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九頭竜の策略と逆襲

真実と事実は違う。
真実は見方によって変わる事もあるし、事実と違っても真実と成り得る。
だから大切なのは事実であるが、事実なんてものはそれを体験した者、見て来た者にしか分からない。
例えば大昔の人が『西暦千年一月一日に家が倒壊しまくる地震があったぜ!でも俺は足腰が強いから倒れなかったよ!』なんて日記を残していたとしよう。
この人がこの日記を書いてこの文章を残した事は事実である。
しかし本当にこの日地震があったのか、それは家が倒壊しまくるほどだったのか、この人は足腰が強かったのか、などといった点に関しては分からない。
他の資料などと照らし合わせて、地震があったと断言して良いと思えばそれは真実となる。
でも揺れは大した事がなかったという記述も見つかれば、実は大した揺れではなかったというのが真実となるかもしれない。
ならば足腰が強かったというのも嘘かもしれないし、でもそんな嘘をついても仕方がないからそれが真実とされるかもしれない。
真実とはそうやって色々な人の考えやら情報から導き出されたものだったりする。
逆に一人の考えがそのまま真実になる場合もある。
権威と発言力のある人がそう言えば、信じる人も多いだろうからね。
そんなでもほとんど全ての真実は、事実と同列に評価されてしまう。
それを頭に入れて真実とは向き合っていきたいものだ。
ただし、時に真実の方が大切になってくる時もあるんだよね。
何故なら真実を信じて積み重ねて来た歴史もあるだろうしさ。
それに人間は感情の生き物だから、間違いでも信じたくなるものなのだよ。

伊集院の戦争も早乙女の戦争も、どちらも少しずつしか動かなかった。
伊集院の方はおそらく、息子が降伏するのを待っているからだろう。
早乙女の方は、大魔王たちが戦列に加わって力が拮抗してきたのかもしれない。
そんなわけで薩摩の戦場では、強い奴が現れなくなって三日が過ぎた。
なんとか神武国オトロシイの町であったデモ騒ぎは収まった。
参星が民を煽っていた工作員を処分したのだそうだ。
工作員は簡単に見つかったとか。
両方のデモに同じ人間が何人か参加していたらしい。
そういうの、転生前の世界でもあったよな。
ただ、そういうのを見つけて処罰したから収まったというよりは、騒ぐと捕まってしまうという恐怖の方があったかもしれない。
参星はちょっと扱いが難しいよな。
戦力にはなるんだけど、民に恐れられる存在にはならないでくれよ。
そんなこんなでホッと一息ついた時、またまた奴がやってきた。
「策也さん、大変なんだよ!ニュースを見るんだよ!」
毎回何か違った対応で答えてやりたいが、ネタを考えるのも大変なんだよ。
「金魚!大変だ!隣の家に『塀』ができたんだってよ!」
「そんな事より早くニュースを見るんだよ!」
金魚よ、そこは『へぇ~』って言ってくれないと気分がスッキリしないじゃないか。
俺は気分が沈んだままマジックボックスを操作してニュースを見た。
『有栖川は長年ドワーフの町を守り、莫大な投資を行ってきた。なのにドワーフたちは恩を忘れて何故反発するのだ!エルフの魔法能力と協力する事で、素晴らしい魔法武器や防具が作れるはずなのだ。エルフと協力せよ!我が国の支配下にある以上、要望には応える義務もあるのではないか?!』
有栖川がまたドワーフイジメかよ。
確かにエルフと協力して魔法武器を作れば、更に良い武器ができる可能性は高い。
だからと言ってドワーフやエルフの気持ちを無視して強制するのはどうなのだろうか。
確かに今のドワーフ王国パナに住む者は、傘下に入る事を了承した人たちだ。
宗主国の言う事に従う義務は生じるだろう。
有栖川がドワーフの町を守り投資してきたのも事実だ。
でもそれは自分たちの為であった訳だし、俺の目には『自分たちに利益をもたらす奴隷を養ってきた』というのが真実として映る。
それにドワーフの本能も知っているはずなのだ。
この訴えは横暴と言わざるを得ない。
「流石に本能を無視して強制するのはマズいよな」
「金魚もゴキブリは嫌いなんだよ。ゴキブリと一緒に暮らせと言われても無理なんだよ」
金魚よ、エルフをゴキブリと同じに扱うのはやめてやってくれ。
「また戦いが始まっちゃうのかなぁ‥‥」
菊花を抱いたみゆきが不安そうにやってきた。
こういう時は大抵悪い方に向かうんだよな。
「ドズルからもそろそろ何かしら連絡がくるだろう。『助けてやってくれー!』ってな。そん時は助けてやるさ」
そうなると結局有栖川と戦う事になるのか。
なんとかオトロシイの民を抑えたのに、結局は九頭竜の思うつぼだ。
有栖川も今がチャンスと思ったのだろうけれど、ドワーフ王国に手を出せば人外国が動きだす事くらい分かっているだろうに。
「策也さんが助けてくれるなら、ドワーフさんたちも安心ですね」
山女ちゃんには、すっかり桐也も六華もなついていた。
二人はしがみつくように山女ちゃんの手に捕まっていた。
子供って素直だよなぁ。
「まだ有栖川がどうするかは分からないよ。こういう映像を流す辺り、様子を窺っているって所だな」
そしておそらく九頭竜は実力行使させるべく、工作員たちに煽りのコメントを書かせているのだろう。
コメントはほとんど匿名だから工作員とは分からないし、分かるとしたら九頭竜だけだからな。
そう考えると半分は九頭竜が情報を支配していると言えるのかもしれない。
いや、最近では九頭竜の『盗賊報道』もかなり視聴者が多くなっている。
元々ネットワークを支配してきたのだから、参戦してきたら直ぐに強くなるのは当然か。
自前の報道記者も全国展開しているみたいだし、ぶっちゃけマイチューブを抜くのも時間の問題だろう。
そういう意味では今博士が冷泉に戻ったのはいいタイミングだったかもしれない。
九頭竜が有利な状況を皇が止めてくれるかもしれないからな。
俺が予想した通り、ネット上では有栖川を支持する声が多数を占めていた。
間もなく有栖川は実力行使に出るだろう。
「しゃーない。今日はパナに行くか」
俺、毎日十二時間以上労働しているんだけどさ。
他にも資幣と大帝が働いているし、二十四時間どころか『三十六時間働けますか』状態だよ。
「うん。ドワーフたちを助けて上げて」
「策也さん頑張れー!」
「二万人の為に頑張るんだよ」
「お、おう!」
さて、今日も一人でお仕事か。
一人が一番気楽だからついつい自分でやっちゃうんだけど、俺は人を使う事を覚えた方がいいよな。
なんか転生前の自分を思い出すよ。
人に頼る事を知らなかったから、何でも自分でやっちゃってた。
こっちに来ても変わらない所は変わらないだよね。
少し笑えた。
そんな訳で傭兵隊に任せてみようかと考えたりしたけれど、俺は結局自分でやる事にした。
相手は有栖川だし、あの時の神クラス三人が出てきたらヤバいかも知れないしね。
そんな心の葛藤に終止符が打たれた頃、有栖川はドワーフ王国パナに対して実力行使する事を大々的に発表した。

俺はドワーフの町パナの上空へとやってきた。
姿を消してから町へと下りる。
有名人だし町中じゃあまり目立ちたくはないのだよね。
それはいいとして、この町には既にハイクラスの者が何人か集まっているようだった。
俺はしっかりと千里眼と邪眼で確認した。
マジか‥‥ミケコたちが先に来ているのはどういう事だろうか。
『うらら、お前らどうしてパナに来てるんだ?』
『策也さんこんにちは。ドワーフさんたちが困ってるみたいだったので、ミケコ隊長が助けるとおっしゃいまして』
確かにミケコならドワーフが困っていたら助けるだろう。
でも‥‥
『有栖川がパナへの実力行使を決めたのはついさっきだぞ?早すぎないか?』
『劉邦さんって方が訪ねてきて、きっとそうなるから助けてあげた方がいいって教えてくれたんですよ』
劉邦だと?
確か前に傭兵隊に依頼しにきた奴と名前が同じだ。
あの時は秘密組織の国、つまり現在の有栖川領に対して攻撃を依頼しにきた。
そして今回も有栖川に対してミケコたちを動かした訳か。
更に有栖川がパナへの実力行使に踏み切る事を分かっていたかのような対応の早さ。
『来てるのはうららとミケコ、それに汽車の三人だけなのか?』
『はあい!』
最近ミケコたちは丸薬の効果で、魔力レベルも上がって強くはなっている。
でもあの時の三人が敵としてやってくれば、うらら以外は殺られる可能性が高いな。
それに今回この情報をミケコたちに伝えたのには理由がある。
おそらく‥‥
『何人か戦力になりそうなのを送るから、使うように言っておいてくれ』
「はあい!策也さん、ありがとうございます』
誰を送るべきか。
あの三人に勝とうなんて並みの戦士では難しい。
不死だったり核でも死なないような奴だったり、ハイクラスのアザトースが相手だからな。
それらにポテンシャルで上回っている奴なんて、うちの陣営じゃ二人だけだ。
参星と円光。
どう考えても参星を出すのは無理だから、円光に行ってもらうか。
これはあの三人が出てきた場合の話で、更に強い戦力も持っていると考えられる。
ああやっぱり心配だよ。
とは言え俺は俺でやるべき事もあるしなぁ。
今更分かったというか納得したけれど、この世界で領土とか町とかは簡単にやり取りできる物みたいなものだ。
転生前の世界では三国志や戦国時代のゲームって沢山あったけれど、あれくらい領土なんてものは簡単にやり取りできる。
何故なら、国民に帰属意識が少なく、民を巻き込まないような戦争が当たり前に行われるからだ。
それはそれで悪い事ではないかもしれないけれど、時に王族貴族は簡単に民を見捨てられるし酷い事も平気で行える。
俺は全ての領土と領民を守らなければいけないという気持ちがあるから、その点でどうしても不利だ。
全てに対応できる戦力が必要になってくるからさ。
取られたら後で取り返せばいいと思えれば、ぶっちゃけ強い奴が十人いれば楽勝だろう。
そして兵隊をただの駒として扱えたら。
もしかしたら俺のような人もいるのかもしれないし、いたのかもしれない。
でも一々全ての兵隊の事を考えていたら、どれだけ戦力が有っても足りないと感じそうだ。
それはきっと敗北にも繋がる。
結局俺は円光と、傭兵隊の上位戦力全てをミケコに預ける事にした。
戦力を出し惜しんでも仕方がない。
それに殺られそうになれば、よっぽどじゃない限りアルカディアに送られるはずだ。
俺は自分を納得させて謎乃王国と九頭竜領の国境線へと向かった。
現状、伊集院は息子の|躾《シツケ》で手が離せない。
中央大陸の上杉連合と早乙女は当然戦争中だから他を気にしている余裕はない。
有栖川はドワーフ王国パナの改革に動き出した。
このチャンスに、九頭竜が動き出さない訳がない。
狙いはおそらく謎乃王国。
取られた領土は取り戻すと言っていた訳だしね。
俺は国境線の監視に忍者部隊を配置し、俺自身は最も北の地を監視する。
進攻があるとしたらここの可能性が一番高いからね。
待っている間、王仁からテレパシー通信によって色々な情報が入ってきていた。
『伊集院による薩摩への攻撃が再び強くなってきたようです』
『そうか。引き続き情報収集を頼む』
そして三十分もしない内に次の報告が入る。
『有栖川がドワーフの町に向けて攻撃を開始しました。ミケコたちが戦闘を開始したようです』
『そうか。そちらの様子は円光の目で確認する』
俺は円光の目に入る映像を共有させてもらった。
覆面の敵が四人。
あの時の三人と、もう一人の強さは分からないな。
円光がそいつを相手するのか?
つまり他の三人よりも強いという可能性が高い。
こりゃ助けに行くべきか。
しかしおそらくもうすぐここにも九頭竜が来るんだよな。
来たか!
結構な数の戦士が、九頭竜領側の国境線に集まっている。
本当に嫌なタイミングで来るなぁ。
思考は沢山あるから両方見る事はできるけれどさ。
此処は大聖だけでなんとかなるかな?
正直俺の分身じゃもう一線級相手では力不足。
とりあえず集まってきている九頭竜の兵隊相手なら、夕凪でもなんとかなるか?
その前に他の面子の視覚も全部確認だ。
アレ?死志の視界が繋がらない。
殺られたのか?
そんなバカな。
体の瞬間移動が間に合わなかったのか?
もうこの程度の安全装置では役に立たないくらい敵が強くなっているという事か。
俺は瞬時に夕凪を迎えにゆく。
「夕凪!来てくれ!」
「うん‥‥」
俺は夕凪を連れて元の場所へと戻った。
「謎乃王国の国境線を守っていてくれ!勝てないと思えば逃げてもいいからな」
領土よりも俺にとっては一人の仲間の方が大切なんだ。
「分かった。任せて‥‥」
俺は夕凪の頭を一度だけポンと叩いてから、パナへと瞬間移動した。
敵が強すぎる。
円光ですら抑えきれない敵か。
「兄上様!ミケコにはどうする事も出来ない敵です‥‥」
ミケコの目に涙が浮かんでいた。
「任せておけ。俺がなんとかしてやる」
俺は辺りを見回した。
死志の魂は見当たらない。
成仏するには早すぎるだろ。
「死志が殺られたみたいだが、体はどうなった?」
「消えたので多分秘密基地に送られたものと‥‥」
『王仁!そっちに死志の体は送られてきているか?』
『今確認中ですが‥‥どうやら魂は抜けているものと思われます』
やはり殺られたんだ。
殺られた後に体だけが回収された。
一体どんな手で‥‥
「ん?敵は四人に見えたが‥‥五人いるな」
「兄上様本当ですか?」
「ああ。あぶり出してやる!レッドブルーライトニング!」
俺は五人目に向けて魔法を放った。
「いました!」
ミケコの言葉と同時に俺はそいつに向かっていった。
逃げようとするもスピードじゃ負けないよ。
俺はいつも通り背後から肩を叩いた。
こいつ!『アズライール』か。
魂を操作し、魂と体を分離させる能力を持っている。
魔力の低い者はそれでアッサリと殺られるだろうし、死志でも大きなダメージを負ったりすれば魂を分離させられてしまうだろう。
「魂を何処へやった!?」
「フッ!」
俺の後ろから別の奴が襲い掛かってきた。
クッソ速い!
こいつは俺と同レベルの強さを持っている。
だが俺には色々な能力があるんだよ。
攻撃を目的としないなら、俺はお前よりも早く動ける。
俺はそいつの後ろに回って肩を叩いた。
『タナトス』だと?
こいつの能力は魂を成仏させる事‥‥
つまり死志の魂はこいつの能力で成仏させられたのか。
「全員ぶっ殺す!」
まずはウザいアズライールからだ!
俺は瞬時に背後へと回り、肩を叩いて一言声をかけた。
「友愛」
俺はすぐに離れた。
そして「止まれ!」と王の命令を発動する。
止められるのはほんの一瞬だが、その一瞬があれば俺の隠し兵器は発動する。
空から一瞬閃光が走った。
人工衛星に追加しておいた隠し兵器、『友愛』が発動したのだ。
このレーザービームの威力は、バクゥビームの比ではない。
神クラスの者であろうと、一瞬にして消滅させるだけの威力がある。
伊集院や有栖川が核兵器のようなモノを作り出すというのなら、俺は一人だけを消滅させる兵器を作りだすのだ。
その方が効率的だし民を犠牲にする事もない。
それにこれは俺の攻撃ではないから、ウェンディゴの高速移動能力が使える。
友愛は単なるマーキングの魔法に過ぎない。
マーキングされた者は、衛星魔法兵器によって確実に仕留められるタイミングで攻撃される事になる。
ただし衛星にためられるエネルギーの問題もあるので、衛星それぞれ一日に一発が限度。
衛星は十二個あるが、一時の戦闘で使える回数は精々四発って所だろうな。
魂は一応回収しておくか。
俺がそう思った途端に魂は消滅した。
タナトスめ、味方の魂も成仏させちまうんだな。
だったら先にこいつから倒さないと。
「円光はもういいぞ。ミケコたちを助けてやってくれ。こいつは俺が倒す」
「了承したでござる。拙者では抑えきれなかった‥‥無念でござる」
円光はそう言ってアザトースへと向かっていった。
これでこちらが有利に戦えるな。
尤も、タナトスは俺と同レベルだから油断したら負けるぞ。
こいつは友愛でも完全には仕留められないだろうからな。
そんな事を思った時、タナトスは一気に後ろへと飛んで逃げていった。
同じように他の者も撤退してゆく。
追うか?
いや、コレだけ離れたらもう無理だな。
アザトースは瞬間移動ができるから。
「兄上様、ミケコは力不足でした‥‥助けられると調子に乗っていました‥‥」
ミケコは泣くのを我慢していた。
「いや、俺もなんとかなると思っていたんだ。それにあんなに強い奴が来るなんて誰も考えられなかったよ」
あり得るとは思っていた。
心配もしていた。
でも最終的にはなんとかなると決断した。
結果がこれだ。
アズライールは倒せたけれど、俺は死志を失い奥の手も公にしてしまった。
そしてもしかしたら、死志の体が飛ばされたのを見て、敵にゴーレム人形だったとバレた可能性もある。
真似て来るかもな。
尤も神クラスにもなれば、ゴーレムであるメリットなんてそう多くはないけどさ。
多少強くなって、従属させる為の魔法が不要になるだけだ。
手足が千切れても首が取れても生きてるからね。
俺はポンポンとミケコの頭を叩いた。
「こっちの事は俺が後を引き継ぐよ。ミケコは自分の国を守る事に集中してくれ」
「はい‥‥」
とは言え、ドワーフ王国は有栖川の管轄なんだよな。
俺が毎日見張っている訳にもいかない。
ドワーフ王と話をして、エルフと一緒が嫌な奴らはドワーフの町三葉で受け入れるくらいの対応が関の山か。
『夕凪、そっちはどうだ?』
『うん‥‥全然動かない‥‥眠りそうだから妄想してる‥‥』
『そうか。妄想最強だな』
『策也が妄想を認めてくれた‥‥嬉しい‥‥』
認めた訳じゃなく半分嫌味なんだけどな。
まあでも夕凪が喜んでいるから良しとしよう。
「夕凪と忍者部隊が謎乃王国と九頭竜の国境線を見張っているんだ。九頭竜が兵を集めていたみたいだからな。でも今の所動きはないみたいだ」
「そうなのですね。兄上様には助けられてばかりです」
ミケコに少しだけ笑顔が戻ってきた。
やっぱり笑顔でいてもらいたいな。
でも今の状況だと、ミケコにとっては荷が重いかもしれない。
守りよりも遊撃隊的な立場で攻めに出ている時の方が活き活きしているよな。
それに誰かを守る為には、相手よりも強くなければならない。
逆に言えば守るのは強い者の役割とも言えるよな。
だからミケコは、守るべき国を持たない方がいいんじゃないだろうか。
戦力の分散にも繋がっている気がするしさ。
「では我々は国に戻ります!」
「兄さん、助けてくれてありがとう。僕じゃまだまだだったよ」
「アレは相手が悪すぎたよ。お前は強いよ」
汽車でも押される相手か。
ソシャゲみたいにインフレの激しい世界だよ。
「それじゃ、うらら戻りまーっす!」
三人は国へと帰っていった。
「それじゃ円光もサファリに戻ってくれ」
「了承したでござる。勝てなかったのは無念でござった。今度は必ず‥‥」
円光はそう言って瞬間移動魔法によって帰っていった。
もう瞬間移動魔法を覚えたんだよな。
丸薬の効果とは言え、流石円光だ。
「ゆかりたちはもうしばらくここで監視を頼む。勝てない相手が来たらいつでも呼んでくれ」
「了解したであります!」
「うむ。あまり力を入れなくていいからな」
「ありがとうございます!」
ゆかりはこれで強くなったんだから変える必要もないけれど、もう少し打ち解けられたらな。
ミケコに預けるか。
その辺りは追々考えるとして、まずはドワーフと相談だ。
俺はドワーフの王に会いに行った。

ドワーフ王と話した結果、希望者のみ三葉で受け入れる事となった。
ただ希望者は思ったよりも少なく、人口の十パーセントにも満たなかった。
反対はしてみたけれど、ミケコや俺に迷惑をかけてしまった事を悔いていた。
一度傘下に入ったのだから、従うのが筋だろうと諦めた様子も見られた。
確かにそれはそうだけど、これは悲しい選択だよな。
それでも本人たちがそうすると決めた事だ。
俺には否定できなかった。
そんな相談が終わった頃、王仁からテレパシー通信が入った。
『我が君、西の大陸で九頭竜が侵略を開始しました』
『今更?謎乃王国に攻め込んできたのか?』
『いえ違います。侵略は少し前の事で、今結果の情報だけが入ってきた所です』
俺たちがこちらで戦っている間に、九頭竜が侵略していた?
一体どこに?
『四十八願か?』
『違います。有栖川です』
まさかの有栖川だと?
確かに強い奴はこちらで相手していた訳だが、その隙に攻め込んだというのか。
『それで結果は?』
『西の大陸にあった有栖川領は、全て九頭竜が押さえたようです』
そんな力が九頭竜にあったのか。
いや、数に物を言わせたりしていたが、戦力を集める力はある国なんだ。
これは世界が荒れそうだな。
俺はため息を一つ吐いた。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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