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第三十二話 再び

「なんやて?また独立を宣言する領主が?これで何個目や。別にこっちと敵対しようってわけやないけど‥‥ちゅーか、もう赤道近くには興味無しって感じやな」
世界の王となっていた食事中のムサシの元へ、またトキョウから離れる存在が現れた事を告げていた。
「あそこの地も本当はローラシア領内なんだけどね。名目上だけだけど」
世界の地上全て、正確には小さな島々を除いてだが、全ての地は何処かの領に属している。
黒の霧が広がっていた頃、とある魔法使いがとある魔法を使って地球上のほぼすべてを記した地図を作り上げた。
その地図の存在により、黒の霧が広がっている中でもしっかりと領土分けされていたのだ。
ただほとんどの人は黒の霧の中へは入らないので、それはあくまで名目上だけの話だった。
しかし黒の霧が晴れて来た今、その地を管理する事は、事実上不可能になっていた。
「それにしても、このトキョウも変わりましたね」
熱くなる地球。
アサリの言う通り、それはこのトキョウも例外ではない。
ただ、元々人間の生活圏の中では最も寒かった場所。
今では四季のある過ごしやすい地となっていた。
「うん。丁度いい感じになったよねぇ。夏と冬って言うの?シュウカさんが言ってたけど。暑いのも寒いのもやだけどね」
ムサシたちは今、元々アイが住んでいた屋敷を大きく改築した王宮にいた。
王たる者、相応な場所に住む必要があるとシュウカに言われての事だ。
しかし今この王宮に住む者はたったの6人。
ムサシとアサミ、アサリとシュウカ、そしてサスケとコタロウの6人だけだった。
シャオやアイ、他にもヒサヨシなどの部屋もあったが、ここ3年は使われていなかった。
「ところでシュウカは何処いったんや?」
いつもなら共に食事をしているシュウカがいない事に、ムサシは疑問を感じた。
「ああ、今日は学校で特別授業だって。まあ一応校長だし、少しは働く気になったんじゃない?」
シュウカはトキョウで魔法学校の校長をしていた。
子供の頃からの教育こそが平和への第一歩。
そう考えたシュウカやヒサヨシらは学校を設立したのだ。
教師はもっぱらサスケとコタロウに任せていたが、今日は何やら気が向いたらしい。
「今日は、『子供をイジメたくなったぁ~』って言っておられましたよ」
「そんなとこやろな。シュウカが真面目に子供を教育すん想像でけへんもんな。はははー」
何はともあれ、今日も和やかな雰囲気が食卓を包んでいた。

今では『国』というか、世界のすべてをまとめるトキョウ。
最近はトキョウを離れる者もいるが、とりあえずあの戦いの後は平和な日々が続いている。
だから気を張るような事は特に何もなかった。
「それに、学校対抗バトル大会も近いですから、力が入っているのかもしれませんね」
「そういやもうすぐか。トキョウ学校とローラシア学校、それにアルテミスとファインが残っとったな」
学校対抗のバトル大会。
全国の魔法学校がその成果を競う大会。
中央大陸は東西分けて2校、そして東の大陸と南の大陸から1校ずつ、合わせて4つの代表がこのトキョウに集まる。
代表4校は、トーナメントでその年の優勝校を決める。
今年は第二回大会で、初代優勝校はファイン魔法学校だった。
「去年はヒサヨシさんが教えているファイン魔法学校が優勝だったね」
「ヒサヨシもくるんやろ?1年ぶりやな」
「ローラシアのトムキャットさんもくるかもしれませんね」
「そうやな。あれ以来あってへんからな。でも忙しいやろし来られへんやろ」
トムキャットはローラシアの領主として忙しい毎日をおくっているようだった。
「ナディアさんはきっと来るよ。去年も来てたし。前回は惨敗で悔しがってたからなぁ」
3人は久しぶりの再開を楽しみにしていた。
「そういやシャオたちは何処ほっつき歩いとるんやろ?」
ムサシの言葉に、3人は少し寂しい気持ちになった。
「そうだねぇ。あれ以来会ってないもんね」
「ええ。あの頃はずっと一緒でしたから。アイさんにも会いたいですね」
南の大陸から帰って来たシャオとアイは、直ぐに旅に出ていた。
その時を最後に連絡もない。
黒の霧の中、今では晴れて黒の霧がかかる地はほとんど存在しないが、そこへ行くと言っていた。
だから皆、少し心配だった。
「まああいつらの事やから、元気にやっとるって。そのうちひょっこり帰って来よるわ」
ムサシの言葉に、アサリとアサミは頷いた。
「そうですね」
「うん」
3人は食事の手を止め、各々思いにふけっていた。

いよいよバトル大会の前日となった。
トキョウには世界中から人が集まっていた。
世界の中心地ではあるものの、それほど大きな町ではない。
その町の人口が倍以上になるのだから、町は大きな祭りのようであった。
「ムサシ、久しぶりやのう」
少し高台にある王宮の庭から、町を眺めていたムサシに、聞き覚えのある声が飛び込んできた。
ムサシが振り返ると、そこにはよく知る人物が立っていた。
「ヒサヨシかい!王になったら世界一の金持ちやと思っとったのに、騙されたわ」
ムサシはヒサヨシに会うたびに同じ事を言っていた。
「ヒサヨシさんお久しぶりです」
「わぁ、今年もきましたねぇ」
アサリとアサミはヒサヨシに駆け寄った。
「おお、お嬢ちゃんたち、相変わらず元気そうやの。ええこっちゃ!」
「お嬢ちゃんって、もう私たち16歳だよ。子供じゃないんだよ!」
アサミは少し照れくさそうに、上目遣いでヒサヨシを睨んだ。
「16歳?もうそんな歳か。そういや身長もチョッピリ伸びとるな」
「全然伸びてるよ!もう凄いよ!」
何がどう凄いのかよく分からないが、ヒサヨシは苦笑いしながら「はいはい」とアサミをなだめた。
「そういやシュウカがおらんな。出迎え無しかい!」
ヒサヨシは辺りを見回した。
「ああ、なんか最近力入っとるで。ヒサヨシには負けへんゆうて今日も学校に行っとる」
「大会前日も特訓かいな。そやかて今年もわしらが優勝やけどな」
ヒサヨシがそう言うと、後ろから声が聞こえて来た。
「今年はアルテミスが勝つよ」
「侍魂を持ったローラシアが勝つ!」
「今年は俺らが鍛えて来たからな」
「いえいえ、僕が鍛えたから強くなったんですよ」
「そうですね。ソーシさんのおかげですよ」
そこには懐かしい5人の姿があった。
そしてその後ろからミサもひょっこりと顔を出した。
「みんな集まってるみたいだから会いに来たよー」
ミサはそう言って手を振った。
「おお!みんな来たか!」
「新選組も来たんかい。それにお前らが教えた?そりゃ強敵かもしれへんな」
「ナディアさん、アルテミスを離れて大丈夫なんですか?」
「ああ、領主は親父だからな。今日は子供たちについてきたよ」
各々再開を喜んだ。
「これでシャオとアイがおったらな‥‥」
ヒサヨシの言葉に、その場は一瞬時が止まったように会話がやんだ。
少しの沈黙。
「アイ‥‥」
ミサの寂しげな声は、表情と一致していた。
そしてそれは皆同じ気持ちでもあった。
「大丈夫やって。シャオが一緒やし、その内戻ってくるって」
雰囲気を明るくしようと、ムサシは無理に明るく振る舞った。
「そやそや!あいつらは殺しても死ぬ奴らやないで。世界最強の魔法使いと白魔術師や。どんな事があっても大丈夫や」
「そだよ!ドラゴンにも勝っちゃうんだから!何がいたって怖くないよ!」
皆も寂しく心配する気持ちは同じだったが、沈むミサを元気づけようと明るく務めた。
ミサもみんなの気持ちを感じて笑顔を作った。
「うん!」
この後もしばらく、皆は再開を喜び騒ぎ続けた。

そして次の日、いよいよ学校対抗バトル大会決勝トーナメントが始まった。
魔法学校はトキョウ傘下の全ての町に1つずつあり、各地地区予選が行われる。
学校へは6歳から通う事が義務付けられており、魔法以外にも、読み書き歴史など一般教養と、平和の為の道徳を勉強し精神が鍛えられていた。
卒業は10歳以上になればいつでも可能で、希望があれば16歳まで通う事ができる。
バトルに参加するのは10歳から16歳の生徒で、自主的に魔法を学びたい魔法優等生が多かった。
ちなみにこの大会で優秀な生徒は、将来トキョウの世界警察と呼ばれる治安維持軍に入る事ができる。
こうして世界中から優秀な人材を集め、世界の治安維持の為の形を作っていた。
皆は経験していた。
平和は、強い力がないと維持できないという事を知った。
私利私欲で悪い事をする人がいたとしても、それを力で抑えられなければならない。
古の科学技術のような強すぎる力は無い方が良いが、強い力を維持する事こそが平和の為だと理解していた。

さていよいよトーナメントが始まった。
まずは前回優勝のファインとアルテミスとの戦いだ。
一応学校対抗のバトル大会でもあるし、色々とルールが定められている。
魔法はエネルギーブラストのみ。
他はある程度自由だが、人を傷つけるモノは使用不可である。
武器は剣の代わりに竹刀が使われる。
いくら子供とは言え、本気で戦えば死者も出る。
その為、こういったルールは必要だった。
バトルはチーム戦である。
人数は1チーム10名。
それぞれに役割を決めたり、作戦も重要だ。
個々の能力も考慮されており、各自共通テストで事前にポイントが与えられている。
成績優秀者は最高10ポイントを持っている。
攻撃の命中度合いからポイントが引かれ、0になればバトル場から退場する事になる。
つまり分かりやすく言うと、強い人はヒットポイント(HP)が10あり、攻撃を食らえばこれが減らされていって、0になったら退場という仕組みだ。
全てのメンバーがいなくなった時点で負けとなる。
ファインの生徒は皆ポイントが高い生徒であり、前衛を剣士で固め、後方から魔法使いが攻撃する戦術だ。
一方アルテミスの生徒は、剣士1人を後方から白魔術でサポートし、堅い守りでジワジワと攻める作戦である。
生徒個々の能力ではファインの方が上であるが、堅い守りの中戦う1人の剣士に対して、ファインの剣士はジワジワとポイントを積み重ねられていく。
そんな中、1人、また1人とファイン側に退場者が出ていた。
「なかなかえげつない作戦やな」
「攻撃系魔法などが制限されているので、守りを固める作戦は強力だった。
「こっちは白魔術が得意だからね。それにそもそも剣士が少ないからこうするしか勝負にならないんだよ」
ファインの剣士がまた1人退場する。
予想に反してファイン側が押される展開だった。
しかしここでファインは作戦を変更してきた。
「向こうの攻撃は剣士だけだ!接近してとにかく剣士をやるぞ!」
1人の生徒の声に、後衛の生徒も竹刀を持って敵剣士へと向かって行った。
「今だ!皆でエネルギーブラスト!」
アルテミス側は、どうやら前に出てくるのを待っていたようだ。
生徒の声に、皆が魔法攻撃を放った。
その間アルテミス側の唯一の剣士はやられて退場となっていたが、9人の放ったエネルギーブラストは、前に出て来たファインの後衛生徒に命中した。
「やった!」
アルテミスの生徒たちが勝ちを確信したその瞬間、ファインの生徒が放ったのか、エネルギーブラストがアルテミスの生徒を襲った。
ファインの後衛生徒が前に出て来たように見えたのは、実は幻影の魔法であった。
アルテミスの生徒はまんまと騙され、その隙をつかれてやられていた。
「うわー!!」
「勝負あり!ファインが7-0で勝利!」
審判をしていたアサミの声に、アルテミスの生徒たちはガックリと肩を落とした。
ファインの生徒たちは拳を握りしめ、静かに喜んでいた。

第二戦目に トキョウとローラシアのバトルが始まった。
トキョウとローラシアの生徒はライバル意識が強く、それはおそらく過去の戦争が理由かもしれない。
とはいえそこにはもちろん殺意などはなく、純粋なライバル心だった。
ローラシアの生徒は、新選組の影響か、全てが剣士という構成だった。
そしてその成績は優秀で、皆が10ポイントを持っている生徒たちだった。
一方トキョウは万能型の使い手で構成されており、コンビネーションが重要なチームだった。
ローラシアの生徒はとにかく接近戦を仕掛け向かって行く。
それを剣と魔法を駆使して防ぎながら、前衛と後衛を入れ替えトキョウの生徒は戦いを進めた。
感じとしては、アサリとアサミのコンビネーションのように戦うトキョウと、新撰組のようなローラシアといった所だ。
正確には、トキョウのコンビネーションはサスケとコタロウが教えているわけで、アサリとアサミとは少し違う。
少しずつローラシアの生徒が押され始めた。
トキョウの生徒のコンビネーションは、上手く相手の隙と弱点を突いてゆく。
まともなヒットは無いものの、競技としてのルールを利用しポイントを削っているといった感じだ。
しかしコンビネーションは難しくミスも出てくる。
トキョウのコンビネーションが一瞬崩れた。
「そこだ!」
ローラシア生徒のクリティカルなヒットで、トキョウの生徒が1人退場となった。
そこから更にコンビネーションが崩れるトキョウチーム。
次々とトキョウの生徒に退場者が続いた。
もうこうなっては個々の能力がものをいう。
トキョウの生徒はなんとかローラシアの生徒1人を退場させたが、それまでだった。
「それまでです。9-0でローラシア学校の勝ちです」
アサリがこの戦いの結果を告げた。
「あ~‥‥まだコンビネーションは難しかったかぁ~」
シュウカは眠そうな目をしながら、頭をポリポリとかいた。
いつものシュウカとは違い、少し悔しさも見えた。
「よくやったみんな!俺は嬉しいぞぉ!」
「喜ぶのは優勝してからにしとけ」
「勝って当然です。僕が教えたんですから」
「はいはい」
まだ優勝したわけではないものの、新撰組のみんなも嬉しさは隠しきれない様子だった。

準決勝が終わった後、しばらくは食事と休憩の時間。
そしていよいよ決勝戦となった。
ファインの生徒は、今度は最初から幻影で攪乱してきた。
しかしローラシアの生徒は動じる事なく対応した。
迫りくる魔力や竹刀を、ただ竹刀で振り払ってゆく。
その姿は|恰も《あたかも》小さな新撰組といった感じだ。
実際その剣技は、実戦でも使えそうな域だった。
そんな中、ファインの生徒の不用意な攻撃の隙を、ローラシアの生徒が確実についた。
1人がやられて動揺するファインの生徒。
冷静に対処できればまだまだ勝負は分からなかったのだが、後はローラシアの圧勝だった。
「ローラシア学校が10-0で勝利や!」
「最後は精神力やったか」
「うおおおお!!やったー!」
「侍魂だな」
「僕の教えが良かったんですよ」
「はいはい」
新撰組の面々は大いに喜んだ。
こうして第二回バトル大会は、ローラシア学校の優勝で終了した。

「そんじゃな。わしはファインに戻るわ」
「あ~‥‥じゃ!」
「私も戻るよ。来年こそはせめて決勝まで行くからな」
「トキョウだって来年は優勝なんだから」
「はっはっはー!来年も優勝じゃあ!」
「仕方ねぇ。来年も面倒見てやるか」
「僕は面倒だから知りません」
「そう言わず。僕は子供の面倒みるの結構楽しいですよ」
「また来年やな」
全国から集まった面々は次の日、少し別れを惜しむ所もあったが、皆充実している日々へと戻る事に迷いはなかった。
「それじゃ私はそろそろタイナンへ向かうよ」
「そこまでは我々も共に一緒だ」
「わしはチャイルドの方やから、此処でお別れや」
皆はそれぞれの帰路へと歩き出した。
子供たちを引率している事もあり、魔力を使って走って帰る者はいない。
ゆっくりと歩いて帰る。
「俺達は走るぞー!」
一部例外もあった。
ローラシアの新撰組は、子供たちを連れて走っていった。
「おいおい、子供たちには辛い‥‥って事もなさそうやな」
「おーい!一緒じゃなかったのかーい!」
ムサシは少しローラシアの生徒の身体能力に驚き、ナディアは苦笑いしていた。
「でも私たちだってまだ学校に通える歳なんだよね」
「そうですね。もっと小さな頃から最前線で戦っていましたね」
アサミとアサリの言葉に、ムサシも納得だった。
かつての戦友たちは、こうして皆元の生活へと帰っていった。
トキョウの祭りは終わった。

その頃、中央大陸の最も北西の地、かつては黒の霧に覆われていたその場所へ、新たな楽園を求める人たちが向かっていた。
しかしその者たちは忽然と姿を消した。
新たな戦いの日々が、静かに近づいてきていた。
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ドクダミ

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