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第五十六話 冬休み最後の日

俺が恋愛に否定的な意見を持ってしまっている事は事実だ。
そしてそれにはいくつかの理由もある。
その中で一番の理由は、おそらくはこれなのだろう。
恋の中に含まれる、「独占欲」
付き合う事になると、浮気はしないでね、って言われる事になるのだけれど。
浮気ってなんだろう?
キスしたら浮気だと言う人もいれば、エッチしたら浮気だという人もいる。
でも多くの女性は、デートしただけで怒る。
それで怒られるなら、俺は絶対恋人を作る事ができないではないか。
たとえば、今誰かと付き合う事になっても、やっぱり夢ちゃんと初詣に行きたいし、知里ちゃんと大阪の街を歩きたい。
きららと部屋で食事もしたいし、うららとゲーム部の活動もしたい。
恋人を作る事は、異性の友達全てを捨てる事になりかねないのではないだろうか?
もしそうなら、俺は生まれ変わっても何も変わる事はできないだろう。

明日からいよいよ3学期、冬休み最後の日は、何故かうららと2人きりだった。
話を聞いたところによると・・・
 妄想きらら「私、達也の部屋で2人きりでラブラブ食事しちゃったぁ!しかも私のて・りょ・う・り!」
 妄想うらら「くきーーー!!ひとりだけずるいわ!ゆるせないーーー!って事で、私も今日はふ・た・り・き・り!」
なんて事があったとかなかったとか。
とにかくうららが俺の部屋で料理をしている。
うーむ。
今日は舞と、最後の休みを兄妹水入らずで過ごすつもりだったんだけどなぁ。
 達也「ふふっ」
 うらら「どうしたの?嫌らしい笑いしてー」
やべ、うららが料理なんかしてくれるから、つい嬉しくて笑っちまった。
 達也「ああ、うららが料理なんて、イメージわかなくてな」
 うらら「きららだと、イメージわくのかな?」
またまたやべ、うららチョッピリブルー入っちゃってるよ。
 達也「いやいや、うららが俺に料理ってのがね」
って、俺何言ってるんだよー!
そんな事は言っちゃダメっしょ。
 うらら「そういえばそうね。今日だけだぞ」
あれ?
ココは「うららは、達也くんが好きだから、当たり前だよ」なんて言われると思ったんだけど。
そういや俺、義経の頃は「勘違い男」なんて呼ばれてたからな。
自意識過剰すぎだよね?
 達也「ははー!ありがたやありがたや」
 うらら「うん!」
うららときららは、見た目全く同じなんだけど、一緒にいる時の感覚が全然違う。
きららはもう何でも話せるマブダチといる感覚で、異性といる感覚が少ない。
うららは、今日気がついたんだけど、よくできる「メイド」と一緒にいる感覚?
それだとうららに失礼だから、立場が対等なのはもちろんだ。
俺はうららに世話してもらうのが好きかも。
そんな事を考えているうちに、コタツテーブルには沢山の料理が並んでいた。
・・・
多すぎじゃね?
コタツテーブルが完全に料理で埋まってますよ?
 達也「これ?全部食べれるの?」
 うらら「当然だよー料理ちゃんと練習したんだからー」
いやうらら、意味が違うし。
ちゃんとわかりやすく言ってあげないとね。
 達也「テイク2ね。これ?2人で全部食べれるの?」
うむ。
これならわかるだろ。
 うらら「無理じゃないかな?」
うんうん、無理だよね?って、ええーー!!??
わかってて作ったの?
何故に?
 うらら「もうすぐきららとまこちゃんも来ると思うけど?」
 達也「そっか。きららとまこちゃん?」
 うらら「あっ!勝手に呼んじゃまずかったかな?」
 達也「いやいや、それで良いのだよ。うららくんは正しい!」
俺は親指を立ててウインクした。
はぁ~って、ガッカリなんてしてないよ?
ホントだよ?
それからまもなく2人があらわれた。
 達也「まこちゃんの攻撃!俺は豚キムチ20gのダメージをうけた」
 まこと「何言ってんの?食べないと無くなるよ?」
 達也「えーん!俺の分も残しておいてYO!」
こうして和やかなわずかな時間と、五月蠅く長い時間が流れていった。
午後からはいつもと同じ部活動で楽しんだ。
楽しかった冬休みが終わった。
ホント楽しかった。
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