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G線上の九頭竜

『南京大虐殺』という言葉を聞いた事はあるだろうか。
これは今の中華人民共和国が、日本を貶めマウントを取る為に行っているプロパガンダだ。
プロパガンダとは政治的な宣伝の事だが、概ね半分は嘘が混じっていると言っていい。
そして主に世界に対して、いかに敵対国家が悪いかを訴える為のものである。
南京大虐殺というプロパガンダは、そもそも『三千人の住民を虐殺した』というもので、米英に全く相手にされていなかった話だった。
まあ言ってみればほとんど嘘だからだ。
ただし一部本当も含まれていると思われるのでプロパガンダとして成立している。
内容は『大日本帝国軍が当時の中華民国にあった都市『南京』に進攻した際に、住民を三十万人虐殺した』というものである。
これが嘘だという理由は色々とあるが、まずは当時の南京の人口が三十万人もいなかった事だ。
いない人を殺すなんて事は普通にあり得ない。
仮に数字の誤差だとしても、嘘だと言える理由は他にもある。
当時の南京は、ラジオ放送がされるくらいの割と近代的な町だった。
しかも外国人だって暮らしている。
にもかかわらず、海外やラジオでそのようなニュースが取り上げられる事は全く無かった。
明らかに出鱈目なのである。
或いは証拠として出されている写真が、別の所で撮られてものばかりだというのもある。
では何故そのようなプロパガンダが信じられているのだろうか。
一つは、全くの嘘とは言えないからだ。
町を占拠する際、当然軍に対して向かっていく住民もいただろう。
或いは住民に紛れ込んで日本軍を攻撃した兵士もいたはずだ。
それらを攻撃する事は、傍から見れば町の人を攻撃したと見えるだろう。
更に戦闘があれば、巻き込まれる人だっていたはずだ。
危険だからと住民を誘導しようとしても守らない人だっている。
そういう人に対してやむを得ない攻撃をしたという話はあったかと思う。
だから完全な否定はできない。
それでも数える程度の人数なら、まだ話は大きくはならなかったはずだ。
今の国際法で見ても違法ではないだろうしね。
此処からはあくまで俺が転生前に得た情報であり、本当か嘘かは自分で調べてもらいたいが、多くの人を処刑しなければならない事情が大日本帝国軍にはあったらしい。
町に入るまでに、多くの兵士などを殺さずに捕虜として捕まえてしまったのだ。
その数は三千から一万人以上と資料にはあったかと思う。
俺の記憶なので、この数字も含めて正しいかどうかは確信が持てない事は伝えておく。
町を出る際、当然その捕虜をどうするかという話になる訳だ。
それだけの捕虜を連れてはいけないし、仮に連れて行くにも食料が必要となる。
当時の日本軍にそれができる訳がなかった。
連れていけないなら、後は殺すしかなった。
その死刑に立ち会った人の手記には、断腸の思いで行った記録が残されていた。
その行いが仕方がない事なのか、そうではないのかは俺には何とも言えない。
ただそう言った話が後にプロパガンダに利用され、大きな話になっているという事は理解しておきたいね。
ちなみにこの話、今の警察の対応とも似ている。
海外では、凶悪犯は射殺される事が多い。
しかし日本では意地でも生きたまま捕らえる。
その結果、その凶悪犯を死刑にすると世界から批判されるのだ。
こういう今の状況もあるから、俺はきっと捕虜云々の話は本当なのだと思うよ。
日本人が無暗に人を殺さない事が、かえって批判される結果に繋がってしまう事もあるんだね。

『我々は民を殺すつもりはなかった。しかしご覧の通り民が武器を取って我々に戦いを挑んできたのだ。前にあった世界ルールでも戦う民への攻撃は仕方がないとされている。悪いのは近衛領アンキナの民である!』
やられたな。
ミケコが出て行って、九頭竜の軍は引いていった。
しかしミケコたちが対峙している間に、少数の精鋭が町を攻撃し食料を奪って行ったのである。
あの信号弾のような光は、作戦終了を伝えるものだったか。
そして民を殺す口実も、武器を持って戦う為に町の外まで出て来た民を見れば、正当な反撃に見えなくはない。
何処まで九頭竜が計算していたのかは分からないが、見事にプロパガンダされるだけの映像は撮られてしまっていた。
日中戦争でもちゃんとこうやって証拠を残せていたらどうなっていただろうな。
南京大虐殺とか騒がれる事は無かったかもしれない。
大日本帝国陸軍がミスした所は、ちゃんと証拠を残せなかった所か。
南京の町で子供たちと仲良くしている写真だけでは、完全に否定するには証拠として足りなかった。
尤も無かった事の証明は、本来『悪魔の証明』と云って証拠なんて必要ないはずなんだけれどね。
でっち上げられたら一定数信じる人もいるからお手上げだよ。
それにしてもこうやって武器を持つ町民の映像が残されると、九頭竜の言い分には一定の正当性があるように思われるだろう。
今回に限っては、一方的に九頭竜を責める国は少ないはずだ。
「九頭竜の悪知恵にはまいるな」
「策也、あんたには負けるわよ」
「そうですね。策也さんの悪知恵はかなりのものだと私も思います」
「リンはともかく千えるまで‥‥」
でもそうなのかな。
普通に知恵を絞っているだけなのに。
「とはいえ進攻した事、食料を奪った事は事実なわけで、九頭竜が悪い事に変わりはない」
生きる為に仕方がないって理由には同情もするが、悪い事は悪いのだ。
こういう時こそ世界会議を開いて世界でなんとかするべきなのだろうけれど、俺が声を上げても賛同は得られなかった。
九頭竜は嫌われ過ぎている。
そして大国にしても小国にしても、このまま九頭竜が沈んでいく事を望んでいるのだ。
早乙女がちょっかいをかけているというのも、国境線付近に兵を集めているといったような話だった。
早乙女と九頭竜は表向き敵対していないように見えるが、実際の所はかなり仲が悪い。
九頭竜が破れかぶれになって攻めて来るのを期待している節もある。
そのような動きは伊集院にもあった。
九頭竜領に近い国々は徐々に動き出していた。
「世界が全て九頭竜に向くと、可哀そうにも感じるから不思議ね」
「ただまだアンキナの町を襲った九頭竜の者は四人でした。今の世界ルールではまだ戦争をしかけているとは言えません」
「もしも九頭竜がそこまで破ったら、世界は一斉に九頭竜を敵とみなして攻撃するのでしょうか」
「どうだろうな‥‥」
リンの言う通り、世界は九頭竜をイジメるチャンスを窺っている。
それはなんだか可哀想にも感じて来る。
そして総司の言う通り、九頭竜はそのチャンスを与えないようにギリギリの所で踏ん張っている。
もしもこのギリギリが崩れたらどうなるんだろうな。
此花帝国がもしも日本のような国なら、国民から『九頭竜を助けろ!』とか言い出すんだろう。
でも普通の人は、自分が苦しい思いをしてまで他人を助けようとはしないのだ。
それにレベルが違うよな。
日本人だって食事が昼食だけになるとしたら、流石にそれは受け入れられないはずだ。
何にしても助ける選択肢は今の所選べない。
「新しいニュースが入ってきたのだ。映像を出すのだ」
「そうか。頼む」
新たなニュースと言うのは、伊集院と九頭竜で行われた話し合いの決裂だった。
『九頭竜、緊急時の領地返還を求めるも、条件に合わないと伊集院は応じない姿勢』
九頭竜は追い詰められているな。
九頭竜が伊集院に対して貸し出している領地は三ヶ所だ。
内一ヶ所は冒険者ギルドが管理するダンジョンを管轄下に置く為のものだが、もう二ヶ所は港町を擁する割と栄えた場所である。
そこを返してもらう事で、その地に備蓄された食料と生産力を奪うのが目的なのだろう。
当然伊集院は応じられる訳がない。
ここまでやるのだから、九頭竜にはもう手は残されていないな。
近衛との全面戦争、或いは世界を相手に九頭竜の戦争が始まる。
俺はそう確信していた。

しかしそれから三日が経っても、九頭竜に動きは無かった。
「おっかしぃなぁ~‥‥どう考えても九頭竜はギリギリのはずだ。何もしないのはもうあきらめたのか?」
「何か不気味よね。とんでもない事を考えているのかしら?」
「九頭竜なら民を見捨てる事も考えられますが、そんな事をしたらどちらにしても九頭竜は終わりですよ」
何事も無いならそれはそれでいい。
なんだかんだ野菜不足も後一週間もすれば多少解消へ向かうだろう。
手の空いた者を畑仕事に駆り出し、堕天使部隊の者たちにも畑仕事をしてもらった。
更に豊穣の効果によって収穫量もアップが約束されている。
九頭竜だって似たような対策はしているはずだし、肉魚類と野菜に関しては贅沢を言わなければ何かは食べられるようになるはずだ。
雑草を食べる日々ともそろそろおさらばできるだろう。
尤も、何も対応してなければ知らんけどね。
結局この日も夕方まで何もないまま時間は過ぎて行った。
俺は自ら色々と現状確認に回った後、久しぶりに子供たちと遊んでいた。
「ねぇお父タマ、カマキリに闇の蘇生魔法をかけると凄く面白い動きをするんだよ」
「そうなのか?」
六華は最近俺の事を『お父タマ』と呼ぶのが何故かマイブームらしい。
これは間違いなく少女隊の悪影響だろう。
あいつらには後でお仕置きが必要だな。
「じゃあやってみるね」
六華は捕まえてきたカマキリをプチっと潰して死亡させた。
そしてそのカマキリを闇の魔法で蘇生する。
まだ四歳なのに蘇生魔法とか、どんだけ優秀なんだよ。
でもなんで闇の蘇生魔法なんだ?
まさかこれも少女隊の影響じゃないだろうな。
カマキリは甦り、立ち上がってフラフラと動き始めた。
「あはは。なんか酔っぱらって帰ってきたお父タマみたい」
「えっ?俺酔っぱらってる時ってこんな動きなのか?」
なんか寿司折りを土産に持って帰る酔っ払いだなこりゃ。
ジャッキーが、飲めば飲むほどに強くなるアレの動きにも似ている。
このカマキリはきっと武道の達人に違いない。
「じゃあお父さんはこのバッタで勝負だ!」
俺はバッタをプチっと死亡させてから、闇の蘇生魔法で蘇生させた。
するとフラフラしながらカマキリへと向かっていった。
「ホラ行け!カマキリごときに負けるな!バッタ拳法を見せてやれ!」
「カマキリは最強だよ!炎を吐くんだ!」
いやいや、いくら何でもカマキリは炎を吐かなよ。
なんて思っていたら、カマキリがドヤ顔でバッタに向けて炎を吐いた。
「なんでやねん!」
「強化蘇生したんだよ」
なんとそんな事ができるとは。
うちの子はマジで天才か?
いや今は感心している場合じゃない。
俺のバッタの羽が焼かれ、命は風前の灯火だ。
「よし、こうなったら祝福と回復魔法だ!」
俺はバッタに魔法をかけた。
バッタがみるみる元気になってゆく。
「カマキリ!今だ食らいつけ!」
「なんと!」
カマキリはフラフラとバッタに向かって行き、鎌でバッタを捕らえてかぶりついた。
もしゃもしゃもしゃもしゃ‥‥。
咀嚼の音が聞こえてきそうなくらい、よく噛んで食べていた。
「わーい!カマキリが勝った!」
「そうだね‥‥お父さん完敗だよ‥‥」
そもそもバッタがカマキリに勝てる訳ねぇ!
つか六華は将来俺のようなゴーレム使いになるかもしれないな。
なんて思っていたら、今日も何時ものアレがやってきた。
「策也さん大変なんだよ!ニュースを見るんだよ!」
こりゃ間違いなく九頭竜が何かしら動き出したな。
おとなしかったのは三日だけだったか。
「ほうら六華ちゃんお行き~」
俺は六華をリリースするように夜美ちゃんに預け、ガゼボへと移動した。
既に横の席には金魚が座って待っていた。
勝手に俺の端末を操作してくれてもいいんだけどな。
プライベートなのはマイホーム内の端末を使ってる訳だし。
何故か自分では操作しない金魚だった。
俺はニュース画面を開いた。
タイトルがすぐに目に飛び込んできた。
『九頭竜、魔界へ進攻!』
「魔界か‥‥」
スッカリ見落としていたけれど、魔界には魔物が沢山いるし、ドラゴンたちならいくらでも飯は食えるよな。
舌が肥えているから無理かとも思っていたけれど、こうして実際に動くと納得というか。
米が無いなら肉を食え!
なんとかなるかもしれない。
俺は記事を開いた。
「魔界にある魔人たちの集落を襲って回っているんだよ」
「まさかそんな事をしたのか」
人間界の町を襲うのはリスクがある。
だったら魔界に住む魔人の集落を襲えばいい。
そんな事普通は思いつかないだろ。
いや、俺は逆の発想で魔人たちにも畑を作ってもらっている。
奪うか作ってもらうかの違いしかないんだ。
「魔界の中央大陸は魔物が多いからな。魔人の集落はそれほど多くはないだろう。すぐに俺たちの開拓した場所へ来るかもしれないな」
魔人たちが襲われているのをどうでもいいとは思わないけれど、王としてまずはそこを対応しなければならない。
「それがそうでもないんだよ。ニュースを最後まで見るんだよ」
金魚の言葉に、俺はニュースを最後まで見た。
『この辺りは魔人王国が開拓を進め、魔界の魔人たちが多く集まって来ていました。そこを九頭竜が襲った訳です』
やはり大魔王は魔界の魔人と共に沢山の食料を生産していたのか。
そりゃセバスチャンならそれくらいの事考えるよな。
でもそこが九頭竜に襲われた訳か。
「これは魔人王国と九頭竜帝国の戦争になるな。そして魔人王国側には早乙女も付くだろう」
大魔王は強い。
しかしおそらく九頭竜には勝てないだろう。
そして早乙女も何処までやれるか。
冬馬は結局洗脳によって若干行動制限をして帰してやった。
だからと言ってそれも戦力にはなるまい。
仮に悪魔召喚のクリスタルが有ったとしても、強い所は概ね召喚して倒しちゃったからなぁ。
「どうするんだよ?」
「とりあえず世論も確認してみるか」
俺はこのニュースのコメント欄を開いてみた。
『九頭竜、おとなしいと思ったら魔界で略奪かよ』
『必死過ぎ。でも食いもん無かったら俺もやるかもな』
『俺有栖川領に住んでるから、食料の問題はほぼなさそうだわ。旧神割と人間様の為に働いてくれている』
『いいな。俺は伊集院領だけど、普段食べない物食うのも悪くないぞ』
『冒険者ギルドは非常食的な物を集めるの得意だしな』
『此花も割と普通だぞ。四十八願吸収した時は終わったと思ったけど、それでもある程度平常運転は凄い』
『イナゴまで予想していたのか?もしかして此花の謀略の可能性?』
『早い内に気が付いて侵入を阻止する為に防衛隊総出で対応していたらしい』
『此花割といいな』
『一方九頭竜では‥‥俺もう明日食う物もないよ』
『マジかよ。ご愁傷様』
『生きろよ。雑草でも何でも食べれば生きられる』
『俺町育ちだし辛い。それに近所の雑草は概ね食われているわ』
『そういうの聞くと、魔人を倒しても食料を集めようとする姿勢は評価できる』
『魔人と仲良くとか言っても、やっぱ人間じゃないしな。今回は九頭竜を推す事にするわ』
『俺もやっぱそうかな。魔人は元々人間だって言っても、やっぱ俺ツノ無いし』
『俺実は魔人だから、みんなにそう言われると辛いわ』
『悪いな。でもやっぱ同じ人種応援するよ。お前は魔人側を応援してやれ』
『そうする。でも他人の物を奪うのは駄目だと思う奴が少しはいてほしい』
『結局こういうのって良い悪いよりもどっちを応援したいかなんだよな。俺は九頭竜嫌いだから魔人側を応援するぞ』
『九頭竜帝国崩壊の危機らしいし、このまま滅亡した方が人間の為かもしれない』
『お前人間じゃないだろ?この状況は九頭竜応援一択』
『俺も今こそ九頭竜亡ぶべしって思うけどな』
『今回アルカディアは動くと思うか?』
『動かなければ魔人が亡ぶ。動けば九頭竜が亡ぶ。そんな気がする』
『でも実際九頭竜の本当の戦力でどんなもんだろうな。十年前ならトップクラスだったろうけど、最近だと並みのレベルまで落ちてそう』
『でも魔人王国の魔王よりは強いだろ』
『そりゃな。あのレベルが複数人確認されているからな』
この後も会話が延々と続いている。
ざっと読んだ所、真剣に悩んでいるのは王族ばかりという事かもしれない。
これくらい此花の民も軽ければ、もっと食料を分ける方向で考えてもいいんだけどな。
つか此花の評価は割と高そうでちょっと良かった。
安心した。
「世論はやや九頭竜推しに見えるんだよ」
「でも逆もあるし、そんなに熱量も感じられない。よし!魔人とは言え放ってはおけない。助ける事にするぞ!」
「やっぱりそうなるのね」
「知ってましたよ」
リンと総司がガゼボに帰って来ていた。
「そりゃどういう事情があるにせよ、暴力で他人の物を奪うのはね」
それに俺は一つ解決策を思いついていた。
多少俺が責められようと、九頭竜の民を救う方法はこれしかないよな。
そう決心した時、禰子からテレパシー通信が入った。
『お兄ちゃん。今セバスチャンさんから連絡があったよ。「助けようと思うこと勿れ」だってさ』
『そうか‥‥』
セバスチャンは俺に迷惑をかけたくないか。
でも俺は助けたいんだぞ。
少しくらいは頼ってくれよ。
助けようと決心した俺の心は、ニュートラルへと戻るのだった。
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