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桜を見る会と三国会談

世界にある問題のほとんどは、国家、或いはそれ相応の権力によって起こされている。
つまり、逆に言えば国家や権力者が何もしなければ、問題なんて滅多に起こらないのだ。
なのに世界は問題だらけ。
それはきっと、権力者ってのは何か要らない事をしたいから権力者になるという事なのだろうね。

今日は萌えの日、十月十日。
俺たちはゲバイタの町に近い鬱金の森へとやって来ていた。
目的はもちろん酒、ではなく鬱金桜を愛でる事である。
分かりやすく言えば『花見』だ。
「鬱金久しぶりだな」
鬱金の森ができたのは、今から約十三年前の事だ。
生きた森が必要で、エルやベルがエルフの能力を使って頑張って作ったんだよな。
その結果ドリアードが生まれ、俺が『鬱金』と名付けたんだ。
正確には俺の中の妖精が、だけどね。
そしたらそれ以来、この森には毎年鬱金桜が咲き、花見客が訪れる場所となっていた。
ただ残念な事に四十八願領であったし、みんな忙しかったから再び此処へ来る事は今までなかった。
でも今日、ようやく来る事ができたのだ。
「お久しぶりです。ようやく来てくださいましたのね。妖精大王でもある策也さん」
俺の中にいる妖精も分かるんだな。
「これからは毎年来られればと思っているよ。ここはもう此花の領地だからな」
それにしても懐かしいな。
でも少し何かが違う。
あの頃は今よりも視点が低くかったからな。
そしてまさかここを統治する立場になるとは思ってもみなかった。
助けた甲斐があったという訳か。
今日ここに集まっているのは、かつてのパーティーメンバーなど仲間全員と、更に俺の人形たちがほとんど揃っていた。
そして更に更に武田の神幻や松姫、信長なんかも招待していた。
転生前の世界でよく言われていた事だが『酒を飲んで話せば仲良くなれる』なんてのがあったけれど、これは割と事実でもある。
尤もそれが国家間の問題を解決するのに役立つかどうかは相手次第だけどね。
ほとんどの場合は騙されて終わりなんだよな。
外交なんてみんなしたたかにやってくるさからさ。
それに民主主義国家はすぐにトップが入れ替わるわけで、転生前の世界での効果はあまり期待できなかったと言える。
それでもこの世界なら、割とありかもしれないと思った。
「お父タマ、アレは何?」
六華が何かを見つけて指をさしていた。
その先を見ると、野生の熊がこちらを見ていた。
「アレは熊だね。くまったくまった」
「アレが熊タンかぁ」
っておい!
此処に集まっているのは概ね強い奴らばかりだけれど、子供もいるんだから流石に熊はマズいだろ。
転生前の世界では『熊を殺すな』とか声を上げる人がいたけれど、俺たちがただの一般人だったらどう対処するんだよ。
こちらに害を与える者に対しては正当防衛が認められる訳だが、熊に対しては認めないのかねぇ。
「大丈夫ですよ。この森の動物は人を襲わないよう調教しておりますから」
「そうなのか鬱金。なら放置しておくか」
それに最悪蘇生もできるからな。
この世界なら行き過ぎた動物愛護も許されるかもしれない。
でも魔獣も殺すなとか言い出しそうだな。
いや俺も同類か。
ドラゴンや黒死鳥は今や対話可能な魔獣だったりするし。
尤も、若い個体は未だに対話不可能だけどね。

みんなで騒ぐ楽しい時間はあっという間に過ぎて、花見は何事もなく終了した。
ちなみに花見の予算はポケットマネーだよ。
転生前の世界では『桜を見る会』ってのが凄く批判されていた。
そういうのを知っている俺としては、たとえ外交的要素があったとしても税金は使えない。
政府批判のリスクがある事はなるべくしないのだ。
個人的な気持ちとしては、批判に値しない話だとは思っているんだけどさ。
そんな事を思いつつ、俺は帰宅の途についた。

さてそんな楽しいひと時を過ごした俺たちだったが、次の日の朝には頭を悩ます話が入ってきていた。
「有栖川旧神、つまりクトゥルフからのお誘いだ。俺と伊集院の王に話があるんだとさ」
有栖川より大使館を通して、三国会談を持ちかけてきたのだ。
「正直あまり関わりたくはないわね」
「今の世界で、上位三国という事ですか‥‥」
リンと総司もこの話をあまり良くは思っていないか。
そうだよな。
ようやく国内が落ち着き始めているとは言え、まだまだ統治は行き届いていない。
それは火種がくすぶっている状況とも言える。
転生前の世界において、大戦の頃の中華民国は大陸をまともに統治する事ができずに炎が燃え上がってしまった。
だからまずは国内をしっかりと固めたいんだけどなぁ。
満州事変から日中戦争へと向かった理由に関しては以前も話したと思うが、そこにはあらゆる問題が入り混じっている。
どうして満州にいた朝鮮系日本人は酷い扱いを受けたのか。
それは当時の中華民国が無法地帯だったからだ。
そんな状況だったから、自国民を守るのは当然だと関東軍は動いた。
尤も、それだけ聞けば正しい判断に思えるかもしれないが、それは他国での事であり本来はやっていい事ではない。
目の前で困っている人がいれば助けるってのは常識かもしれないが、こうやってルールに反する事もあるのだ。
故に大日本帝国政府は関東軍の暴走を止めたかった訳だが、関東軍は政府の言う事を聞かなかった。
その理由は、『軍は政府ではなく陛下の元にあるので政府の言う事は聞かなくてもいい』というものだった。
屁理屈のようにも感じるが、大日本帝国憲法に不備があったとも言えるのだろう。
何にしても、正否の判断は方向を変えれば変わってくるし、小さな問題でも重なれば大きくもなる。
きっと旧神は何かを仕掛けてくるんだろうな。
相手の嫌がるタイミングで仕掛けるのはセオリーだけど、マジでウザいよ。
「とにかく会わない訳にはいかないだろう。場所は黒死鳥王国だから、当日の警備等頼むぞ。リン」
「責任重大ね。何かあったら大変な事になるわ」
伊集院が島津に攻め入ったのも、島津領内で伊集院家の者が殺されたからだったよな。
まるで幕末にあった生麦事件だよ。
アレが原因で薩英戦争になったんだよな。
結果は面白くて、薩摩は英国軍を追い返し、英国は日本政府から金を引き出した。
これを持って薩摩が勝ったとは言えないけれど、英国が薩摩の強さを認め、距離を詰めていくのはこの後の話。
薩長同盟から討幕へと続いてゆく。
「まあ問題が起こるとしたら、『有栖川旧神が暴れた』とかそういうのだろうけどな」
伊集院がどういう人物なのか分からないけれど、一族が島津の者に殺されるくらいだから武闘派ではなさそうか。
「それぞれに護衛は必要よね」
「旧神には誰でもいいだろう。ただ伊集院には賢神を付けさせよう」
ふと洋裁を護衛に付ける事を思いついたが、流石にやめておく事にした。

それからなんだかんだと準備に追われ三日が過ぎた。
いよいよ有栖川旧神と会う事になる。
伊集院側も国王である|伊集院独尊《イジュウインドクソン》が参加するとの事。
撮影は当然禁止で、完全な密室での話し合いとなる。
それぞれが護衛を二人まで付ける事が可能で、俺は自動的に妖凛と妃乃にするしかなかった。
菜乃と妃子は二人で一人になれて良かったね。
そんな訳で伊集院も自前の護衛を連れて来るとの事で、賢神の出番は無かった。
俺たちは最高級料亭で、テーブルを三角になるように並べて向かい合って座る。
クトゥルフと会うなんてマジ怖いんですけど。
相手は邪神のトップですよ?
エルフでもないのに耳は尖っているし、どう考えてもこいつは別格に強い。
おそらく魔力では負けているだろうし、俺はとにかく緊張していた。
伊集院独尊は左側のテーブルの真ん中に、有栖川旧神は右側のテーブルの真ん中に座っていった。
両者の両脇にはそれぞれ護衛が座っているが、俺の両脇には誰も座らなかった。
「此花策也は護衛を付けてこなかったのかな?」
「いや、ちゃんとついてるよ。普段から俺と一心同体なだけだ。それに旧神なら気づいてるんじゃないのか?」
うわぁ‥‥偉そうに喋っちゃったよ。
この程度で怒ったりはしないよね?
つか護衛役のもかなりヤバいぞこいつら。
全員魔力を隠しているから強さが測れないけれど、特に左の男はヤバい感じが伝わってくる。
「それぞれ紹介は必要だよな。まずは俺からさせてもらうぞ。俺が有栖川旧神。有栖川の王だ。そしてそちらから見て左側が|有栖川世愚《アリスガワヨグ》、右側が|有栖川闇囁《アリスガワアンショウ》だ」
ヨグだって?
もしかしてヨグソトースか?!
邪神の王クトゥルフに匹敵する強さを持っているって言われているが、なるほど納得だな。
「では、次は俺の番だね。俺は伊集院独尊。それでこっちの男の子が|守死《シュシ》、こっちの女性が|貂蝉《チョウセン》だよ」
やけに軽い王様だな。
というかこの面子を前によくそれだけ軽い口調で話せるよ。
強さが分かっていないのか、それとも実はこいつもかなり強いのか。
しかし迫力は全くない。
それに護衛もあまり強そうには見えないな。
貂蝉という女性の方は前に一度会った事がある。
血塗られた剣を飛ばしてきたアエーシュマだ。
悪神だから邪神とは違う暗黒界の住人でそこそこ強い。
でももう一人は全く迫力を感じない。
身なりが割と良いし仕草に余裕が感じられるから多分強いのだろうけどさ。
「最後は俺か。俺は此花策也。そしてこのマフラーが天照妖凛で、影の中に梅影妃乃がいる。妃乃出てこい!」
俺がそう言うと、妃乃は影から出て来た。
そして一礼すると、再び影へと入っていった。
妃乃も相手の強さは感じているようだな。
「そのマフラーの子はニョグタだな。俺の手足となって働く邪神が、策也に付き従うのか?」
旧神は少し脅すような声色で妖凛に話しかけた。
妖凛はいくらか恐怖しているようだが、旧神の覇気に負ける事はなかった。
「俺の可愛い娘みたいなもんなんだ。脅すのはやめてもらえるか?それに邪神の魂を持つ俺の仲間は多いんだよ。みんなが旧神に従う訳じゃない」
うおー!
妖凛を守る為とは言え、こんな事言って大丈夫か?俺!
でもいざとなったら戦う覚悟はできている。
一応この町を守る為に仲間も大勢集まっているしな。
「フッ、冗談だよ。じゃあ挨拶も終わった事だし、早速料理でも食べながら話をするか」
「話って何かな?面倒な話はお断りだよ」
一体なんの話をするんだろうね。
みんなで飯食って雑談って事はないだろうし。
あー早く帰りてぇ‥‥。
「まず最初の話なんだが‥‥策也に提案したい。元有栖川航路を含む領地を返してはもらえないか?」
いきなりクッソウザい事言い出したよ。
もう此花での統治が始まっているのに、今更返せとか何を言っているんだ。
そういう話はせめてもっと早くに言ってくれ。
つっても返せないけどさ。
領土を『はい返します』なんてしたら、こういう話はドンドンエスカレートする。
「それで此花にどんなメリットがあるんだ?」
「我々と喧嘩せずに済むだろ?」
いやいやいや、もうハッキリ分かったよ。
何かあったら必ず喧嘩するヤツだ。
そしてここで領土を返したら、その喧嘩はまず間違いなく早まるだろう。
相手が弱いと見るだろうからな。
「返したら喧嘩するの間違いじゃないのか?」
「そうかもな」
ふぅー‥‥怖い怖い。
「二人で怖い話はやめてよね。俺も話に入れてよ」
独尊は怖いもの知らずだな。
何故此処までクトゥルフ相手に話せるのかマジで謎だ。
つか料理の味も分からねぇ。
とにかく余裕で食ってるフリしないと。
っていつの間にか妃乃も妖凛も普通に食ってるし。
こいつらも怖いもの知らずか。
いや、さっきの行動を見ても怖いのは怖いんだ。
でも大丈夫だと信じている。
それって俺がいるからなのかねぇ。
「では今回集まってもらった本題と行くか」
いよいよ本題なのね。
「九頭竜が消えて、世界の覇権国は変わった。だから改めてこの三国で世界を支配していかないか?俺たちで手を組んでまずは小国を一掃する」
三国でねぇ。
でもこれは駄目な奴だ。
三国で世界の覇権を握る話で上手くいった|例《タメシ》が無い。
いずれは何処か一国で支配する事になる。
と言うか、そこへ進む為の手段の一つに過ぎないのだ。
日英米で世界をリードしてきた世界は、アメリカ覇権へと変わった。
諸葛亮孔明が提唱した三国志の先は、魏(晋)が大陸統一を果たした。
銀河の歴史が一ページ進んだ先には、帝国がそれを成し遂げた。
こんな話を持ち掛けてきたのは、単独での世界統一が難しいと考えているからなのだろう。
「今まではずっと伊集院、有栖川、九頭竜、そして小鳥遊で仕切ってきたよね」
「そうなのか?くっついたり離れたりが忙しい人達だなって思っていたんだけどな」
「有栖川と九頭竜はそうかもね。でも伊集院は約束は守ってきたよ」
「速水の件からの運河建設は、どう考えても裏切りに見えたがな」
「そんなつもりはなかったよ。ただ速水が俺たちの仲間になりたいと言ってきたから受け入れようとしただけさ」
何にしてもこれまではずっと伊集院と有栖川、そして九頭竜でなんだかんだ秩序を作ってきた訳か。
そこに小鳥遊が入っていたのは驚きだけどな。
あの能力は使えるって所だろうけれどさ。
「なんにしても此花はこの話には乗れないな」
「ふむ。理由はあるのか?」
「理由ねぇ。俺ん家の家訓なんだよ。美味い話には決して乗るなってね」
んな家訓無いけどさ。
「では有栖川と伊集院で手を組んで世界の覇権を取りにいくぞ?」
「いやいや、伊集院もお断りだよ!有栖川と組むくらいなら、まだ此花と組んだ方がマシってもんだ」
「それは有栖川が此花に劣るって事か?」
「逆だよ。強い所を倒してしまった方が覇権国になるの楽じゃん」
つまりこの中で一番弱いのは俺たちって思われている訳ね。
正直実際の所は分からないんだよな。
少なくとも今すぐ有栖川とやって勝てるかは微妙だし、伊集院の事はそもそも情報が全く無いのと同じな訳で。
この独尊の振る舞いを見る限り、有栖川よりも大きくは見える。
伊達にずっとナンバーワンと言われてきた国ではないって事だな。
「残念だな。話は決裂か‥‥」
「別に喧嘩しようって話でもない。利害が一致すれば是々非々で協力はする。尤も、今日の話を聞いて有栖川と利害が一致する事は無さそうに感じるけどな」
「伊集院も此花と同じかな。覇権争いなんてやってる時は面白いけど、取ってしまったらつまらないものだと思うよ」
「お前たちは俺たちを見てもこの判断をするのか‥‥」
暴力で訴えてくるのか?
急に空気がピリピリとしてきた。
両脇の二人も魔力を開放する。
「そんな脅しには乗らないよ。別に俺が殺されても伊集院は揺るがない。伊集院を敵に回す覚悟があるなら殺ればいいさ」
つえー!伊集院つえー!
「俺は殺られるつもりはないけど、仮に殺られたとしても此花には俺よりも強いのがいるからな。眠れる獅子を起こさない方がいいと思うが?」
俺が死んだら間違いなくみゆきが発狂して神になるだろう。
眠れる獅子ではなく、眠れる神なんだよな。
「そうか。その内気が変わる事になると思うがな」
そう言って旧神は立ち上がった。
そして付け加えて言った。
「一応言っておくが、この場でお前たちを皆殺しにするのは簡単だ。だがまだ生かしておいてやる‥‥」
旧神は供の二人を連れて部屋から出ていった。
「料理が勿体ないのさ」
妃乃はそう言って席を移動し、世愚の食べ残しを食べ始めた。
おいおい、こっちは気を張って超絶警戒しているって言うのに、なんだよ妃乃は‥‥。
俺は少し笑えた。
「呼び出しておいて話が決裂したらとっとと帰るんだ。アレじゃ邪神のトップも大した事ないね。此花はそう思わない?」
「少なくとも俺にはあんたのような余裕はないよ」
「そうなんだ。だってさ」
独尊はそう言って守死を見た。
守死の目が一瞬鋭く光った気がした。
「あ、いや、何でもないよ。それじゃあ俺たちも帰るよ」
独尊が立ち上がると、守死と貂蝉も立ち上がった。
「ああそうそう、伊集院は少なくとも今の所は此花と争う気なんて全く無いから」
「俺たちはずっと争う気なんてないけどな」
「じゃあね!」
「さよならなのさ!」
俺の代わりに妃乃が手を振って挨拶をした。
今の所、か‥‥。
「こっちも残して帰ったのさ。勿体ないからみんなで食べるのさ」
「食料危機はまだ終わってないし、確かに勿体ないけどさ‥‥」
流石に他人の食べ残しは食えんよね。
ってあいつら、勘定せずに帰ったんじゃね?
謀られたか!?
クッソ、今度あったら料金請求してやる!
結局俺も、妃乃と一緒に残飯を処理するのだった。

この日の夜、世界を再び地震が襲った。
前回有栖川が実験をした時に起こったものよりも大きかった。
うわーマジでクトゥルフ恐ろしいわ。
今日の話が上手くいかなくて荒れてるんじゃないのか?
そしてこの地震はきっと、火山の噴火を誘発する。
早乙女や織田にとっては迷惑極まりないだろうね。
でも三国で世界の覇権を取るよりはマシだと思うんだよ。
とは言えどちらにしても、世界はこれから更に荒れるのではないかと思えてならないな。
俺は不安を紛らわせる為に、みゆきとイチャイチャしながら眠るのだった。
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