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友愛倶楽部で恐ろしい

ウニ十字結社と俺が出会ったのは十二年以上も前の話。
あの頃はお金がなく今にも潰れそうな状態だったが、現在は四大陸全てに拠点を持つ世界一の慈善団体へと成長していた。
自前の孤児院も二十以上持っており、全ての人種に対応できるネットワークも構築している。
そこには俺もかなり協力したが、世界中から信頼される団体となったのは社員たちの努力の賜物だろう。
あの時俺は浦野策也として登録していたが、現在はしっかりと此花策也として名を連ねている。
社員というよりは名誉職な感じだけどね。
そんな世界の信頼を勝ち取ったウニ十字結社なのだが、最近北条王国内でトラブルを起こしていた。
トラブルの内容は、地元の慈善団体との縄張り争いみたいな話。
慈善活動に縄張りがあるのもおかしな話だが、相手側がそう言っているのだからそうなのだろう。
もちろんその領内で何かしらの取り決めがあるわけでもないので、ウニ十字結社としてはただ因縁を付けられているとの認識だった。
しかしある時とうとうウニ十字結社の社員数名が、何者かに襲われ命を落とすという事件が起こった。
名誉職とは言え『俺の』ウニ十字結社という気持ちもあるから、流石にこれを黙って見過ごす事はできなかった。
そんなわけでやってきました北条王国の王都『イビシー』の町です。
当然ですが町の上空です。
この町でウニ十字結社の社員が三名殺されたわけで、また襲われないとも限らない。
とりあえず強そうな奴を探してみるか。
尤も、ウニ十字結社の社員の多くは初級クラスから中級クラスの者なので、少し腕に覚えがある者なら簡単に暗殺できるんだろうけれどね。
ただ殺しの手口はプロの仕事だったと聞く。
耳に何かを突き刺された感じだったとか。
あの『地獄へおちろ!』とか言う、漫画に出てくるキャラみたいな殺し方だな。
素早く後ろに回って正確に刺せるんだからなぁ。
直ぐに見つかるだろう。
ん?この町結構レベルの高いヤツが多いな。
本当に強い奴は普段それを隠していたりもするけれど、俺の邪眼なら大抵は見つけ出せる。
って見つけすぎてターゲットが絞れない。
そこそこ強い奴はもう戦闘では役に立たないっていうか、死ぬ可能性が高いから多くを開放してきた。
主に魔人とドラゴンなんだけどさ。
魔人は普通の町に来る事は少ないけれど、ドラゴンは人間に変化できるから沢山いる町があってもおかしくない。
殺気も探ってみるか。
いや、一人だけ飛び抜けて魔力が大きい奴がいるな。
まずはそいつを確認しよう。
俺はそいつのいる方向へと飛んで移動した。
いたいた、見るからにヤバそうな奴だ。
黒のフード付きローブを着ていて、暗殺者によくありがちなスタイル。
上空からだから顔はよく見えない。
小柄だから女かな。
そいつが見る先にはウニ十字結社の社員の姿があった。
こりゃビンゴかな。
それにしてもこれほど強い奴がただの暗殺者とかやってるのかね。
人気の無い方にウニ十字社員が向かう。
そろそろ動くか。
俺は能力を使って助けられるよう待ち構えた。
動いた!
俺は空間操作で暗殺者の移動を妨害しようとした。
しかしそれよりも早く暗殺者の前に立つ男が現れた。
ありゃ南か!
よく見れば既にウニ十字社員を守るように嬢ちゃんと朝里ちゃんが立っている。
しかし敵の方が圧倒的に強いだろ。
止められないと思った次の瞬間、南はアッサリと暗殺者を投げ飛ばしていた。
えっ?南って強くね?
魔力では完全に負けていると感じたのだが、南のスピードとパワーは神クラスに近いように見えた。
初めて会った時から底知れない力を感じていたが、思った通りだったか。
暗殺者は立ち上がるとそのまま逃げて行った。
俺は南の元へと下りて行った。
「南久しぶりだな。あの敵を追い払うとは強いじゃないか」
「あ、策也さん。見てたんですか。いやまぐれですよ」
「まぐれ‥‥じゃない‥‥南ちゃんは‥‥強い‥‥」
「そうですね。私も多少は認めていますよ」
だよね。
嬢ちゃんと朝里ちゃんは認めているようだ。
「そんな事言ったら嬢ちゃんの方が強いじゃないか!」
「でも‥‥南ちゃんも強い‥‥」
えっ?こっちの嬢ちゃんはこれ以上に強いのか?
俺にも見抜けない強さってあるのね。
強そうには見えないんだけどさ。
「ところでさっきの奴は?」
「多分『友愛倶楽部』の奴らが雇った暗殺者でしょうね」
友愛倶楽部とは、ウニ十字結社にいちゃもんを付けてきているトラブルの対象慈善団体だ。
こんな暗殺者をよこすのだから、かなりヤバそうな慈善団体な気がする。
「そっか。お前らは今ウニ十字社員のボディーガードをやっているのか?」
「そういう訳じゃないんですけど、この町でトラブルがあったってんでそれを解決する為に来たんですよ」
「そしたら‥‥いきなり‥‥」
なるほどなぁ。
「俺もとりあえず問題解決に来たんだ。でもウニ十字の社員を守るのと一緒にはできないから、守るのはお前らに任せるよ」
「分かりました」
「えー‥‥私‥‥悪の陰謀を‥‥暴きたい‥‥」
嬢ちゃんはこの中で一番話が通じそうにない子だ。
なるべく相手にしない方が良いと俺の勘が言っている。
「すんません策也さん。嬢ちゃんはそっちがやりたいようなので、連れて行ってはくれませんか?」
俺はチラッともう一人の朝里ちゃんを見た。
こっちもちょっと何か嫌な予感のする子だけど、まだマシな気がする。
「私はできれば何もしたくないですね」
何も言っていないのに断られた。
「分かった。じゃあ嬢ちゃん。二人で悪の陰謀を暴くか」
「うん‥‥嬉しい‥‥」
俺は嬉しくない。
でもこの子強いらしいし、何かあったら役に立つ可能性も微レ存だ。
仕方ない、連れていくか。
「じゃあ俺たちは行く。南たちは社員のボディーガードを頼むぞ」
「了解です!」
「はぁ‥‥面倒ー‥‥」
朝里ちゃんの言葉に少し寒気がした。
時々見せる冷めた目が怖いんだよな。
この子もきっと強いんだろうなぁ。
「じゃあ嬢ちゃん、まずは友愛倶楽部まで案内できるか?」
「‥‥場所知らない‥‥」
「そっか。確か空は飛べるよな?上空から探すぞ」
「分かった‥‥」
嬢ちゃんは一気に空へと上がった。
ああなるほどこのスピードで空に上がるか。
こりゃ確かに強そうだ。
俺は後を追いかけた。
空に上がると、千里眼と邪眼で友愛倶楽部の場所を探した。
するとさっきの暗殺者の気配を捕らえた。
おそらくそこが友愛倶楽部の場所ではないかと確認した所、正にそこだった。
「見つけたぞ。あの建物のようだな」
「凄い凄い‥‥南ちゃんと同じ力‥‥持ってる?」
「えっと、俺はただ千里眼と邪眼を使っただけだよ」
「そうなんだ‥‥」
何故か残念そうな嬢ちゃんだった。
俺たちはすぐに建物の上空へと移動した。
「此処からは影の中に入って建物に侵入する。俺の腕を掴んでおいてくれ」
「分かった‥‥」
嬢ちゃんはそう言って俺の腕にしがみついた。
しがみついたっていうかサルが木に捕まるようにしてぶら下がっていた。
普通の人なら完全に倒れてるぞ。
ただでさえ体は重いアダマンタイト製なんだから。
まあいいけどね。
それよりも気になるのは、こうやって接触しても嬢ちゃんの能力が一切伝わってこないのが不思議だ。
俺よりも魔力レベルが高いか、神でもないとこんな事はありえない。
嬢ちゃんのレベルは邪眼で確認した所俺の半分くらい。
魔力で言えばもう圧倒的な差がある。
なのに能力が分からないのは、神だからだろうか。
いやいやこんな子が神とかありえないし。
オーラも何も感じないもんな。
天照ちゃんにしてもみゆきにしても、神には圧倒的な何かを感じるわけだし。
でも兎白の例もあるからな。
一概に否定もできないが、でも何かが違う気がした。
おっと任務を忘れてはいけないな。
俺は嬢ちゃんを連れたまま一気に地上に降りて影に入った。
影の中には梅影姉妹がいた。
「よう!相変わらず仕事をさぼっているみたいだな」
梅影姉妹には、俺がピンチになったら助けてもらえるよう、交代での監視を頼んでいる。
だから同じ影に入っている事はない。
でも何故かいつも俺の影に一緒に入っていた。
何故かっていうか、さぼってるんだけどさ。
「策也タマお元気そうで何よりなのです。所でそちらの方は?」
「策也タマの顔が般若みたいで怖いのね。所でそちらの方は愛人なのね?」
二人が同時に返事を返してきた。
妃子のヤツ、同時に言えば流されるとでも思ったか?
俺は妃子の頭にチョップを入れた。
「ちょっと聞いてみただけなのね」
「はいはい。こいつは時東嬢。嬢ちゃんって呼んでやってくれ」
「分かったのです。嬢ちゃんなのです」
「はいはい、嬢タマね」
今度は嬢ちゃんが妃子に遠慮のないチョップを炸裂させていた。
「うおーーー!!マジで痛いのね。何しやがりますのね」
「お前がちゃんと嬢ちゃんって呼ばないからだ」
しかし妃子に遠慮のないチョップをかますとか、やはりこの子はただ者ではないな。
「嬢ちゃん、こいつらは俺の影、菜乃と妃子だ。いう事聞かない場合は容赦しなくていいぞ」
「分かった‥‥」
「既に容赦してないのね」
よく分からないけど、すっかり打ち解けたみたいだな。
良かった良かった。
「じゃあいくぞ。とりあえず中に入って友愛倶楽部がどんな慈善活動をしているのか確認するぞ」
俺たちは影から影へと渡って建物内へと入った。
入って二つ目の部屋で、俺たちはこの団体の本当の姿を見る事になった。
割と広めの部屋に、此処で預かっているのであろう子供たちが、檀上に一列に並べられていた。
それを値踏みするようにいやらしい目で見るおっさんが一人。
「今日はこの子にしようかな。前回の女の子はすぐに死んでしまって駄目だったから、今回は男の子にしよう」
値踏みをしていたおっさんがそう言うと、おそらくこの施設の責任者っぽい奴が、その指名された男の子の後ろへ行ってポンと肩を叩いた。
「良かったな。北条様が買ってくださったぞ」
北条だと?
この国の王族が子供を買っているのか。
それにしてもまさかこんな所で最近流行りの『|死刑宣告《ユウアイ》』が見られるとはね。
『友愛こえぇー!』って言ってる人の気持ちが分かったよ。
肩を叩かれた子供はこの世の終わりを迎えたような、恐怖に震える顔をしていた。
しかしこんな所を見てしまってはスルーって訳にもいかないな。
俺は影から出て助けてやろうと思ったが、それよりも早く嬢ちゃんが出て北条のおっさんをぶっ飛ばしていた。
「子供は‥‥売り買いしちゃ‥‥いけません‥‥」
そ、そうだな。
つかこいつ自分で影から出て行ったぞ?
そんな能力持ってないはずだけど、持ってるのか?
「お、お前はウニ十字結社の者か?!どうして此処に?」
「どうして‥‥かな?‥‥」
聞かれているのは嬢ちゃんだぞ?
「我々の慈善活動を邪魔しにきたのか?せっかく今この子に親が見つかったのに、その親を殴ってどういう了見だ?」
「人身売買良くない‥‥」
「何を言っている!普通に親をマッチングしているだけじゃないか?もしかしてお前の所ではこうやって人身売買でもしているのか?」
「うちは‥‥一切お金を‥‥いただいておりません‥‥」
見苦しい奴だな。
これだけの場面を見られてもまだ逃げるか。
気が付けば菜乃と妃子も影から出て子供たちを保護していた。
あいつら‥‥
やる時はやるのね。
「くそう!出合え出合え!こいつらを殺してしまえ!」
あらあらハッキリと殺害を指示していますよこいつ。
すると男の声を聞いて隣室から十人ほどの者が部屋に入ってきた。
中にはあの暗殺者の姿もあった。
皆忍者のような姿をしている。
割と戦えそうだが、敵となり得るのはあの一人だけだろう。
その一人に嬢ちゃんが突進していった。
前を他の連中が塞いで攻撃しようとする。
しかしどの攻撃も嬢ちゃんには全く効かない様子で、スピードを落とすことなく目標の敵へと攻撃した。
殴る蹴るが激しい。
敵は必死に回避するが、徐々に何やら様子がおかしくなっていった。
気が付けば嬢ちゃんにぶっ飛ばされていた。
やはり強すぎるな。
つか何があったんだ?
途中まではちゃんとかわしていたのに、だんだんとかわせなくなっていったような。
「洗脳した‥‥もうあの子は‥‥いい子になる‥‥」
そうなのか?
「こっちも片付いたのね」
「朝飯前なのです」
菜乃と妃子も残りの忍者っぽい奴らを倒していた。
子供たちが三人に助けを求めるようにしがみついていた。
「くそっ!どういう事だ?あの風魔がこんなに簡単にやられる訳がない!」
俺もそう思ったよ。
この風魔とかいう忍者部隊がこうもアッサリとやられるとはね。
でもこの嬢ちゃんはただ者ではないみたいなんだ。
「観念して‥‥子供売るの‥‥良くない‥‥」
「あ、ああ。悪かったよ。でもこれは仕方がないんだ。この国の王族がそういう施設を作れと言ってきたから、俺には選択肢がないんだよ」
この話が本当なら、北条自体なんとかしないと駄目だろうな。
「そうなの?じゃあ‥‥」
嬢ちゃんはおっさんにも襲い掛かった。
殴る蹴るの応酬だったが、かなり手を抜いて死なない程度にやっていた。
恐ろしい子だ。
この絶妙な威力調整をなんのためらいもなくやってのけるとは。
丁度百発でノックアウトKOかよ。
「じゃあ‥‥私は北条の‥‥所に‥‥行ってくるから‥‥子供たちを‥‥よろしく‥‥」
嬢ちゃんはそう言って玄関から出ていった。
俺は影からようやく出た。
「菜乃、妃子。この建物内にはまだ子供が大勢いそうだ。みんなを此処に集めてくれ」
「誘拐してくるのですね。分かったのです!」
「子供をさらうのは楽しいのね!」
二人は部屋から出ていった。
残された子供たちは少し不安そうだった。
冗談でもそういう台詞は言っちゃダメだよ。

子供たちを全員ウニ十字結社へと預けた後、俺は目が覚めた風魔のボスらしき者に話を聞いていた。
「えっと、この人身売買は北条国王の仕業なのか?」
「国王がやってる訳じゃないよぉ~へへへ~そこに転がっている『|北条氏蛆《ホウジョウウジウジ》』だよぉ~ぷぷぷ~」
おい嬢ちゃんよ。
洗脳していい子になるって、これでいいのか?
悪い奴ではなくなかったかもだけど、かなりヤバそうだぞ?
というか北条氏蛆ねぇ。
本名とは思えないが、もしも本名だったら少し同情するよ。
そんな名前を親に付けられたら、そりゃ人身売買もしたくなるよね?
転生前の世界でもとんでもないない名前を子に付ける親がいたけれど、名前で人生左右されるからね?
ちゃんと考えて付けようね。
俺はここに転がっているオッサンや忍者部隊に手枷足枷を付けてから、嬢ちゃんを追って北条の屋敷に行く事にした。
この洗脳された子はちょっと可哀想なので、一応連れて行くか。
俺は背中に背負って影へと潜った。
結構時間も経つから、あの子なら既に解決して全てが終わっているかもしれないがとにかく行ってみた。
全然始まったばかりだった。
北条邸の中に入ると、少し前に話が始まったような感じだった。
嬢ちゃん、迷ってたのかね。
「どうして‥‥ウニ十字結社の‥‥活動を認めない?‥‥」
「ウニ十字結社は人身売買をするという話ではないか!許可できるわけがないだろう!」
あらあら、国王にはそのように話が伝わっているのね。
本当はあんたん所の友愛倶楽部がその人身売買をしているんだよ。
悪い奴らって、どうして自分がやっている悪い事を他人もやっていると非難するんだろうね。
逆にバレるのに。
だってそんな発想普通はしないから。
「人身売買‥‥何それ‥‥」
「しらばっくれるな!そう報告を受けているんだぞ?」
「それやってたの‥‥友愛倶楽部って所‥‥」
「何をたわけた事を。友愛倶楽部がそんな事を‥‥いやまて。そのような噂は以前からされている。どうしてなんだ?もしかして本当なのか?」
本当も何も、だから死刑宣告される事を『友愛される』なんて言葉で言われているんだよ。
つか言葉の出どころが分かってこっちとしてはスッキリだよ。
転生前の世界でも『友愛』は『殺害』って意味で使われていたけどね。
「本当。友愛倶楽部‥‥さっきみんなやっつけてきた‥‥後は国王の対応次第‥‥」
「本当なのか‥‥分かった。一度調べてみよう」
「お願いね‥‥じゃあ私は帰る‥‥」
それで帰るんかーい!
まあでもこの国王に罰を与えるのも何か違うよな。
責任はあるだろうけれど、信頼していた身内に裏切られていたわけで、この国王も被害者と言えば被害者に違いない。
しかし人身売買ねぇ。
子供の数から考えて、あの氏蛆とかいう奴だけの為にあった組織だとは到底思えない。
裏に何か大きな組織か、或いは他国が関与している可能性もある。
でもその辺は俺がどうこうする所でもないかな。
またウニ十字結社に何かしてくるようなら今度こそこの王様にも責任とってもらうぞ。
ウニ十字結社の社員三名が殺されている訳だし、本当なら全員死刑な所だけれど、嬢ちゃんは結局誰も殺さなかった。
「あれ?策也ちゃんが‥‥こんな所に‥‥」
なんでこの子、影に入ってこられるの?
もしかしてそういう能力持ってたの?
「嬢ちゃん、アレでいいのか?殺された仲間もいるんだろ?」
「うん。殺すの‥‥良くない‥‥でも‥‥罪は償ってもらう‥‥」
俺はなんとなく朝里ちゃんの顔が思い浮かんだ。
少し寒気がした。
こうしてとりあえずこの一件については解決したかな。
「あの嬢ちゃんは不思議な子だったのです」
「そうなのね。魔力があまり感じられないのに何か別のエネルギーが彼女を動かしているような感じなのね」
「そうだな。アレは多分‥‥」
多分、この世界とは別の摂理によって存在する、此処とは違う世界の住人なんじゃないだろうか。
そんな彼女たちは、何かの理由でこの世界にやってきているんだ。
「‥‥まさかね。世界は広いんだから色々な人がいてもおかしくないよ。深く考えるだけ無駄だよ」
「そうなのね」
「ところで、この子はどうするのです?いつの間にか私が背負わされていて酷いのです」
ふっふっふっ‥‥今頃気づいても遅いのだよ菜乃くん。
つかどうしよう?
「改心したらしいし、リリースしておいていいよ。もう釣られたりするなよぉ~」
俺はそう言いながら、風魔の彼女を影から追い出して北条邸の中に置いておいた。
「じゃあ帰るぞ!」
この後、友愛倶楽部は正式に解体され、氏蛆と院長は死刑されたとか。
国王自ら過ちを認め、可能な限りの情報も公開した。
それによると、別の何処かの国が関与していた可能性が高いという事だった。
俺たちが助けたのは子供だけだったが、別の場所には子供以上に大人が捕まっていたようだ。
それら全てが売られる予定だったようで、当然国家レベルの組織が動いていると想像できた。
こんなに沢山の奴隷を買い入れようなんて、だいたい何処の国か想像できるけどね。
そして更にその後の話になるんだけど、奉先の元に風魔の忍者たちがやって来て雇って欲しいと言ってきたらしい。
奉先はそれを快く受け入れたとか。
リリースしたのに帰ってくるとは、恐ろしすぎるぜ‥‥
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