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此花策也王の誕生

戦争は駄目だ。
だからたとえ相手が攻めてきたとしても戦ってはいけない。
なんて言う人もいるけれど、その方が結果良くなるのならそれでもいいさ。
でも戦った方がいいなら戦うだろ。
そして概ね戦わないと不幸になる。
だって戦わなければ殺されるだけだからさ。

伊集院の運河掘り掘り作業は、困難を極めていた。
連日邪魔が入るからだ。
最初は俺も伊集院を助けてやろうかと思っていたんだけれど、どうやらここに運河ができて困る国は有栖川以外にも複数あって、妨害する人数もドンドン増えていく訳で。
中央大陸にある国で港町を有する国は、早乙女、九頭竜、近衛、此花、東雲、西園寺、そして西郷。
このうち運河が出来て東西航路に変更が出そうなのが、近衛、此花、東雲の三国。
いずれも東へ行く船が減って西に向かう事になる。
その影響で損をする国が、碓氷、早乙女、九頭竜、皇、近衛や此花も若干マイナスになると見られる。
皇や此花に損失が出るのに、俺が伊集院を助けるのもアレだよなぁ。
それに妨害が増えると、今度は伊集院もちゃんと増員する訳で。
そんな感じで運河造りによる戦いは徐々に大きくなってゆく。
争いが大きくなってくると、またそこで得られる情報も増えて来る訳で。
そうなると俺は、とりあえず増える所まで見守るしかなかった。
伊集院は特に悪い事をしている訳ではない。
むしろ長期的に見たら良いと思う。
自由競争で良い物だけが残り、変な所で取られる金が減る訳だしね。
きっと転生前の世界で政治家をやっていた人は、こういう悩みに常にぶち当たっていたんだろうな。
それで結局目先の利益ばかり追うしかなくて、徐々に国は衰退していゆく。
企業の多くも同じか。
今日の売り上げばかり追い求め、五年後十年後を考えない経営って結構あったよな。
此処は伊集院を助けるべきだと思っていながら、俺はただ情報収集だけをやっていた。
三月に入ったこの日も同じだった。
俺は伊集院側の勢力と、邪魔をする勢力の争いを見ていた。
「結構強いのも出てきたよな。神クラスとまではいかないまでも、町ひとつくらいフッ飛ばせそうな奴までいる」
「アレは空の疾風の人なのね」
「違うのです。陸の竜巻なのです」
「どっちも違うだろ。アレは伊集院側の戦士じゃないぞ」
「知っててボケたのね」
「マジツッコミはしらけるのです」
こいつら‥‥。
「うがぁー!」
俺はまた暴力に訴え、影の中で梅影姉妹にプロレス技をかけるのだった。
俺たちがじゃれ合ってる間に伊集院側が押され始めた。
伊集院のこの民間軍事連合が押されるとは、敵はかなり強いと言えるだろう。
有栖川か碓氷か、それともまた別の勢力なのかは分からないが、とにかくレベルが高かった。
残念だけど、このままだと伊集院は予定通り完成させるどころか、未来永劫完成させられないかもしれない。
所詮は俺も目先のしがらみから抜け出せない情けない男だったようだ。
俺がそんな事を思ったその時、新たな勢力が現れた。
どうやら伊集院側に味方するようだが‥‥。
「おいおいミケコ、マジかよ‥‥」
俺は驚きと不安とほんのチョッピリの怒りも覚えたが、それ以上に嬉しさがこみあげてきた。
「我々謎乃王国は、海の嵐への恩に報いる為にやってきました!助太刀いたします!」
「かたじけない!」
なんか笑っちゃうなもう。
俺が必死に苦しみ悩んでいたのが馬鹿みたいだ。
汽車も一緒に来てるぞ。
一応約束通り日の丸ハチマキと黒のアイマスクは付けているようだが、戦わせて大丈夫なのか?
ちなみにアイマスクを付けさせているのは、碓氷にバレないようにだ。
バレたら多分連れ戻しに来るか、或いは処分しようとやってくると思うからさ‥‥。
「弟よ!無理な時は姉が必ず助けてやる!殺さない程度に痛めつけて上げなさい!」
「はい!姉上!」
なんか汽車がメチャメチャ生き生きと戦っているんですが。
俺に捕らえられた時とは雲泥の差だよ。
今の方が圧倒的に強いだろ。
それに能力は、転生してきた時の俺とほとんど同じだ。
不老不死関係の魔法と変化ができないだけのチート能力者。
魔力はおそらくうららに近い神クラス。
スペックだけならほぼあの時の俺を上回っている。
「木花咲耶が生きていたのか?」
「誰の事だ?!僕は謎乃汽車だ!」
おうおう完全に名乗ってるし。
でもなんか眩しいなぁ。
これが名前を背負って行動している奴のオーラか!
「策也タマは全く情けないですねぇ」
「そうなのね。本当は一緒に戦いたいのね」
「その通り、本当に情けないよ。でも代わりにミケコが戦ってくれているからさ」
正直、この行いが絶対に正しいなんて俺には言えない。
でも俺はこの件に関しては、これで良かったのだと心底思えてならなかった。
痛めつけられた敵が、一人、また一人と撤退を開始した。
ここまでずっと撤退してきたのは伊集院側だったが、初めて伊集院側が勝利したと言えるだろう。
そうさせたのは、まぎれもなくミケコたちだった。
『ミケコ、よくやった』
『兄上様!見ておられたのですね!感激です!』
『汽車にも良い戦いだったと言っておいてくれ』
『分かりました。弟には兄上様が褒めていたとお伝えしておきます!』
『よろしく。じゃあなミケコ、ありがとう』
なんかスッキリしたな。
でもきっと明日‥‥。
「策也!ミケコちゃん何してくれちゃってるのよ!」
俺が庭でゆっくりとしている所に、やってきたのは予想通りの人だった。
やっぱり来たよ。
「ん?リンか。まあ確かに伊集院航路が完成したら、此花にも多少損失は出るだろうな」
「だったら止めてよね」
「でも、別に伊集院は悪い事をしている訳じゃない。それに世界の未来には航路はあった方がいいだろ?」
「もしかしたらそうかもしれないけどさ‥‥」
「それに此花で出る損失程度は、謎乃王国ができた事で得られた利益でペイできるだろ?許してやってくれよ」
「そう言われればそうなんだけどね、ミケコちゃんがこれからどう見られるかが心配なのよ」
「俺は今回の件でさ、世界中で唯一正義の為に動いたのがミケコだったと思ってるんだ。伊集院は好きじゃないけど、悪い事をしてないのに皆で責めるのも違うと思うんだよ」
昔こういうの経験した事があるんだよな。
俺はある飲食店で働いていたんだ。
駅の出口近くでさ、凄く忙しい店だった。
でもある時、利用客が多すぎて危険だからって事で出口が別にも作られたんだ。
そしたら店の売り上げは半分近くにまで落ち込んだ。
店としては文句も言いたくなるけれど、この町で暮らし駅を利用する人にとっては良かったんだよね。
伊集院航路の事は、あの時と凄く重なって見えるんだよな。
結果的には、多くの人にとって出口を作った事は正しかったんだ。
「それでも何か手を打たないと、ミケコちゃんのネット上の評判が悪いわよ」
リンに見せられた映像には、確かにそんなコメントが並んでいた。
『謎乃王国にはがっかりだな。伊集院に味方するとかないわ』
『これから面白くなる所だったのにな』
『でも伊集院は王子の離反で現在の有識者ランキングは二位に落ちたんだろ?敵が一位になった有栖川だとしたら良かったんじゃね?』
『両方で潰し合ってくれた方がいいだろ?』
『おいお前ら、あまりハッキリ言うと友愛されるぞ』
『そういえば友愛倶楽部は解散したらしいな』
『友愛倶楽部が友愛されるとか、ちょっと笑ったよ』
『それなんだけどさ、その友愛倶楽部の解散に此花策也がかかわっていたって話があるらしいぜ』
『此花策也はなんだかんだ話のネタになる所に登場してくる』
『昨日の戦いに謎乃汽車が登場してたけど、付けてたマスクは浦野策也が付けていたモノと同じだってさ』
『浦野策也って木花咲耶と同一人物だろ?だったらやっぱり‥‥』
途中から話が俺の方に振られているんだが。
つか素人でもちゃんと調べてる奴は調べてるんだな。
ネット民って転生前でもこの世界でも恐ろしい。
「ミケコが少し叩かれそうな気配がある事は理解したよ。だったらソロソロ俺もハッキリするかな」
「ハッキリするって?」
「ミケコにだけ背負わせないって事だ」
単純にミケコたちが格好いいと思っちゃったんだよな。
そして俺はヘタレで情けないってね。
だからせめてこれくらいはしてもいいだろう。
俺はマイホームに戻ると、マイチューブ生放送の準備をした。
そして俺は、此花策也としてミケコを守るのだ。
「此花策也です。なんか昨日の件で俺の妹分であるミケコが色々と言われているみたいだが‥‥昨日の件に関しては、俺は全面的にミケコを支持している!そしてもしも叩かれるような事があればミケコを守るつもりだ!もしもミケコや謎乃王国に何かしようと考えている奴がいたら、俺がぶっ飛ばすから覚悟しておけよ!」
なんか気持ちだけで言ってしまった。
こんなんでいいんだろうか。
「伊集院は別に世界ルールに違反もしてないだろ?それに新しい航路ができれば便利になるじゃないか。確かに我が此花も多少損失は出るけどな、将来的には世界にとってプラスだろ?伊集院?俺も好きじゃないよ。でも今回は伊集院に味方するわ。俺はミケコの味方だからな」
俺がこんな事を言ったくらいで世界に影響があるのかどうかは疑問だ。
注意人物程度にしか思われていない訳だし。
こんな事をするのはただの自己満足でしかないのだろうけれど、言ったら割とスッキリしたよ。
俺が言った横に、みゆきがやってきた。
「おい、これ生放送で配信されてるんだぞ?」
「いいのいいの!わたしは策也の嫁のみゆきだよ!もしも策也やミケちゃんに何かする人がいたら、わたしがぶっ飛ばすぞぉ!こう見えて強いから覚悟しておいてね!」
「みゆき‥‥」
やっぱりみゆきだわ。
感動したぞ俺!
俺の嫁最高!
「つーわけで、これ以上伊集院運河の建設を邪魔するのはやめてくれ。来たら友愛しちゃうぞ!以上だ!」
俺はそう言って生放送を止めた。
「みゆき、良かったのか?」
みゆきの事は、魔王討伐の時からなるべく目立たないようにしてきた。
その甲斐あって話題にされる事はほとんどなかった。
かなり蘇生したりしてきたから、知ってる人は知ってるんだけどさ。
でもこうして俺の嫁として出てしまったら、何かに巻き込まれる可能性も出てくるだろう。
まあここで暮らしているわけだし、魔力は俺よりも上だから多分なんとかなるんだろうけれどさ。
「大丈夫だよ!これでわたしたち世界公認の夫婦になっちゃったね!」
世界公認の夫婦か‥‥。
なんか凄いぞ!
やっぱり俺の嫁最高!
少しの間俺たちはチョッピリイチャイチャするのだった。

さてしかし、こういった宣言をしたら、当然何処かに影響が出るもので。
「俺一応此花の王族だったな」
リンは王様から呼び出しを食らったようだ。
リンは俺の保護者かよ。
こりゃ、俺とみゆきは此花から追い出されるかもしれないな。
別に何かが変わる訳でもないしいいけどさ。
そんな覚悟をしていたのだが、下された判断は俺の想像を超えるものだった。
「あんた、自分のやった事に責任をもちなさいよね。お父さんはあんたに此花を譲るって言い出したわ。まあ私がそれしかないって言ったんだけどね」
「ちょっ!ちょっと待て!俺が王様になりたくないのは知ってるよな?第二王国だって神武国に預けたんだぞ?」
「そうね。だったら此花も神武国に預けてもいいわよ。お父さんはあんたに譲ると決定したわけだし、その後の事はあんたが決めればいいわ」
おいおいおいおいおい!
どうなってるの?
中村江里ピー状態って奴か?
「それで策也と二人で話がしたいらしいわよ。私は伝えたからね!」
リンはそう言って俺の前から去って行った。
はぁ‥‥王様かよ。
せっかく此処まで影の支配者風に頑張ってきたのに。
多分禰子なんかは『お兄ちゃん。年貢の納め時だね!おめでとう!』とか言うんだろうなぁ。
まあでもこれも此花策也という名前を背負った責任って奴なのかな。
仕方ない、会いに行くか。
なんとか王様だけは回避する方向で。
俺は此花の王都であるシタッケネの町へと飛んだ。
ところで王様に会うには何処からどうやって屋敷に入ればいいんだっけか。
何時も忍び込んでる感じだから普通が分からなくなってるぞ。
とりえず柵門の前に立っている門番に話しかけた。
「此花策也だけど、王様に呼ばれたから来たんだけどさ、どうしたら会える?」
「あっ、策也様ですね。来たら通すよう言われておりますので、そのまま好きにお入りください」
「そう?じゃあ遠慮なく」
俺は普通に屋敷の庭へと入っていった。
次は屋敷の入り口。
「此花策也だけど‥‥」
「どうぞ。ご自由にお入りください」
なんか軽いな。
少し印象と違う感じだ。
まるで実家に帰って来てきたようだ。
自分の家じゃないから少し入りにくい自分の家って感じ。
でも普通に入るんだけどね。
俺はドンドンと屋敷の中を歩いていった。
歩いて行くと、俺を見つけてびっくりした表情をするメイドが何人かいた。
俺はそのメイドたちに促されるままに、王様のいる部屋の前まで連れてこられた。
俺は軽くノックしてから部屋にはいった。
そこは応接室のようで、王様が既に座って待っていた。
いかにも王様って感じで、みんなが想像する通りの見た目だ。
まるで俺が来る事が分かっていたようだな。
まあリンなら俺の行動くらい予想できるか。
「策也くん、来てくれたか」
「ああ」
俺は部屋に入ってとりあえず王様の向かいの椅子に座った。
「いやぁ~なかなか面白い事をするね策也くん。正直おいちゃん驚いちゃったよ」
えっ?こんなキャラなの?
「もうね、正直おいちゃんにはどうする事もできないから、策也くん、後は任せていいかな?」
「それは悪かったけどさ、そんなに軽く王座を譲っていいの?あんた息子が三人いるだろ?」
「あいつらダメダメ。麟堂が魔王の討伐してからすっかり自信を失くしちゃってさ。みんなやる気ないの」
確かにリンはよくやったし英雄にされたもんな。
それ以上じゃないと次の王は大変かもしれない。
「俺、此花の男系じゃないぞ?完全に部外者でただ苗字貰っただけだぞ?」
「別に養子でも構わないし、気にしない気にしない。それに策也くんはテイムの魔法使えるでしょ?うちはそれだけで十分だから」
マジかよ。
「でも俺正直忙しいから、内政は全部今まで通りまかせるぞ?」
「そんなに忙しいのかい?」
「そりゃ‥‥」
グータラしているけれど、他にも国とか秘密組織とか色々持ってるからな。
「リンからは何か聞いてないのか?」
「いや?とりあえず君に任せるのが一番良いと言っていただけだ。それに此花には信頼する予言教団ってのがあってね」
「予言教団?」
「その話はあとで|難波津今春《ナニワズイマハル》に聞いてくれ。そんな訳でさ、王様よろしくね!」
王様がそう言うと、奥の部屋から男が一人入ってきた。
難波津冬籠にそっくりだな。
こりゃ確かに同じ一族だわ。
「じゃあ今春、詳しい話は君から伝えてあげてくれ」
「かしこまりました」
「じゃあね策也くん。今から君が王様だ!困った事があったらできる範囲で協力するから、その今春に話しておいてね!」
「ちょっ!今からって、王位継承の儀式とかそういうのないの?」
「それは今春に聞けば分かるよ」
「というわけで此処からは私が話をさせていただきます」
「お、おう」
なんだなんだ?
急に雰囲気が変わったぞ?
「まずは何処から話をしましょうか」
「とりあえず今言った、儀式とかしなくていいのかって疑問から頼む」
「かしこまりました。儀式は不要です。此花の継承は私たち難波津家に話が通った時点で完了する事になっています」
「つまりもう俺が王様だと?」
「はい。その通りです」
皇は三種の神器を継承するけれど、此花はこの人達を継承して王族になるって感じなのだろうか。
「じゃあ次は‥‥予言教団だっけ?」
「その話は長くなるので、後でまとめて話してください」
えっ?それ日本語おかしくね?
そんな訳で今春の話をまとめて簡単に話すと、此花と四十八願は皇の家系なんだそうな。
ある時皇に三つ子が生まれた。
男子二人に女子が一人。
当然女子だけは捨てられる訳だが、二人の男子の内一人が妹を助ける為に一緒に家を出たらしい。
自ら妹を助けられないその男の子は、予言の魔法によって助けられる方法を知り、それを実行して赤の他人に助けさせた。
この時残ったのが男子の家系が皇、助けた男子の家系が此花、女子の家系が四十八願となった。
元々皇には完全に未来を見通し対応する力があったが、この時から能力は三分割されたそうだ。
皇の占い、此花に伝わる予言の魔法、そして四十八願の危機回避。
四十八願はこの能力を受け継ぐ為に女系の王族であるとの事だった。
そして此花は、どこかで難波津との主従関係が逆転し今に至るらしい。
つまり本当の王族は難波津家だという事だ。
或いは予言の魔法を難波津に預けたという話もあるので、ハッキリとした事は分からないとか。
ほぼ此花はお飾り的な王族であり、実務はほとんど難波津家がやっているのだから、当人たちは別にどうでもいいみたいだけどね。
それで予言教団ってのは、今は難波津が管理している此花領を予言によって守る為の組織なのだとか。
総司も団員の一人で、予言によって動いていたようだ。
「それで策也様には今後王になっていただきます。これは予言によって決められていた事でした」
「えっ?そうなの?」
「はい。始まりはかなり昔、とある双子の娘を助けた所からでした。東雲の孤児院に預けたと言えば、何か思い当たる事はありませんか?」
「あるっちゃあるな」
大ありだよ。
その二人の娘の一人がみゆきの母さんだよね。
まさか助けたのがこの今春の予言教団だったとは。
そうなると、此花に必要なのは俺じゃなくてみゆきじゃないだろうか。
「とりあえず予言教団の事は理解したし、俺が王になるのも無関係じゃないと分かったよ。それで俺は何をしたらいいんだ?」
「変な事をおっしゃいますね。それを聞きたいのは私です。策也様、私は何をしたらよろしいでしょうか?」
いきなり丸投げかよー!
それだけじゃ此花を守る為に何をしたらいいのかさっぱり分からないじゃないか。
俺を王にしたらオッケー?
それで此花が守れたら苦労せんわ。
とりあえず後は俺が決めろって事か。
俺に任せて国が守られるのかねぇ。
まあ守るつもりではいたし、立場が変わっただけで何も変わってはいないか。
「とりあえず今春と此花王家は、今まで通り内政は任せる。国防と外交に関しては俺がやるよ」
この辺りの始末ができないから俺が王になるんだからな。
「かしこまりました」
「それで王都はナンデスカに移すから。王都の内政はリンに任せる。これでいいか?」
「大丈夫かと」
この今春のおっさん、俺が言えば何でもそのままやりそうだな。
こうして俺は、気が付いたら何時の間にか王様になっていた。
お断りしようと思っていたはずなのに、
その後俺は、王都をナンデスカの町に遷都させたり、神武国に預けていた元此花領を改めて受け入れたりした。
是華と名乗っていた第三王国の王族も、改めて此花の王族として迎え入れた。
最初からこうしてたら早かったんだろうけれど、まさか俺が王様をするなんて考えてなかったんだよ。
というかマジでこれで良かったのだろうか。
予言通りとは言え、こりゃ世界が荒れるんじゃね?
王様とかめんどくせー!
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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