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2013年11月4日【月】19時43分21秒
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お前らサヨナラ!そしてタダイマ!

諸葛亮に向かっていた狛里は、電池が切れた人形のようにその動きを止めた。
慣れないフルパワーの戦いの中で、寿命が短縮されたに違いないと思った。
俺のせいか?
いや、この戦いが無くとも、もう間もなく死んでいたはずだ。
クソッ!何処かで俺はなんとかできなかったんだろうか。
俺は後悔の嵐に襲われていた。
「ははははは!いくら強くても女で残念だったな!女じゃ神を倒せないんだよ!」
そう言って諸葛亮は、既に死んで動きの止まった狛里を真っ二つに斬って捨てた。
なんて事を‥‥。
俺は流石にキレた。
あらゆる魔法、あらゆる能力をこいつにぶつけてやる。
そう思って飛び立とうとした俺よりも先に、合体して北都尚成となった少女隊が諸葛亮へと向かっていった。
「よくも狛里を!」
「待てお前ら!待ってくれ!」
俺は気がついていた。
伊勢神宮で神宮司が北都尚成の手紙をこいつらに渡した時に、なんとなく分かっていたんだ。
この世界の北都尚成はこいつらなんだって。
この世界の神を倒すのは、猫蓮でも陽蝕でもなく、やはり北都尚成なんだと。
こいつらが北都尚成になるのを見せてくれた時、これは当然何かがあるとは思っていた。
だからずっと調べ続けてきたんだ。
そしてそれは、伊勢神宮に行く事で全てが分かった。
少女隊はただ俺に付いてきたかっただけじゃない。
重要な仕事をする為にイスカンデルに来たんだ。
『策也タマ。菜乃たちもできれば策也タマとは離ればなれになりたくないのです』
『でも、妃子たちは仕事をする約束でこの世界に来たのね。だからちゃんと働くのね』
『いや、でも分かっているのか?お前らが諸葛亮を倒したら、お前らはこの世界の神になるしかないんだぞ?そしたらもう会う事もできなくなるんだぞ?』
『分かっているのです。策也タマは子供みたいなのです』
『大人は仕事をしないと駄目なのね。それにもう二度と会えない訳でもないのね』
『それは‥‥』
いつかは世界の神ではなく、天界の神になるのだろう。
そしたら天界で再会する事になるはずだ。
でもそれまでに何百年、何千年とかかるに違いない。
ずっと一緒にいるのが当たり前だった二人が、いきなりいなくなる?
最も身近な親友のような二人が、いなくなるなんて想像したくもなかった。
俺はきっと、この仕事を引き受けた時から、こうなる予感があったんだろうな。
だから別の者を連れて行こうと考えていた。
『そうだな。菜乃、妃子、頼む。狛里の仇を討ってくれ!』
『分かったのです!』
『妃子たちに任せるのね!』
「忌々しい!お前らは異世界人じゃなかったのか?!」
諸葛亮は異世界に送り返す魔法を発動したようだけれど、北都尚成となった少女隊には効果がなかった。
今はまぎれもなくこの世界の人間として認知されている。
その魔法はもう通用しない。
そして異世界人でも女でもなくなった今の少女隊なら、神でも殺れる。
北都尚成となった二人は、諸葛亮へと向かっていった。
まともに戦えるのなら、神の|領域《テリトリー》にいない諸葛亮など敵ではなかった。
「|霧咲《きりさき》!」
「まさか!俺が殺られるのか?!がっ!」
諸葛亮は一瞬の内に粉々に砕け散った。
終わったか‥‥。
いやちょっと待て!狛里?!狛里はどうなった?
『狛里様はわたくしと妖凛様で保護しています。タイムコントロールにより死の直後で止めているので、アルカディアに持ち帰れれば蘇生は可能かもしれません。ただし魔力の消費が激しいので、早く戻る必要がありますね』
『そ、そうか。ありがとう姫ちゃん』
その手があったか。
これならきっと蘇生はできる!
しかしタイムコントロールか。
異次元収納が使えれば良いんだけれど、この世界とあっちの世界じゃ別みたいなんだよな。
まあ俺なら、一日くらいなら止めておけると思うんだけれどね。
俺は元の姿へと戻った。
「終わったのですか?」
「勝ったんだお!」
「でも狛里ちんが‥‥」
「天冉、大丈夫だ。狛里は必ず蘇生させる」
「本当なの?」
天冉にいつもの余裕はなさそうだな。
喋り方が普通になっているぞ。
「ただ、この世界では蘇生できない。だから俺の世界に狛里を連れて行く事になるけどさ」
「そうなのねぇ~‥‥。だったら、策也ちんはちゃんと末永く狛里ちんの事を頼むわよぉ~」
「えっ?」
「当然だな。別の世界には友人も誰もいないんだからな」
「その通りだお。悔しいけど貴公にその役は譲るお」
いや譲られても困るっていうか、そもそもお前にそんな役はない。
「旦那様。もしかして旦那様よりも強い男というのは、尚成様でいいのじゃな?なるほど。私はあの者と子を作る事になるのか」
「いや本人に聞いてみないと‥‥。つかあんなので良ければ‥‥」
「良いに決まっておるな」
尾花は結局強い男なら誰でもいいのか。
「これで策也氏の仕事は終わりなのですか?」
「そういう事なになるな」
「へぇ~。案外アッサリと終わったな」
「でも狛っちが死んでるであろう」
狛っちって。
あの狛里をそう呼べるのは美花くらいだな。
「ちゃんと蘇生するさ。それで俺はもう間もなく元の世界に帰る事になるけれど、猫蓮の事は頼んだぞ」
「策也殿それは違うお。オデがこの子たちを守るんだお!」
「そうだったな。そうそう、所で猫蓮は日本から転生してきたんだよな?西暦で何年産まれなんだ?」
「いきなりそんな事を聞かれるとびっくりするお。オデは千九百八十年産まれだお」
「そっか」
俺の十下だったか。
それでももう初老の年じゃねぇか。
「策也さん。お疲れ様なのです」
「おお想香。お疲れさん。ん?どうした浮かない顔して?」
「記憶が‥‥。記憶が戻ってしまったのです!」
「なんだと!良かったじゃないか?」
「良くないのです!記憶って、みゆきさんの記憶ですよ。それが僕に戻ってきたのです!」
「えっ?」
ちょっと待て。
そういえば全てが片付いた時、記憶が戻るかもしれないとは思っていた。
でもその場合、おそらく俺とみゆきに戻るものだと決めつけていた。
それが違ったという事は‥‥。
「策也タマ。私に記憶が戻ったみたいだ‥‥」
そういって北都尚成は少女隊に分裂した。
「どうして菜乃たちに記憶が戻るのです?」
「自分が男に感じてしまうのね!」
いやでも、そうじゃなきゃ駄目だよな。
こいつらはこれから北都尚成として、この世界の神をやる必要があるのだから。
「そうか。どんな記憶なんだ?」
「‥‥話さないのです」
「そうなのね。みゆきが死んだ後の辛い記憶が悲しすぎるのね」
そう言えばみゆきが死んだ直後から何年かの記憶って、日本であった事もほとんど覚えてないんだよな。
辛すぎる記憶は生きる上で邪魔になるから、人は忘れて身を守ろうとするんだ。
俺が失っているべき記憶という事だろう。
「悪いな。お前たちに辛い思いをさせてしまって」
「そんな優しい言葉をかけないでほしいのです。涙が出てくるのです」
「そうなのね。もうすぐ策也タマとのお別れだから悲しさ二倍なのね」
「悪いな‥‥」
辛い。
俺だって辛いよ。
俺はなんの為に神になって、神の仕事なんてしているんだろうな。
できればこいつらともずっと馬鹿やって、楽しく生きていたかった。
こんな仕事の為に俺はこいつらともう会えなくなってしまう。
気がついたら少女隊は泣いていた。
そんな二人を俺はただ抱きしめるしかできなかった。
「ははははは!何やら感動的な所悪いが、俺を忘れてやしないか?俺は蛇矛人間‥‥」
そう言えば蛇矛人間がまだ残っていたな。
全く空気の読めない奴め。
しかしそいつは、分裂した妖凛が直ぐに美味しく頂いて片付けてくれました。
不老不死だったはずだけれど、それは諸葛亮の力によるものだったみたいね。
『そしてどうやらこの世界の神は、この蛇矛人間に操られていた可能性がありますね。今何やら言っていた言葉に、洗脳効果が付与されているようですよ』
『そうか。だから蛇矛での攻撃が俺に届いていた可能性もあるな』
そうすると諸葛亮も、もしかしたら被害者だったのかもしれない。
そう考えると、姜好ももしかしたら悪い奴ではなかった気がしてくるな。
確か意思が諸葛亮の中で生きるとか言っていた。
姜好の意思で悪い事をやめさせようとしていた可能性も‥‥。
今となっては分からないけれど、狛里は姜好の事を悪い奴だと認識していなかった。
ならばきっとそうなのだと今なら思える。
「じゃあそろそろ俺は戻らないと駄目みたいだ」
気がつくと背後に、異世界に返す魔法のような異空間トンネルができていた。
このトンネルを通れるのは三人だけだ。
俺と想香、そして死んだ狛里。
俺は魔法で氷の棺に入れた狛里を担ぎ、想香と共にそちらへと歩き始める。
「あれ?想香ちゃんも行くんだお?」
そう言えば想香の事はちゃんとみんなに話していなかったな。
でもさっきのやり取りで少しくらいは悟ってくれよ。
「実は僕も策也さんの神の使いなのです。なんとなく分かっておられたとは思いますが」
「そうなんだお?も、もちろん分かっていたんだお」
「猫蓮さん。この世界で楽しく生きてほしいのです。今の僕は、もう猫蓮さんに対して気持ち悪いとは思わないのです」
「そうなんだお?だったら残ってほしいんだお。これから仲良くできるんだお!」
いや駄目なんだよ。
想香がお前を気持ち悪いと思わないのは、おそらくみゆきの記憶が影響している。
何故ならみゆきもオタクだからな。
そしてみゆきは俺のマジ嫁だ。
俺に付いてくると決まっているんだよ。
「猫蓮さんには、既に嫁が三人いるじゃないですか!絶対に守ってあげてください」
「嫁じゃないです」
「嫁じゃないな」
「お断りであろう」
雪月花たちは容赦なかった。
「あー‥‥。まあそんな訳でみんな元気でな。もしかしたら又会う事もあるだろう」
そうだよ。
たとえもう会う事が無かったとしても、やはり笑顔で別れたいしな。
「狛里ちんの事、本当に頼みます。私の大切な親友なので」
「ああ。そうそう天冉。お前の中にいた『みたま』って神様、それ俺の娘なんだ。だから天冉の事も娘みたいに思えてな。だから陽蝕、絶対に泣かすような事するなよ」
「えっ‥‥そうなの、ね‥‥」
「当たり前だ!天冉姫は俺が必ず幸せにする」
「尾花!尚成の事頼んだぞ!」
「了解した」
「それはこっちの台詞なのです!」
「尾花の事はちゃんと可愛がるのね‥‥」
少女隊の二人はまだ泣いていた。
俺もまた涙が溢れてきた。
ホント神の役割全て投げ出してやりたいよ。
でもそんな事はできはしない。
時間が確実に進むように、俺は神をやり続けるしかないのだ。
俺は狛里を想香に預け、少女隊の頭を両手でポンポンと叩いた。
流石に今日は思い切り叩く事もできない。
二人の頭があまりに愛おしくて、可愛かったから。
二人は最後に、満面の笑みを見せてくれた。
俺は振り返り、振り返らずに歩いた。
想香の手を取り、狛里を預かる。
異空間がアルカディアに続いているのがなんとなく分かるから不思議だ。
俺たちは迷いなく、そのまま中へと入っていった。
「さようなら」
少女隊たちが追いかけて来たような気がした。
だけれど異空間入口に阻まれて顔をぶつけ、涙目になっている表情が浮かんできた。
俺は笑いながら、一筋の涙を流した。

さて、アルカディアに戻った俺に、皆は三日間ほど寝ずの|帰還祝《きかんいわい》をしてくれた。
戻った日が偶々俺の誕生日だった事もあり、可笑しいくらいに騒ぎ倒した。
妖凛と少女隊を連れて行ったのに、連れ帰ったのが想香と狛里だったので何があったのかと根掘り葉掘り質問攻めにもあった。
まあみんな心配してくれている訳で、俺はちゃんと全てありのままを話した。
狛里に関しては無事蘇生もでき、今では不老不死にもなっている。
ただ一緒に帰還した事で、狛里も俺の神の使いになってしまったようだ。
そもそも想香も正式なものでは無かったのだけれど、同じく正式にそうなった。
神のルールはよく分からない。
そういうものなのだと俺は受け入れるしかなかった。
みゆきは当然の事ながら、すぐに想香と仲良しになった。
というか半分本人だからね。
みゆきにとって想香は半身という事になるのだろうか。
そして半分は自分の作った世界の神なのだから、我が子でもあるのだろう。
狛里は何故か望海と直ぐに仲良くなっていた。
ボソボソと喋る辺りに共感をもったのかもしれない。
でも喋り方と言えば、夕凪に近いと思っていたんだけれどね。
夕凪とも仲良くできるかな。
そんな感じで二人も少しアルカディアに慣れ、俺はようやく一人でゆっくりとできる時間を得た。
騒がしい二人がいなくなって、俺が寂しそうにしていたんだろうな。
みんな気を使って騒がしくしてくれていたんだ。
でもなんとなく又会える気がするんだよね。
たとえ百年千年先だとしても、きっと会った時には普通にプロレスをしたりするんだろうな。
俺はようやく落ち着いたという事で、イスカンデルから持ち帰った魔法と|能力《スキル》を確認する事にした。
この世界はみゆきが作った世界だし、案外なんでもアリだとは思うんだよね。
意外と全部使えるんじゃないだろうか。
でもアレだけは多分無理だろう。
深淵の闇。
そう思って自分の能力を確認すると、深淵の闇以外に、『闇の家』『闇の魔法実験場』『闇の留置場』『闇の島流し』の四つがあった。
全部行けるのか?
俺は全ての血が顔に集まってくるような興奮を覚えた。
鳥肌が立っているのが分かる。
否応なしに頬が緩む。
俺はすぐに闇の家を発動した。
目の前に直径二メートルの深淵の闇が現れる。
俺は迷うことなく飛び込んだ。
直ぐに俺は闇の家に降り立った。
魔力を感じる。
俺は軽く走ってその魔力の方へと向かった。
いつもみんなが休んでいたリビングへと入った。
そこには、二人の少女の姿があった。
「策也タマ、くるのが遅いのです!」
「そうなのね!もう何度も泣いてしまっていたのね!」
二人は涙でくしゃくしゃになった顔で、俺に飛びついてきた。
俺は咄嗟に二人を抱きかかえると、そのままバックドロップの体勢で、菜乃と妃子を顔から地面に叩きつけた。
「まだまだだな!その程度の攻撃じゃ俺には通用しないぞ?」
俺も自分が泣いているのが自覚できるくらい涙が出ていた。
「策也タマ酷いのです」
「容赦ないのね。でもそれでこそ策也タマなのね」
二人の体を離すと、俺たちは人の字を作るように上を向いて寝転がった。
「タダイマ」
「菜乃がタダイマなのです」
「いや妃子がタダイマなのね」
いやどう考えても俺が最後に入ってきただろう。
だったらタダイマって言うのは俺なんじゃないだろうか。
でもまあいいか。
「おかえり、お前たち」
「そう返されると何かが変なのです」
「そうなのね。妃子たちは『子作りしよう』と五月蝿い尾花から逃げてきているだけなのね」
そんな事になっているのか。
「でもお前ら、可愛い子は好きだろ?」
「当然なのです」
「可愛いは正義なのね」
「だったら何も問題はないじゃないか?」
ちょっと想像するとドキドキするけどさ。
女同士プロレスするのも‥‥。
いや、北都尚成なんだよな。
「で、でも、不老不死だと子供は作れないのです!」
「そうなのね。不老不死だから無理なのね!」
「いやお前らは気づいているだろ?イスカンデルなら大丈夫だって」
そうなのだ。
俺も男の子だからイスカンデルでは大変だった訳で。
もうそういう意味で女の子に興味を持つ事なんて無いと思っていたんだけどなぁ。
「策也タマ?此処はイスカンデルの一部なのです」
「そうなのね。妃子たちとマジプロレスも可能なのね」
そう来るか。
一発くらいなら誤射もありか?
いかんいかん。
それでなくても俺には二人のみゆきと、責任取らなきゃいけない狛里がいるんだ。
これ以上は流石にみゆきも許してはくれない。
一応命に関わるからと狛里を連れ帰ったのは納得してくれたし、想香は半分本人だからまだ大丈夫だった。
鬼でも無い限り納得はするだろうけどさ。
「そんな訳でお前たちは今日も負けるのだよ!」
「そんな訳と言われても、普通は分からないのです!」
「心を読んでるから分かるだけなのね!」
そんな感じでいつも通りのプロレスが始まった。
良かった。
たとえこの場所でしか会えないとしても、これからも少女隊とは一心同体でいられそうだ。
こうして俺の初仕事はハッピーエンドで幕を閉じた。
しかし又、いずれ黒い影は近づいてくる。
その時まで精一杯楽しくいようと、俺は心に誓うのだった。
【<┃】 【┃┃】 【┃Ξ】
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