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男子一日会わざれば?狛里の想い

『男子三日会わざれば刮目して見よ』という諺がある。
『男は三日も経てば成長しているから、再会した時には注意して見るべし』という教えだけれど、普通に考えて三日じゃ流石に大して成長はしないよね。
何かをきっかけに気持ちが変わったりはするけれど、それを言っているのなら三時間で十分だ。
つまりこの諺は、『三日程度じゃよく見ないと成長は分からない』という意味にも捉えられる。
しかしこの世界、ことわざ以上の事が起こったりするから面白い。

俺たちは再び砂漠を行く。
でも今度は空の上だ。
尾花はフェンリルの姿となって、天冉を乗せて空へと上がっていた。
落ちないようにと俺が作ったアイテムは、腕に付ける妖糸で作った羽衣のようなものだ。
これは魔力操作によって自在に動かせる。
長く大きな手を得るようなものなので、それで尾花に捕まってもらうのだ。
ちゃんと魔力による強化もしているから、普段の小さな魔力でも振り落とされたりはしない。
「これは便利ねぇ~。普通に武器としても使えそうよぉ~」
「それも考えて作った。やはり間合いは大きい方がいいだろ?」
「ありがとう~気に入ったわぁ~」
天冉も不老不死ではないからな。
できるだけ強くあってもらいたい。
本人は『一霊四魂の能力はこれだけじゃないのよぉ~』とか言って、自分は絶対に死なないと言い張ってはいるんだけどね。
一体どんな能力なのやら。
「天冉さん羨ましいのです!僕もそれ欲しいのです!」
「でも想香はエネルギーブラストを使えるのか?いや魔法という意味じゃなくて、魔力操作という意味でだけど」
「教えてくれたら直ぐに覚えられます!僕は優秀ですから」
ふむ、想香もコレを使えるようになれば戦闘の幅も広がるし、死ぬ可能性も減らせるというもの。
「分かった。じゃあ次の休憩の時にその巫女服を脱いでくれ」
「な、な、なんですか?休憩で脱いでくれって?」
「おい何を言っているんだ?!」
「策也ちゃん‥‥不潔‥‥」
「狛里まで!俺は巫女服を改造するからと言っている訳で」
「分かっているのです」
「冗談‥‥だったのに‥‥」
クソッ!こいつらにからかわれる時がこようとは。
いや、既にこんな感じだったか。
俺はなんとなく口元が緩むのだった。
さて、なんだかんだ飛べば一時間ちょっとで目的地には到着する訳で、気がつけば既に遺跡の上だった。
そして俺たちはそこで驚くべき光景を見る事となった。
「遅かったな」
既に陽蝕は遺跡に腰掛けそこにいた。
更に|其処等中《そこいらじゅう》に凶悪で強そうな魔物の死体が転がっていた。
そりゃ遺跡だからな。
ヤバい魔物も沢山いておかしくはない。
しかしこれ、全部陽蝕がやったのか?
陽蝕を見ると、以前とは比べ物にならないくらいの魔力をしている。
表情からも自信が伺えた。
男子三日会わざればなんとやら、だな。
たった一日でこれほど変わるとは。
強い魔法と能力を得て、遺跡で強い魔物を狩ってレベルを上げたか。
頼もしいじゃないか。
これは北都尚成の思惑通りなのかもしれない。
俺たちは陽蝕が座っている前に降り立った。
「陽蝕殿は凄いんだお!魔力が大きくなっているお!」
「そうなのか?確かに強くなった感覚はあるが、英雄様に貰った能力のおかげだと思っていた」
「能力だけじゃ‥‥ない‥‥表情に‥‥余裕が‥‥ある‥‥」
「凄いですよ!アッサリ僕も追い越されています!悔しいのです!」
そして天冉は‥‥。
とにかくご満悦のご様子で。
女の子の顔になって、ただ陽蝕を見つめていた。
「それで‥‥結局‥‥どうだったの?‥‥」
みんな狛里と同じ気持ちを持っていた。
一体洞窟内で何があったのか。
どんな能力を得たのか。
「特に何も無かったよ。此処に出るまで本当に何も無くてな。不安になったくらいだ。でも出た途端に何か力を授かった感覚になった。後はこの割れた宝石と石版を見れば分かるか?」
俺たちは陽蝕の持つ宝石と石版を見た。
石版には五つの魔法と五つの能力が書かれているだけだった。
つまりこれが授かったものと見て間違いないな。
こっちの宝石は、それらを授ける為の魔法が込められていたのだろう。
役目を果たして割れたと言った所か。
「この宝石は相当大きなものだな。割れたと言ってもそれぞれがまだ大きいと言える。別の事に使えそうだ」
「そうだな。なら策也に預けておく」
「ああ」
しかしなかなか良い能力を授かったな。
剣士でも魔法使いでもどちらにも有用なものが多い。
そしてあの乱角が変化した尚成とも使えるものが被っているから、やはり北都尚成が魔法と能力を半分譲ったんだと実感できた。
「とりあえず俺はゆっくりと風呂に入りたいんだが、良いか?」
「分かった。じゃあ装備変更やアイテム作成もあるし、今日は此処で過ごそう」
俺はそう言って移動用の家を設置した。
完全にこの辺りの魔物は狩り尽くされていて、問題もなさそうだ。
『菜乃たちは素材を回収してくるのです!』
『他にもお宝があるかもしれないのね!』
『分かった。じゃあ頼む』
少女隊がコレクション好きで良かったな。
こういう時は楽ができるよ。
二人は二手に別れ、競うように影を移動していった。

それでまず、やるべき事を片付けていくか。
忘れないうちにやっておかないと、読者が『何時そんな事をしたんだ!』とツッコミを入れてくるだろう。
重要じゃない事は一々伝えたりはしないけれど、覚えている時は伝えておく事にする。
えっとなんだっけ?
そうそう陽蝕のベルトの交換だ。
全耐性を授かっていたらどうしようかとも思っていたけれど、とりあえず無駄にはならずに済んだみたいだね。
「これはいい!この暑さには参っていたんだ」
喜んでもらえたようで嬉しいけれど、そう言う割には元々元気そうだけどな。
それから次に想香の巫女服を改造する。
幸い割れた宝石も手に入ったし、それをふんだんに使って最高の一品に仕上げた。
ふんだんにっていうか全部使った訳だけれどさ。
「着心地はどうだ?」
「そうですね。何故かピッタリです。どうして策也さんは僕のサイズを知っているのでしょうか?」
「どうしてって?さあ?俺は機能部分を組み上げて後はイメージするだけだからな。魔法が優秀なんだと思うぞ」
ぶっちゃけるとサイズが完全にみゆきと一致しているんだよなぁ。
おそらく身長も体重も同じなんじゃないだろうか。
狛里の召喚魔法、恐ろしいぜ。
金魚や兎白の要素も十分に含まれているからなぁ。
「そうなのですか。とりあえずそれで納得しておきます。じゃあ次は早くエネルギーブラストを教えてください」
「はいはい分かったよ。まずは自分の魔力を感じる事はできるか?」
「当然です」
「じゃあその魔力を手に集める所から始めてみよう」
こうして想香の魔力操作の特訓が始まった。
始めてみると、自分で優秀と豪語するだけあって呑み込みは確かに早い。
それに魔法としてのエネルギーブラストを覚える必要も無い訳で、この日は夜まで同じ訓練を続けさせた。
ぶっちゃけコレに関しちゃコツも無いし、センスだけが物を言うしね。
そして眠る前までに、一通り使えるまでにはなっていた。
後は戦闘で実際に使ってみるしかないだろう。
自転車に乗れるようになっただけでは、自転車のモトクロス競技では走れない。
実際に色々なコースを走って練習しないとね。

「ふぅ~‥‥。とりあえず今日も終わりか」
俺は移動用の家の上に登って寝そべっていた。
移動用の家は日本家屋という感じではなく、鉄筋のビルが平屋になった感じだ。
上は平たくて柵のない屋上みたいな感じだね。
「策也タマは任務の事、話しても良かったのです?」
「そうなのね。誰かが話したらこの世界の神様にバレる可能性があるのね」
「いや大丈夫だろう。俺は悪意には敏感なんだ。それに何かの拍子に話したとしても、それが必要だったって事だ。悪いようにはならないさ」
少なくとも俺は、神としてこの世界に来て、神として解決させられるはずだから来ている。
ならばそれを信じる事で、きっと世界はそうなるようにできているはずなんだ。
今はまだ猫蓮が神となるのか、それとも陽蝕なのか、或いは別の者なのか迷っているから決まらないだけ。
迷いを捨てたらきっとその者が神になるはず。
猫蓮と陽蝕が強くなっているのだって、俺がある程度そうだと思っているからそうなっているのだろう。
久美や乱角、神猿だと思っていたら、きっとそちらの方が強くなっていたはずなのだ。
おそらく彼らは今、出会った頃からほとんど成長していないに違いない。
尤も乱角は成長しようにも難しいだろうけれどね。
「ところで策也タマは、うちの子の中で誰が好きなのです?」
「本命は想香、対抗は狛里、穴は天冉なのね」
「おい、俺にはみゆきがいるのを知っているだろ?」
つかいきなり何を言い出すんだこのアホの子たちは。
「綺麗事は聞きたくないのです」
「そうなのね。策也タマはいつも綺麗事を否定するのね」
「いやそれとこれとは話が別だろ?」
「全く、異世界に来たら少しくらい羽目を外すのです」
「妃子だったら天冉がお勧めなのね」
なんで天冉なんだよ。
陽蝕がいる以上負け確定じゃないか。
「菜乃も天冉がいいのです。同じ匂いを感じるのです」
「雪月花だけはないのね。デーモンは敵なのね」
こいつらシャドウデーモンだからな。
間違えられるの嫌がっているし。
「尾花は怖いのです」
「フェンリルは時々とんでもないのが産まれてくるのね」
そうなのか?
お前たちの方が完全に格上だと思っていたけれどな。
「想香は完全に見た目はみゆきなのです」
「最初から負けた感があるのね。それに兎白と喋っているみたいでよく間違えるのね」
本当になぁ。
もういっそ兎白だと思って喋っても良さそうな気がしてくるよ。
「狛里は不思議なのです。嬢ちゃんに似ているのです」
「策也タマの本命は実は狛里なのね。時々悶えているのね」
こいつら一心同体だから全て見ているんだよな。
でもこうやって改めて言われると恥ずかしいだろうが。
頼むから黙っていてほしい。
「あっ!誰かが家から出てきたのです」
「逃げろーなのね!」
「おい別に逃げる事は‥‥」
騒がしい奴らだな。
少女隊は勝手に喋るだけ喋って影に戻っていった。
「策也ちゃん‥‥いるの?‥‥」
玄関を出た辺りから声が聞こえた。
「お、おう、狛里か。屋根の上でゴロゴロしているよ」
おいおい、なんかギャルゲーとかでよく見るシーンじゃないか?
こういうの勘弁してくれ。
一周回って照れくさいわ。
気がついたら狛里が音もなく横に立っていた。
スカートの中が見えそうで見えない。
つかリビングバンテージの衣装だから、見た所でパンツでもなんでもないんだけれど、この見えない感じってエロいよなぁ。
まあ狛里だからどうって事ないけれど。
マジだからな!
気がつくと狛里も一緒に俺の横で寝そべっていた。
「星が‥‥見える‥‥」
「見えるな‥‥」
でも全然星座とか分からん。
多分地球やアルカディアとは違うんだと思う。
「策也ちゃんは‥‥異世界人?‥‥」
「まあな。今はアルカディア人だ。でも‥‥」
「でも?‥‥」
「コレは誰にも言ってないんだけど‥‥実はその前、猫蓮と同じ世界で暮らしていたんだ」
「やっぱり‥‥そうなんだ‥‥共通の知識‥‥あるもんね‥‥」
やっぱり‥‥か。
バレていたよな。
まあでも、狛里に限らずみんな良い奴で、深く詮索してこないのは助かっているよ。
猫蓮だけはアホだけど。
「猫蓮ちゃんも‥‥きっと‥‥気がついてる‥‥」
「えっ?マジ?」
「冗談‥‥」
「冗談かよ!‥‥」
いや、きっと本音だ。
気がついている可能性もあるよって所か。
できれば気がついていない事を祈る。
気がついていて気を使っている猫蓮なんて、オタクの誇りを忘れた実力派俳優だよ。
割と良いか?
「策也ちゃんは‥‥その‥‥悪い人を‥‥倒したら‥‥帰っちゃう?‥‥」
「そうだな。コレもまだ誰にも話していないんだけどさ。俺の世界であるアルカディアの悪い奴がやられるまでには十五年かかっているんだ。そいつを倒した奴はその十五年前、今の陽蝕や猫蓮よりも圧倒的に強かった。おそらく北都尚成と同じくらい。だからきっと早くても二十年は先の話だ」
そうか。
今話していて思ったんだけど、北都尚成が俺で、この世界の後にアルカディアに転生したとしたなら、あの時の俺の強さと北都尚成の強さは同じだったという事になるかもしれない。
「そう‥‥なら‥‥帰るのは‥‥私が死んでから‥‥だね‥‥」
当然だけれど、寿命を三十年も縮めた事を狛里も自覚している訳で。
自分の寿命がだいたいどれくらいなのかは理解しているか。
「いや‥‥俺は狛里にそんな早くには死んでもらいたくない。だから絶対にお前を不老不死にしようと考えているぞ」
そう、俺の今最も優先すべき事はコレだ。
その為に伊勢神宮を目指していると言っていい。
むしろ北都尚成の事を知るのはオマケだ。
偶々目指した先が同じというだけ。
「不老不死には‥‥あまり‥‥なりたいと‥‥思わない‥‥だって‥‥みんなが死ぬのを‥‥見送るのは‥‥もう嫌だから‥‥」
これは不老不死の最も辛い生き地獄としてよく語られる理由だ。
でも、最も愛する人、最も一緒にいたい人も不老不死なら、それはきっと幸せな事だと思う。
今の狛里に、そういう人はいるのだろうか?
もしもいるなら、共に不老不死になればいい。
いなければ、不老不死になって探すのも良いと思う。
「不老不死と言っても、おそらく死ねない訳じゃない。不老不死になる方法があるのなら逆も然りだ。とりあえず不老不死になってみて、嫌ならそれから考えればいいさ。もしも今が楽しいならな」
そうだよ。
『今』生きていたいなら、明日死ぬかもしれない『今』よりもよっぽど良いと思う。
「うん‥‥今はとっても‥‥楽しい‥‥」
「それは良かった。俺も今とても楽しいぞ」
むしろ楽しすぎるから。
狛里や想香、猫蓮や天冉との別れを今から寂しく感じるくらいに。
それにやっぱり冒険者って良いよなぁ。
愛する人とのんびりマッタリ過ごすのも良いけれど、男の子は生まれながらの青い冒険者なんだ。
だからみんな異世界転生に憧れて、そういうアニメ作品が人気にもなるんだよ。
「想香ちゃんの事は‥‥知らないの?‥‥多分だけど‥‥猫蓮ちゃんがいた世界にも‥‥策也ちゃんの世界にも‥‥きっと関係がある‥‥」
「えっ?そうなの?」
日本にもアルカディアにも関係がある?
それってどういう事だ?
「私は‥‥三人とも‥‥同じ思いで‥‥召喚した‥‥きっと関係が‥‥ある‥‥」
そして想香に関しては、猫蓮も俺も召喚される人に対して願いを込めた。
猫蓮は何を願った?
黒髪で巫女服の僕っ娘か。
そして俺は金魚と兎白と、みゆきを思った。
この条件なら、みゆきが召喚されても不思議じゃなかったのではないか?
しかし望まない者は召喚されないし、一部求めるものとは違うよな。
みゆきは子育てもあるし、今回一緒に来る事を拒んだ。
だから来る事はありえなかった。
それでも俺がみゆきを望んだ以上、何らかの関係は否定できない。
転生してくるという方法はあるかもしれないけれど、僕っ娘じゃないし不老不死で死んだりはしないんだよなぁ。
あれ?死なないのに死ぬってあり得るのだろうか?
死ぬはずなのに死なない運命だったら、死んだ時どうなるのだろう。
俺の思考は想香から自分が死んだ時の事に移っていた。
二千九年、三十九歳の十月に、俺は七色に輝くきのこを食べた。
しかしその前にみゆきとみたまが死に、神となってアルカディアを創る事が先に決まっていた。
その時俺は五十一歳で死ぬ事が確定した。
完成してからじゃないと、俺はアルカディアに行けないからね。
アルカディアを創るには十二年の月日がかかる。
なのに七色に光るきのこを食べてそれ以前に死ぬという、運命を変える出来事が起こった。
無理やり俺はこのイスカンデルに転生させられる訳だけれど、五十一歳まで生きるはずの俺も同時に存在した。
だからこの間、俺は日本とイスカンデルを行き来する北都尚成となった。
そうすると、寿命を短くすると決まった狛里を無理やり生きながらえさせたらどうなるんだろうな。
この世界と別世界を行き来する狛里が誕生したりして。
あれ?俺は一体何を考えていたんだったか。
そうだ!俺はハッとして横を見た。
「狛里はどういう想いで俺たちを召喚したんだ?」
そこには狛里が目を閉じて寝ていた。
幸せそうな寝顔を見ると、俺はそこで思考を止めざるを得なかった。
クッソ可愛い寝顔しやがって。
狛里を不老不死にしたらどうなるかなんて知ったこっちゃない。
絶対に俺がこの世界にいる間には死なせない。
そして狛里にとって大切な人も‥‥。
そう心に誓うのだった。
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