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民の分断工作?博士去る

民主主義には大きな欠点がある。
転生前の世界では最もマシな国家政治体制の在り方だと云われていたが、駄目な所は駄目だと認め改善しなければならない。
民主主義の欠点、それは頭がコロコロ代わる所と、国民が賢くないとまともに機能しないという事だ。
頭がコロコロ変われば、世界戦略を安定させる事が難しい。
国民が賢くないと、他国の工作員に扇動されてしまう。
国民は分断され対立を煽られ、国の方針も左右に振り回される事となる。
だから俺は神武国でも此花王国でも、大切な四つのポイントだけは自分でやるようにしているのだ。
外交は俺が決定権を持ち、軍事とインテリジェンスは全て秘密組織アルカディアでまとめて行い、経済は自由活動を指示している。
最低限これくらい安定させる事が出来なければ、国家は衰退していくだろう。
それともう一つ民主主義の欠点を指摘しておくと、やっぱり政策よりも政略になっちゃうのは駄目過ぎるよね。

伊集院が薩摩に宣戦布告してから三日が経った。
この三日薩摩の町を巡ってみたが、欲しい情報は何一つ見つからなかった。
一体国王や梨衣は何処にいるのやら。
梨衣は別の国にいる可能性も高いし、国王も元伊集院の王子だけあって隠れるのは上手いのだろう。
強いヤツなら俺の探索に引っかかるんだろうけれど、王子だからと言って強いとは限らないんだよなぁ。
それに町にいるとも限らない。
秘密基地のような隠れ家を持っているかもしれないし、もっと言えば人間界にいるかも分からない。
そんなヤツを見つけるには、やはり国家を全て奪うくらいでやらないと無理なのだろうか。
まあでも伊集院の進攻が徐々に始まっており、いずれは姿を現すだろう。
そこで獲っ捕まえてやるのだ。
そんな事を考えながら、今日もガゼボで朝食中だった。
今日は東征からのテレパシー通信から一日が始まった。
『策也王、総理大臣から上がってきた要望があるんだが、正直余りに酷くてな』
『どうした?一体どんなどんな要望なんだ?』
『民からの要望を聞いての事らしいのだが、有栖川への戦争を希望との事だ』
何を言い出すかと思えば戦争しろとか。
これ、民主主義国家だったら戦争に突入だよね。
民がそれを望むのだから、政治家も止めるのは大変なのだ。
戦前の日本がそうだったよな。
鬼畜米英とか言ってさ。
『その理由は?』
『有栖川がブレイブ爆破の犯人だというのは明らかだ。伊集院や早乙女が戦争中の今が報復のチャンスではないかと言っていた』
確かに他が動けない時にってのは有るけどさ、他にも大国はあるだろう。
九頭竜だ。
もしも神武国が有栖川と戦争を始めたら、おそらく九頭竜は皇を攻めるか、他と呼応して勝ち戦に乗ってくる。
戦争をしている国々は必死に協力できる国を探し始め、気が付いたら世界大戦になっているかもしれない。
神武国では十年以上しっかりと教育してきたつもりだけれど、外から入ってくる人間が多すぎてまだまだ駄目だな。
移民への教育も必要かもしれない。
或いはチェックだけれど、この世界じゃ民の移動はほぼフリーだからな。
自由で良いと思う反面、こういう時は欠点が露呈する。
完全な民主主義じゃなくて良かったよ。
まずは正しい教育が完全に行きわたってからの話だな。
ちなみに転生前の日本では、教育は行きわたっていたが内容が幼稚過ぎた。
だから徐々に衰退に向かっていたんだよな。
『戦争はできない。お前から民をなだめておいてくれ』
『当然だな。感情だけで戦争していたらいつか国は亡びるよ』
『その通りだ』
「ふぅ~‥‥」
しかしそんな声が民から上がってくるのか。
よっぽどブレイブ爆破に腹を立てているのか。
或いはもしかすると‥‥
政府にもインテリジェンス機関は作った方がいいかもな。
民の声で戦争を決定しようとする政府ではヤバすぎる。
世界戦略が無理でも、せめて『自分たちの町に大量破壊魔法が撃ち込まれる』くらいの想像力は持ってもらわないとな。
オトロシイは防衛準備ができているからいいけど、他の町まではカバーしきれていない。
それに防ぐのは一日一発が限度だ。
あの大量破壊魔法を防ぐ為には、そうとう強力な魔石が必要になってくる。
何年もかけてようやく主要な町だけ配備できたけど、全部を守れるようになんてそう簡単には無理なんだよ。
「どうしたの?」
「神武国の民が有栖川と戦争してほしいんだとさ」
「自分たちは戦わないのによくそんな事が言えるね!プンプン!」
その通りだよみゆき。
ああ、みゆきは可愛いなぁ。
やっぱ可愛いは正義だよな。
戦わない人ほど戦いを主張するのだ。
転生前の世界でもそうだった。
一番戦争を嫌っているのは、実際に戦わなければならない者たちだったりしたんだよね。
みんな死ぬのは嫌なんだよ。
『博士だ。ちょっと話したい事があるんだが、今から会えないだろうか』
博士が会って話か。
なんだろうな。
そう思いながらも何か嫌な予感がした。
『分かった今から行く』
『ありがとう』
「みゆき、ちょっと三日月島に行ってくる」
「うん。行ってらっしゃい!」
俺は瞬間移動魔法で博士の所に移動した。
「策也、ちょっと二人で話がしたいんだが‥‥」
「分かった。奥の部屋に行こうか」
「ああ」
俺たちは一度廊下に出てから、一番奥の何も無い部屋へと移動した。
「ここでいいな」
「そうだな‥‥話ってのは‥‥」
「もしかして冷泉に戻りたいってのか?」
最近の流れだとそれしか考えられなかった。
今世界は徐々に混乱へと向かっている。
その状況は危機かもしれないが、チャンスでもあるのだ。
「策也には分かるか。今、世界は荒れてきている。正直何が起こるか分からない。だからできれば冷泉に戻って、皇を直接助けられる所へ行きたいんだ。俺もそこそこ戦えるくらい強くなったしな。それに魔法通信ネットワークの方でもそろそろ攻勢をかけるチャンスだと思うんだ。だから‥‥」
「博士は、もしも俺と冷泉が敵対する事になったら、どっちに味方するんだ?」
「えっ?いや‥‥それは‥‥」
まあ答えられないよな。
「悪い。意地悪な質問だったな。でも戻るなら、そうなった時には迷わず冷泉に味方してほしいんだ。多分そんな事にはならないと思うけど、それくらいの覚悟を持ってほしいってね」
「はぁ‥‥」
昔日本がアメリカと戦争をした時、多くの日本人がアメリカ国籍を取ってアメリカに住んでいたんだ。
その時その元日本人たちは、ちゃんとアメリカの人間として戦ったと聞いている。
それを聞いた時思ったんだ。
なんか格好いいなと。
だからここを出て行くならそうしてほしいと思った。
「条件は二つだ。一つはちゃんと冷泉に味方できるように、今の体は返してもらう。そしてもう一つは、博士の記憶全てをコピーさせてもらう。ここで得た物も多いだろ?それに博士の知識が無いと今まで通りの運用はできなくなるからな」
「記憶か‥‥」
「なるべくプライバシーの侵害はしないつもりだが、うっかり見てしまっても怒るなよ」
「承知した。俺の知識が別に残ると言うなら、それはそれでこの世界にとっていい事かもしれない」
そういう考えもできる奴だったのか。
だったら惜しいな。
でもそれだけ信じられるって事だ。
皇の心強い味方となってくれるだろう。
「ところで、博士の後を任せられる奴っているのかな?」
「そうだな。現状の維持と管理だけなら那須香に任せられると思う」
「那須香?なんであいつが?」
「興味があるみたいだったからな。色々教えておいたんだよ。まさかこんな風になるとは思っていなかったが」
月詠三姉妹の末の子か。
ドラゴンキメラだからべらぼうに頭は良いし、配置換えを考えた方が良さそうね。
「よし、じゃあ早速やってしまうか?」
「お願いする」
俺はまず蘇生解除して魂と体を分離した。
住民カードがぽとりと落ちた。
そして神の蘇生により博士を蘇生する。
直ぐに蘇生は完了した。
見た目は大きくは違わなかった。
ヴァンパイアぽかった雰囲気が抜けただけといった感じか。
俺はすぐに蝙蝠型エアゴーレムを召喚し、博士から記憶を奪った。
蝙蝠から送られてくる記憶を一気に魔法記憶に記録する。
記録が終わると、直ぐに蝙蝠の召喚を解除して記憶を返した。
間もなく博士は目を開けた。
服は博士っぽく白衣を着せておいた。
「終わったのか?」
「ああ。これからは元通り、トイレも行く必要があるし、飯も食わないと死ぬぞ」
俺はそう言いながら住民カードを渡した。
「そうか‥‥それはそれで楽しみだ」
俺も不老不死を解除した時、飯が一番美味しく感じたんだよな。
普通に生きている時はそれはそれで楽しい事があるのだ。
「荷物とかあるならどこかに送ってやろうか?」
「いや、特に何もないよ」
「そっか。じゃあ元気でな」
「今までありがとう。冷泉に戻ったら一気に九頭竜からシェアを奪い返してみせるから、見ていてくれ」
「ああ」
「それじゃ」
博士はそう言って部屋を出ていった。
転移ゲートをたどって行けば、黒死鳥王国まではすぐに行ける。
そこから世界会議本部に行けば、きっと帰れるだろう。
冷泉領に行った事があれば送ってやれたんだけどな。
『那須香、聞こえるか?』
『はいはい那須香ちゃんだよー策也どったの?』
『博士がアルカディアを抜ける事になってな。今後魔法通信ネットワーク関係の管理を頼めるか?富士子と鷹千代も一緒でかまわないし』
『本当に?あたし前から色々とやりたかったんだよねー!でも急に博士が辞めるとか、寂しくなっちゃうね』
『まあな。でも別にもう会えなくなる訳じゃないと思うし、寂しがる事はないさ』
『そだね』
多分また会えるだろう。
博士は強いし、そうそう殺られる事もないだろうし‥‥
あれ?あいつこれから人間として暮らす訳だけど、太陽の光大丈夫かな?
少し心配になった。
それじゃ今日も薩摩に行ってみるか。
セバスチャンたちの代わりも必要だし、人員を増やさないとな。
戦いの中でいい魂見つけられたらいいけど。
俺は薩摩へと瞬間移動した。

戦いは連日繰り返されていた。
だけど薩摩王も、梨衣も、そして強い奴もなかなか出てはこない。
伊集院側も全然本気じゃなくて、民間軍事連合の者たちを使って攻めるだけだった。
でもこの日は少し様子が違っていた。
とうとう伊集院側に神クラスに近い奴が現れたのだ。
あの魔力は何処かで感じた事がある。
そして見た事があった。
海神が一度死んだ時、爆発の中で唯一生き残った奴だ。
あの時よりも少し強くなっているかな。
戦闘はこの瞬間から伊集院側が当然有利に進めた。
親子喧嘩とも言える戦争だが、徐々にエスカレートしてきている。
最初は様子を見ている感じだったが、ここまでくるともう引き返せない雰囲気だ。
思った通り、とうとう薩摩側にもヤバそうな奴が現れた。
神クラス登場か。
しかもかなりいいガタイをした大男。
そいつが参戦した途端に状況は一変した。
何かを召喚しているのか、一瞬何かが見えたかと思うと伊集院の戦闘員たちが飲み込まれてゆく。
あれはツァトゥグァの暴食か。
それに立ち向かうのはあの時の生き残り。
流石に近くには行けないと悟ったようで、遠くから炎による攻撃を試みている。
魔力では負けているがジワジワと敵を追い詰めているか。
ん?また一人神クラスが現れた。
伊集院は二対一で確実に仕留めに行ったぞ!
この女かなり闇の力が強い。
こりゃ薩摩川のデカ男はやられたな。
おっ!ギリギリで助っ人登場か。
ちょっと遅かったがこりゃ強いぞ。
こいつも女だけど、梨衣ではないな。
デカ男はほぼ動けない中、二対一の戦いだ。
生き残り男ではこの女には全く歯が立たない。
うおっ!手の口に噛みつかれたら体が腐敗してゆく。
こりゃ死んだな。
あの手の能力からイゴーロナクと判明した。
死んだら魂回収して手駒にできるが、正直あまり伊集院には戦力を減らしてほしくないんだよな。
また十数年前のように最後の手段を使わせる事になる。
薩摩の元王子様は普通に設置型爆破魔法装置を使うから、この勝負は伊集院に勝ってもらった方がいい。
でもこのままだと伊集院側が負けるぞ。
助けるか?
俺がそう思った瞬間、一瞬の出来事だった。
血塗られた剣が飛んできて、イゴーロナクを斬り裂き倒していた。
伊集院側に一人犠牲者が出たが、なんとか勝ってくれたか。
でもあいつ、完全に体が腐敗して蘇生も無理そうだなぁ。
神官がいれば蘇生できるが、伊集院側にそういった人の気配はなかった。
仕方ない。
魂の回収をしておくか。
俺は姿を透明化したまま、松姫からコピーした能力で他人の意識に入らないようにし、シアエガの能力を発動してから地上へおりた。
伊集院の奴らに気づかれないように素早く魂を回収してゆく。
そして一応残った二人に触れて能力はコピーしておいた。
「ん?今何か?」
流石にこいつはレベルが高い。
気づかれたか。
俺はすぐに影に潜ってからシアエガの能力で記憶と痕跡を消した。
影の中にいても気づかれる可能性はゼロではない。
俺は速やかにその場を離れた。
「策也タマならみんな倒せるのね」
「どうして倒さないのです?」
「自由に使える戦闘員が減ってきたら、また町ごと吹っ飛ばすような爆破魔法装置を使う可能性があるだろ?だから伊集院と有栖川には手駒を残しておいてやらないと駄目なんだ」
「面倒なのね」
「でも策也タマが言うならきっと正しいのです」
いや、そんな事は分からないよ。
ただ俺がそう思っているだけで、本当はみんなやっつけてしまった方が良いかもしれない。
つか、結局今日も薩摩王や梨衣は出てこなかったか。
この辺りとっ捕まえて誰に爆破を頼まれたのか、或いは自らの意思なのか。その辺り確認したいんだけどな。

とは言っても、魂を三つもゲットできたのは助かった。
最近人不足で困っているんだよ。
転生前の世界では給料も上げずに人不足とかって言う人もいたけれど、こっちはいくら給料上げても集まらないんだよね。
強い奴なんてそうそういるもんじゃないのだから。
そんなわけで三人とも蘇生しましたよ。
一人目のツァトゥグァは、体がでかかったので不動の体を使って蘇生した。
参星に色々と教えさせてオトロシイの防衛隊隊長にしよう。
見た目が同じだし何となく受け入れやすいよね。
二人目のイゴーロナクは、津希の体で蘇生した。
一瞬にして伊集院のアエーシュマに殺られちゃったけど、ダイヤモンドミスリル製の体になれば多少強くなるだろう。
ちょっとメイドに向かない中身だから、何処で使うか後で考える。
三人目は海神を襲撃した奴らの中で唯一生き残った奴。
こいつはアモンだった。
魔物悪魔の上位種で、佐天にかなり近い強さを持っている。
変化が得意でなかなか殺られない強靭な体を持っているから、偵察任務なんかに向いてそうだ。
忍者部隊は現在死志に任せているけれど、死志はもう少し前線向きだし、この辺り変更しようかな。
魔砂ゴーレムにして蘇生し、名前を『|醍醐朝霧《ダイゴアサギリ》』に決めた。
結局津希と朝霧、そして死志はセカラシカの傭兵隊に入れる事にする。
アルカディア本部の忍者部隊と傭兵隊を統合だ。
そして山女ちゃんを家のメイドに召喚しよう。
一番安心して任せられるし、いざって時に戦えるからね。
それにしても、戦闘員はみんな人間じゃなくてさ、まるでポケなんちゃらやってるみたいだよ。
そう考えると結構なバケモンが集まったよな。
バケモンゲットだぜ!みたいな。
俺は一通り仕事を終えて帰宅した。
夜にも戦闘はあるかもしれないけれど、流石に二十四時間は働きません。
別にほとんど寝なくても大丈夫だけどさ、やっぱり癒しの時間ってのは必要だよね。
そんな訳で俺は眠るのだった。

次の日、いつも通り朝から面倒な連絡が入った。
神武国で大きなデモ活動が行われているというのだ。
それも二つのデモ隊に分かれているとか。
『有栖川への戦争を希望する』グループと、『戦争反対軍備縮小を訴える』グループだとか。
完全に国内の民が二分しているようだった。
「こりゃ誰かに扇動されたな。分断工作ってヤツだ」
「どうしてそんな事が分かるんですか?私気になります!」
久しぶりに千えるが朝から起きてきていた。
総司と商人ギルドの事で相談なのだそうだ。
ただまだ総司は来ていなかった。
「意見が極端だからだよ。例えばどちらかの意見を採用したとしても、神武国にとってはマイナスでしかない」
「普通に自分で考えた意見とは思えないって事ですか?」
「そうだな。『戦争しろ』ってのは感情的過ぎるし、『軍備縮小』はどう考えても取ってつけたような要求だ。そもそも神武国に大した戦力は置いてないからね」
神武国を弱らせたい勢力が民を扇動しているのだろう。
「誰の仕業でしょう?」
「そりゃ‥‥」
有栖川ではない事は確かだ。
今戦争をしている伊集院や早乙女の可能性はあるけれど、だったら九頭竜や皇国内でも同じ事をするだろう。
あっちは民の出入りが少なそうだから振り回されない可能性もあるけれど、うちだってそれなりに教育はしている。
となると一番可能性のあるのは‥‥
「九頭竜か。今神武国と有栖川が争えば、対皇に集中して動けると考えた可能性はある。或いは勝てそうな方に手を貸して勝利する事で簡単に利益が得られるだろう」
「じゃあ何もしなければいいんですね」
「そうだな」
だけど、民が分断されるだけでも国家にはマイナスだ。
民同士が仲違いすれば、経済活動や色々な所に悪い影響が出てくる。
ギスギスした生活をするようになれば、町を出て行く可能性もあるだろう。
話して分かる民なら前回の要望を却下した時点で納得していたはずだ。
移民が多いとせっかくやってきた教育の効果も薄れるよなぁ。
しっかりとした賢い民を育て、外から入ってくる人にも同じだけのものを求めてしっかりと管理しないと、民主主義国家なんて簡単に壊れるな。
でも神武国は完全な民主義国家ではないのだ。
民の代表からはちゃんとやれそうなのだけ選んで政府を任せているし、君主である天王もいる。
天王から『どちらの意見も間違いである』とちゃんと理由も説明すれば、納得させる事はできるだろう。
それでも刃向かってくる馬鹿が国を去って行っても問題無いしな。
むしろ説明しても理解しない馬鹿は去ってもらうに限るよ。
ただ、本当に俺の考えが正しいかどうかは分からない。
本当は刃向かって出て行った者の方が正解の可能性もある。
でも話し合える人なら反論はあるだろうし、それがあるのならこちらも聞く耳は持たないと駄目だな。
俺はとりあえず東征に必要な考え方を伝えておいた。
それを国民に伝え、反論があるのなら聞いておくよう指示した。
本当に国を預かる人ってのは大変だよ。
だから最後には自分の利益を求めるようになって腐っていく。
これでとりあえず上手く行ってくれればいいけどな。
俺は今日も薩摩王国の戦場へと向かうのだった。
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