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2013年11月4日【月】19時43分21秒
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勝ち組確定!?パーティーに嫁?!

再びマスクをして落ち着いてから、俺は具体的にどう助けるのか話をする事にした。
「助ける方法は二つ、いや三つか。簡単に言えばすぐには死なないようにして魔力コントロールができるようになってもらう」
「うん。私がんばちゃう!」
「でもそれをどうやってやるかよね」
「方法があるようですね」
「ああ。まず、俺の魔法で俺と同じ不老不死になってもらう」
「何あんた。そんな事もできるわけ?」
「流石策也殿じゃ。ほとんど何でもありじゃのぅ」
死にそうなら不老不死にする。
簡単な話だ。
「とはいえそれで完全に死ななくなるわけでもないがな」
「どういう事じゃ?」
「魂が死ぬ事はないが、肉体が消滅すれば事実上の死である事は間違いない。そしてそれを支えられる体を作れないなら復活もできない。この世界から見れば死んだも同じだからな」
「なるほどね」
「そしてそれは俺も同じだ。ただ俺の場合は魂に器である肉体の情報があるから、肉体の再構築をすれば済む。しかしみゆきの場合再構築はおそらくできないだろう。膨大な魔力がそれを邪魔する」
「つまり不老という部分が主な目的って所ですか」
「ああ。とはいえ体が消滅するような事が無い限りは問題ないだろう。十分不死も役立つはずだ。そして更にもう一つの助ける方法がこれだ!」
俺は異次元収納からクラーケンの腕輪を取りだして見せた。
「なんじゃそれは?」
「マジックアイテムのようですね」
「あんた色々なもん持ってるわね」
「これはクラーケンの腕輪だ。正直俺以外には使える者もいないだろうし、俺には無意味なものだから使う事もないと思っていた。まさかこんな事があるとはね」
俺はチラッとみゆきを見た。
しかしちっさいな。
この小さな腕に取りつけ可能なのかね。
ちょっと不安になってきた。
「クラーケンとな。魔獣の頂点である黒死鳥とドラゴンの上を行くと言われる伝説のポケ‥‥伝説の魔獣じゃのぅ。一度戦ってみたいものじゃ」
おい環奈。
一瞬何か言いそうになっただろ?
俺そんな話したかな?
まあいい。
「で、この腕輪は、装備した者の魔力に合わせて魔力を吸収し効果を発揮するものなんだ。つまり魔力が膨大なみゆきの魔力も相応に吸収して効果を発揮するわけで、ある程度コントロール可能な所まで吸収できるんじゃないかと思われる」
「そんなのがあるんですね」
「それを私が付けたらどうなるの?」
「多分魔力を全部吸い取られて死ぬ。かもしれない。それでなくてもヤバい事になるだろうな。でも俺は付けても問題なかったし、俺以上の魔力を持ったみゆきなら、おそらくいい具合に効果を発揮できると思うぞ」
俺はそう言いながら、みゆきの方に腕輪を近づけていった。
「とりあえず腕を出してみな」
「う、うん」
みゆきは小さな腕をこちらに差し出した。
しかし腕のサイズが小さすぎて、クラーケンの腕輪の幅を下回っている。
「あれ?もしかして装備できない?」
「駄目じゃない。いくら良いモノでも装備できないとね‥‥」
ありゃりゃ。
でも装備する方法は無いでもない。
俺の魔法で一旦ドレインし、サイズをある程度戻してから装備すればいいだけだ。
「その腕輪。伸縮自在なんじゃろぅ?だったら腕にこだわらず胴体に付けたらどうじゃろかのぅ?」
その手もあるか。
いや、むしろその方が良いかもしれない。
腕は戦闘で切り落とされる心配があるけれど、胴体ならその心配がほぼない。
「環奈ナイスだ。みゆき、両手を上げてくれ」
「うん!ばんざーい!」
やっべ可愛い!
ちょっとツツキたい気持ちを抑えて、俺はクラーケンの腕輪をみゆきに通した。
すると腕輪は反応し、一旦小さなみゆきのサイズに合わせて小さくなってゆく。
そして今度は再び、みゆきと一緒に大きくなっていった。
直ぐにみゆきは、俺と同じくらいの背丈になっていた。
「ああ‥‥みゆちゃん。元に戻れたのね!」
院長は涙を流して喜んでいた。
俺はあまりの感動で何も言えなかった。
いやこれ反則でしょ。
この可愛さはないわぁ。
この世のモノとは思えない。
なんかのアイドルグループが『神なんちゃら』とか言っていたけど、目の前のみゆきと比べると神とゾウリムシくらいレベルが違う。
うおぉ!抱きしめたい!
しかしそんな事したらヤバいおっさんだって思わるじゃないか。
そう思っていたんだけど、俺は無意識にみゆきを抱きしめていた。
「ありがとう。策也だっけ?これからもよろしくね!」
みゆきが俺の頭をポンポンと叩いていた。
なんか俺が助けられたみたいになってるんだけど。
そんな事どうでもいいや。
俺は今、人生で最も嬉しい瞬間を味わっているのだ。
この時をしっかりとかみしめておこう。
しばらく俺はみゆきと抱き合っていた。

その後俺は一応不老不死の魔法をみゆきにかけておいた。
他の面子にもかけてやろうかと聞いてみたが、今は良いという事だった。
まあ俺はこの魔法を呪いと言って解除しようとしているわけで、老いない事が全てにおいて良いモノではない。
不老の状態だと子作りもできないし魔力の成長もほぼないわけで、やるにしてもタイミングは重要だ。
今のみゆきには必要だからかけたが、俺が解除するまでにはそこそこ魔力コントロールができるようになってもらって、一緒に解除したい。
そして普通に十五歳くらいまで成長して結婚して、十八歳くらいまで毎年子供を作って、それから再び不老不死の魔法をかけて末永く一緒に暮らすのが俺のプランだ。
「へぇ~そんな事思ってるんだぁ?」
「分かったよ。私頑張って魔力コントロールができるようになって、子供も産むよ!」
あれ?声に出ていたか?
まあいい。
今は全てが許せる。
今日は最高の日だなぁ。
「ところでさ、みゆきちゃんは住民カードとかって持ってるのかな?」
確かにそうだ。
もしも持っているのなら、今なら出す事ができるんじゃないだろうか。
そしたら一応身元もハッキリとする。
「そういえば、もしもこの子が亡くなって住民カードが出てきても、それは東雲に渡してくれって言われていました」
それってつまり、この子は住民カードを持っているって事だ。
そして、何かしら東雲も知っている。
もしかしたら生きているうちに知られるのはまずくて、だから小さくなり始めた三歳、魔力コントロールが利かなくなってきてから捨てられたと考えられる。
となるとそれは、東雲以外は知らない方が良い事かもしれない。
「とりあえずそれはおいおいでいいだろう。院長、約束は果たしたし、みゆきは俺たちで預かるぜ」
俺はみゆきをテーブルから降ろすと、手を引いて部屋から出ようと促した。
リンも察したのか、他のメンバーの背中を押した。
「院長!それとみゆきの件だが、誰かに話さなければならない時が来たら、いつの間にかいなくなっていたという事にしておいてくれ」
「えっ?どういう事ですか?」
それはね、みゆきはおそらく生きているとマズイ子だからだよ。
そんな子を助けたら、もしかしたら院長の責任が問われかねない。
流石にそれはみゆきの前では言えない。
さてどう答えるか。
「院長、後で色々と説明するから、今は私を信じてもらえないかな?此花麟堂の名に懸けて悪いようにはしないから」
「麟堂様がそうおっしゃるなら、全てお任せします」
リン、助かったぜ。
「じゃあな院長。またすぐに会う事になるかもだけど、今日の所はこれで失礼する」
「あっ‥‥院長先生‥‥三年間私の事大切にしてくれありがとう。またいつか会いにくるから‥‥」
みゆきの目には涙が見えた。
たった三年間とはいえ、人生の半分母親代わりだったんだもんな。
みゆきは院長と抱き合っていた。
間もなく俺たちは孤児院を出て、一度みんなでホームに戻った。

「何?どういう事?ここは何処?」
驚くみゆきは可愛かった。
「これは俺の転移魔法で、此処は此花国の領地ナンデスカにある俺の家の中だ」
「えー!?凄い!そんな事できるんだ!?」
普通にこうやって驚かれるのも悪くない。
というかやっぱりみゆきは可愛いなぁ。
俺の体が六歳で、みゆきも同じ六歳だからだろうか。
子供の頃は同級生くらいしか好きになれないって話をよく聞くけれど、なんとなくその気持ちが分かってしまった。
「じゃあとりあえずみんな座ってくれ。みゆきは俺の隣な」
「何よ。みんなみゆきちゃんとお話したいんだよー」
「いやいや、その前にまず住民カードの確認が必要だろ?それによっては何かやるべき事が出てくるかもしれない」
いやおそらく確実に面倒な事になるのだ。
「一体どういう事よ。何かありそうだから孤児院から早々に立ち去ったけど、説明してよね!」
「いやお前、分かってたんじゃないのかよ!」
「わかんないわよ。ただなんとなくあの場はその方が良いと思っただけよ」
やれやれだな。
「簡単に言うと、おそらくみゆきは貴族の出だ。で、貴族が何故みゆきを捨てる事になったんだ?もう分かるだろ?」
「お金がなくなって食いぶちを減らす為?」
「そんなわけあるかーい!」
いやまあそういう事もあるかもしれないけれど、みゆきがやがて自分の魔力に押しつぶされて死ぬ事は両親も当然分かっていたはずだ。
それでも三歳までは育てて、やっぱり駄目だと分かって捨てているようにも感じる。
「それに住民カードは東雲を使って回収する事になっている。つまり知られたらマズイんだよ」
或いは死亡を確認する為で、みゆきが生きているとマズイって可能性もある。
俺はなんとなくそっちの可能性の方が高いと感じていた。
皆は既にソファーに座っていた。
「とにかくだ。みゆき、左手におそらくカードがあるはずだ。それを感じる事はできるか?微量だが魔力が常にそこに向かって流れているはずだ」
「うん、わかるよ」
「その魔力の流れを止める事はできるか?そしたらカードが‥‥」
「なんか出た!」
俺が言い終わる前に、みゆきの住民カードが掌の上に現れていた。
そのカードは、可能性としては予想していたが、最もあってほしくないものだった。
「ダイヤモンドカード?」
「そうじゃの」
「どこかの王族の娘ですか。それは知られたくないでしょうね」
「東雲の子かしら。カードを回収するのは東雲だし」
皆が話す中にあってもみゆきはあまり気にしていないように見えるが、親に捨てられて何とも思わないわけがない。
自分が捨てられた話は何度も聞いて慣れてもいるのかもしれないが、これ以上の話はみゆきのいない所で話した方が良いと思った。
「みゆき、このカード俺が調べてもいいか?」
「うん、良いよ。でもこれって本人じゃないと使えないんじゃなかったっけ?」
「そうなんだけど俺は天才だから大丈夫なんだ」
俺はそう言いながら立ち上がり、みゆきの手からカードをそっと手に取った。
「じゃあ俺は別の部屋で調べるから、みゆきはしばらく環奈や草子と遊んでいてくれ。リンはちょっと一緒にきてくれ」
「いいけど‥‥」
リンは立ち上がろうとした。
でもみゆきの声で動きを止めた。
「策也ありがとう。でも私は大丈夫だよ。お母さんに捨てられたのはショックだけど、もうほとんど記憶にないしさ。此処でどんな話を聞いても、私はお母さんが捨てたくて捨てたんじゃないって信じてるから‥‥」
俺はソファーに座り直した。
「分かった」
俺はそう言いながら、皆に目で合図を送った。
『くれぐれも泣かす事言うんじゃねぇぞ!』
なんとなく皆察したように見えた。
「じゃあどうする?自分で見てみるか?それとも俺が見てやろうか?」
「策也が見て。やっぱり自分で見るのはちょっと怖いかな」
「分かった」
俺はそう言ってみゆきの魔力をトレースした。
住民カードを広げ、みゆきの個人情報を確認した。
名前を見て、俺は一瞬にして全てを悟った。
なるほどな。
そういやそんな話、読んだ本の中にあったな。
多分金儲けの中で見つけた出どころのよく分からない本だったと思うが‥‥
「全て分かったよ。みゆきの云う通り、両親は捨てたくてみゆきを捨てた訳じゃない。三年も育てたんだ。普通に考えればそれは断腸の思いだったに違いないんだよ」
「そうなの?それでみゆちゃんは一体?‥‥」
「みゆきのフルネームは『|皇みゆき《スメラギミユキ》』だ。ダイヤモンドカードを所持している事から、つまり現皇帝の娘って事になるな」
「これは驚きじゃのぅ」
「皇帝の娘?いやしかし皇帝には娘は産まれないはずですよね?」
そんな話になっているのか。
「そんな訳がないだろ。皇帝にもちゃんと女の子は産まれる。俺はリンに会う前に色々な本を集めて読んでいたんだ。その中に、おそらく一般流通していない本だとは思うが皇家の事が記されたものがあった。それによるとだな、女性が生まれると魔力が強すぎて間違いなく百パーセント十歳になるまでに死んでしまうらしい。そこで皇家ではずっと昔から、女児が誕生すると捨てられるという話だ」
「そんな話、聞いた事ないわよ」
「そりゃそんな話、あまり大っぴらにはできないだろうな。子供を捨てる皇帝だよ?いくら本人が辛かろうと他の王族や民からはどう見られるか。おそらく今回の件から東雲の誰かは知っているのだろうけれど、とにかく貴族も含めて皇族や王族ってのは評判は重要だからな。だから女児が生まれないって話にしてあるんだろうさ」
俺がそこまで言うと、みゆきが泣いている声が聞こえて来た。
「うわっ!策也が泣かした!」
「いや、ちょっ!みゆきゴメンな。ちょっと無神経な事言っちまったな」
「違うの。誰がお父さんなのか分かって、それでそんな事情があったんだって分かって嬉しいの」
「そうだな。別に捨てたくて捨てたんじゃない。おそらく一縷の望みを持って三歳までは育ててくれたんだと思う。でもやっぱり駄目で、それでも生きて欲しくて孤児院に預けたんだ。おそらくだけど、こうして命が助かったことを喜んでくれるはずだ」
「うん」
とは言っても、どうしようか。
できれば伝えて上げたいが、生きているなら生きているでそれが問題になる可能性もある。
女児が産まれるって事になって、今までずっと捨てられていた話が表に出てくる可能性があるからな。
「お母さんの記憶はほとんどないんだっけか?」
「うん。でもとっても優しいお母さんだった事は覚えているよ。大好きだよって何度も言ってもらっていたと思う」
「そっか」
ならば母親だけには伝えておこうか。
それで必要なら必要な人へと話は行くだろうし。
しかしこのダイヤモンドカードを使い続けるのはマズイな。
生きていますって言っているようなものだし、これをギルドや入国の際に使えば騒ぎにもなるだろう。
記録も残るだろうからな。
「リン。皇妃は誰だか分かるか?」
「今は三人いるわね」
「三人もいるんかい!みゆき、顔を見ればどれが母親か分かるか?」
「たぶん‥‥」
「じゃあリン」
「もう調べたわよ」
リンはそう言って自分のダイヤモンドカードをみゆきの横まで来て見せていた。
「この中の誰がお母さんか分かる?」
「うん。間違いないよ。この人がお母さんだよ‥‥」
みゆきが指さしていたのは、第三皇妃。
一番若くて綺麗な女性だった。
「どうするの?」
「お母さんだけにはみゆきが生きていて、この先もずっと大丈夫な事を伝えておこう。そしていつか会いに行ってもいいなら会いに行けばいい」
「ありがとう策也ー!またお母さんに会えるとは思ってなかったよー」
少し涙目のみゆきを見て、俺は少し照れ臭かった。
「いやまだ会えてないし、今すぐって訳にもいかないだろうからな。でも通話くらいならもしかしたらできるかもな。何にしてもまずはメールだな。いきなり魔法通話しても繋がらないだろうし、繋がってもビックリするだろうからな」

この後俺は、みゆきの云う通りにメールを打って、そこに俺の言葉も少し加えてから、第三皇妃にメールを送った。
二十桁の番号は、リンの王族パワーでなんとか調べてもらった。
しばらくして返ってきたメールには、真っ先に『ありがとう』と書かれていた。
ただ予想通り、直ぐに会うのは難しそうだった。
皇家にも色々と事情があるのだろう。
それでも時間指定で通話はできそうだった。
それとやはりというか、みゆきが生きているという事実は皇家にとっては都合が悪いらしく、このダイヤモンドカードは院長から東雲に渡してほしいと頼まれた。
代わりに住民カードを調達してほしいと、念の為に伝えておいた俺の番号へ十億円が振り込まれていた。
プラチナカードを手に入れ、何時でも通話ができるようにしておけという事だろうか。
それはまあリンに頼んで次の日には手に入れる事ができたわけだが。
でも名前を皇みゆきにはできないわけで、即俺と結婚するという事で『此花みゆき』とする事になった。
いやまさか六歳児と正式な婚姻をしてしまうとは、どうだうらやましいだろ!
管理上はそういう事だが、正式には十八歳になってから結婚式をあげるつもりだ。
ダイヤモンドカードは、メール記録だけ削除して後はそのまま院長に渡しておいた。
中の情報を見る事が出来る人間は限られていて、そうそう見られないとは思うけれどね。
形としてみゆきは一度死んで生まれ変わったという事になるのだろうか。
何にしても、これで全てが上手くいったのではないだろうか。
尤も、本当に全てが解決するまでには、まだまだ時間はかかりそうだが。
「まずは魔力をコントロールできるようにならないとな」
「うん。わたし頑張っちゃうよ!」
「みゆきの魔力だと蘇生魔術なんかを覚えるのがいいかもな」
「策也?蘇生魔法なんてそう簡単に習得できるものでもないでしょうに」
「そうなの?」
「死んだ人が生き返っちゃうんだよ?」
「そうなんだぁ」
「いやいや、それくらいできないとみゆきの魔力なんて到底コントロールなんてできないさ。むしろ蘇生なんて通過点の一つだよ」
「そうなの?!」
「ふぉっふぉっふぉっ、先は長そうじゃの」
「でもみゆきちゃんならできそうな気がしますね。なんせ策也さんに見初められた女の子ですから」
「それは策也を買いかぶり過ぎよ」
「なんとでも言うがいいさ。俺の勝ち組は既に決定したんだからな」
こうして俺たちパーティーに、新しい仲間が加わった。
それは俺の嫁であり、とても可愛いくもあり、俺以上の|神《チート》魔力持ちの、『みゆき』という少女だった。
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