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ラスボスは暗黒神?

策也帰還の方法を探る中で、魔生の魔石の謎が一つ解明された。
このように、開発中に『目的とは別の何かが発見される』なんて事はよくある話で。
その中で俺が最も印象に残っているのが、スクラロースだったりアスパルテームだったりという人工甘味料だ。
殺虫剤だったり兵器開発の中で見つかったって話だから驚く。
本当か嘘かはちゃんと自分で調べてみてねw

今日は一応俺の誕生日だった。
だから暗黒界でみんながパーティーを開いてくれていた。
「おお!策也、これで何歳になるんだ?」
「えっと‥‥本当は三十二歳だけど、今の設定では二十歳って所だ」
実はそれ以前にも、三十年以上別世界で生きてたんだけどさ。
「不老不死じゃし年齢なんてもうどうでも良さそうじゃの。そういえばわらわも不老不死になっておったの」
「みんなで広げよう不老不死の輪!もう解除しなくていいよな?」
「策也はあたしが不老不死の方がいいのだ?」
「そりゃな」
不老不死の辛い所は、常に大切な人の死を見送らなくてはならない所だと言われている。
だったら大切な人をみんな不老不死にしていけば、俺としては悲しまずに済むはずなのだ。
佐天や七魅が死んだ時の事を考えてみたら、ほら、ちょっと涙が出てくるじゃないか。
そんな訳でできればこのまま不老不死をやってもらいたいと思っていた。
「だったらあたしはこのままでいいのだ!」
「わらわもしばらくはこのままでいいじゃろ。ただこの先気分が変わったら解除してもらうぞ」
「オッケー」
ちなみに人形たちはみんな不老みたいなものだ。
魂に刻まれた体の記憶と体そのものが年齢を現すわけだけど、どちらもほぼ老化しないからね。
たとえ老朽化したとしても簡単に直せてしまうわけで、ほぼ不老と言って良かった。
ただし、自動修復みたいな能力はないし不死ではない。
体が消滅してしまえば、魂はしばらくしたのち成仏する事になる。
「それでは今日は飲もうぞ!」
「お酒最高なのね!」
「ほら妖凛も飲むのです」
「ちょっ!妖凛は‥‥」
見た目は子供だけど、闇の神なんだよな。
たぶん大丈夫か?
(コクコクコクコク)
結構飲んでるよ。
暴れたりしなきゃいいけど。
暴れられたら俺でも止めるの大変そうだし、とりあえず今日は|素面《シラフ》で待機しておくか。
自分の誕生日なのに酒が飲めないとか、そんな誕生日を暗黒界で過ごすとか、そういう特別感は記憶に残るから割と好きかもしれない。
尤も、飲んだ所でアルコールを抜く事も簡単にできるんだけどさ。
そんな感じで楽しい誕生日を過ごしていた。

その頃ガゼボでは、いつもの四阿会議をしていた。
毎回暗黒界での行動とこちらの行動時間が一致しているのを不自然に感じる人もいるかもしれないが、思考がリンクしているので同じ時間に起きていた方が良かったりする。
現在資幣と大帝はナンデスカの時間に合わせて寝起きしているので、本体の俺もそれに合わせていた。
霧島はそれよりも若干遅く、だから望海がガゼボの朝会議に来る事は滅多に無い訳だ。
「新しい薬はどんな感じだ、総司」
「九頭竜領へ優先的に出して、まずは騒ぎを抑えました。国内にはまだ変異種はほとんど入って来ておらず、みゆきちゃんのポーションで十分足りています。初回よりも順調に先手は打てていますよ。ただ、オリジナルへの対応はギリギリですね。生産と流通のバランスが難しそうです」
今回は二回目とあって生産速度は早い。
しかし病原体が二種類になった事で結局対応は難しかった。
「両方に対応できる薬は作れないの?」
リンの言う通りそれができれば対応は楽だ。
ただ作れない事はないけれど、作成技術は更に高いレベルが求められる。
有栖川ですら用意していたのは別の薬で、量産するにはハードルが高かった。
「俺や一部人形たちなら作れなくはない。だけどみんな他にやる事があるしな。資幣には授業の合間に作ってもらって、後は西園寺を説得して霧島にもやってもらうか。兎白にも手伝ってもらおう」
「円光なら作れそうだけど、流石に外せないのよね‥‥」
策也たちが帰ってくれば、もっと楽なんだけどな。
最悪また暗黒界で作って送ってもらうか。
そうするとその分戻ってくる時期も遅れそうだし、ギリギリまではこちらでなんとかしないと。
「千えるの方はどうだ?」
「こちらは今の所問題ありません。変異種の感染が広がるのはこれからですからね。準備も今の所間に合っています」
「そうか。油断せずにやっていけば大丈夫そうだな」
「はい」
今回は一気には広がっていない。
おそらく変異種は人為的なものだと思うが、一応変異種という建前上色々な所でばら撒く訳にもいかないのだろう。
新しい王様も一応は裏で動く奴で良かったよ。
大っぴらにやれば世界対有栖川で大きな戦争にもなりかねないし、その辺りは避けたいようだな。
「それでエル、まずは指輪を返しておくよ」
「もういいんですか?」
「解析も済んだしコピーもしてある。それにエルにとって大切な物なんだろ?」
「そうですね」
他人の大切な物を預かるって、結構落ち着かないよね。
特にオンリーワンな物って誤って壊したりしたら取り返しがつかないわけで。
尤もこの世界でなら俺は直す事も可能だし、紛失しても今はセーレの能力で探せたりするんだけどさ。
「それで何か分かったんですか?」
「結構核心に迫る所までは分かったよ。あと一息って所だ」
「それは良かったです」
「それで本題だが、伊集院領の方はどうだ?」
「今度も王国外のエルフに伝える事で伊集院側へと情報は行ったようです。問題なく対応できるでしょう」
「それは良かった」
とりあえず今の所は順調に薬が行きわたっている。
でも疫病が続いている状況はまだ変わっていない。
九頭竜領以外なら落ち着く方向ではあるけれど、この影響でどこまで食料危機が進むか。
うちの領内だけなら大丈夫だけれど、世界となると流石に支えきれない所まできているよな。
「ゆかり、そっちの捜索はどうだ?」
「まだ手がかりは何も無いであります」
有栖川が病原体をばら撒いているのはまず間違いない。
だからミケコは世界中でそれを探っている。
なのに何処にも姿は見せない。
忠告できる国にもそれは伝えてある。
おそらくそこから更に話は広がっていて、おおよそ全ての国で警戒はしていると考えられる。
つまり世界中がその可能性を知りながら見つけられない?
どういう事なんだろうな。
「そういやゆかりは割と万能だよな」
「そ、そ、そんな事はないでありますよぉ~」
照れる事ないのに。
最初は魔王軍の一兵卒だったが、今では大魔王にだって匹敵する能力を持っている。
そして器用だ。
「ちょっと薬作りをやってみないか。ミケコには言っておくし、ゆかりならできそうだからな」
「自分がでありますか!?」
「そうだ。多分楽勝だと思うぞ」
「では挑戦させてもらってもよろしいでしょうか?」
「いいぞ!ただ今の任務も必要最低限はやってもらうな」
「もちろんであります」
「アルカディアと四阿会議の連携だけど、此処にマジックボックスを設置すれば十分対応できるだろう」
「はい!ではやらせていただくであります!」
あら、まただんだんとお堅い軍隊喋りに戻ってきてしまった。
「ではしばらくゆかりの担当はこのガゼボにおいて、俺の臨時幕僚としする!」
「幕僚‥‥」
ただのお手伝いさんなんだけど、なんか格好いい感じの役職名を与えた方がこの子は喜ぶんだよな。
「命がけで任務を全うするであります!」
特に危険は無いから命はかけなくてもいいけどね。
「よろしく」
早速ゆかり専用の三倍早いマジックボックスの設置を頼んでおくか。
本当に早い訳じゃなけどね。
これで四阿会議は四阿指令室にもなりそうだよ。
そんな訳でみんなが解散した後、俺はゆかりに薬の作り方を教えて二種の効果を持った薬を生産していくのだった。

誕生日パーティーが終わった後、酔いが醒めてから俺たちは先へと進んだ。
すると俺の目の前に今までと違った風景が見えて来た。
「なんか魂が先に向かって飛んでいるな。この先に集まっているようだ」
「ほう。魂が集まる場所か。あの世でもあるのかの?」
「魂のつかみ取りができるかもです」
「テンションが上がってくるのね!」
少女隊に魂集めをさせたのは失敗だっただろうか。
なんだか金魚すくいのテクニックを覚えてしまった子供のようだ。
直ぐに飽きるとは思うけれど、それまで変な事はしませんように。
更に先へと進むと、前方には大きな灰色の壁のようなものと、その手前には沢山の建物が見えてきた。
建物には煙突のような吸気口と言うか吸魂口がついており、そこに魂は吸い込まれるように入って行った。
「あの建物の中には魂が沢山あるのです!」
「策也タマ、早く入って魂のつかみ取りをするのね!」
「ちょっとお前ら待て!あの建物は何かがヤバい」
俺は邪眼で確認した。
建物は三階建ての六世帯マンションくらいの大きさだが、中の魂は無限に詰め込まれているように感じるくらいに多い。
建物ごとに魂が仕分けられ、更に中で加工処理されているような雰囲気もある。
おそらくこの建物自体が魔導具なんだ。
よく見るとそれぞれの建物には名前が書かれてある。
と言っても俺には読めない魔法術式用の文字だ。
だけどなんとなく俺には分かる。
そして先日試した召喚の指輪に刻まれた名前と同じものを発見した。
そうか分かったぞ。
この建物のどれかから魂を一つ人間界へと召喚していたんだ。
ならばこの中のどれかを召喚すれば、魔力蝙蝠の魔生の魔石も作れるはずだ。
俺は全ての文字をそのまま魔法記憶へと記録していった。
とりあえず俺たちは地上へと降り立った。
この先は壁のようなものがあって進めそうにない。
どうやらここが終点のようだ。
「この建物は魂を集めて処理する魔導具だな。中に入ると即死だぞ」
「そうなのね?」
「し、知ってたのです」
まああくまで俺の勘だけどな。
でも多分大きくはハズレてないと思うし、入って生き残れる可能性は微レ存だろう。
「ここで終点のようじゃの。この魂工場みたいな所で暗黒界は終わりなのじゃ」
「結局暗黒界とはなんだったんだろう。私はもっと戦えると思うて期待しておったんだけどな」
「あたしは何も無くて良かったのだ。戦いとか怖いのはあまり好きではないのだ」
本当にこれで終わりだろうか。
魂の集まる場所で、おそらくここから魂が新たな世界へと生まれ変わって行くのだろう。
でもこれじゃ帰る為の手がかりも何もない‥‥
「ん?結構強力な魂が飛んでるな。捕まえるか?」
俺はその魂を操作して手元へ引き寄せた。
するといきなり地面が大きく揺れ始めた。
「うお!なんだ?」
「いきなり地面が揺れ始めたのね」
「地面だけじゃなくすべてが震えている気がするのです」
「策也、先にあった壁を見てみるのじゃ!」
佐天の言葉に、俺は行き止まりの壁のようなものに目をやった。
するとそれが動き出し、本当の姿を現してきた。
「おお!凄いぞ策也!アレは壁などではないぞ!大男の背中のようだ!」
「あわわわわ‥‥それになんだか凄い圧を感じるのだ」
ヤバいヤバいヤバい!
これは絶対ダメな奴だ。
魔力が一気に感じられるようになったが、到底俺たちの手に負える相手ではない。
これは一旦逃げた方がいいだろう。
「みんな、一旦引くぞ」
俺の声はこの辺りの振動にかき消される。
クッソ、このままだとみんな死ぬかもしれない。
瞬間移動でなんとか飛ばしてみるか。
俺がそう思った時、爆発的に大きな声が辺りに響き渡った。
「おお!ようやく来たか人間たち。いやぁ~まさかこちらから人間がくるとか予想もしていなかったぞ!お前たちアッパレだ!所でその魂はわしのだ。返してもらえるかな?」
「えっ?ああ‥‥」
俺は魂を開放した。
するとその魂はその壁だった奴の所へと向かって行き、吸収されて消えた。
「想像していたのと違うのね」
「なんか陽気なおじ様みたいなのです」
少女隊の言う通り、完全に想像していたのと真逆の感じがした。
爆発的に大きく禍々しい魔力だったからね。
「おう!お主は誰だ?私の名は上杉賢神だ!」
賢神流石だな。
あの相手に対してよくもそんな対応ができるものだ。
「ほう。お前が人間最強の血統である上杉の賢神か。噂は聞いておる。わしの名は『暗黒神』だ。闇魔法が使える者なら知ってるだろ?」
うはっ、こいつが暗黒神かよ。
色々な意味ででかすぎる。
世界の闇魔法はおおよそこいつの力を借りている訳だ。
「最後に出会うのは暗黒神じゃったか。しかしこれほどでかいとは思ってもみなかったのじゃ」
「でもちょっと優しそうなのだ。あたしはホッとしたのだ」
「脅かさないでほしいのね」
「このこの、憎いおじさんなのです」
菜乃はいつの間にか近くまで行って、暗黒神の足の辺りを肘でツイツイとしていた。
おいあんまり調子に乗るなよ少女隊。
怒りに触れたら即死間違いなしだぞ。
「みんななかなか強そうだな。まあ左回りで此処まで来たのだから当然か。お前たちが初めてだぞ」
おそらく最初の選択で右を選んでいたら、直ぐに暗黒神に出会えていたのだろうな。
でも強くはなれなかった。
やはり左を選んで正解だったようだ。
「此処まで来られたのは策也のおかげだ!」
「そうなのだ!策也がいなかったらみんな死んでたのだ」
「策也か。後ろでずっと黙って突っ立っておる奴だな?」
「えっ?ああ。いやまさか暗黒神が此処まで凄い奴だとは思ってなくてな。ちょっと驚いていたわ」
うわぁ~なんか怖いよ。
やり合えば絶対に負けると思える相手と話すって、こんなに怖かったか?
転生前の世界じゃ当たり前にあったんだけどな。
「ははははは!お前も十分凄い奴だぞ!わしの子らを倒したんだからな」
「えっ?倒しちゃってる?それはスマン。それで一体誰の事かな?」
うわー!ヤベえ!
暗黒神の子供を殺すとか、俺とんでもない事をしてしまったのではないだろうか。
「混沌除ノ異子、小鬼嘆、そして麻布十番だ。だから悪いが魂だけは返してもらえるかな?持ってるんだろ?」
アレは暗黒神の子供だったのかよ。
いや実際強くてヤバい奴だったし、そう言われれば納得もするんだけどさ。
「ああコレね。返すよ」
俺は魂を異次元収納から取り出してすぐに開放した。
解放した魂は暗黒神へと吸収され、再びどこかに飛ばされたようだった。
「これはわしのオモチャでもある。返してくれて感謝するぞ。ところでお礼と言ってはなんだが、何か望みはあるか?此処まで会いに来てくれた褒美も兼ねて、できる範囲で叶えてやるが?」
キター!お願い聞いてくれるタイム!
でもこういうのって願いが叶ったら魂奪われるとか、相応の代償が必要だったりするよな。
「はいはい!私は策也タマに一度でいいからプロレスで勝ってみたいのね!」
「私も私も!策也タマの玉を思いっきり蹴ってみたいのです!」
こいつら‥‥相手を見て対応できないのかよ。
「そうか。お前たちのその願いは、人間界に戻る事ができたらできる範囲で叶えてやろう」
「えっ!?本当に叶えてくれるのね?」
「だったらもっと凄いお願いした方が良かったのです。でも嬉しいのです!」
まさかの神対応。
暗黒神なのにね。
つか俺は人間界に戻ると菜乃にタマタマを蹴られてしまうのか?
アレ超痛いんだけどさ。
痛みで呼吸困難になるぞ?
「他の者は何かないのか?」
「わらわは魔界が平和であればそれでいいのじゃ」
「魔界の平和か‥‥それはお主が自らつかみ取るものだな。よし、お前を魔界の王とわしが任命してやる。後は自らの力で平和にしてみせよ」
「あ、ありがとうなのじゃ」
悪魔王サタンって、元々魔界の王だよな。
暗黒神は気が付いてない?
そんな事はないと思うが‥‥
「賢神はどうだ?」
「私は特にない!欲しい物が有れば自分の力で手に入れようぞ!」
「そうか。なかなか男前だな。だったらそれが上手く行くよう祈っておいてやる」
「かたじけない」
「次は‥‥お前はリンドヴルムだな?」
「えっと、そうみたいなのだ。ついこの前まではフレイムドラゴンだったのだ」
あれ?七魅がリンドヴルムって分かっているのか。
ならば佐天も悪魔王サタンだって分かっているよな。
「ほう。温泉でリンドヴルムになったか?」
「そうなのだ。ちょっとビックリしちゃったのだ」
「それで何か望みはあるか?」
「特にないのだ。あたしは策也とかみんなと一緒に楽しくしてるのでそれでいいのだ」
なんか七魅がそんな事を言ってくれると、俺は嬉しいよ。
これからも面白おかしく世界を楽しもうな。
俺は感動の涙をこらえた。
そんな俺を見て、妖凛が優しく肩をポンポンと叩いてくれた。
妖凛もいい子だよ。
「そうか。ならばそこは策也に任せるとしよう」
ん?えっ?俺に任せる?
七魅と仲良くしてればいいって事かな。
まあそれなら大丈夫だよな。
「では次に‥‥ニョグタの魂を持ったお前はどうだ?」
(プルプル?ハッ!コソコソ)
「ふむ。分かった。こっちも策也に任せる事になるな」
なんだなんだ?
今ので妖凛の望みが分かったのか?
暗黒神すげぇ!
「では最後は策也だな。リンドヴルムの分とニョグタの分を合わせて、三つまで言ってもいいぞ?」
おおっ!そういう事か。
それで俺が代わりに七魅と妖凛の望みを叶えるって訳だね。
でも‥‥
「急に言われても思いつかないな」
賢人の知恵じゃないけど、マジで何も思いつかないぞ。
「何も無いのか?」
「あっ!此処から人間界に戻る方法があったら教えてほしい!」
「なんだか叶えるのに張り合いのない願いばかりだな。プロ野球選手になりたいとか、宇宙飛行士になりたいとかそういうのはないのか?」
いや流石にそれは無理だろ?
プロ野球とか宇宙飛行士とかこの世界じゃないし。
つか暗黒神って色々な世界に共通するものなのかね。
あれ?だったらもしかして転生前の世界に戻る事もできたりするのかな。
いやいやいや、流石にそれはないよ。
たとえできたとしても、さっき俺は二人の願いを叶えるように言われたばかりなんだから。
「それでどうなんだ?人間界に戻る方法」
「それは無理だ。死んで魂となるなら可能だが、その場合もうお前はお前で無くなるぞ」
暗黒神でも戻る方法を知らないのか。
「でも人間に召喚されて、ここの住人が結構人間界に行っていると思うんだが?」
「そうだな。人間に召喚される事が唯一の方法と言えるだろう。そういえば過去に一度だけ人間界に召喚され帰還した者はいたな」
「そうなんだ‥‥」
どうすっかなぁ。
戻る方法はある。
ただ一度は死ぬ事になるけどさ。
そして死なずに戻る方法もあるはずだが、今の所は分からない。
見つけるまで此処で暮らすしかないのかな。
「おい策也。あの指輪を使ってみたらどうだ?アレは転移の指輪なんだろ?私はアレで戻れると思うぞ」
「これか」
俺は異次元収納から指輪を取り出した。
「おお!その指輪、確か帰還した者もその指輪を付けておったな」
「マジか!?」
ならばこれで戻れるはずだ。
俺は暗黒界での瞬間移動を試してみる。
「何をしておるのじゃ?」
「これを使って戻った場合、お前たちを回収する為に再びここに戻ってこないと駄目だからな。瞬間移動が思い通りにできるか試しておいたんだ。問題なさそうだから使ってみるぞ」
俺は指輪を付けて魔力を込めた。
しかし全く何も起こらなかった。
「駄目じゃな」
「駄目みたいだな」
「駄目なのだ」
「駄目なのです」
「駄目駄目なのね」
駄目か‥‥
「そんな訳だ暗黒神。俺の願いはしばらくここに置いてくれって事でいいか」
「それはこちらも嬉しいぞ。話し相手も無く暇だったからな」
はぁ‥‥
ここに来ればすぐに帰る方法が見つかると思っていたのに、そんなにうまくはいかないか。
こうして俺たちの暗黒界での生活はまだ続くのだった。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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