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イスカンデルの萬屋狛里

さて、じゃあ後はとどめだな。
「これで終わりだ!『魂を斬る血塗られた剣』!」
俺は能力を発動した。
血塗られた剣が一瞬の内に、神である|守死《しゅし》の魂諸共全てを斬り裂いていた。
「終わったか‥‥」
正直神になるとか面倒くさいけれど、みゆきと一緒に生きていく為ならなんだっていいさ。

‥‥。

俺の名前は|此花策也《このはなさくや》。
アルカディアと言う名の世界に転生し、そこで神になった男だ。
神になるまでには、色々な困難を乗り越える必要があった。
だから多くの仲間を集める事は必然だったと言えるだろう。
その時得た仲間と共に、今俺は神としての役割を全うする。
神の主な役割は世界を見守る事。
特に何をするでもなく、ただそこにいるだけで世界は保たれる。
とは言え、別に少しくらいなら世界を離れる事も可能だ。
百年までならいなくても大丈夫らしい。
まあ別に離れるつもりはなかったんだけどね。
愛する妻『みゆき』がいるからさ。
ただし神には別の役割もあった訳で‥‥。
もちろん神は自由だし、断る事もできたはずなんだよ。
でもさ、可愛い女神様に懇願されたら、断る事なんてできないよね?
断れる奴がいたらそいつは鬼だ。
男として生きている価値がないよ。
ん?お願いにもよるって?
そりゃそうだな。
俺がお願いされたのは、神としての仕事だ。
神の仕事というのは、別世界に住む悪い神様を倒すのを手伝う事。
神は神を倒せないので誰かに倒してもらうんだけど、それをサポートする訳だね。
そして倒した人がその世界の新しい神様になるんだ。
新しい神様の誕生を手伝う仕事とも言える。
ちなみにこの方法で神になれるのは男性だけ。
男性をサポートするとか正直面倒だけれど、引き受けてしまった以上やるしかない。
そんな訳で俺は、二人の助手を連れて別の世界へと転生する。
連れて行くのは|妃乃《ぴの》と|妖凛《あやりん》。
ほとんど俺と一心同体な『少女隊プラス』だ。
妃乃は二人に分裂ができるので、実は三人という事になる。
分裂ができるというか、そもそも別々なんだけどね。
助手は二人しか連れていけないって事で、一人になってもらった訳だ。
そして実は更に俺の体の中に妖精も住み着いていて、もう一人妖精霧島というのもいる。
このメンバーで、俺は『イスカンデル』という名の世界へと出張するのだ。
イスカンデルは、当然だけど俺の住むアルカディアとは違う。
世界の摂理やことわりが別なのだ。
似たようなファンタジー世界ではあるのだけれど、何百年何千年と遅れた感じがする世界。
そして最も大きな違いは、魔法と能力がそれぞれ十個しか持てないって所だ。
なんだよそれ。
俺が神になれたのは、豊富な魔法と能力による所が大きかった。
それを合計二十個に限定されるとか、マジであり得ないんですが?
でも行くと決まった以上、使える魔法や能力は決めなくてはならない。
俺はオリハルコンアメーバ人間の神として転生する事にした。
なので固有能力みたいなのはそのまま使える。
妖精が飛べるのは当たり前だったりするよね。
そういう能力は選ぶ必要がないのだ。
その辺りは少し助かった。
なんとか数を絞って、俺は必要なものを決めた。
ちなみに魔法は、世界に漂う魔素から魔力をエネルギーとして取り込み使用するもの。
能力というのは、自分の生命エネルギーで起こす現象で魔法よりも難しい。
だから能力は魔法として発動も可能で、その場合威力や効果が基本的に大きくなる。
今度の世界では魔法や能力で『蘇生はできない』けれど、『不老不死は完璧』なので、俺が殺される事はあり得ない。
そういう意味では割と気持ちが楽だ。
ただ瞬間移動魔法が存在せず、魔物にも魔石が存在しないという面倒な設定もある。
テレポテーションくらいならできるんだけどね。
五百メートルが限界だから、戦闘レベルでしか使えないのよ。
邪眼や千里眼もアルカディアのようには使えないし、苦労する事が多そうだ。
とにかくそんな感じなんだけど準備を整え、俺たちはいよいよイスカンデルへと旅立つのだった。

別の世界に行く方法は色々とあるらしい。
俺が別世界の神である南たちを仲間にしたように、魂だけがやってくるとか。
或いはよくあるパターンは召喚されるとか。
転生者として気が付いたら大自然の中で寝ていた、なんてのもあるらしい。
さて俺は一体どんな感じになるんだろうね。
俺はアルカディアで最後の眠りについた。
次目覚める時はきっとイスカンデルなのだろう。
意識が遠のいて、そしてゆっくりとハッキリしてきた。
どうやら俺は魔法陣から実体化しているらしい。
これは『召喚の魔法』だな。
よくあるパターンだったのは一安心だ。
さて俺を召喚したのは、どんな人だろうか。
或いはもしかしたら次期神様候補なのだろうか。
だったら楽なんだけどね。
次期神様候補は、転生した際割と近くで見つかるらしい。
召喚者本人だったり、もしくはその家族や仲間だったり。
果たして、今回はどんな展開が待っているのやら。
俺は目を開けた。
目の前には、俺の目の前には‥‥。
「近い!近すぎるよ!」
俺が目を開けると、目の前に女の子の顔があった。
勘違いする奴なら『チュー』されるんじゃないかと期待しちゃう所だぞ。
「あれれ‥‥私‥‥やっぱり召喚失敗‥‥した?」
女の子は一歩下がって顔を目の前から離してくれた。
見た目は小学生から中学生といった年齢の女の子。
髪は薄紫のストレートロングで、日本人形のような感じか。
喋り方は嬢ちゃんや夕凪に似ているかもしれない。
ちなみに嬢ちゃんってのは、俺が神になるのを手伝ってくれていた神の助手の子。
手伝ってくれていたようには感じなかったけどさ。
夕凪ってのは俺の|人形《ゴーレム》で、妄想が大好きな女の子ね。
詳しい事が知りたい場合は、俺の過去話が別にあるのでそちらを読んでくれると嬉しい。
とにかくそんな感じの女の子が目の前にはいた。
「失敗?特に失敗はしていないみたいだぞ?」
「私‥‥強くて‥‥料理ができて‥‥なんか色々作れる‥‥凄いの‥‥召喚したはず‥‥」
ふむ、俺はそうは見えないってか。
確かに見た目はちょっと女の子っぽい男だから、弱そうには見えるかな。
「それ、多分間違ってないぞ?一応それなりに強いし、料理はできるし、なんか色々作る事もできる」
「そうなの?‥‥じゃあ‥‥テストしてみる‥‥」
イスカンデルに来て俺はいきなりテストされるのかよ。
つかよく考えたら、別に条件にあってなかろうと良かったんじゃね?
そもそもこの子どう見ても女の子だし、神候補ではないはずだ。
この世界の強さのレベルは分からないけれど、おそらくかなり上位の実力者であるようには見えるけどな。
ただこの世界には邪眼のような何でも見抜くような目は存在しないから、なんとなく伝わる魔力からしか判断できないけどさ。
「じゃあまず‥‥私と‥‥戦闘してみよう」
いきなり戦闘かよ。
なんて思った瞬間彼女は襲ってきた。
うほ!こりゃ速いな。
神の俺でも別世界に来たら力は落ちるし、テリトリーでもないからかなり力は接近している。
でもまだまだ俺の方が上か。
とは言えこの戦い、どうしたらいいのだろうか。
勝ったらマズイ気もするし、負けたらそれもまたマズイ気がする。
俺はとにかく彼女の攻撃を凌ぎ続けた。
一分ほど戦闘は続いただろうか。
すると彼女が突然攻撃をやめた。
「私の攻撃を‥‥一分凌ぐなんて‥‥じゃあ次は‥‥料理ね‥‥」
「料理か。それじゃ材料を‥‥!」
異次元収納の中が空じゃねぇか!
世界が変わると中身は置いてきちまうのね。
また一から食材とか色々集めにゃならんのか。
「こっちきて‥‥食材は色々‥‥あるから‥‥」
そう言えば周りの景色をあまりしっかりと見ていなかったけれど、此処はどうやら建物の裏庭のような所だった。
三メートルほどの壁に囲まれているので外はあまり見えない。
戦闘中少しジャンプした時にチラッと見えた景色は、確か町の|端《はずれ》といった感じだったような。
この世界では使える魔法数が限られているから、魔法記憶は選ばなかった。
つか忘れていた。
少し前の事を忘れるようだと俺ヤバいぞ?
俺は建物の中に入って行く彼女に、ただついていった。
裏口らしき所から入ると、間もなく厨房があった。
ん~‥‥こりゃなんというか、火や水を用意するだけでも大変そうな感じだな。
不便極まりないだろ、これ。
俺は一応妖精霧島の魔法に料理を選んできたから、霧島が体の中にいる時は火も水も最低限は用意できる。
けれどもしもこれを選んでなかったら、最悪だったよなぁ。
食い物は大切だと思って選んでおいて良かったぜ。
それにしても冷蔵庫は氷だし、こりゃ結構ヤバい世界に来ちまったかもな。
「一応調味料は揃ってるんだな」
「当然‥‥美味しい食べ物は‥‥一番大事」
そりゃそうだ。
ちょっとだけ気が合うかもしれない。
「じゃあ美味しそうな肉もあるし、肉料理でもするか」
俺がそう言うと、彼女はとても不愉快そうな顔をした。
それどころじゃない。
もうこの世の地獄に来たような顔だった。
やっぱり、全く気は合いそうにないな。
「こっちの肉の方が‥‥お勧め‥‥その肉は‥‥狼魔獣の肉‥‥」
なるほど、肉の種類って事か。
でも邪眼も無いし、どれが何の肉なのかなんて分からないよ。
ただし料理の魔法が使えるので、その食材を使った最高レベルの料理はできてしまうんだけどね。
俺は魔法を発動した。
この世界の料理なんて知らない。
でも魔法は勝手に料理を完成へと導いてくれる。
「おお‥‥凄い凄い‥‥」
「はい完成!」
何ができたか分からないけれど、匂いはなんとなく生姜焼きっぽいのができた。
一応この世界お米もあるし、味噌や豆腐もあった。
だから完成はほぼ生姜焼き定食って感じかな。
「知らない‥‥料理‥‥毒は入ってない?」
「多分ね。もしも死にそうになったら助けてやるから、とりあえず食ってみな」
「分かった‥‥」
素直に俺の言う事を信じるんだな。
この子結構ズレていそうだし、ヤバそう。
でもそれくらいの方が可愛いかもしれない。
昔ジュリーも歌っていたよね。
バッドチューニングとかって。
彼女は生姜焼きっぽい肉を箸でつまむと、それを口に持って行った。
「凄い‥‥美味しすぎる‥‥」
彼女はそう言うと涙を流しながら、夢中で俺の作った料理を食べまくっていた。
そんなに喜んで食べてもらえると、作った甲斐があるってもんですな。
でもちょっと無茶しすぎに感じるけど‥‥。
彼女は全てを口に入れて、頬を膨らませるリスのようになっていた。
ズレすぎているのも考え物だな。
リスみたいで可愛いけどさ。
しばらくモグモグとしていたが、数分でなんとか全て呑み込めたようだった。
「料理も‥‥合格!」
彼女はサムズアップで称えてくれた。
「ありがとう」
合格だと何がどうなるのか分からないけどさ。
「じゃあ最後のテスト‥‥こっち来て‥‥」
俺はまた彼女についていった。
今度は建物の表の方へと進んでいった。
どうやらこの建物は何かの店らしい。
店のエリアにくると、そこには何やらよく分からない物が色々と置かれていた。
邪眼も無いし全く分からん。
「ここ‥‥萬屋なんだけど‥‥ここで売れそうな物‥‥何か作って‥‥」
無茶ぶりキター!
「作りたいのは山々だけど、材料も何も無いと作れないよ」
「材料なら‥‥ここに沢山‥‥ある」
「此処、何かを売ってる店なんでしょ?店の物を材料にしていいの?」
「此処は‥‥萬屋‥‥ある物以上の何かを‥‥作ってくれるのなら‥‥自由に使って‥‥」
ふむふむ萬屋ねぇ。
それはある意味商売の基本か。
物に手を加える事で更に良い物にして売る。
それに俺は魔法に関しては分かるように、『神眼』という能力だけは選んであるのだ。
更に霧島には鍛冶魔法を持たせてある。
つまり魔法を見抜き、マジックアイテムを作る事は可能。
この世界でどうしても使わなければならない魔法が見つかった時、使える魔法を増やさなければならなくなるかもしれない。
その時は魔法をマジックアイテム化したりできるようにね。
尤もそれが可能かどうかは、この世界にくるまでは確認のしようが無かった。
早速確認できるというなら、それはありがたい事だよね。
俺は店の中を歩いた。
魔力はどれもあまり感じない。
その中でひときわ大きな魔力を発する物が一つだけみつかった。
それは安売りバスケットと思われるケースに、無造作に入れられてあった。
俺はそれをバスケットから取り出した。
鮭を咥えた木彫りの熊か。
凄く懐かしい感じがする。
あの時あの置物を届けたのが、予言の始まりだったんだよな。
俺がアルカディアに異世界転生してから、初めて行ったクエストを思い出した。
さてそれにしてもこの置物、中にある何かを隠すような仕組みになっているものと思われる。
普通ならこの子が、この魔力に気が付かない訳がない。
一応この店をやっているのだから、物の価値くらいは見抜けるはずだ。
おそらく異世界人である俺だから気が付いたのだろう。
或いはこの隠蔽の力が、この子の見抜く力を超えているかだ。
「この置物、壊してもいいか?」
「それ‥‥ゴミみたいなもん‥‥だからいいよ‥‥」
ゴミか。
確かにボロボロだ。
置物としてならもっと良い物が百均でも買えるよな。
俺は軽くチョップしてそれを割った。
すると隠されていた魔力が感じられるようになったのか、彼女は驚いた。
「何それ‥‥凄い魔力を‥‥感じるよ‥‥」
「どうやら中にこれが隠されていたようだな」
俺はそう言って中から大きなダイヤモンドを取り出した。
ぶっちゃけマジヤバい魔力だ。
誰がこんなものに此処までの魔力を込めたのだろうか。
つってもアルカディアじゃ、これくらいの物は魔石でゴロゴロ有った訳だが。
魔石の無いこのイスカンデルじゃ、これは貴重なダイヤモンドかもしれない。
俺は神眼でよく確認した。
魔石と同様に使えそうだな。
「これ、砕いていいか?」
「えっ?‥‥そ、そ、そのダイヤ‥‥売ればお城が‥‥十個くらい‥‥建てられちゃう‥‥」
それはないだろ。
転生前世界の価格で言えば、精々軽自動車一台分くらいだ。
「駄目なのか?」
「えっ?でも‥‥普通は‥‥。分かった‥‥それを見つけたのは‥‥君だから‥‥」
「いいんだな?」
「うん‥‥でも‥‥」
俺は『うん』と聞いた所で一気にそれを叩き割った。
俺の力ならダイヤモンドを叩き割るくらいはチョロいのだ。
そしてアルカディアで言うダイヤモンドの魔砂を作った。
魔砂っていうのは魔石を砂状にしたものね。
「あっ‥‥お城が十個‥‥」
彼女は少し涙目になっていた。
凄いお宝ではあるんだろうな。
でもちゃんとこれを良い物にしてやるよ。
俺は妖精霧島の妖力を使って、妖精の糸を紡いでいった。
これは選べる能力とは別の力だ。
妖精霧島は妖精な訳で、この力は人間が息をするのと同じと扱われる。
当たり前にある能力は、能力とは扱われないのだ。
俺はこの力を使って、この世界でも妖糸を武器にしようと思っていた。
でもその前に、このダイヤモンドの魔砂を使って別の魔道具を作る。
このダイヤモンドは意思を持って生きていた。
つまりインテリジェンス魔道具が作れる。
俺は紡いだ妖糸を使って、包帯のような長い布へと編み上げて行く。
そこにダイヤモンドの魔砂を一緒に編み込んでいった。
間もなく、包帯一巻きが出来上がった。
包帯というか、細い布一反って感じだけどね。
俺はそれを彼女へと投げた。
彼女はそれを受け取った。
「なにこれ‥‥」
「それはインテリジェンス魔道具だな。装備すれば武器防具となってくれる。名付けて‥‥」
「名付けて?‥‥」
ヤベッ!考えて無かったぞ?
何にしようか。
こんな時は適当に英語で。
「名付けて『リビングバンテージ』だ!」
この包帯を体に巻き付けると、その人にあった防具や武器に変形する。
現在この子はただの町人女性Aみたいな服装で、なんとなく俺の好みではない。
やっぱりまずは服装を変えたいという俺の願望があった。
この子とはなんとなく、これから一緒にやっていく事になりそうだからな。
「これ‥‥どうやって使う‥‥の?」
「ん~‥‥。裸になって体に巻き付けたら、きっといい感じにしてくれるはずだ」
そんな気がするんだよね。
全てはそのダイヤモンドであったリビングバンテージの気分次第なんだけどさ。
俺がそう言うと、彼女はいきなりその場で服を脱ぎ始めた。
「おい!俺がいる前でいきなり服を脱ぐな!影でコッソリやってくれよ!」
「でも‥‥間違っていたら‥‥駄目だし‥‥見ておいて‥‥もらわないと‥‥」
まあそりゃそいつが悪さをするかもしれないけれどさ。
だからと言って、年頃の娘が勘弁してくれ。
俺がチラチラと確認する中、彼女は体にリビングバンテージを巻き付けて行った。
するとある程度巻いた所で、リビングバンテージは自ら形を変えていった。
「おおー‥‥なんかキター‥‥」
さてどんな衣装に変わってくれるのか。
フルプレートアーマーか、それとも道着とか。
或いはローブか、それとも神官衣装か。
ぱぱらぱっぱらぁ~!
正解は、夏セーラー服のミニスカバージョンでした!
「おおっ!おう‥‥。セーラー服か」
一瞬期待したけれど、この子見た目はガキンチョなんだよな。
色気はまるでなかった。
「おおっ!‥‥なんか凄くいい‥‥」
でも本人は割と気に入ってくれたようだ。
「どうだ?俺は合格か?」
彼女は首が折れるんじゃないかと思うくらい、首を上下に動かしまくった。
とりあえず合格か。
つか、合格したらどうなるんだろうか。
「私‥‥|萬屋狛里《よろずやこまり》‥‥君の名前は?」
「そう言えば名前がまだだったな。俺は此花策也だ」
「策也ちゃんね‥‥君は合格だよ‥‥今日からこの‥‥萬屋の従業員一号に‥‥決定します」
採用試験だったのね。
正直異世界に来ていきなり店の従業員とか面倒だけれど、狛里はきっと神候補に繋がる鍵になるはずだ。
此処は黙って受け入れておきますか。
「狛里、よろしく」
こうして俺は、異世界で萬屋をやる事になった。
まずは順調なスタートと言えるだろう。
ただ、実はこの先嫌な予感しかしていない。
俺の持つ未来予知の魔法がそう告げているのだ。
でもやるしかないんだよな。
俺が神になるまでには十四年以上かかった。
できればこの世界の新しい神には、数年でなってもらいたい所だが‥‥。
俺は狛里と握手をしてから、これからの生活の為に建物内を見て回るのだった。
『菜乃たちの出番が無かったのです!』
『そうなのね!妃子をもっとアピールするのね!』
『コクコク』
この三人、『菜乃』『妃子』『妖凛』が活躍するのは次回以降という事で‥‥。
【Ξ┃】 【┃┃】 【┃>】
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