付けられている。
だから武器としての価値よりも素材としての価値の方が高いのだ。
「油断なんてしませんよ!」
「けしにぐの剣はお宝ですね。カモがネギ|背負《ショ》ってやってきてるんだよ」
「ドラゴンほどではないが、こやつらも並みの魔物ではないんじゃがの。このメンバーだとただの雑魚に見えてしまうの」
確かに雑魚は雑魚だけど、大きさは五メートル以上あるしコレだけ数が多いと怠いな。
千、いや一万は超えてるんじゃないか。
なんでこんなに集まっているのか知らないけれど、弱い敵を数倒すのが一番怠い。
強い敵が一匹だけの方がまだいいよな。
「洋裁。お前も手伝ったらどうだ?」
「ん~‥‥偶には自分を武器として使ってみたらどうだろうか?自分武器っすよ?」
そういえばそうだったな。
俺の理想を詰め込んだ武器を完成させる為に洋裁として蘇生したんだったよ。
「よし!期待通りに頼むぞ!」
「ようやく本来の仕事ができるよ」
俺は洋裁を鞘から抜いた。
一番やりたかったのは‥‥。
「ウェーイブスォード!」
刃の部分が鞭のように自在に形を変え攻撃できる剣。
ファンタジー世界でしかありえないから、是非使ってみたかったものだ。
俺はそれを使ってジャバウォックを斬りまくった。
魔石とけしにぐの剣は自動回収できるようにしてある。
死体と魂は一応三体ほどとっておくか。
後はとにかくウェブスォードを楽しんだ。
ひとしきり楽しんだ後は、別の形態も試した。
ランス、シミター、刀にただの打撃武器まで。
一時間戦った後はもう十分満足した気分だった。
「とりあえず片付きましたね」
「疲れたんだよ。もう当分ジャバウォックは見たくないんだよ」
「こんなに集まる魔物じゃないんじゃがの。魔界中のジャバウォックが集まっていたかのようじゃ」
そうなのか。
それがそんなに集まっているって事は、何かあるんじゃないのか。
ほらまだ敵らしき巨大な魔力が近くに‥‥。
「ってやっぱりまだいるじゃねぇか!」
上空から降りて来たのは、体長百メートルにはなろうかという巨大なドラゴンだった。
「ヴリトラじゃないか」
俺は佐天の声に邪眼で確認した。
「ヴリトラねぇ。伝説の魔獣で、その大きさは地上の魔獣の中では最大級か」
「本当なら単騎で戦いたい所なんですが、今は疲れているのでどなたかにお譲りしますよ」
「金魚も疲れてるんだよ。それにそもそも金魚一人じゃ勝てそうにない相手なんだよ」
流石に一万以上のジャバウォックを相手にした後にこいつはきついか。
「ならばここはわらわの出番かの。そろそろわらわの実力を見せてもいいじゃろ」
「佐天がやるのか。そうだな。悪魔王サタンがどれくらい強いのか見せてくれ」
魔力では環奈やエルよりも圧倒的に上だ。
でも魔力の大きさは戦闘力と完全にイコールではない。
「このヴリトラはあれだけのジャバウォックを従えておったのじゃ。かなり上位の個体と思うが、わらわの敵ではないのじゃ」
「そのままの格好で戦って大丈夫なのか?」
「わらわは人間としてしばらくは生きるのじゃ。元の姿には戻らんぞ」
「武器はどうする?」
「大丈夫じゃ。コレとコレがあるのじゃ」
拳と蹴りねぇ。
それでヴリトラに勝てるのだろうか。
魔力では圧倒的に佐天が上だが、流石にハンデが大きすぎやしないだろうか。
既に一時間たっぷり戦った後だぞ。
しかし戦いが始まると、俺の懸念も一瞬で吹き飛んだ。
佐天が戦う姿は、あの龍が三つの願いを叶えてくれる人気アニメの主人公のような戦いっぷりだった。
流石に佐天はみゆきのように技名をパクって言おうとしたりはしないよな?
頼むぞ。
「カメハメハ大王直伝の必殺パンチを食らうがいい!」
おいおい脅かすなよ。
つかなんで魔界でそんなパンチが伝えられているんだ?
そもそもカメハメハ大王って戦う王様だったっけ?
「わらわに力をー!」
いやいやいや、きわどい、きわどいって。
「|月誅《ゲッチュウ》!」
まさかここで月誅ときましたか。
月に代わってお仕置きですか。
ヤバいって。
まあ月の光は魔物を強くするとか云うから、魔界の者たちにとって月ってのは神みたいなもんなのかね。
頭上から月誅を食らったヴリトラは地上へ向けて落ちて行った。
落ちた時の衝撃は辺り一帯に広がった。
「凄いパワーですね」
「吹き飛ばされちゃうんだよ。幽霊モードで回避するんだよ」
「やはり子供とはいえサタンか。ヴリトラ程度じゃ相手にならないな。つってもクラーケンと同レベルの魔獣なんだけどな」
「どうじゃ!お主たち褒めてもいいのじゃぞ?」
確かに強いが、偉そうにされると否定したくもなるもので。
「おう。すげぇな。ヴリトラを一撃で鎮めるとか」
あどけない幼女の顔を見ていたら否定できませんでした。
おっと魂と死体は回収しておこう。
こんなドラゴン、素材の宝庫だぞ。
「策也と一緒にいるから強さに対する判断がおかしくなっていますが、佐天さんも規格外ですね」
「味方で良かったんだよ。仲良くして欲しいんだよ」
「大丈夫じゃ。わらわは無暗に人を傷つけたりはせんのじゃ。はははは!」
調子に乗り過ぎだが、まあ見た目幼女だから何も言えねぇ。
これがオッサンだったら間違いなくボコボコにしてるな。
とにかく、空の強敵はアッサリと退ける事ができた。
「じゃあそろそろ先へいくぞ。本番はまだまだこれからだからな」
俺がフラグを立てた通り、本番はまだこの先にあるのだった。

ヴリトラを倒した後も、それなりの魔物が数多く襲い掛かって来た。
正直一言でいえば戦うのに疲れた。
もしかしたら空を行ったのは失敗だったかもしれない。
上空の方が強い敵が多いのではないだろうか。
雑魚といってもちゃんと戦わないと駄目な敵ばかりだったからね。
とは言え時間的には当然飛んだ方が速いわけで。
「見えて来たぞ。おそらくあの山の向こう側に入口があるはずだ」
「でもその前に、何やら怪しい気配を感じませんか?」
「感じるのじゃ。これはただ者ではないの」
「こりゃヴリトラなんて相手にならないくらいにヤバそうな気配だな」
流石に魔界だ。
次から次へと強敵が現れる。
「悪魔改め魔人たちはよくもこんな魔界で生活できるな」
「テリトリーが決まっておるからの。安全な場所から出なければ大丈夫じゃ。しかし誰かのテリトリーに入れば、容赦なく襲ってくるのじゃ」
佐天が喋り終わるのと同時に、山の中から強力なビーム魔法が飛んできた。
皆は素早くそれを回避した。
「冗談じゃないんだよ。あんなの食らったらひとたまりもないんだよ」
「これ以上近づくと今の我々では回避が困難です」
エルの言う通り、これだけの距離がある間に攻撃してくれたのは幸いだったな。
「金魚は幽霊モードでいていいぞ。エルは距離をとって安全圏で。俺は近づいてみるが、佐天はどうする?」
「わらわはまだ余裕があるのじゃ。ついていくのじゃ」
「というわけで、とりあえず俺と佐天で行ってみる」
「了解しました」
「分かったんだよ」
しかしあのビーム、環奈のオウムビームよりも圧倒的に力が凝縮されていてヤバい。
多くを倒すならオウムビームの方が効果はあるが、こっちは必殺のビームだ。
まともに食らえば確実に体は貫かれるだろう。
尤も、俺はまともには食らわないけどな。
山へと近づくにつれ、強大な魔力がハッキリ伝わってくる。
この大きさは神クラスに近い。
そしてとにかく禍々しい。
「この気配はヴァンパイアじゃの」
「ヴァンパイアか。魔物の中でも最上位。ポセイドンと同格だが確か不老不死だよな。そして邪悪」
「今のわらわだとちょっと勝てん相手じゃ。策也、お主ならどうじゃ?」
「魔力では俺の方が上だな。少なくとも負ける事はないが、倒せるかはやってみないと分からない」
「金の生る木は諦めるか?」
「冗談。なんとかしてみせるさ」
変化の無敵モードなら負ける事はないだろう。
だったらとりあえずやってみないとね。
「佐天も下がっていてくれ。守ってやる事はできそうにないからな」
「分かったのじゃ」
それにしても本当に次から次へといろんな魔物が出てくるもんだな。
チートとして生まれ変わってきたのに、なんでこんなに必死な戦いを繰り返さにゃならんのだ。
そんな事を考えながらも、俺の顔は少しにやけていた。
そうだよな。
ゲームならこういう戦いこそ楽しいんだよな。
俺は邪悪な気配のする方へと向かって行った。
山の中、その姿はあった。
いかにもヴァンパイアといった感じの男がそこに立っていた。
「いきなり攻撃してくるとはどういう事だ?」
一応対話は試みてみる。
もしかしたら佐天のように話せる奴かもしれないからな。
でも次の瞬間にはその期待は完全に消えていた。
有無を言わさず攻撃してきたのだ。
全くどうして知能が高くても魔物ってヤツは‥‥。
その方が遠慮なく殺れるけどね。
俺はいきなり強力な魔法で攻撃する事にした。
「|終末闇裁判《デスカーニバル》一閃!」
いきなりやっちまったか?
いや、ヴァンパイアの体は落ちて来た槍に貫かれたが、直ぐに再生を始めていた。
流石に不老不死と云われる魔物だ。
最大級魔法でも倒せそうにない。
とはいえ最大級というのは一般的な魔法の中でって意味だからな。
俺にはまだ上があるのだ。
流石に雑魚の魔物を大量に相手した後だし、一気に倒させてもらうぜ。
そう思って魔法を放とうとしたら、いきなりビーム魔法が飛んでくる。
危ないな。
一応無敵モードになっておくか。
俺は水銀オリハルコンモードへと変化した。
「これで無敵同士の対決だぜ!いくぞヴァンパイア!|最強神天照降臨《カワイイハセイギ》!」
ヴァンパイアを結界で包み、その結界が収束してゆく。
全ての肉体を消滅させれば、流石のヴァンパイアも蘇生は不可能だろう。
魔法はしっかりと通用して、魂だけがそこに残された。
「なんだよ。楽勝だったな」
俺は魂を魂ボールに回収し、異次元に収納しようとした。
しかし何故か収納できなかった。
「どういう事だ?」
次の瞬間魂は魂ボールから飛び出し、再び肉体を再構築し始めた。
「そういえば魔石が回収されていないな。こいつ魂だけになっても生きてるっていうのか?倒し方が分からねぇぞ?」
肉体を再構築したヴァンパイアはビーム魔法を放ってくる。
更に今度はその肉体でも攻撃してきた。
クッソつえぇ。
今までは全く本気じゃなかったって事か。
その中で倒せなかったのはマズイか?
しかしお前の攻撃も俺には通用しないんだよ。
「散弾銃!」
俺は体の一部であるオリハルコンの弾丸をヴァンパイアに打ち込んだ。
ついでに水銀もな。
確か銀が弱点だったろ?
水銀が通用するのかどうかは知らないが。
散開する弾によってヴァンパイアの肉体は破裂したが、水銀の効果はやはりなかった。
まあ銀じゃないし、たとえ銀でもこいつは倒せないだろう。
何をどうすればこいつを倒せるのだろうか。
十字架やニンニクは嫌がるだけだし効くとも思えない。
となるとやっぱり最後はアレか。
もう一度魂だけにしないとな。
それにしてもこいつ、言葉くらいは喋れるはずなのにずっと無言だな。
ゾンビかよ。
そういえばヴァンパイアもアンデットの一種だったな。
試してみるか。
「ターンアンデット!」
お決まりの魔法だが、やはり効かないか。
このクラスになると流石にな。
聖水も効きそうにないし。
クッソ、完全に肉弾戦では負けている。
魔力では俺の方が僅かに上なのに。
俺に疲れもあるけど、それでもこいつは強すぎる。
ヴァンパイアの連続攻撃に本来なら魔法を放つ隙もないんだろうな。
でも残念ながら、俺には思考が沢山あるんだよ。
「|最強神天照降臨《カワイイハセイギ》!」
さっきはこれでやれたが今度はどうだ。
ギリギリの所で結界は壊された。
しかしヴァンパイアの体はボロボロ。
追い打ちをかければ‥‥。
いや待てよ。
魔石によって凶暴化した魔物たちは、人間に助けられたり食べ物を与えられたりして穏やかに変わっていく可能性がある。
それを試す絶好の機会ではないだろうか。
俺は咄嗟に回復呪文を放っていた。
「超絶ヒール!」
ヴァンパイアは自己再生に俺の回復呪文も加わって一気に元の姿へと戻った。
さあどうだ?
何か変わってないか?
「どうだ気分は?少しは落ち着いたか?」
「何をした?少し気分がいいぞ‥‥」
おっ!
反応が返ってきた。
しかしやっぱりヴァンパイアは襲い掛かって来た。
全く効果がないわけではなさそうだが、完全に冷静さを取り戻すかどうかは何とも言えない。
それでもやはり魔石の穢れというか凶暴化する効果は、回復系の魔法によって取り除かれている感じがする。
ならばそれを繰り返せば‥‥。
いや、穏やかになったとしても俺が敵と認識されていれば同じじゃないか?
むしろ冷静に戦えるようになって俺にとって不利な状況になる可能性がある。
試すならもっと弱い奴で試したい。
今回は仕方がない。
それに研究チームも作ったんだ。
その辺りはセバスチャンに任せておこう。
そんなわけでそろそろ決めさせてもらうぜ。
俺がずっと温め続けたオリジナル魔法がようやく完成したのだ。
本当は単なる思い付きだが、魔法は想像力以外に思いというものも大きく影響を及ぼす事が分かった。
例えば『|最強神天照降臨《カワイイハセイギ》』は、俺が天照を想う気持ちによって最高の効果を発揮している。
ただの結界収縮魔法が、胸を締め付ける愛おしさによって強化されているのだ。
だったら別のどんな気持ちであっても、思いが強ければきっと魔法の威力に反映されるはず。
この魔法、生まれ変わる前の世界で幸せに暮らしている奴らに届けるぜ。
「いっくぞぉー!リア充|爆発しろ《シネ》!」
別にこの世界が楽しくない訳じゃない。
むしろみゆきに出会えて最高の世界だ。
でもな。
家族を残して死ななければならなかった無念は、やっぱり残っているんだよ。
つか妻がもしかしたら喜んでいるかと思うと無性に腹も立つんだよなぁ。
ヴァンパイアは爆発した。
悪いな。
俺のどす黒い気持ちのはけ口にしちまって。
さて、ぼさっともしていられない。
俺はすぐに魂を捕らえる。
そして妖精霧島を召喚してすぐに魔界の海の落とし穴に瞬間移動すると、人間界の深海へと移動した。
更に瞬間移動魔法により、俺は俺がこの世界で最初に目覚めた場所へと移動した。
この辺りはよく晴れているはずだ。
そして太陽が輝いている時間でもある。
俺が捕らえた魂は既に肉体を再生し始めていたが、太陽の光を浴びると蒸気のようなものが噴出して苦しみ始める。
やっぱりヴァンパイアを倒せるのは、俺が大好きな天照ちゃんしかあるまいて。
ヴァンパイアは体を再生しながらも苦しみ続け、やがて完全に沈黙した所で肉体は蒸気となって消え、そこから真っ赤な魔石が一つ零れ落ちた。
「ふっ‥‥俺と天照の勝利だぜ」
こうしてなんとかヴァンパイアを倒す事ができた。
俺は少しの間この場所で、この世界へ来た時の事を思い出していた。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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