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敬語の町は商売しづらい

ルールを知っておく事は大切である。
例えば俺が転生する前の世界では、子育て支援という事で政府が色々と援助してくれていた。
しかしその援助を全て受けられていた人はどれくらいいるだろうか。
知らないで貰えるお金を貰えずにいた人も結構いたはずだ。
損をしたくなければルールを知っておく事。
それはとても重要なのである。
そしてルールを決めるルールである政治を知る事も大切である。
政治には興味がないって人は結構いたけれど、それは損をしても良いと言っているのと同じだ。
人生損をしたくなければ政治に関心を持て。
より良い人生を送る為に、俺はみんなにそう伝えたい。

ドラゴンダンジョンを攻略してから三日が経っていた。
その間とくに何事もなく、皆はマッタリとした旅を楽しんでいた。
しかしその中で俺だけは、陽蝕の冷たい視線を浴び続け、心休まらない三日間を過ごしていた。
事の発端は、天冉がコッソリとこんなお願いをしてきた事だった。
「私の狂気を止めてくれたのは策也ちんよねぇ~?」
「えっ?もしかしてバレてた?」
「分かるわよぉ~。狂乱していても意識だけはハッキリしているのよねぇ~」
せっかく陽蝕のキスで復活した事にしておいたのに、バレバレだったか。
でも天冉は表向き陽蝕のキスに助けられたように振る舞っている。
つまり天冉もそういう事にしておきたいのだろう。
「で、何かな?」
「今のままだと次に一霊四魂の|荒魂《あらみたま》を使った時に困る事になるのよねぇ。策也ちんがいないとキスされても元に戻らないでしょう~?となると、今回の事が嘘になる訳なのぉ~」
「確かにそういう事になってしまうな」
そこまで考えてなかったわ。
この天冉の強さがあれば、俺がボディーガードをする機会も激減するだろう。
別行動も増えるはずだ。
その時に狂乱されたら、戻す術はない。
「そこでぇ~、その魔法を教えて欲しいのよぉ~。自分で元に戻れるようになれば、陽蝕くんのキスでそうなった事にできるじゃない?」
なるほど。
陽蝕は結局ドラゴンを倒せず、好きな女に助けられるという結果になってしまった。
これではプライドもズタズタだろう。
しかし天冉を助けたという事であれば、まあなんとか納得はできるはずだ。
いやしかし、天冉が乙女だよ。
男を立てる女、いい女じゃないか。
でも俺は怖いので女性としては見られないけれどね。
何にしてもその気持には応えないといけないな。
「分かった。じゃあどうするか相談しよう」
「ありがとう助かるわぁ~」
少し天冉が可愛くなっているような気がする。
クッソ!俺の心は負けないぞ。
改めて俺はみゆき一筋を誓うのだった。

まあそんな感じで、ここ三日間の空いた時間は全て天冉と過ごしていた訳で、陽蝕は俺に嫉妬の冷たい視線を送り続けてきていたのだった。
それでも魔法はちゃんと教えられた訳で、もうこれ以上冷たい視線を送られる事はないだろう。
魔法自体は一日で覚えたんだけどさ。
天冉はやはり並じゃないんだよ。
でも魔法ではなく能力に昇華させたいということで三日もかかった。
魔法だと能力発動中に割り込みにくいって事でさ。
天冉の能力『一霊四魂』は、四つの能力をまとめたものだ。
|和魂《にきみたま》、|幸魂《さきみたま》、|奇魂《くしみたま》、|荒魂《あらみたま》である。
それぞれに詳しくは教えてもらっていないけれど、その中の荒魂を発動する事で狂乱したバーサクモードとなる。
まずは魔力が爆発的に上昇し、禍々しい魔力へと変化。
ターゲットとなる敵を全力で殲滅する。
そしてターゲットを死滅させると、今度はそこにいる者全てを攻撃対象とする。
その時更に魔力が上昇し、完全に天冉は狂気と化す。
この変化の合間に静寂の魔法を発動しなければならないのだけれど、魔法だと余裕がない。
そこで能力に昇華させる必要があった訳だ。
それでも天冉はどうやら天才肌らしく、それを三日で成し遂げてしまった。
陽蝕を前にコソコソと別の男といるのも心苦しかったのだろうか。
何にしてもこれで全てがようやく落ち着くよ。
しかしまさか天然と養殖が一緒になるとは思ってもみなかったな。
「町が見えてきたお!」
前方に見えてきた町は、法螺貝王国最後の町となるであろう『サザエの町』だ。
|東海林《しょうじ》王国との国境の町で、要塞都市であるとの話。
防壁が高く遠くからでもよく見えた。
とは言えもうこのイスカンデルの町も見慣れてきたな。
新しい町だからと言って特にテンションも上がらない。
むしろまた何かありそうで嫌な予感しかしなかった。
防壁門には門番が何人か立っていた。
「こんにちは!冒険者の方々ですよね。ごゆっくりしていってください」
「こんにちわぁ~」
「滞在は一日だけだけどゆっくりしていくお」
「なかなか良さそうな町だな」
確かに、門番もにこやかで良さそうな町だ。
ん?少し門番の表情が硬くなった気がする。
笑顔に無理があるような‥‥気のせいかな。
他の門番も笑顔ではあるんだけれど、どこかぎこちなさが感じられた。
とは言え町に入ればそんな気持ちは吹き飛んだ。
甘い香りが町に広がっていた。
「なんだか‥‥美味しそうな‥‥匂いがする‥‥」
「まだ食事の時間じゃないですが、お腹が減ってくるのです」
「オデが転生する前の世界を思い出すお!」
確かにこれは、匂いで客を|誘《いざな》う焼き菓子系かシュー系の香り。
この匂いを嗅ぐと食べたくなるんだよね。
「旦那様。私は食べてみたいぞ」
「そうか。じゃあ何か食べるか」
「私も何か食べようかしらぁ~」
「では我も当然同じものを」
「マイは二つ食べるぜ!」
「一つにしておいた方がいいですよ」
「太ると戦えないであろう」
そんな訳で全員がシューのようなクレープのような、中にフルーツなど色々な物が入ったスイーツを食べる事になった。
「では我から注文だ。おやっさん、いちごのをくれ」
「はいありがとうございます」
「では私わぁ~パインのをお願いね」
「はいありがとうございます」
やけに丁寧な受け答えをするオヤジだな。
しかしテンションは低く、注文も紙に書いているのは珍しい。
まあ十人分の注文を受けるのだから確かに大変ではあるだろうけれど、メニューも多く無いのに識字率の低いこの世界で注文書を使うのは何か違和感を覚えた。
「後は旦那様だけだぞ」
「おっ!そうか。じゃあ‥‥。俺もいちごのをお願いします」
「はいありがとうございます!」
あれ?心|做《な》しか店員オヤジの返事が少し明るかったような気がしたけれど‥‥。
十人も注文を受けて嬉しいのかな?
何にしても注文を受けたオヤジは、商品をそれぞれに手渡していった。
「お会計は策也ちんよろしくねぇ~」
「ああ。それで、いくらでしょうか?」
この店員丁寧な受け答えするから、俺もつられて敬語になっちまったよ。
つか聞かなくてもここの商品は全品五百円だから、変な税とかない限り五千円になるんだよな。
俺は五千円を取り出した。
「一万五百円になります」
「えっ?」
これはちょっと高すぎやしないか?
消費税があるにしても百パーセント以上はありえない。
「計算、間違っていませんか?」
「いえ、正しい計算になります。もしかして、この町のルールはご存知ないのでしょうか?」
町のルールだと?
確かサザエの町には大したルールはなかったように思うけれど。
敬意を大切にする町とか、特徴もそれくらいだ。
「ルールについては聞いていません」
「そうですか。一応貴方は相手に敬意を持って話せる方のようなのでお教えしますが、この町では注文の仕方によって価格を変えるように決められているのです」
オヤジはそう言って注文書を見せてくれた。
なるほどそういう事か。
そう言えば日本で生活している時、そんな店を見たことがあった。
命令形で注文した人は高く、敬語で注文した人は通常の値段ってね。
相手があまりに丁寧に受け答えしてくるから、自然と俺も敬語で話してしまったけれどそれが正解だったんだ。
日本人で良かったぜ。
そう考えると大体誰のが高かったのは分かってくるな。
注文書を確認すると予想通りだ。
後でその分請求してやる。
「分かった‥‥じゃなくて、分かりました。ありがとうございます」
俺はそう言って代金を支払った。
しかしルールを知らない人からも金を取るか。
いや、この町での俺たちは部外者な訳で、この町の事を調べてルールを守るのは当たり前だ。
よそ者だからと言って手心を加えては法は成立しない。
でもこのルールだと、むしろ高圧的に注文された方が儲かっていいんじゃないだろうか。
しかしこのオヤジは何故か俺からの注文の方が喜んだように見える。
「だったら俺も偉そうに注文した方が儲かって良かったですよね?」
「いえいえ。そんな事はないんですよ。通常の販売は全額店の儲けになるんですが、他で儲けた分は税として収める仕組みなんです。注文書を書くのはその為です。本当にそれが毎回心苦しいんですよね」
えっと、つまり今回五千五百円は税として収めるのか。
それを客から取らなければならないってのは、確かに心苦しい。
それによそ者なら文句を言う奴だって大勢いるだろう。
トラブルもかなりありそうだ。
そこまでしない方がお互い気持ちよくやり取りできるし楽に違いないよな。
確かに敬語でってのは問題が起こらなくていいかもしれない。
でもタメ口の方がフレンドリーに話せるって利点もある。
大阪商人はその方が商売もし易いだろう。
正直無い方が良いルールって感じだな。
だいたい道徳や倫理のレベルの話を、法やルールにするのは間違っている。
人によって価値観も違うし、そこはルールの緩衝地として残して置かなければならない所だ。
一体どうしてこんなルールを決めたのか。
俺は気になった。

みんなと食事をした後、俺は一人で領主の周りを探る事にした。
まずはこのルールについて町の人たちに聞いて回った。
それで分かった事。
このルールは割と最近できたらしい。
既にトラブルも多く、客相手の商売を辞める者も出始めている。
そして多くの民が『やめてほしい』という気持ちを持っているようなのだけれど、『人として大切な事を守る為だ』と言われては皆受け入れるしかないのだそうだ。
この手法は転生前の世界でもあったよな。
平等の為だとか、エコの為だとか、環境の為だとか、平和の為だとか。
綺麗事を言われると増税も何も批判しにくいという事があった。
そして結局そうして取られた税金は無駄に使われ、法律は逆効果になっていたりする。
少子化対策の為と増税されれば民は生活苦に陥り、余計に少子化が進んでいるのが現実だ。
こりゃこの世界も同じかもな。
人間は何処の世界でも結局似たようなものだからさ。
ましてこの世界も元日本人の神様が作っているのだろう。
そうなるのは必然か。
さてこんなルールを決めたのは領主な訳だけれど、きっと別の目的があるはずだ。
異世界の事だし俺がどうこうするつもりもないけれど、一応確認だけはしておくか。
俺は領主宅に忍び込む為に、領主宅である城へと向かった。
するとそこには先客がいた。
猫蓮と雪月花か。
まさか猫蓮も調べようとしているとはな。
困っている町の人を見過ごせなかったといった所か。
どうやら意識阻害の魔法を使って忍び込もうとしている。
これは姿を隠すような魔法ではないけれど、喋ったり目立つ行動をしなければ、普通誰にも意識されず気づかれないというもの。
堂々と正面の門から入って行くけれど、特に止められたりはしなかった。
この魔法は術者の魔力レベルと、この魔法そのもののレベルによって効果は上下する。
魔力から察するに使用者は美花の魔法のようだけれど、なかなかレベルが高そうだ。
尤も俺には通用しないけれどね。
俺は影を移動しつつ猫蓮たちの後を追って城へと入っていった。
それにしても、この魔法で誰にも気づかれないもんなんだな。
確かに魔法レベルは高いけれど、これくらい見破れないと暗殺されまくるだろう。
「命は一つなのです」
「だから暗殺されまくる事はないのね」
つまらないツッコミが少女隊から入った。
「出番がないからと言ってつまらないツッコミはしなくてもいいんだぞ?」
「出番がないと淋しいのです」
「そうなのね。かまってほしいのね」
「はいはい」
それでもこれくらい見破ってくれないと不安にはなるよなぁ。
雪月花が上位の殺し屋だったとは言えさ。
王族には強いのがいるけれど、貴族レベルは低いな。
これじゃ別の誰かに町が支配されてしまう事もありそうだ。
暗殺者組織ワクチンと法螺貝王国が手を結んでいたのも頷ける。
猫蓮たちは黙って進んでゆき、とうとう領主らしき者のいる部屋を見つけた。
ゆっくりとドアを開けて入って行っても、誰も気が付かない。
「お陰様で順調に金が入ってくるわ!ははははは!」
「民なんて適当な事を言っておけば金を出すものなんです。今度は『貧困に苦しむ子供を助ける為』とか言って金を集めてはどうでしょうか?」
「そりゃ金が集まりそうだな。でもそれだとこちらも相応の事をしないと駄目なんじゃないか?」
「はい。ですから領主殿。ある程度のお金を我々商人ギルドに預けていただければ、多少目に見える形で活動はさせていただきますよ」
「なるほど。だったら考えてみるかな」
領主と商人ギルドの癒着か。
そしてもしもこの話が動き出せば、商人ギルドとの関係は強くなり、新たにできる孤児院や養護施設の既得権が出来上がる。
既得権とはタックスイーターであり、公金をチューチューする人たちの事だったりもする。
税金を増やし、そのお金をそういった人たちへ流し、領主は支持を得て権力を高める。
どこの世界でもこういう事をするのは、駄目な指導者の典型だな。
でもこういう人たちがのさばるのは、民がそれに気づかず、或いは気づいていても受け入れてしまっているからだ。
税を払うのを止めないと、この悪循環は止められない。
日本もそうだったよなぁ。
政府は増税ばかりして既得権を増やし、民の生活をドンドン悪化させて日本を壊していっていた。
俺が転生する頃、ようやくそれに反発し減税を訴える人々も増えてきていたけれど、タックスイーターら金持ちは政府に味方するからなかなか減税とはいかなかった。
果たして今の日本はどうなっているのだろうか。
「そういうの、良くないと思うお!」
猫蓮が領主と思われる男にそう声を掛けていた。
これで意識阻害の魔法は解除される。
領主たちは猫蓮たちの存在に気がついた。
「なんだお前は?一体何処から入ってきた?」
「入口から堂々と入ってきたお!それよりもなんだお?民を苦しめる事をしちゃいけないお!みんなやめてほしいと言っているお!それに子供を助けるなら孤児院や養護施設に寄付をすればいいお!」
その通りだ猫蓮。
本当の善意で頑張っている所に、助けたいと考えている者が寄付をすれば済む話。
なのに何故貧しい者からも等しく税を集めて、金持ちや権力者が得をするようなところに金を流す必要があるのか。
ただしこの状況、いくらいい事を言っていても、猫蓮おまえはただの不法侵入者なんだけどな。
「侵入者だ!誰か捕らえよ!」
領主らしき男がそう言うと、何人かが部屋へと入ってきた。
そこそこ魔力の高い者たちだけれど、猫蓮たちの方が上だな。
そう思っていたら、どうやらそいつらは顔見知りだったみたいだ。
「あれ?貴方がたはワクチンを抜けたコードネーム『アイマイミィ』か?」
「あら?そういう貴方たちはワクチンの下っ端さんですね」
「何してるんだよこんな所で?」
組織内での立場は、雪月花の方が完全に上だったみたいだな。
「あっ‥‥いや、ワクチン地域本部が誰かに壊滅させられて、行く場所がなくなったからここでボディーガードを‥‥」
下っ端はいつの時代も大変ね。
総本部は別の国の何処かにあるのだろうけれど、こいつらを雇っていたのはこの国にあった地域本部だった訳だ。
「知り合いなのか?いいからさっさと捕らえろ!」
「無理です!この人たちは我々の百倍は強い方々です!」
雪月花ってやっぱ組織内ではかなり強い方だったのね。
「くそっ!」
どうやら領主は諦めたようだな。
「貴公は領主なんだお?」
「そうだ」
「だったらもっと民の為の政治をしないと駄目だお。商人ギルドにそそのかされてちゃ失格なんだお」
「な、何を!我々は‥‥」
商人ギルドのおっさんが何かを言おうとしたけれど、雪月花の発する魔力に負けて発言をやめた。
「そそのかして無いとでも言うのかねぇ。マイにはそれ以外に見えなかったけどな」
「くっ‥‥」
なんだかよくわからないけれど、領主も商人ギルドのおっさんも反論できないぞ。
武力は言葉よりも強しw
いや、猫蓮たちの言っている事の方が正論だから領主たちも反論できない訳だけれど。
それにしてもすんなり受け入れられすぎだろ。
権力者ならもっと頑張れよ。
もしかしたらこの領主たちも、根は悪い奴らじゃないのかもな。
結局猫蓮たちが城に忍び込んだのとか、いきなり偉そうに説教した事なんかはスルーされた。
そしてその後結局領主は、今後は民の為に働くと約束してくれた。

今回は敬語を強要するようなルールと徴税の問題だった。
その税に意味はなく、その部分に関しては問題だったと言えるだろう。
何に使う訳でもなくただ民からお金を集める為のルールだった訳だからね。
それと敬語の強要は別けて考えなければならない。
決して敬語が悪い訳ではないのだから。
ただしそれが絶対に良いとも言えない。
敬語は人間関係を良くするには良いかもしれないけれど、その分関係が希薄になる可能性もある。
タメ口の方が仲良くなれたり、言いたいことが言えたりするメリットもあるからね。
だからこれは一概にどちらが良いとは言えないのだ。
それにこれは道徳や倫理の問題だから、ルールで決めるものでもない。
その辺りは人間の価値観や経験によって大きく違ってくる。
文化や民族性にも左右されるだろう。
その辺りをルールで決めるのは権力の乱用だ。
だからそれをルールにするべきではなかったし、この国や町に限った話で言えば、敬語なんてものはもしかしたら不要だったのだろう。
この町の人々は、タメ口でも相手に敬意を持って話せるのだから。
そんな人たちだったからこそ、こんなクソみたいなルールを真面目に受け入れてしまった訳なんだけれどね。
本当に日本人みたいだよ。

改めてまとめると、敬語の存在は良い所も悪い所もある。
それは国や文化、価値観や民族性によって違う。
この世界のこの町では偶々不要だった。
そしてこういった道徳や倫理の問題を、法やルールで縛るものではない。
税に関しては、権力者に与えすぎると既得権の構築や私腹を肥やすのに使われるだけ。
綺麗事に騙されずに払わないようにする事が大切なんだね。

皆の所に戻った猫蓮は、特に領主との話はしなかった。
功績を自慢するかと思ったけれど、本人そうは思っていないという事なんだろうかね。
俺は猫蓮が、雪月花を仲間にしてから確実に変わり始めていると感じていた。
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