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島津第二王国壊滅と牙の女王

島津家の祖は二千年以上前、皇家の祖と兄弟の関係にあったと伝えれている。
しかし時の流れの中で、両者の子孫たちの距離は次第に離れていったという。
島津家が島津家となるのはそれからだいぶ先の話になるが、今の島津家に至るまで、そして島津家となった後も、この家の者には特殊な力があった。
その力とは、妖精と縁を結ぶ力。
それによって島津家は、妖精魔術を得意とする家となっていた。
五百年ほど前、島津家に女王が誕生した。
これをきっかけに、島津家から妖精魔術を使う者が減っていった。
今では妖精魔術を使う者は一人もおらず、島津家と言えば魔力を爆発させる一瞬の破壊力を売りとする王家となった。
おそらく妖精と友達契約できたのは、男系の者だけだったのだろう。
家を男性が継ぐのには理由があって、特にこの世界の王家では大きな意味を持つ。
何処の王家にも特殊な能力が伝えられているからだ。
転生前の世界では、その理由が遺伝子レベルで分かっていた。
性別を決めるY染色体は、男性にしか継承されないと明らかにされていたのだ。
そこに何かしらの継承能力が備わっていても不思議ではない。
遺伝子なんて分からなくても、人はそれに気が付いていたんだよね。
おそらくそれは、遺伝子レベルで理解されているのだろうな。
もちろん例外もあるけどね。

「それじゃみんな行くぞ!」
辺りが暗くなってから、俺たちは海へと飛び立った。
その先の海には、ザラタンの大和が待っていた。
俺たちがザラタンの上に下りると、そこには海神が待っていた。
「お迎えに上がりました」
「おお海神。やっぱりまだその恰好はしっくりこないな」
「そうですか?私はこちらの方がしっくりくるんですけどね」
「それに声もな」
海神は一度殺された。
いや自爆だったんだけどね。
それで新しく生まれ変わった姿は、ポセイドンである海神らしいと言えばらしいのだが、今までとのギャップが大きすぎて違和感を覚えずにはいられなかった。
「それを言うなら策也もじゃな。もう慣れたがの」
「海の男神ポセイドンって感じで、わたくしはそちらの方がやはり本人だと感じますね」
「金魚と同じ青い髪なんだよ。仲間なんだよ」
「どうせ自分は銀髪だけどね‥‥」
「わらわは金髪じゃから洋裁よりは上じゃの」
佐天は一体何を競ってるんだ?
「とにかく皆さん、中へどうぞ」
海神に案内され、俺たちは大和の背中の中に作った居住スペースへと移動した。
大和の背中の中には、居住スペースと、第二秘密基地とも言える機能を備えた施設が作られていた。
三日月島の秘密基地が何らかの理由で破壊されたとしても、この大和があれば秘密組織は機能させられるのだ。
現在ここの管理は海神と他三名の戦闘メイドに任せている。
小型の異次元収納も設置されているので、長く続く海の航海にも耐えられる仕様だ。
美味い飯が何時でも食べられるのは言うまでもない。
尤も俺の異次元収納の中には既に百年分以上の食材が詰まっているので、俺がいる時は食べ物に関しての問題なんて起こりっこないんだけどね。
大和の住居スペースは割と広く、移動用の家よりもゆったりとした食事を楽しんだ。
メイドもいるから金魚もいつも以上にグータラしている。
しかし水中の旅なのに、海の中を見る事もできないのは少し物足りないな。
一応魔法で外の様子を見る事はできるけれど、やっぱりこういうのは生じゃないと駄目だよね。
花火大会をテレビ中継で見ていても物足りないでしょ。
そんな感じでやる事もないので、結局俺は一人魔力のトレーニングだ。
ミノタウロスの魔石を砕いて作った大量の魔砂を使って、魔砂ゴーレムを最大数九十七体召喚する。
本体の軸になる魂と妖精霧島、そしてバクゥの魂以外ね。
こうやって自分の魂を憑依させる事で、魔砂に俺の魂を刻み付けるのだ。
これによって魔砂を使ってゴーレム蘇生する際、強情で反抗的な魂でも従順な戦士に洗脳できる。
人道に反しているかもしれないが、悪い奴への罰と考えれば優しいもんだよね?
犯罪者の再教育みたいなものだ。
魔物だったらそこまでしなくても、何故かだいたい上手くいくんだけどな。
人間の方が悪い奴が多いのかもしれない。
まあ魔物のその辺りの研究も結果が出てきていて、俺の今までの経験も加味すればほとんど答えと言っていいだろう。
魔石が無くなる事で悪意のようなものやテイム効果は消えるし、食べ物を与える事で精神が落ち着く作用も確認済みだ。
回復や蘇生魔法によって『なつく』ような変化が生じるか『友好的になる』という結果も出ている。
完璧にそうなるわけではないけれど、概ねそういう結果になるなのら、俺としては嬉しい限りだ。
コミュニケーションのとれる魔物の魂はドンドン蘇生するぞ。
結局俺は目的地に到着するまでの間、食事と睡眠の時間以外はずっとこの作業をしていた。

午前三時頃、大和は海面上に背中を出した。
そして俺たちはその上へと出る。
「まだ暗いうちに行くぞ。大和を見られたくないからな」
「眠いんだよ。早起きは十六文キックだよ」
「違うよ。三文の‥‥損だったかな?」
惜しいな。
でもなんでこいつらがそんな事を知っているのだろうか。
やっぱりこの世界ってなんかおかしいよな。
この世界に無い物からとった言葉でもちゃんと意味が通じるんだし。
「策也?ちょっと地上の方、おかしくありませんか?」
「おかしい?」
俺は地上の方を見てみた。
とりあえず真っ暗でほとんど何も見えない。
「結界じゃな。海から地上へ入れないようにしてあるようじゃ」
佐天の言葉に、俺は邪眼で確認した。
すると佐天の言うように、海から上陸できないように結界が張られているのが見えた。
「海からは入るなってか。でもそう言われると入りたくなるよね。幸い水中までは結界が張られていないようだし、海から穴を掘って入らせてもらおう」
佐天はともかく、俺たちは魔界の海で水中には慣れているのだ。
「それじゃあな海神。それに大和も。おかげで楽ができたよ」
「では主、お気をつけて」
「策也。またしばらく好きにさせてもらうぞ」
「人間に見つからない所でな。じゃあみんな行くぞ!」
俺は海へと飛び込んだ。
水中から陸へと近づいてから、俺はそのまま地上へ向けて穴を掘った。
「バクゥビーム!ダリアパーンチ!」
「策也がおれば穴を掘るのも一瞬じゃの」
「もう開通したようです。では上陸しますか」
俺たちはようやく南の大陸へと足を踏み入れた。
南の大陸を目指してからここまで長かったねぇ。
「さて、此処から少し南に行けばすぐにノーナルの町だ」
「島津第二王国の王都ですね」
「洋裁さんが産まれ育った町なんだよ。ちょっと楽しみなんだよ」
「記憶無いから‥‥ピンとこないけどね」
「わらわは美味い物が食えれば満足じゃぞ」
「まあ美味い物くらいは食えるだろう。じゃあ行くぞ!」
俺たちは南へと走った。
直ぐに目的地には到着した。
しかしそこには期待していた通りの町は無かった。
「戦争があった‥‥というよりは、町に対する虐殺があったみたいだな」
「昨日か一昨日辺りでしょうか。酷い状態です」
「魔物が襲った感じもするの。爪や牙による攻撃の後が見られるのじゃ」
「酷すぎるんだよ‥‥」
金魚の言う通りとにかく酷い。
町の人間誰も生かしておかないという意志が伝わってくる。
佐天の言う通り魔獣の仕業にも思えるが、武器による攻撃の傷痕も見られる。
魔物の仕業だとしたら、ゴブリンのような人間の武器を使う奴も交じっていた事になるが、ゴブリンなら武器や住民カードなんか金目の物は回収するだろう。
武器も住民カードもそのままそこいらじゅうに落ちていた。
俺は千里眼と邪眼で生存者を探してみたが一人もいなかった。
「生きている者はいないようだ。とりあえず誰の仕業なのか手がかりを探そう。住民カードも全部回収して博士に解析してもらう」
死ぬ間際に誰かに連絡したヤツはいるだろうからな。
「手分けしますか?」
「これだけの事ができる奴らだ。一緒の方がいいだろう。もし敵がどこか遠くから見ていたら、既にライトの光で気づかれているだろうしな」
「みんな一緒の方が安心なんだよ」
金魚は洋裁の腕にしがみついていた。
怖いというよりは、この惨状に気分が悪いといった感じか。
俺もマジで吐きそうなヤバさだよ。
魔王に壊滅させられた町よりも酷い。
似たような光景で言えばミノ狩りで見てはいるけど、やっぱ人間だと三倍はヤバいな。
「洋裁は大丈夫か?」
「自分は平気っすよ。記憶もないし‥‥」
そうはいっても故郷がこれじゃな。
多少ショックは受けるよな。
「とりあえずまずは城に行ってみよう。何かが分かるかもしれない」
「そうじゃの」
俺は通り道に落ちている住民カードを妖糸で回収しながら城へと向かった。
何事もなく城へは到着した。
庭を見る限り、大きな争いがあったようには見えない。
所々建物が壊れているが、どれも内側から壊された形跡がある。
「外から襲撃があったというよりは、中で何かがあったような感じだな」
「今気が付きましたが、外へ向けて血の跡が続いています。誰かが逃げた跡か、それとも敵が去った跡か」
「島津の人たちが逃げてくれていたらいいんだよ」
俺たちは城へと入っていった。
所々に城の者と思われるメイドや執事の亡骸が倒れていた。
部屋を見て回ると、広間に大量の亡骸が倒れているのを発見した。
「此処でパーティーがあったようですね」
「そのパーティーの最中に何者かに襲撃された。外からではなく中から」
「つまり招待されていた一団が一斉に攻撃を仕掛けたといった所じゃろうな」
となると、昨日此処で何があったのか調べれば犯人も見えてくるかもしれない。
「この辺りは戦った跡があるね‥‥」
倒れているのはおそらく王様か。
住民カードが残されていたので、俺はそれらを回収していった。
ついでにこの王様や身内と思われる人の亡骸も回収しておくか。
島津の第一王国の人たちに届けておきたいしな。
その後俺たちは町の中を調べたが、犯人に繋がる手がかりはなかった。
「早ければそろそろ誰かが町に来てもおかしくない。一旦あの山の上に行こう。そこからなら町の様子も見られるからな」
「犯人が分かったとしてどうするんですか?」
「分からん。話ができるなら話を聞いてみない事にはな。まずは状況を確認したい、それだけだ」
尤も、たとえ島津に非があったとしても、相手を正当化できる状況ではないんだけどね。
俺たちは速やかに町を離れ、山の上へと移動した。
山の上に到着後、俺はすぐに望遠鏡を取り出して町の様子を窺った。
「それはなんですか?遠くを見る為の道具に思えますが」
「エルの言う通りだよ。これならこの距離でも町の様子がしっかりと分かる。おっ!?丁度誰かがやってきたな」
やってきたのは、いかにも隠密行動をする為のコスチュームを纏った者たちだった。
その者たちは真っすぐ城に向かっていた。
何かを確認しにきたのか、或いは回収か。
城に入ると、しばらく出てこなかった。
十分ほどしてから出てくると、辺りを窺い何かを探しているようだった。
王様や身内の亡骸が無くなっているからな。
もしもこいつらが犯人の仲間なら、誰かが城に入った事には気づいただろう。
或いは王様が生きていて逃げたと考えるかもしれない。
その者たちはすぐに四方に散って町を出ていった。
「おそらく町をこんなにしたやつらの仲間だな。今町を出ていった。その内此処までくるんじゃないか?そしたらまずはひっ捕らえるか」
「相手の力量は分かりますか?」
「今の奴らは俺たちの敵じゃない。それでもマスタークラス以上ではあるか」
今の奴らはただの隠密行動部隊といった感じだが、思った以上に強い印象がある。
あれが小鳥遊の者だとしたら、この国は思った以上に力があるかもしれないな。
「わらわたちは隠れる必要はあるのかの?」
「この面子なら戦闘に関しては大丈夫だと思うが、一応立ち入り禁止の場所にいるわけだしな。こちらから捕らえに行くか?」
「いや、人間界の事は複雑でよく分からんし聞いてみただけじゃ」
言われてみれば人間界って複雑で難しいよな。
大切なルール、決められたルール、理念法のような方向性だけの決まり、道徳や倫理、空気を察しての行動、単なる気遣いの自己抑止。
大小あるけど、どれが破られても人間関係には歪が生じる。
賢いドラゴンや黒死鳥が、あまり数を増やさず他と関わらないで生きていくのは当然なのかもしれないと思う。
でも関わる事で楽しみも増えるわけで、一概にどちらが正しいとは言えない。
俺はみゆきとなら人間界以外で生きていくのもいいかもな。
「ではとりあえず、今はなるべく関わらず情報を得る事に専念しよう。ん?今度は近くの村の者だろうか。荷物を積んだ荷車を引いてるな。町の入り口から中を覗いている。町の異変に気が付いて‥‥慌てて逃げ出したか‥‥」
なんだろう。
何か違和感を覚えるな。
おそらく毎日町に荷物を届けているのだろうが、もしも小鳥遊の者が町を襲ったのだとして、村人にこの惨状を見せるだろうか。
海からは入れないように結界まで張ってある。
いや、村人も島津領の人間だ。
町の人間は皆殺しで、村人は生かすのか。
分からない。
どうして違和感を覚えたのかすら分からないが、とにかく何かが引っかかった。
それからしばらくして、今度はグレーのフードをかぶった一団が町へと近づいて行くのが見えた。
「今度は結構な大人数だな。ただの一般人とは思えないし、兵士としては歩き方が軽すぎる気がする。暗殺者のような‥‥」
「暗殺者が大人数でこんな時間に来ていたらおかしいですね」
「町をこんなにしたやつらが戻ってきたのやもしれんの」
「そうでもない気がするぞ」
フードの一団は、町の異変に気付きつつも町へと入って行った。
その後俺たちが町を調べたのと同じように、町を調べている様子だった。
「犯人たちではない気がする。町の惨状に戸惑っているようだ」
「一体誰なんでしょうね?」
「分からん」
一体この町で何が起こっているのだろうか。
まずは町をこんなにした奴らの仲間らしき者たちが様子を見に来た。
その後近くの村人らしき者が朝一の納品か何かにやってきたが、町の惨状を見て逃げ出した。
更にフードの一団がやってきて現在町を調査中。
「今度はまた村人らしき者たちがやってきた。数が多そうだ。肉や魚、色々な物をまとめて持ってきたって感じか」
「町におる連中が犯人の仲間だとしたら、その村人は襲われるやもしれんぞ?」
「確かに。でも違う気がするんだよな。とりあえず俺たちならすぐに町に戻る事はできる。殺られても蘇生はできるし、もう少し様子を見よう」
つか金魚と洋裁はすっかりリラックスタイムだな。
朝早くて眠いのは分かるが、俺だけ必死でなんか納得いかないぞ。
「村人らしき人たちはそのまま町に入っていった。町の惨状に戸惑っているな。直ぐにフードの連中を見つけて‥‥荷物もそのままに慌てて逃げ出した」
「襲われたのですか?!」
「いや、フードの一団は戸惑っている様子で襲ったりはしていない。やはりこのフード連中は犯人ではないな」
おそらく町を襲った奴らに関係するのは、最初の隠密集団だけだろう。
その後は村人、フードの一団、そしてまた村人といった感じか。
ん?村人が二回?
一度目の村人は本当に村人か?
そうだ。
町の外から町中を窺っていた。
町中での事を知っていたような感じだ。
それに服装が後の村人とはかなり違っていた気がする。
どちらかというと町に住む人々のような。
「ん?」
俺が町中を望遠鏡で覗いていると、フード付きの者と目があった。
「フードの奴、俺に気が付いたみたいだ。クッソ目がいいな」
千里眼でも人の表情までは確認できない距離なのに、それと同等以上の目を持っているようだ。
「来るぞ!町を出てこちらに向かってきている」
「金魚、洋裁、敵かもしれない者がこちらにやってきますよ」
エルの言葉に二人は起き上がった。
その直後、フードの者は目の前まで来ていた。
「お前ら何者にゃんだ?」
何者『にゃんだ?』だと!?
これはもしかして萌えキャラの登場か?
「あんたこそ何者にゃんだ?」
おっと言葉が移っちまったぜ。
うっかり相手の言葉に引きずられた俺に対し、フードの者は何故か少し警戒を解いたようだった。
「お前も私みたいな喋り方をするんだにゃ?」
「いや悪い。ちょっと引きずられただけだ」
「にゃんですとぉー!?」
フードの者はリアクションが大きかった。
なんだか女子高生を相手にしている感じがした。
「それであんたは誰なんだ?俺たちは単なる旅の冒険者だが」
「おお!旅の冒険者にゃのか。私は‥‥ん~‥‥お前らは獣人を見ても驚かにゃいか?」
「ほう。獣人なのか」
「にゃんで分かったんだにゃー!?」
割と陽気な獣人のようだ。
そして喋り方から察するに、猫獣人といった所か。
「とりあえずそのフードを取って見せてくれないか?!猫耳、あるんだろ?」
「猫耳が見たいのにゃ?変わった人間だにゃ。獣の耳は人間には嫌われているはずにゃ」
「そうなのか?」
「そうですね。一般的にはそういう人が多いかと」
そうなのか。
「俺は別に猫耳は嫌いじゃないぞ。むしろ大好きと言ってもいい」
「そうなんだにゃ?だったら見せてやるにゃ」
そう言ってそいつはフードを脱いだ。
目の前には、猫耳が超可愛い獣人の女の子が全容を現した。
「おお!超可愛い!みゆきには劣るがいい線いってるぞ!?ちょっと触らせてもらってもいいか?」
「にゃんですと!猫耳をかにゃ?」
「そうそう猫耳」
「うー‥‥こんな人間は初めてにゃ。ちょっとだけなら触らせてやるにゃ」
「サンキュー!」
俺は返事と同時に猫獣人の耳をモフモフとした。
こりゃ気持ちいい。
なんというか、不足していた猫エネルギーがドンドン回復していくようだ。
「くすぐったいにゃ」
特に嫌がっている様子もないので、俺はモフモフを続けた。
「策也にはこんな一面もあるのですね」
「知らなかったの。今は女にしか見えんぞ」
「なんだか金魚も触ってみたくなるんだよ」
みんなが何やら言ってるが、俺は心行くまでモフモフした。
「ふぅー‥‥満足したぞ。ありがとうな。猫‥‥。俺は策也っていうんだ。あんた名前は?」
「私か?私は『|牙獣茜娘《ガジュウアカネコ》』、獣人王国牙の女王なんだにゃ!」
「茜娘か。よろしくな!」
「策也、よろしくだにゃ」
いやぁ~初めて獣人にあったけど、まさかこれほど可愛いとはな。
まあ茜娘が特別可愛いのかも知れないけれど、だったらこりゃ幸先がいいぜ。
「策也は相手が女王でもスルーなんですね」
「策也じゃからの」
「まさかなんだよ。獣人王国のトップなんだよ」
「まあ策也にとってはどうでもいいんじゃない?」
女王か。
別にスルーしている訳じゃないけど、茜娘の魔力レベルを見れば納得もするよ。
魔力の強さはヴリトラの東征にも匹敵する。
獣人は初めて会うけど、おそらくトップレベルだろうからな。
さてしかし、俺が猫耳をモフモフしている間にどうやら何者かに取り囲まれてしまっているようだ。
「少し前から取り囲まれていますね」
「徐々に距離を詰めてきておるぞ」
「だな。殺気も感じるし、誰かが狙われているのか?」
「ん~‥‥私かもしれないにゃ。昔からよくある事にゃ」
狙われているのは俺たちだろうな。
みんなは敵襲に備えた。
しかしいきなりは襲ってこなかった。
何やら対応に戸惑っているようだな。
「出て来いよ!俺たちに用があるんだろ?!」
声をかけてみても出てこないか。
むしろ声を掛けたら距離をとられた感じだ。
もしかして茜娘がいるのが想定外だったのかもしれないな。
俺たちは山の上で殺気を放つ何者かに囲まれた状態で、相手の出方を窺い続けるのだった。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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