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第二十六話 一つの別れ

出会いは別れの始まり。
別れは出会いへの第一歩。
一期一会、人は多くの出会いと別れを繰り返す。
別れた人と再び会ってはいけないなんて事はない。
だが多くの場合は、結果的に再び会う事はない。
それが恋愛から生まれる別れならば尚更。

夏休みも後半になる頃、男子寮の管理人山下さんの送別会をしていた。
集まっているのは、山下さんと仲良くしていた男女生徒達。
会場は山下さんの実家、俺が昔寝起きした家。
 達也「この家に入るのも、おそらく今日が最後だな」
俺はその目に、目の前の情景を焼き付けていた。
山下さんはご機嫌だった。
しかし、俺の目には、それ以上に寂しさを感じた。
おそらくこれは、俺が寂しいのだろう。
かつての俺を愛し、好きになってくれた人が、もうすぐ2度と会えない人となるのだ。
おそらくは。
あの時俺が先生でなければ。
あの時の俺が、無知で無ければ。
もしかしたら、この山下えっちゃんと共に歩く人生もあったのかもしれない。
そしたら、その後出会えた多くの人達と出合わない人生だったのだろうか。
IFは所詮IFだ。
それは絶対にあり得ない事なのだろう。
だから「もし」なのだ。
人と人に別れが有るように、今日という日とも、送別会という集まりとも、いずれ別れがやってくる。
時計は常に動いているのだから。
太陽の光が赤くなる頃、送別会は終わっていた。
別れを惜しむ生徒の何人かは泣いていた。
それでも決心して、ひとり、またひとりと家路に向かう。
俺はそれを少し離れた場所で見ていた。
皆が帰り、そこには俺と、えっちゃんだけが残った。
 達也「引っ越しは明日だっけ?」
といっても、荷物の移動はほとんど行われていて、この家にはほとんど荷物は残っていない。
 山下「うん」
沈黙が気になるが心地良い感じもする。
えっちゃんは、ココを出て、しばらくは実家で過ごす。
そして10月には結婚するのだ。
喜ばしい事だ。
えっちゃんが幸せになるのだ。
嬉しい。
でもやはり寂しい。
俺には幸せにしてあげる事ができないのが、少し悔しい。
こんな気持ちがあるって事は、きっと俺はえっちゃんが好きなのだ。
愛しているのだ。
恋もしていると言えると思う。
でも、何かが足りなかったのだ。
タイミングが悪かったとか、結ばれない運命だったとか、そんな事ではない。
恋愛とは、恋と愛だけではないのだ。
だから俺は、笑顔でえっちゃんを祝福してあげるのだ。
寂しさは見せるわけにはいかないのだ。
俺は沈黙を破る。
 達也「えっちゃん。新居にはみんなで遊びに行くから、高級食材を使った豪華な食事を用意して待っててね」
言ったけど、おそらく遊びに行く事はないだろう。
俺は行くわけにはいかないから。
相手の旦那さんの事を考えれば、行くわけにはいかないのだから。
 山下「うん。待ってるね。おいしい棒いっぱい買って。」
懐かしい。
あの頃、この伯父さんの家に招待した時、えっちゃんが何か持って行くって言ったんだ。
だから俺は冗談で、10円のおいしい棒をって言ったら、おいしい棒を100本持ってきたんだ。
驚いたけど、この子のノリが好きだった。
 達也「じゃあ、また」
俺はできる限りの笑顔を作って、左手をあげた。
 山下「うん。じゃあね」
えっちゃんも右手をあげた。
俺はえっちゃんに背を向けて歩き出した。
振り返れない。
振り返ってはいけないような気がする。
俺は涙が流れていたが、それを拭かずにただ歩いた。
後ろから足音が近づいて来た。
背中から抱きしめられた。
俺は立ち止まった。
振り返って抱きしめたかったが、俺の体は動かなかった。
 山下「じゃあね」
俺から体を離したえっちゃんの声は、笑顔である事を教えてくれた。
だから俺はそのまま再び歩き出した。
 達也「じゃね」
俺も元気な声でそう言った。
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