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防衛隊の暴走?そして開戦

シャワーを浴びていると、水が穴から出る音や床に当たる音など色々な音が聞こえている。
色々な音はとにかく多く、音程も下から上まで完璧だ。
その中にリコーダーのような音が混じっているのを発見した。
当然その音も、音程は下から上まで揃っている。
その音に耳を傾けていると、遠くでバラード曲を演奏する人が浮かんでくる。
全ての音が揃っているので、想像した曲は徐々に完成されて聞こえてくる。
なるほど、色々な音があるから曲ができるのだな。
世の中も同じである。
色々な人が色々な役割を果たすから成り立つのであって、決して世界は一人ではできない。
俺が本当に神になるのだとしたら、それはおそらく色々な人が助けてくれるからなのだろうね。

旧神の声明を受けて、俺はドリアードの能力を使って作物を作った事を公表した。
しかしそのままそれを信じる者は少なかった。
『仮にドリアードの力を使っていたのだとしたら、おそらく此花策也は死んでいるだろう。なんとか生きられたとしても、力は半減どころか一割以下にまで落ちているはずだ。そんな事を果たしてするだろうか?否!もしもやっていたら、それは国王としての責務を放棄していると言える!生きる事も強くある事も国王として重要な事だからだ!』
クソ旧神がこのようなメッセージを世界に発信した事で、世論は二つに分かれていた。
『ドリアードの能力を調べたんだけどさ、確かにこれはかなり危険だ。昔何人かがその能力を得て作物を育てるってのをやったんだ。でもみんな死んだらしいぞ』
『俺も知ってるわ。家のご先祖様にそういうの一人いたんだわ。凄く有能な魔法使いだったんだけどさ、それでもアッサリ魔力を失って死んだらしい』
『でも此花策也ってこの世界でもトップレベルの賢者って話があるぞ?やれる可能性はあるよな』
『それで魔力を十分の一以下にまでするか?俺がもしも此花策也の立場なら、絶対そんな事しねぇよ。他国の民まで助ける必要はないだろ?』
『他国の民を助ける為に、自国の戦力を下げるのは愚行だよな。まして旧神みたいなクトゥルフがいる状況だぞ?』
『よっぽどのお人好しなのか、それとも馬鹿なのか。或いはやっぱり此花策也は大して強くなくて、仲間が強いから問題が無いと考えたのか』
『弱かったらこれだけの作物を作って流通させる事は不可能だと思うぞ?』
『もしも本当なら、今が此花を叩くチャンスかもしれないな』
『最近急に国が大きくなって、不満に思っている王族や貴族も多いらしいぞ。世界がこれをチャンスと考えたら叩きに行くかもな』
『でも俺、正直有栖川よりは此花を応援するよ。だってトップが邪神の国には勝たせたくないし』
『それでも有栖川を応援するかな。相手が邪神なら納得もできるけど、ぽっと出の奴にでかい顔はされたくないよ』
話は延々続くが、旧神の狙いは簡単だな。
世界を煽って此花を孤立させ潰す事。
俺が弱くなっているなら叩くチャンス。
そうでなければ、食べ物を出し惜しみして世界を混乱させた悪者扱い。
どっちにしても此花はピンチじゃないのか?
しかもマジで俺は弱くなっている訳だし。
世界全てじゃなくても、有栖川と伊集院が此花を攻撃してきたら守れるかどうか。
いや、免罪符を得て有栖川が攻めてくるだけでもヤバいだろう。
それにしても有栖川旧神ってのは、割とそういう所も気にするのね。
評判が悪くなっても、力づくで世界を手に入れられそうに思うんだけどな。
ただこれ以上はもう発表する事もない。
全部本当の事を言った訳だしさ。
後は世論戦情報戦で対抗するしかない。
その辺りはアルカディアの方でやってくれているし、俺はとにかくやるべき事をしよう。
そんな訳でこの日も、俺はただひたすら魔界で魔物と戦い続けた。

三日が過ぎた。
世論は相変わらずだったが、今度は国内で問題が起こり始めた。
「有栖川は此花を貶めようとしている!恩を仇で返すとは何事か!やはりクトゥルフなんぞが人間の世界で国王などと認められない!旧神に鉄槌を!此花皇帝も疚しい所が無ければ毅然とした対応を!」
此花領内の多くの町で、打倒有栖川のデモが起こり始めていた。
有栖川との戦争を望む声は前々から無かった訳じゃない。
やはり邪神がトップってのは面白くないと考える人もいるからだ。
俺だって流石に不安だよ。
なんてたって邪神だからな。
邪な気持ちを持っていたが故に天界から追放された者たちだ。
暗黒神のように正義に対する考えの違いによって天界を出て来た者もいるだろうが、概ね此処まで見る限り良い奴なんて数えるほど。
そしてクトゥルフは悪い事を考えている気がする。
でもどういう訳か力押しはしてこない。
そこがよく分からない所ではあるけれど、話して分かる奴ではなく、いずれは戦う事になるだろう。
とは言え流石に今こちらからは仕掛けられない。
とりあえず俺は民にメッセージを発信しておいた。
『有栖川の対応や物言いは誠に遺憾である。俺は嘘は言ってはいない。此花の民にもお願いする。我々に疚しい所は何もないが、まずは落ち着いた対応を望む』
声を上げているのは、年配者か外から最近入ってきた者たちなんだよな。
若者はこういう時冷静に対応できるよう教育してある。
だから落ち着いたもんだ。
やっぱり教育って大切だよ。
さてこればかりもかまってはいられない。
今日は忘れていた魂を蘇生する事にするか。
ロイガーとツアールの攻撃力なら、相手が強敵であってもダメージを与えられる可能性は高い。
ならばこいつらを完全に守れる体制を作りつつ戦うという手も考えられる。
後でパワーアップが可能なダイヤモンドミスリルの体で蘇生した方がいいだろう。
そんな訳で蘇生は上手く行き、リンに預けておいた。
ちなみに名前は、達也と和也に決めた。
見た目は今あなたが想像した通りだが、何故か言葉遣いは関西弁だった。
その後はいつも通り魔界で魔物狩りを続けた。

更に二日が過ぎた。
民の声は収まるどころか益々激しくなっていた。
その理由は伊集院の発表か。
有栖川支持を正式に表明したのである。
『伊集院は、有栖川を支持する。別に味方をするつもりはないが、今回の言い分は有栖川の方が正しいと感じるからだ。そもそもドリアードの力で、これだけ食料を供給するのは人間には不可能である!』
「そりゃそうだ。本当なら不可能だよ」
でも俺チートなんだよなぁ。
チートが故に信じてもらえないか。
「これはマズい展開よね」
「伊集院が味方しないまでも、敵にはならない。或いは何かあっても手出しはしないと言っているようなものです」
総司の言う通り、もう一つの大国伊集院が今回の件で有栖川支持に回ったのは大きい。
たかが食料の出し惜しみ疑惑程度で、此処まで非難される事になるとは思ってもみなかったな。
それも冤罪でだ。
それだけ世界は曲がりなりにもまとまっていたのだろう。
でもそれを俺が壊した。
ただ完全に悪役かと思いきや、悪い神を倒して神になるとかって流れが訳分からないよ。
確かに今までの世界にも悪い所はあって、亜人種は虐げられた世界だったけどさ。
少なくとも天界に住む神の道理では俺の方が正しいという訳か。
だからと言って俺は必ずしもそれが正しいとも思えないんだけどね。
いや、此処から結果的に良い世界にして、初めて正しいという事になるのだろう。
「それでリン、民の方はどんな感じだ?」
「鬼畜有栖川、鬼畜伊集院って声を上げてるわ。伊集院まで敵視し始めているわよ」
「扇動役や工作員の確認はできないのか?」
「特定できている町もあるわ。ただどれも碓氷領から来た人なのよね」
碓氷領からの移民が有栖川と戦争するように民を扇動?
旧神が免罪符を得て戦争をしたいとするなら、近くの国の民を利用する可能性はある。
というか碓氷となるとそれ以外には考えられないよな。
「有栖川が戦争したがっていると考えて間違いないだろうな」
それにしてもだったら何故仕掛けてこない?
力はクトゥルフが上だし、今の俺の状況もある程度分かっているだろう。
敵から見れば今が絶好のチャンスじゃないか。
伊集院の発表を受けてこれから仕掛けてくる可能性はあるけれど、ちょっと慎重すぎやしないだろうか。
「今有栖川旧神が声明を発表したのだ!とりあえず映像を流すのだ」
「分かった。よろしく!」
七魅はすぐに映像を投影させた。
『伊集院の支持には感謝する。だが世界にはまだまだ国が存在する。その国の王たちは、此花が食料を出さずに混乱をもたらした事に何とも思わないのか?!もう一度問いたい!』
しつこい奴だな。
何故そこまで他国に同意を求める。
他国に此花を攻めさせたいのか?
無駄なのは分かっているだろう。
それなら流石に此花を舐めすぎだ。
これじゃまるで本当は戦いたくないみたいに見えるぞ?
戦いたくない?
本当は戦いたくないのに、此花を責める理由があるとか?
例えば側近たちはみんな此花を潰す事を望んでいるが、旧神はそれを良しと思っていないとか‥‥。
そうすると色々と辻褄はあってくるな。
力のある旧神にしては何もかも遠回しだし慎重すぎる。
何故そう考えているのか分からないけれど、それならこちらももう少し協力できる事はあるかもしれない。
「もう一度こちらも声明を出そう。今度はドリアードの力で収獲を繰り返す映像もだす。俺が弱っているのもハッキリしてしまうが、もしかしたら今の流れは止められるかもしれない」
「そんな事をしたらチャンスと見られないかしら?」
「でも旧神は戦争したくないように見えるんだよ」
どちらにしても俺と旧神の戦いは避けられないように思う。
そんな未来が感じられるからだ。
だったら俺の頭で考えて、よりマシな方を選択するべきだろう。
「策也がそう思うならきっとそうなのだ」
「金魚もそう思うんだよ。そんな感じがするんだよ」
「僕もそれでいいと思います」
「策也さんがもう大丈夫と言うのなら、愛洲としてもその方が納得できますね」
「はいはい。じゃあ私もそれでいいわよ」
「自分も‥‥」
「うわっ!洋裁脅かすなよ」
洋裁がいきなりやってきて賛成した。
全く、偶に四阿会議に出てこられるとビックリするわ。
そんな訳で俺は、ドリアードの力を使って収獲した映像を証拠としてアップする事にした。
さてこれで旧神はどう反応するか。
俺が弱っているのをチャンスと見て攻めて来るか、それとも‥‥。
しかし俺が映像をアップした直後に、その情報は入ってきた。
「策也!マズい事が起こったのだ!奉先の統治する元御剣領の村が盗賊に教われたみたいなのだ。防衛隊がいたので村人は全員無事だったのだけど‥‥有栖川の立ち入り禁止区域内まで追撃して、盗賊を殺してしまったみたいなのだ」
「禁止区域にまで入っていったのか‥‥」
「それだけじゃないのだ。立ち入り禁止区域内にある町にまで入って、町を襲ったのだ!」
「なんだと?!俺の人形たちはそこまでできないようストッパーがかけてあるはずだぞ!」
「どうやら襲ったのは、防衛部隊の人員不足を補う為に雇った冒険者のようなのだ」
人員不足を補う為に雇った冒険者か。
現状人不足は深刻だ。
二十四時間の監視は三交代、ブラック企業と言われない為には四交代は必要となる。
今回の仕事の場合、盗賊は素人に近いから大した戦闘能力は必要がない。
でも俺は仲間を死なせたくないから、防衛隊は強い者だけに限定して戦闘力の低い者たちを残す事を止めてしまっていた。
人には役割分担があって、数が必要な時もあるって事だよな。
能力ばかりに気を取られ、数を確保してこなかった俺のミスか。
国を守る為には犠牲が出るのも当然で、それを恐れ受け入れられなかった俺が悪い。
「リンはその冒険者がどういう者たちなのか確認を頼む」
「分かったわ」
「俺は早急に旧神への謝罪を‥‥」
俺がそこまで言った所で、七魅が首を振った。
「もう遅いみたいなのだ。有栖川の宣戦布告がネット上に上がってしまっているのだ‥‥」
「政府からもその旨、今報告が来たわ‥‥」
その冒険者、もしかしたら有栖川か、或いは戦争させたいと思っている誰かの工作員かもしれない。
でも今、此花の旗を持って行動していたのも事実。
言い訳は通用しないよな。
しかし本当に、外の敵よりも内の敵の方が厄介だよ。
或いは外部の強敵よりも内部の馬鹿。
俺が馬鹿な事をしていなければか。
でも失敗してしまった事をいつまでも嘆いていても仕方がない。
まだ別に誰かが殺された訳でも国が滅んだ訳でもないのだ。
できる事をしなければ。
「リンは直ちに防衛準備に入ってくれ!連絡は七魅によろしく」
「分かったわ。じゃあ私は行くわよ」
「頼む。七魅はアルカディアとの情報共有を此処で頼む。何かあればテレパシー通信で教えてくれ」
「分かったのだ」
「総司と千えるは自分の役割を果たしてくれ。戦争だからと言って食料は止められないしな」
「分かりました」
「策也さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ千える。もうほぼ力は戻っている」
その事を言っているんじゃないって顔だな。
確かに責任は感じているし落ち込んだりもするけれど、俺に過去なんてないんだよ。
後ろを振り返って反省はしても、後悔しないのが取り柄なのだ。
ありがとうな。
「金魚と洋裁は何かあった時動けるよう準備しておいてくれ」
「分かったんだよ」
「うん‥‥」
この後一応俺は事情を説明した映像をネットに上げた。
政府からも当然有栖川へ事情を伝えた。
冒険者が暴走した事は本意ではない。
できれば戦わずに解決したいと。
それに対して旧神は一言だけ返してきた。
『もう止められない』
映像から見るその表情からは、やはり俺の思っていた事は間違いではなかったと窺えた。
旧神はどういう訳か『戦いたくなかった』と思っているようだった。

こうして戦争は始まった訳だが、しばらくは大きな動きは無かった。
だから俺はできる限り修行を続ける事ができていた。
ネット上では、今世紀最大の大イベントを前に盛り上がっている様子だった。
『まだ始まらないのかよ』
『既に中央大陸では小競り合いは始まっている。ただ此花側からの侵略は自重しているようだな』
『発表通り、雇っていた冒険者が暴走したってのは本当らしい』
『でも責任はあるだろ。有栖川の町では大勢死者も出たらしいからな』
『なのになんで有栖川は攻め込まないんだ?宣戦布告だけして動きがないってのはどういう事だ?』
『そりゃ東の大海をはさんで遠い国だからな。すぐに進攻って訳にもいかないだろ?』
『オラワクワクしてっぞ!領土が広い分トータル戦力では此花が上だろう。でもクトゥルフにヨグソトースっていうヤバすぎる邪神相手だと勝ち目なさそう』
『でもこれで此花が負けると、人類は邪神に支配されるかもな』
『いいじゃん別に、相手は神なんだし。むしろ神にまとめて統治してもらった方が良い事多そうだぞ』
『でもその神に此花策也が勝てるとしたら、それはそれでアリかもしれないな。割と民を想う君主みたいだし』
『どっちにしてもはよせい!俺は戦いが見たい!』
いつの時代もどんな世界でも、傍観者でいられる人が一番幸せなのかもしれない。
転生前の世界でも、俺は傍観者でありたいと思って生きて来た。
しかし娘が生まれた時、流石にそれでは駄目だと思って世の中の事を勉強したんだよな。
この世界に転生してきて、多少なりともその頃の知識が役立っているのは娘が生まれてきてくれたおかげか。
この所リンは四阿会議には出てこられていない。
傘下の国も守る必要があるから、そちらとの連携も大変なようだった。
特に南雲の島は最前線の一つだ。
リンが直接出向いて話をする必要があるみたいだった。
リンのいない四阿会議を終えると、俺は今日も魔界へときていた。
何かあればすぐに駆け付けられる程度にはしておく。
ガチで戦争が始まって戦えないでは意味がないからな。
力は既に戻ってきているが、強くならなくてはクトゥルフには勝てない。
それにクトゥルフだってずっと同じ強さでいるとも限らない。
とにかく強く。
みんなを守れるようになっておかないと。
そんな思いで魔界の修行を始めた直後、とうとう本格的な有栖川の進攻が始まった。
『策也殿、有栖川の軍勢がバッテンダガヤの町に向かって進攻していると連絡が入ったでござる。到着までおそらく三十分もござらん』
『分かった円光。七魅にも連絡しておいてくれ』
『了解したでござる』
中央大陸へときてくれたか。
しかも人口密度が低い元東雲領バッテンダガヤの町ね。
えらく親切な邪神だな。
単に敵は此花だけで傘下国は関係がないという事かもしれないし、帝都へ向けての進攻って話かもしれない。
でも奇襲せず真っ向勝負してくれるのは助かる。
勝つにしても負けるにしても、被害は最小限にできる可能性があるから。
俺は人間界に戻ると、直ぐに戦場を設定して有栖川軍が来るのを待った。
単純な戦争なら、軍勢の召喚で数は補える。
これもあるから、個の力が劣る戦力をドンドン切って行ったんだよね。
結果的に軍縮が戦争を起こすきっかけになってしまった訳だが。
敵は既に目視できる所にまで近づいてきていた。
この辺りは何もない荒野だ。
存分に戦える。
「策也殿。敵もなかなかの戦力でござるな」
「とりあえず倒す事よりも抑える事を優先してくれ」
「了解したでござる」
少し駒が足りないな。
最前線となりそうな場所は合計四ヵ所。
内最も可能性の高い場所へと有栖川は来てくれた。
だからこそそれ以外の三ヶ所からも来る可能性は否定できない。
更にそれ以外からだって考えられる。
それ以外は主にアルカディアのミケコが担当しているようだが、少し戦力を回してもらうか?
「はっはー!策也よ!私も仲間に入れてほしいぞ!」
「賢神!」
賢神が突然瞬間移動魔法を使って戦場へとやってきた。
これはいい所に願ってもない戦力を送ってきてくれたものだ。
流石ミケコ。
「ミケコに言って、最初に戦闘が始まる所へ行かせてもらえるよう頼んでおいたぞ!」
なるほどそういう事ね。
賢神は戦うのが好きだからな。
「頼むぞ賢神!では戦闘だ。雑魚は俺の召喚するレッサードラゴンとドラゴンゾンビの軍勢が相手をする!能力の高い奴をみんなは頼む!」
「任せておけ!私の力を見せようぞ!」
「レッサードラゴンの軍勢召喚!ドラゴンゾンビの軍勢召喚!」
さて何処までやれるか。
こうして此花と有栖川のガチ戦争が始まった。
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