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魔力を取り戻せ!

俺が今頑張れるのは、ただひたすら責任感だ。
国のトップを任された責任感。
国と民を守らなければならない責任感。
神にならなければならない責任感。
神として世界を任される責任感。
でも本当は、ただみゆきとゆったりたっぷりのんびりと暮らしたいだけなんだよ。
その為には俺の責任を果たす事が必要な訳で。
その為に俺は今、命がけの試練に向かって行くのだった。

ヤバい奴と出会ってしまった。
いや、きっといるだろうと思っていたけれど、温泉の効力の事ですっかりと忘れていた。
それにまさか温泉に現れるとは思っていなかった。
「おいお主、私は誰じゃと聞いておるんじゃがの?」
「あんたの風呂だったのか。勝手に入ったのはすまなかった。だが、名前を尋ねるならまずは自分から名乗るのが礼儀じゃないのか?」
うおぉー!俺は一体何を言っているんだ?
このクソヤバい状況でも礼儀を説くとか、俺の日本人スキルやべぇ!
日本人は礼を重んじるからしゃーなしだけどさ。
多分頭を下げる『礼』を世界一やるのは日本人なのだ。
って今はどうでもいい話じゃないか。
動揺していて頭がパニクっているよ。
「ほほほ!それは失礼したの。私は|禍津日神《マガツヒノカミ》と申す者じゃ。してお主は誰なんじゃ?」
ん?割と普通に話せる奴なのか?
暗黒界って言っても、実はまともな奴も結構いるのかもしれない。
禍津日神って悪神の中でも飛び抜けてヤバくて、悪神とは別に呼ばれるくらいの奴なんだよな。
悪神とはそもそも『悪』だから悪神だ。
ただし禍津日神は少し『悪』の意味が違うと言われている。
日本では元々『|剽悍《ヒョウカン》』だったり『勇猛』だったり、『強力』だったり『突出している』という意味で使われてもいた。
ちなみに剽悍とは、素早く荒々しく強い事ね。
この禍津日神はそういう意味での『悪神』なんだ。
そう言われればそう感じられなくもないか。
「俺は此花策也。人間界の次期神候補らしい」
そんな事を話す必要もないかもだけれど、ただの雑魚キャラと思われるのも嫌なのでついつい言ってしまった。
「おお!お主が策也か。暗黒神がその内こちらにも来るだろうと言っておった奴じゃの」
「えっ?暗黒神がそんな事言ってたの?」
暗黒神と禍津日神は接点があるのかよ。
まあ同じ世界に住んでいる訳だから、顔を合わす事もあるのかも知れないけどさ。
でも裏表別の世界に住んでるみたいだし、繋がりが有るとは想像もしていなかった。
「確かに言っておったぞ。それでお主、その血の池地獄風呂に入ったみたいじゃの」
そんなヤバそうな名前の風呂だったのかよ。
看板くらい付けておいてくれれば、きっとその名前を見て入らなかっただろうに。
「それは悪かった。なんとなく気持ち良さそうだったからさ」
「ほほほ!その風呂が気持ち良さそうに見えたか。それは面白いな。暗黒神の言う通りの輩のようじゃの」
暗黒神の奴、どんな風に俺の事を伝えているんだ?
そんなに変な風に思われるような事はしていないと思うが。
つかそんな事はどうでもいいな。
「それでこの風呂はなんなんだ?魔力が圧縮されてメチャメチャ減ったみたいなんだが?」
「おお!それが分かるのか。流石じゃの。この血の池地獄は私の魔力を抑える為のものじゃからの」
やっぱり魔力を抑える為の温泉なのか。
そこまでやらないと駄目なくらい、この禍津日神は強いって事だよな。
「つまり俺は弱くなったって事か」
「そうでもないぞ?先ほど魔法を放って実感したんじゃろ?私はこの温泉に毎日入っておるが、別に弱くはなっておらんしな」
そう言えばそうか。
この禍津日神は、おそらく完全に魔力をコントロールできるんだ。
ならば俺にだってできるはず。
根拠は何もないけどさ。
「魔力コントロールができるって事だよな」
「それもあるがの。おお!丁度あそこに|四凶《シキョウ》と呼ばれる悪神がお前さんを食おうと寄ってきておるぞ。アレと戦ってみたら色々分かるじゃろう」
げっ!マジかよ。
この魔力がヤバい時に悪神四体だと?
しかも四凶と言えばそこそこ名前の知られた奴らだ。
普段の俺なら楽勝だったかもしれないけれど、今の俺に倒せる相手には思えないんだが。
一体なら全力でぶっ殺して終わりなんだけどさ。
それで魔力を失くして俺が終わっちゃうよ。
四凶の悪神『|渾敦《コントン》』『|饕餮《トウテツ》』『|窮奇《キュウキ》』『|檮杌《トウゴツ》』がゆっくりと近づいてくる。
見た目はどいつもヘンテコリンで説明が難しい。
ブタに小さな羽が生えてたり、羊のようで目が脇の辺りにあったり、デブ虎に羽があったり、顔は人なのに牙があったり無茶苦茶だ。
とにかくキショイ奴らが殺気を放って更に近づいてきた。
こりゃやるしかなさそうだな。
俺の能力が使えなくなった訳じゃない。
魔力を使用できるように仕様変更して威力を高めてきたものは元の威力へと落ちるけれど、それを使えばなんとか戦えるだろう。
まずはウェンディゴの能力で相手に捕まらなければオッケーだ。
「ほう。かなりの移動スピードじゃの。でも四凶相手だと何処まで通用するかの」
なんだと!?
俺の動きが読まれているように感じる。
それでも俺は未来の先読みで回避できているが、これではいつまでも逃げている訳にはいかない。
「とりあえず魔法で攻撃してみるのじゃ」
マジかよ、簡単に言ってくれるな。
「レッドブルーライトニング!グハッ!」
俺の生命エネルギーのみだと威力も落ちるし、やっぱり魔力を追加したら結構持って行かれた。
でも、四凶の内の窮奇が一瞬にしてご臨終あそばされました。
「凄い威力じゃろ。それにさっき使っていた魔法よりも強い魔法なのに、魔力が残っているのではないか?」
あれ?そう言われればそうだな。
こんな魔法に魔力を使ったら、完全に気絶コースかと思っていた。
もちろん気絶した所で妖凛たちが助けてくれると信じているから、俺は魔力を乗せてみた訳だが‥‥。
「どういう事だ?魔力コントロールができていたとは思えないんだが?」
「さあどういう訳じゃろうの。もう一度試してみたらどうじゃ?ちゃんとした魔法での」
教えてくれるつもりは無しか。
ならばやってやろうじゃねぇか。
いつも通り、一応魔力コントロールは最大限やるとして、最強魔法でイテコマシてやる!
「ロイガーツアール!グハッ!」
やっぱヤベェよ魔法を使うのはよ‥‥。
あれ?でも気絶してないな。
それに体も普通に動くぞ?
今度は饕餮を瞬殺していた。
「どうじゃ?何か分かったかの?」
何かねぇ‥‥。
分かったような分からないような。
少なくともさっきファイヤーボールを放っていた時とは何かが違う。
なんというか、例えば魔力を縦の棒グラフで表したとしよう。
メモリがゼロから百まであったとして、魔法を使うとほぼ百持って行かれるわけだ。
それはさっきのファイヤーボールも今のロイガーツアールも変わらない。
でもファイヤーボールだとそのまま棒グラフがほぼゼロになるのに対し、ロイガーツアールはほぼ百が残ったままグラフが細くなったといった感じか。
いや正確には、棒グラフの棒が一瞬太くなっている、つまり魔力が増えているのに等しい感覚があった。
さっきと今で違う事があるとすれば、敵の存在があったかなかったか。
「もしかして敵がいると魔力が増えるのか?」
「ほう。なかなかいい線いっとるのじゃ。でも魔力が増えておるのではないぞ。それに敵の存在とは少し違うのじゃ」
分からないな。
でも分かっているのは、少なくともこの戦いにおいてはそう判断して戦っても大丈夫だという事だ。
ならば瞬殺してやろう。
「アエーシュマの血塗られた剣!あーんど!ベルフェゴールの裂く力、|霧咲《キリサキ》!」
どちらも魔力変換した瞬殺クラスだぜ!
残る渾敦と檮杌も一瞬にして葬り去った。
「グホッ!」
やっぱり反動はあるな。
でも特に辛くはないんだよね。
これは俺の超絶回復力だけでは説明できない。
何故か一瞬で魔力が回復しているような感覚。
いやどちらかと言うと使用する瞬間に魔力が増えているような。
そしてその後回復するようなそんな感じか。
「もしかして魔法対象が何か関係あるのか?」
「その通りじゃの。それは私の能力で『厄除け』と言うのじゃ。自分に厄災をもたらす者や悪に対して一時的に魔力容量が増えるのじゃ。それだけ言えば分かるかの?」
魔力容量が増えていたのか。
魔力容量が増えれば、圧縮されていた魔力が一瞬広がるから今まで通り‥‥とはいかなくても、魔力使用量が抑えられる事になる。
しかし容量はすぐに元に戻るから、一瞬にして魔力が戻る訳か。
縦の棒グラフで例えると、一瞬横に大きく太くなる。
魔法の使用で元の棒グラフ部分が全て空になるから、一瞬魔力が空になったような感覚を味わう反動が来る。
でも再び魔力容量が元に戻ってその場所を魔力が埋めるから気絶したりはしない。
「だいたい分かったけど、どうして俺はあんたの能力が使えてるんだ?」
「それは血の池地獄風呂に入ったからじゃ。赤い色は私の力そのものじゃからの」
「それじゃもしかして、俺の能力もあそこにしみ出してたりするのか?」
禍津日神は毎日この風呂に入っているのだろう。
それで風呂が赤くなるまで能力を絞り出していた訳だ。
ならば俺の能力も此処にしみ出している可能性があるんじゃないだろうか。
「そうじゃの。ゼロとは言わん。ただ私がどれだけこの風呂にはいっておると思うておる?一時間やそこらではほとんど染み出したりはせんて」
「そっか」
俺は結構色々な能力を得てきたからな。
これを誰か悪い奴にコピーされでもしたらと心配だったが、問題はなさそうか。
それにしても戦闘後に感じるんだけれど、極僅かだけれど魔力が増えているような気がする。
いや正確には、俺の魔力容量が増えているんだ。
最初は硬い風船が、大きくしたり小さくしたりを繰り返すと徐々に大きくなるように、俺の魔力容量も増えているといった感じかな。
ならばやるべき事は一つだろう。
魔力コントロールを高めつつより多くの敵を倒す事。
これで元の魔力容量まで戻れば、おそらく以前よりも強くなれる。
更にそれ以上の魔力容量になれば、俺は格段に強くなれるだろう。
あの威力の上がったファイヤーボールは確かに大きなものだった。
でもほぼ全魔力を注ぎ込んだ割には威力が圧倒的に小さかった。
ドリアードの効果で身を削られた今でも、俺の全魔力なら町をいくつも消滅させるくらいの威力にはなるはずなのだ。
つまり魔力の濃さは大して威力に影響しないって事。
もしかしたら全く影響がないかもしれない。
つまり無理にでも俺の魔力容量を増やして薄い魔力を作り出せたら、俺はその分強くなれるって事になる。
まああくまで俺の勝手な想像だけどね。
『明日伸びんがために、今日は縮むのであります!』
案外本当だったな。
俺は少し笑えた。
「どうじゃ?単純に弱くなった訳でもなかったじゃろ?」
「そうだな。しばらくは普通の魔法が使い辛いけどな」
「しばらくは‥‥か?」
「そうだ。しばらくは、だ。だからもう少し風呂を使わせてもらってもいいか?俺は強くならなくちゃならないんだ」
「かまわんのじゃ。せいぜい励むがよかろう」
よし!
今日はできるだけ風呂に入って、魔力容量を減らせるだけ減らしてやる。
魔力を圧縮しまくるのだ。
そうした方が膨張する力も強くなるだろう。
魔力の器も硬くなってしまうだろうけどな。
そして徹底的に戦闘を繰り返せば、きっと強くなれる。
俺はこの日帰る時間まで、ずっと血の池地獄風呂に浸かり続けるのだった。

次の日から俺は、四阿会議に出ている時間以外は魔界で魔物退治をし続けていた。
とにかく数戦うのだ。
魔力の器を大きくしたり小さくしたりをとにかく繰り返す。
何千回何万回何十万回と行えば、きっと俺は元よりも強くなれるだろう。
更に魔力コントロールのスキルも同時に向上させるのだ。
俺はとにかく戦いまくった。
妖凛や少女隊には、もしも俺がぶっ倒れるような事があれば、影に運び入れてくれと頼んである。
俺は安心して全力戦闘を限界まで続けられた。
こうして三日が経った。
思った以上に魔力の器は大きくなり始めていた。
そんな日の朝の四阿会議前、嫌なニュースというか有栖川旧神の発信する声明を見る事となった。
「策也さん!大変なんだよ!有栖川旧神が声明を発表したんだよ!」
金魚よ、別に声明を発表した事は問題ないんだよ。
大変だと言うのなら、その大変な問題を伝えてくれると助かるぞ。
まあでも俺は何も言わずに映像を表示するんだけどね。
それで金魚が俺の左側の席に座って、何も言わず映像が映し出されるのを待つんだよな。
その間に話してくれてもいいんだけどさ。
これから大好きなテレビ番組が始まるのを待つ子供のようだからなんも言えねぇ。
『有栖川旧神だ。我が有栖川領内にも、ようやく食料が行き渡るようになってきた。それには感謝したい。しかしそもそもこれだけの食料を持っているにも関わらず、此花が今まで出さなかったのは何故だろうか?わざと混乱させようという意図はなかったのだろうか?おかげで我が領民には多くの犠牲が出た。食料不足で餓死する者、盗賊となって捕まったり殺された者、今もまだ盗賊を続ける者。此花に問いたい!何故これだけ被害が広がるまで食料を出さなかったのか?!その説明を俺は求める!』
金魚が俺の顔を見てきた。
『ほらほら大変でしょ?褒めて褒めて』みたいな顔をしている。
此処で餌を与えれば、尻尾を振って喜びそうだ。
どうやら金魚はこのキャラが『甚く気に入った』ようだな。
いやむしろ『痛く気に入った』と言った方が正しいかもしれない。
「金魚、早く知らせてくれてありがとうな」
「いいんだよ!一族みんな助けてもらって感謝しているんだよ」
なるほど。
今日は特に嬉しそうだと思ったらそういう事か。
兎束ファミリー亡命後、初の『大変報告』だったもんな。
よしよし。
俺は頭をなでてねぎらってやった。
金魚は満面の笑みだった。
さてしかしこの声明はこりゃまた面倒だよな。
下手に本当の事を言ったら、千えるのように勘の鋭い奴は今の俺の状況を見抜いてくるだろう。
かといってダンマリしていたら世界中から責められかねない。
別にしれっと最近収獲できたからとかなんとか言えばいいかもしれないが、それが嘘だと分かる奴には分かるだろう。
諜報員なんて何処の国も持っているのだし、伊集院なんかは完全に近い情報量を持っているはずだ。
もしかしたら砂漠で収獲していた所を誰かに見られている可能性だってある。
魔界での栽培だって日置には話してあるのだから、伊集院だって知っていてもおかしくない。
「策也おはようなのだ!旧神が声明を出しているのだ」
七魅がやってきた。
「今見ていた所だ。どうすっかねぇ」
続いて続々とみんながやってくる。
「おはよう!金魚さんも来てるみたいだし、もう声明は見たわね」
「おはようございます」
「リン、総司、千える、おはよう」
「おはようございます。それで策也さん。どう対応するおつもりですか?」
「どうって、そのまま話すしかないわよね?」
「そうだな」
そのまま話すのはマズいかもなんだよリン。
あーどうしよう。
「それで洋裁は今日も寝坊か?」
「たぶんそうなんだよ。子供たちが起こしても起きないんだよ」
金魚の所には二人の子供がいる。
十一歳と十歳の年子で、毎日ナンデスカの町の学園に通っていた。
四阿会議が終わった後に出かけるので、最近は全く会ってはいない。
「洋裁は元々ナイフだったし、ずっとグータラするのが夢だったからいいだろう。いざって時にはちゃんと誰かを守る為に犠牲になってくれるさ」
嫌な役回りだけど、今まで結構それで助けられているんだよな。
魔王討伐の時も、バクゥ討伐の時も‥‥
「じゃあ始めるぞ!今日の報告からよろしく」
こうして四阿会議は始まった。
報告はほとんど何時もと変わらずだった。
有栖川領から来る盗賊紛いの者は、ほぼ討伐や捕縛が完了したとリンは言っていた。
つまり有栖川は、盗賊紛いな奴らを追い出して十分に食料を確保してから因縁をつけてきた訳か。
全く面倒な相手だよ。
でも外交なんてきっとそんなもんなんだよな。
あーくっそ面倒。
でも何かしら声明を出さないと悪者扱いされちゃうんだよ。
「そんな訳で、まずは此処で一つ重大発表をします!」
「何よ改まって?」
「‥‥」
千えるは察したようだな。
七魅も分かっているとは思うけど。
「えっと、ドリアードの能力で作物を大量に作った事を正直に発表しようと思うが、その前にその事でみんなに伝えておきたい。実はこの能力使うと魔力が落ちるというデメリットがあってな。俺の力は半減どころか一割以下まで減少してしまったんだ」
「‥‥」
一瞬みな声も出ないようだった。
千えると七魅はほぼ完全に知っていたようだけど。
「まあ何かあるとは思っていたわよ」
「そうですね。あれだけの力、代償が無い訳がないですよ」
「みんな落ち着き過ぎなんだよ。策也さんが弱くなったら大変なんだよ」
気が付いていなかったのは金魚だけだったか。
リンも総司もなんだかんだ頭いいもんなぁ。
「でも安心してくれ。色々と対処してだいたい元に戻ってきたから」
「そうなんですか?本当に本当ですか?」
千えるは疑り深いなぁ。
でもまあ心配してもらえているのは素直に喜んでおこう。
「ああそれは本当だ。ここの所ずっとその為に頑張っていたんだ」
そうは言っても、まだ完全に同じくらいやれる訳じゃない。
戦闘はともかく、他の事はまだまだしんどいし、戦闘だって今まで通り計算して戦える余裕はない。
「ならいいですか‥‥」
「大丈夫なのだ。策也の魔力の状況があたしにはなんとなく分かるのだ」
「マジか?!」
「マジなのだ」
おいおい、なんだかこの所急に七魅が大人になったような感じがするよ。
いや実際に見た目はかなり成長したんだけどさ。
悟りを開いたっていうか、なんというか。
九頭竜のヒュドラたちが殺されてからだろうか。
或いはファフニールを倒してからだろうか。
ドラゴン族の固有名を持っていて、唯一生きている辺り関係しているのかな。
「そういう訳だ。だからもう問題は何もない。正直に全て話して有栖川の誤解を解く事にする」
こうして俺はその場で声明をネットに上げた。

「ところで金魚はもう豊来に会ってきたのか?」
「これから会いに行くんだよ。正直会うのは嫌なんだよ。でも会いたい気持ちもあるんだよ。難しい年ごろなんだよ」
年頃って年でもない気がするんだけどな。
実年齢は三十四歳だろうに。
見た目は二十四で止まってるけどさ。
まあでも久しぶりに会うのってちょっとドキドキするよね。
そして会わなければ更に会いづらくなったり。
だからこうして会おうと決められたのは良かったと思うよ。
四阿会議の後、最後まで残っていた金魚を見送ってから、俺は今日も魔界に修行へと出かけるのだった。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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