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みんなマスタークラス?戦争は社会に歪を生む

戦争は、色々な意味で人的資源を奪い合うものだ。
いかに敵国の有能な人材を減らせるかも勝利に繋がる。
新巻鮭王国で狛里がその|要《かなめ》だった事は、今ならハッキリと言えるだろう。
だからおそらく狛里がリスクの大きな召喚魔法を教えられたのは、鬼海星王国との争いに関係していたのではないかと俺は考えている。
或いは将来の敵対勢力か。
そしてそれはきっと戦争と言えるのだろう。
日本が大東亜戦争に負けGHQに統治された時、『ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)』によってさまざまな事が行われた。
WGIPとは日本が戦勝国に対して二度と逆らえないように、立ち上がってこられないようにする為のものである。
つまり戦後にも戦争は続いていたと言っていい。
共産主義的な国にしようとしたり、有能な人材が育たないような『愚民化教育』をさせられたり。
当然有能な人材はドンドン排除されていった。
だから俺の転生する前の日本は、自国を自分たちで守る事もできない情けない国になっていたのだ。
この世界に来ても、戦争の本質は変わらない。
結局有能な人材こそが戦争によって奪われ失われてゆく。
でも面白い事に、戦争によって世界は発展してきた。
人間は敵がいないと怠けてしまう動物だからね。
ただこの世界には魔物という敵がいる訳で、人間同士争うメリットなんて皆無だと思うんだけどなぁ。

輸送船団を取り返した次の日の朝、俺たちは冒険者ギルドの応接室へとやってきていた。
クエスト達成の確認と報酬を貰う為にね。
「無事輸送船団はタコの町へと到着しました。ありがとうございます。これでこのクエストは達成という事で報酬をお支払いいたします」
ギルドの男性職員から、クエストの完了が告げられた。
輸送船団はタコの町に到着したか。
何かあったらすぐに連絡が入る事になっていた訳で、それが無かったのだからそれは既に分かっていた事だけれどね。
「まず報酬ですが、海賊船の買い取り分も含めて三億九千九百五十五万円となります。商人ギルドの口座に預ける事もできますが‥‥」
「いえ、そのまま現金でいただきますわぁ~」
商人ギルドにはお金を預かる口座が存在する。
しかしこの世界、連携できていない商人ギルドも多数あるのだ。
だから預けた町の商人ギルドでしか、元則お金をおろす事ができないんだよね。
まあとにかく不便な訳で、定住していない冒険者が預ける事はまず少ないだろう。
「分かりました。おい、直ぐに用意してくれ」
「かしこまりました」
ギルドの男性職員は、更に下の職員にお金を用意するよう指示をしていた。
「お金は用意でき次第お渡しします。その前に冒険者レベルのランクアップについてお話します」
そう言えばランク九十のクエストとか言っていたな。
となるとパーティーでの達成だからそこまでは上がらないのだろう。
狛里辺りはその辺まで上がりそうだけどな。
「今回のクエストはそもそももっと大勢の冒険者を集める予定のクエストでした。ランク九十というのも、だいたい一隻に対してを想定していたんですよ」
なんと!
となると全部で十九隻だから、単純に言えばランク千七百十のクエストを達成した事になるのかもしれない。
それもひとつのパーティーでだ。
「話によると『萬屋ぼったくり』以外にも何人かが参加しておられましたよね?」
「はい~。三人ほどねぇ~」
妖凛と菜乃と妃子の事だ。
まあ俺自身という事で参加させている訳だけれど、こいつらもちゃんと冒険者登録しているんだよな。
「そして天冉様もマネージャーとして参加しておられます」
全く戦っていないしランク壱だけどね。
「それでこのクエストの後に、ワカメの町にある冒険者ギルドからそちらでのクエスト達成の連絡が入ってきました」
そう言えばフェンリルのクエスト達成は、確認に時間がかかるんだったな。
それがもう確定したのか。
「それで今回の輸送船団奪還クエストの方が先に確定した事で、ランク決定作業の順番が逆になりましてですね‥‥」
何か問題があるのかな?
「本来フェンリル討伐の方は狛里様のほぼ単独コンプリートと見られていた訳ですが、そうではないという見直しがされる事になりました」
そりゃ今回の輸送船の奪還は、個人で数隻奪還した訳だしな。
全員がランク九十とされても不思議じゃないし、或いはそれ以上になるとも考えられる。
「フェンリル討伐はマスタークラスでも達成が難しいクエストですから、皆の力があっての結果という判断に変わりました」
ランクが並んでいる者がクエストを達成すればそういう判断になるわな。
「よって今回実際に戦っていない天冉様以外の全ての方をランク百、つまりマスタークラスとする事が決定しました」
なんと!
いきなり全員マスタークラスかよ。
こりゃ作者が一々ランクを考えるのが面倒臭くなってきて、もうみんなマスタークラスにしちゃえってやっちまったような結果だな。
いやでも著者みゆきもそんな所あったし、否定はできないけれどさ。
「それで天冉様だけはランク九十という事になります」
えっ?何故そんな話に?
この魔力がほとんど感じられない天冉をランク九十とか、どうしてそんな判断ができるんだ?
ああ、昨日クエスト報告に来た時、狛里が何か聞かれていたよな。
『今回参加していなかったとは言え、もしかして天冉様も強いのですか?』とか。
それで確か狛里は『うん‥‥とっても‥‥強い‥‥』とか返事をしていた。
まあある意味強い所があるのは認めるけれど、それは戦闘力じゃない。
権力だったり冷たい視線だったり、何か逆らえないものを持っているという意味でだ。
ランク九十はやりすぎだろう。
でもこれはもう決定なんだろうなぁ。
「そんな訳で、後で皆さん受付でランクアップの手続きをお願いします」
「分かったわぁ~」
分かってしまうのかい!
自分の弱さを一番理解している天冉が、それをすんなり受け入れてしまうとは。
別にいいんだけどさ。
「それとフェンリルのクエストの報酬は、ワカメの町のギルドでしか受け取れないので、リーダーか委任状を持った方がなるべく早くに取りに行ってくださいね」
「うん‥‥分かった‥‥」
こんな感じで俺たちは、二つのクエストの報酬を一気に得る事となった。
ワカメの町へは俺が即行で行って報酬を受け取ってきた。

なんやかんや全て終わったところで、俺たちは町を出る事にした。
「じゃあ出発するんだお。今日中には戦士の村には行くんだお」
陽蝕が向かったタコの町との間には、『戦士の村』という村があった。
今日中にはそこまで行って、明日にはタコの町で陽蝕と合流する予定だ。
戦士の村に行く途中には森がある。
陽蝕が駆け抜ければ大丈夫だと言っていた森だ。
だけど俺たちはのんびり旅を楽しむ訳で、当然戦闘しながらという事になるだろう。
のんびり行くから戦闘ってのもなんだかおかしな話だけれどね。
でもそういう訳だから、割と到着までに時間がかかるかもしれなかった。
「そうねぇ~。大丈夫だとは思うけど、少しは急いだ方がいいかもねぇ~」
「大丈夫でしょう。僕がいるのですから問題ありません」
「でも‥‥灰色赤目が‥‥結構出るって話‥‥」
「今日も十回は死ぬ覚悟が必要なんだお」
灰色赤目か。
フェンリルの下位魔物だけれど、ぶっちゃけかなり強いんだよな。
猫蓮は以前戦った時に何度も殺されていた。
さて今回は何回殺される事やら。
俺たちはサンゴの町を出発し森へと入っていった。
するといきなり狼系の魔獣が束になって襲い掛かってきた。
なんて森だ。
それでも一応道はあるから、人が通るようにはできている。
でもこんな所、一般人は通れないだろ。
そんな事を考えながら仲間たちの戦闘を見ていると、妖凛が俺の胸の辺りをポンポンとしてきた。
「どうした妖凛?何々?昨日通った時にはこんなに魔物は出なかった?おそらく今日は雲っていて少し暗いから魔獣が出やすいのかもしれない、か」
なるほどな。
晴れた日中だけに絞れば、多少護衛を付けるだけで通れるのかもしれない。
それでも安全とは言えないし難儀な場所だ。
ならば逆に、この森を壁にしたら戦争なんて起こり得ないのではないだろうか。
でも残念ながら鬼海星王国は、『戦士の村』と『タコの町』を領土としている。
なかなか上手くはいかないもんだね。
俺はいつも通りみんなを守る事のみ気を付けながら、戦闘は狛里と想香と猫蓮の三人に任せた。
猫蓮は相変わらず何度も死んでいるようだったが、それでも挫けず魔物を倒していった。
出会った頃より少しは強くなっている気がする。
とは言えこのままのペースで順調に強くなったとしても、神を倒すには最低三十年くらいはかかりそうだ。
数年で片づけようと思っていたのに、ちょっとみゆきや子供たちが恋しくなるなぁ。
このままだとアルカディアに戻ったら、子供たちはオッサンやオバサンになっているじゃないか。
猫蓮頑張ってくれ!
そんな気持ちで応援しながら、俺たちは戦士の村へ向かって進んでいった。
昼食タイムが終わるような時間に、俺たちはようやく森から出た。
「やっと森から出たんだお」
「そろそろお昼ご飯を食べないと、お腹と背中がくっついてしまいます」
「美味しいものが‥‥食べたい‥‥」
「でもぉ~‥‥。魔物はまだまだいるみたいよぉ~」
森を出ても魔物が沢山襲ってきた。
一体どうなっているのやら。
森以外にも魔物はいるにはいるけれど、この辺りはちょっと多すぎやしないだろうか。
先ほどまでいた森は、それだけヤバい森なのかもしれない。
流石にこれだとお腹が減ってみんな死ぬな。
「一旦休憩にしようか?」
「でもこっちが遠慮しても魔物は襲ってくるようです。どうしますか?」
「闇の家に入れば問題ないだろう」
「今日は‥‥仕方ない‥‥闇の家で‥‥我慢する‥‥」
何故かみんな闇の家は好きじゃないんだよな。
ある意味俺に命を預けるようなものではあるけれど、その辺りを気にしている様子はない。
やはり閉鎖空間ってのは何とも言えない恐怖があるのかもね。
「じゃあみんなを連れて行くぞ!」
「よろしくねぇ~」
天冉の返事を受け、俺は皆を深淵の闇へと誘うのだった。

とりあえず闇の家で食事をし一息ついた後、俺たちは再び元の場所へと戻って戦士の村を目指した。
相変わらず魔物は襲いかかって来ていて、結局村につくまで戦闘は続いた。
それどころか村も魔物に教われているようで、俺たちの魔物狩りは村の中にまで及んだ。
「どうなっているんだお!?やはりこの魔物の数は異常なんたお?」
「とにかく村人を救いましょう!僕は負傷している村人の回復にあたるのです」
「よろしく‥‥魔物は全部‥‥退治する‥‥」
こりゃ俺も手伝った方がいいな。
村人を一人でも多く救いたいし、猫蓮はもう限界そうだ。
「もう‥‥魔力が残ってないお。無念なんだお‥‥」
仕方ねぇなぁ。
『おまえら、魔物退治を頼む。妖凛は天冉を、俺は猫蓮を助けてくる』
俺がそうテレパシーで伝えると、少女隊は影から出てきて魔物を狩り始めた。
「まったく、弱い人たちは仕方がないのね」
「菜乃たちが助けてあげるのです」
猫蓮も十分強いんだけどな。
ただ魔物の数が異常だし、今日はずっと戦い通しだから仕方がないだろう。
村がちゃんと守れていない辺り、今日は何かがおかしいという事だ。
俺は猫蓮を下がらせ、襲い掛かってくる魔物を一掃していった。
俺たちが戦いに参加した事で、事態は一気に収束へと向かった。
村の入り口付近を窺っていた魔物たちは、勝てないと判断したのか森へと帰っていった。
「あっさり引いて行ったな」
「菜乃に恐れをなしたのです」
「違うのね。妃子を恐れたのね」
どっちでもいいけれど、とにかく先ほどまでが嘘のように辺りは静かになった。
おっとのんびりもしていられないな。
「お前たち、怪我をした村人たちの手当てだ。一人でも多くの命を救うぞ!」
「回復はあまり面白くないのです」
「何も集まらないのね」
「そんな事言うな。ちゃんと回復できたら頭ポンポンしてやるから」
「本当なのね!」
「死ぬ気で回復するのです!」
少女隊はそう言って倒れた村人の方へと飛んでいった。
そんなにしてほしかったのか。
頭ポンポン。
金を上げるよりもそっちの方が喜びそうだな。
よく分からない奴らだ。
そんな事を思いながら少女隊の行動を眺めていると、近くに人の姿となった妖凛が寄ってきた。
上目遣いで何かを訴えているようだった。
ふむ、なんだろうか。
試しに頭をポンポンとしてみた。
夢見心地といった感じの嬉しそうな表情をしていた。

さてなんとか村人の回復も終わり、俺たちは村長宅へと招待されていた。
助けてもらったお礼がしたいとの事だった。
「早く頭をポンポンするのね!」
「妖凛だけ先にされていてずるいのです!」
いやこれから村長宅で食事をしながら状況を聞くシーンなんだけどな。
そんな我がまま言っていたら監督がブチギレるだろうが。
でも約束は約束だし、頭をポンポンしてやるか。
俺はマシンガンを持つが如くに手を振るわせて、少女隊の頭をポンポンと叩きまくった。
「あ、あ、あ、あ、あ~!ちょっと頭がい、た、い、の、ねぇ~」
「ぜ、ん、ぜ、ん、気持ちよくな、い、の、で、すぅ~」
そりゃ痛いくらいに頭を叩いているからな。
でも二人は何故か嬉しそうだった。
「それで村長~。この村はいつもこんな感じ、って事はないわよねぇ~」
「ああ。確かにこの村にはこのくらいの魔物が頻繁にやってはくるのだが、普段はちゃんと対応ができているから問題はなかった」
普段からこれだけの魔物がやってくるんだ。
でも今日は対応ができていなかったと?
「どういう事かしらぁ?」
「これはちょっと口外禁止なのだが、とにかく村の強い者たちが国の仕事の為に大勢連れて行かれてね。普段は森に牽制しておけば魔物も来ないのだけれど、それができなくなっているんだよ」
国の仕事?
ああ、おそらく戦争の戦力として連れていかれたといった所か。
あれだけの魔物を毎日封じ込めるだけの者たちなら、戦争では大きな戦力になるだろうからな。
でもそんな人たちを連れていかれたら、この村が崩壊しかねないじゃないか。
全く戦争ってのは、人的資源を民間から奪って行くもんなんだよ。
それも優秀な者をだ。
転生前の世界でも戦争によって技術者が多く奪われ、町のインフラシステムに問題が出ると云う話はあった。
本当にろくでもない。
そう言えば中央村の男たちが賊紛いの事をしていたのは、やはりその通りだったんだよな。
そしてババアに聞いた所によると、皆処刑したという話だ。
おそらく中央村の男たちが賊紛いの事をしなければならなかったのも、新巻鮭の戦力を削る為の工作にやられたんだと思う。
それは戦争であり、いずれは狛里や天冉を亡き者にする為。
戦争を失くす事はできないのかもしれないけれど、出来れば正々堂々と許されるリソースの中でやってほしいものだよ。
村長との話の中で、この村の現状が戦争のせいだというのは皆気が付いているようだった。
まだ戦争が始まったという話は伝わってきてはいないけれどね。
ただもう既に準備は整っているのだろうな。
「でも困ったわねぇ~。明日私たちがこの村を発つと、また魔物に教われるって事じゃないのぉ~?」
「その通り‥‥きっと‥‥魔物たちは‥‥やってくる‥‥」
「とは言え全部倒すのは無理なんだお。オデは既にグロッキーなんだお」
こりゃまた猫蓮から昭和な死語が飛び出してきたな。
猫蓮と話す限りそんなに年寄りではなく若い内に転生してきた奴っぽいんだけど、どうしてそんな言葉を知っているのだろうか。
オタクならそんなもんか。
つか何故か俺も知っているからな。
「全く仕方がないですね。今からやると言うなら僕としてはやぶさかではないですが、多分今日中に全部を狩るのは無理だと思うのです」
グロッキーはスルーか。
みんなが理解しているのなら死語とは言えない訳だけれど。
つか流石に全部は狩れないよな。
アルカディアではローラー作戦で狩りまくっていた時もあったけれど、この世界の事はなるべくこの世界の者たちで解決してもらいたい。
「策也ちゃん‥‥」
狛里が訴えるような目で俺を見て来た。
なんとかしてくれって事か。
多くの強者が連れていかれたとしても、まだこの村には結構な数の戦士が残っている気配だ。
ならば守りやすい村にしてしまえば、なんとかなるか。
幸いここに来る魔物に飛行型はいない。
主に狼系だ。
ならば町のように防壁を築いてしまえばなんとかなるはず。
建築魔法があるから建物として防壁は作る事ができるだろう。
でもいいのかね。
戦士の村が俺の監視対象下に置かれてしまう訳だが。
この後俺は防壁の構想を話し、村長の要望で結局やる事になった。
すると天冉はそれに対する料金交渉を始めた。
いや別に金取るつもりもなかったんだけどね。
まあタダでやるってのは案外他の職人に迷惑をかける事もあるので、労働に対してはふさわしい対価を貰う方がいいか。
日本人的感覚だと、友達は無料みたいな事も美徳だけれどさ。
社会経済を考えると、相手が誰であってもちゃんと報酬は貰うべきなんだよね。
料金交渉も終わり、俺は夕方から作業に取り掛かった。
わざとゆっくりと作業をして、それなりに大変であるというアピールもした。
ぶっちゃけ本気でやれば防壁なんて簡単に築けるんだけれど、自分の能力をあまり大っぴらにはしたくない訳で。
作業は食事時間をはさんで夜中まで続けたのだった。
手を抜いて長く魔法を使い続けるってのも、疲れるというか怠いよなぁ。
既に皆は寝ているよな。
残りの作業は一気に終わらせても大丈夫だろう。
俺は本気で魔法を使って残りの作業を終わらせた。
さて寝るか。
そう思って村長が用意してくれた部屋に入った時だった。
妖凛が俺の胸の辺りをポンポンと叩いてきた。
「ん?どうした妖凛?何々、今日タコの町から鬼海星の軍が法螺貝領内へと進攻を開始した?」
あらあら。
陽蝕は止められなかったか。
こちらから攻めるメリットなんて無い気もするし、むしろバレバレでヤバい気がするんだけどな。
明日俺たちはタコの町へ向かう。
正直嫌な予感しかしなかった。
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