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猫蓮のチートな本当の力!

この世界に天才なんてのはほとんど存在しない。
つまりほとんどが凡人な訳で。
それでも世界には成功者がごまんと存在している。
そのほとんどが凡人って事だ。
だけどただの凡人じゃない。
挑戦し続けた凡人と言えるだろう。
駄目だと諦めなかった凡人だ。
戦う誰かを『こいつには無理だ』と馬鹿にする奴がいるけれど、それは最も愚かな行為と言える。
その無理を繰り返した事で、皆成功を掴んでいるのだから。
いくら天才であっても、一度も戦わなければ成功は掴めない。
挑戦しない天才よりも、成功するまで挑戦を続ける凡人の方が偉いって事だな。

昨日は結局、雪月花の服を作るのと移動用の家の増築だけで終わってしまった。
猫蓮と陽蝕は町の人々から大いにおもてなしを受けたらしい。
猫蓮は若い女の子以外には割と普通なんだよな。
前に助けた子供は問題なく手を繋いでいたし。
それで今日は早々に町を出る予定だったけれど、この町にはもう一日滞在する事になった。
簡単に言うと領主からパーティーへ招待されたからだ。
招待されたのは当然狛里もだけれど、天冉や陽蝕も誘いを受けた。
『同盟国の王族が町に来ているのに、おもてなしをしないとなったら領主としての資質が問われる』
とかなんとか。
不可侵条約なんだけれどね。
何度も言うけどw
まあそりゃそういうのもあるけれどさ。そこまで気を使わなくてもねぇ。
だけど俺と猫蓮は、魔物である尾花や雪月花を置いて行く訳にもいかず辞退する事にした。
尾花は『猫蓮たちの護衛は任せてくれていいぞ』とは言ってくれたけれどね。
でもやっぱり猫蓮たちを置いて行くのは不安だった。
帰ってこなかった雪月花の様子は、きっと暗殺者組織に伝わっているだろう。
もしかしたら今日、始末しにくるかもしれない。
狛里と別行動をしている時は特に危険だ。
だから一応見守ってやらないとな。
狛里たちの方は流石に大丈夫だろう。
昨日陽蝕の動きを見たけれど、アレは固有剣術の伝承者だ。
想香も兎束流剣術が使えるし、人間相手ならまず負けるとは考えられない。
料理に毒とかも警戒すべきかもしれないけれど、想香が回復魔法を使えるしな。
そんな訳で俺は、猫蓮と一緒‥‥は嫌なので、遠くから見守る事にした。
一応領主宅に意識も向けてね。
狛里たちが殺られそうになるくらい強い奴が現れたら魔力で分かるだろうし。
「それにしても招待を断ってまでする事なのです?」
「そうなのね。放っておいて遊ぶのね」
「遊びたければ遊びに行っていいぞ?一応狛里も猫蓮たちを心配していたし、俺は見守る事にするよ」
俺がそう言うと、少女隊もおとなしく見守る事にしたようだ。
それにしても猫蓮は楽しそうだなぁ。
女の子三人に囲まれて町をブラブラとか。
ようやく異世界生活を満喫できている感じだ。
尤も相手の女の子三人は、かなり苦しいのを我慢しているのが見え見えなんだけどな。
でもあの愛雪ってのはなかなかやりおる。
よっぽど今まで苦しい事に耐えてきたのだろう。
猫蓮のあのオーラに耐えきっているのは凄いとしか言いようがない。
他は完全に距離を取っているのにな。
しかしさっき少女隊にああは言ったけれど、正直こういうのは面倒くさい。
しかも最長百年はこんな事をしなければならないのか。
神様稼業はマジブラックかもしれない。
つか猫蓮の奴、雪月花を連れて人気の無い方に向かっているぞ。
何かイケナイ事をしようってんじゃないだろうな。
あの三人は望んでテイムされた訳だし、最悪の事も受け入れる準備はしているのだろう。
とは言え俺の目の黒い内は、決してハーレム的な展開にはさせてやらないのだ。
「旦那様、僅かじゃが殺気を放つ者が近づいておる。魔力も上手く抑えておるが、アレはかなり強そうだの」
「マジか?!」
ヤバいヤバい、何も考えずに猫蓮のブヒブヒデートを眺めてしまっていたぜ。
確かにこれは‥‥隠してはいるけれど魔力の高そうな奴が近づいているな。
また雪月花同様の魔物が人間に変化した奴だろうか。
何にしても猫蓮たちはその者に気が付いているようで、それでわざわざ人気の無い広場へと移動していたようだった。
気が付いたのは雪月花のおそらくは愛雪だと思うけれどね。
それで猫蓮は迎え撃つつもりか。
守ってやると言ったんだから頑張れよ。
「でも魔力は完全い負けてるのね」
「おそらく想香よりも魔力は上なのです」
想香よりも上って事は、当然陽蝕よりも上だな。
「私よりはかなり低いかと」
そして尾花には全く及ばないか。
仮にあの者が人間の姿をした魔物だとしたら、おそらく想香や陽蝕の方が強い。
固有の剣術スキルは強いからな。
だけどそういうのが全くない猫蓮だと、ちと荷が重い気がする。
一応魔法は通用するとは思うけれどね。
おっと敵らしき奴がこの辺りに結界を張ってきやがった。
誰も入れないってか。
ぶち壊して入る事も可能だけれど、それじゃ警戒されて逃げられるかもしれない。
俺としては此処は猫蓮に頑張ってもらいたい所だ。
かといってヤバい時には助けが必要だろう。
「一旦闇の家に入って移動し、結界内へ移動するぞ。その後は影の中から様子を見る」
「分かったのね」
「レアな雪月花たちは菜乃が守るのです」
「旦那様私は?」
「尾花は何処にいても俺は呼び出せるからな。影の中に入ってから呼び出すから少し此処で待っていてくれ」
「了解した」
尾花をテイムしてから少し経つけど、かなり便利だよな。
一人この世界の者をテイムできたのは良かったと思えるよ。
空から様子を窺っていた俺たちは、まず深淵の闇の中にある闇の家へと入った。
家の中での移動は、十メートルまでなら現実世界にも反映される。
俺たちは移動し、そして元の世界へと戻った。
当然そこは結界内だ。
今度はすぐに影に潜り、そして影を移動しつつ猫蓮たちの近くへとやってきた。
後は此処から様子を窺い、万一雪月花に命の危険が迫ったならば助けに入る。
そうなるまでは猫蓮に頑張ってもらう。
強くなる為には自分よりも強い奴との戦いが一番だからな。
それも真剣勝負。
俺は闇の中で尾花を召喚した。
「召喚される感覚ってのは気持ちがいいもんじゃな」
「そうなのか?」
「召喚される相手にもよるかもしれないが、基本的にはそのようじゃぞ」
主に必要とされるって事だから、そういう意味なのかね。
そう言えば俺もみゆきに、暗黒界からアルカディアに召喚されたんだよな。
そして狛里には、アルカディアからイスカンデルに。
特に何も感じなかったよ?
大丈夫か俺?
「そろそろ戦いが始まるのです」
「雪月花の始末を付ける為にやってきたおっさんは、|川口泰《かわぐちやすし》と名乗っていたのね」
おっと会話を聞き逃していたようだ。
「あのオッサンが暗殺者組織の始末屋って訳か」
「だから川口泰なのです」
「名前があるのでモブじゃなさそうなのね」
「そこそこ強そうだしな」
おっ!猫蓮が何か叫んでいるぞ?
「この子たちはオデが守るお。オデがいる限り殺させないお!」
「何を言ってる虫けらが。多少強くはあるようだが、その程度の魔力でどうやって守るんだ?そこの小娘たちと変わらないじゃないか」
「強さは魔力だけじゃないお!川口殿は馬鹿なのかお?」
「言ってくれるな‥‥。まずは貴様から料理してやる」
おっ!とりあえず自分にだけ攻撃が向かうように挑発したか?
川口はバカだな。
猫蓮の挑発に乗せられるとか、俺だったら死にたくなるぞ。
「俺の攻撃がかわせるかな?!」
剣を使うのか。
「うげぇ!」
‥‥。
そりゃかわせないよな、猫蓮。
真っ二つかよ。
「センパイ」
「やっぱり駄目なのかよ!」
「組織から逃れる事叶わないであろう‥‥」
雪月花はあきらめムードか。
しかし猫蓮の強さはここからなんだよ。
「痛いんだお。でも大した事ない攻撃だお!今度はこっちの番だお!|氷槍《おやじギャグ》!」
猫蓮はすぐに復活して魔法を放った。
こりゃまた微妙なネーミングの魔法が飛び出してきたな。
氷の槍が敵を襲い、命中すると凍らせる魔法か。
これで倒そうってよりは、足止めとおそらくは‥‥。
「くっ!不老不死か‥‥。それになかなか強力な魔法のようだが、魔力では俺のが圧倒的に上!レジストも容易いぞ!」
再び川口が猫蓮を襲う。
当然モロに攻撃を食らって、そして今度は何度も切り付けられ完全にミンチだ。
「ウッ‥‥」
「気持ちわりぃ‥‥」
「猫っち、グロいであろう」
確かにグロい。
でもこういうコメントが出るって辺りは、猫蓮の事を少しは信頼し始めているのか。
「その程度かお?|氷槍《おやじギャグ》!」
「クッ!この程度では効かぬと言っているだろうが!死ね!」
次は炎の魔法による攻撃か。
しかし魔法に対してなら、猫蓮には絶対魔法防御がある。
なのに猫蓮はモロに魔法を食らった。
どうしたんだ?
「旦那様。猫蓮は反撃を優先しているみたいじゃな」
「なるほどな」
とは言え不老不死の蘇生だって、魔力というか生命エネルギーを全く使わない訳じゃない。
絶対魔法防御で魔力を少しでも温存しておかないと魔力が尽きるぞ?
ただでさえ猫蓮は魔力の回復が遅いのに‥‥。
その割に毎回何度も死んでるけどさ。
「|氷槍《おやじギャグ》!」
「同じ事を何度も何度も!不老不死だって魔力を必要とするんだろ?そう何度も死んでたら、死ななくても復活に長い時間を必要とするようになる。そしたら死体を仲間の所に持っていって、ブラックホール魔法で深淵の闇に飛ばしてやるぞ」
川口は再び猫蓮を斬りつけミンチにした。
しかしすぐに猫蓮は復活して魔法を放つ。
「|氷槍《おやじギャグ》!だったら勝負だお。オデの魔力が尽きるのが先か、川口殿の魔力が尽きるのが先か」
その勝負は分が悪いぞ猫蓮。
川口は結界魔法を続けているとは言え、攻撃は剣によるものだ。
後は猫蓮の魔法攻撃をレジストする魔力を使うだけ。
一方猫蓮は最上級の攻撃魔法と不老不死の蘇生。
使用魔力は猫蓮の方が大きい。
そしてそもそも魔力の絶対容量も負けているように見える。
勝ち目が無いように見えるけれど‥‥。
あるのか?勝算が。
この後も川口と猫蓮の、殴り合いと言うにはあまりに一方的な戦いが続いた。
「駄目だろ‥‥。このままじゃ猫蓮は勝てない」
「そうでもなさそうじゃぞ、旦那様」
「そうなのね。猫蓮はまだ蘇生速度に変化が無いのね」
「一方の川口はレジストが足りなくなってきているのです」
「云われてみれば確かにそうだな」
勝てる可能性があるのか?
あるのなら、何度も何度も挑戦して戦い続ければ、やがて勝利は訪れる。
「そろそろ疲れてきたんじゃないかお?」
「バカな‥‥。何故まだ不老不死が衰えない?」
川口の言う通りだ。
何故なんだ?
いや、もう分かっているだろ。
猫蓮は確かに魔力回復が遅い。
でもそれは、生命エネルギーの回復がべらぼうに早いせいだ。
胃は小さいけれど、不老不死は別腹って感じか。
全然違うけどw
「頑張ってください先輩!」
おっ!愛雪が普通に喋ったぞ?
なんとなく、目にも光が戻ったというか。
猫蓮の頑張りが愛雪を目覚めさせたか?
そんなベタな展開、俺は認められない!
だけれどコレは、多分そういう話なんだろうなぁ‥‥。
「猫蓮!マイたちを守ってくれるんだろ?!負けたら承知しねぇぞ!」
「勝つのであろう。ミィには分かるであろう」
「大丈夫だお。必ず守るお」
おお!サムズアップする猫蓮がなんだか格好良く見えるぞ。
川口はもう次の攻撃が限界だ。
猫蓮の不屈の戦法がこの相手にも勝ってしまうのか‥‥。
「クソッ!出直させてもらう!」
逃げるか?
懸命な判断だな。
でも猫蓮は一人じゃなかった。
「動きを一瞬止めるだけならアイにもできます!」
「元暗殺者を舐めんな!」
「既に逃げる時用に罠を仕掛けているのであろう」
雪月花も逃げる気満々だったんかーい!
「みんなありがとうなんだお!行くぞ最大呪文!本気の|氷槍《おやじギャグ》!なんだお!」
おっ!ここまでの魔法よりも圧倒的に強力だ。
いや、最初の氷槍と同程度といった所か。
徐々に威力を弱めて魔力を温存していたのか。
つか川口の野郎は既に結界を解いてやがる。
そして何かがこの場から去った気配がした。
何かが見ていたか?
今はそれどころじゃない。
一応神眼で解析はしておいたけれど、今すぐ結界は使えないな。
仕方がない。
俺の能力である『神の絶対防御』を、広範囲展開して町は守ってやるか。
「グアッ!」
猫蓮の氷槍が直撃した。
川口は凍らされ動きが封じられる。
ただこのままだと五秒もしない間に解凍されて逃げられるだろう。
でも猫蓮は次を準備していた。
きっと炎の魔法だな。
俺は少しだけ影から体を出した。
「嫁への愛、だろ?神の絶対防御結界!」
結界が、自分を含め猫蓮や川口を閉じ込めるように展開した。
そして直後、猫蓮の魔法が発動される。
「|爆炎地獄《ヨメへのアイ》!」
温度差を利用した、威力の倍増。
この辺りの常識は日本人なら誰でも知ってるよ。
川口泰の体が砕け散った。
流石に殺さないで済ませられるほどの余裕は無かったな。
でも、俺たちが助けなくても猫蓮は格上に勝ってしまった。
殺られても殺られても何度も立ち上がり、そして戦いに挑む。
挑戦の繰り返しが成功に繋がる事を猫蓮は知っていた。
「名前があったのにモブキャラだったのです」
「悔しいのね。川口もレアモンスターだったのね」
「そうなのか尾花?」
「そうだ。アレははぐれデーモンだったな」
「へぇ~‥‥」
それを聞いた妖凛が影から飛び出していった。
まさか妖凛、こっちの世界でも食うのか?
死んでるけど食う意味あるのかねぇ。
俺たちみんな影から飛び出した。
「ん?策也殿、どうしたんだお?」
「あっいや‥‥ちょっと通りかかったら美味そうな肉片が落ちてるのを見つけてな。妖凛がね‥‥」
「オデは疲れたお。しばらく雪月花たちを守ってあげてほしいお‥‥」
俺や少女隊の姿を見て安心したのか、猫蓮は気を失った。
限界ギリギリの戦いだったんだな。
いくら死なずに復活できると言っても、気を失ってしまったら勝利はできない。
敵の攻撃の痛みに耐え続けられる精神力も必要だ。
猫蓮はなんだかんだチートの転生魔法使いだよ。
「ありがとうございます先輩」
「どうやら気を失っているだけで死んでないみたいだな。残念残念」
「猫っちを主にしてどうなるかと思っていたけど、最悪ではなかったであろう」
三者三様の反応に見えるけれど、皆から感謝の気持ちが伝わってきた。
「じゃあとりあえず宿屋にでも戻るか。誰か運んでやって‥‥」
雪月花の三人は瞬時に離れてそっぽを向いた。
流石にまだ触る所までは無理だったか。
仕方が無いので猫蓮の魔法から拝借した『念力』を使う事にしよう。
「妖凛!そろそろ帰るぞ!」
「タマー!」
食事をすませた妖凛は、元のミンクマフラーへと姿を変えて俺の首に巻き付いた。
「ん?どうした?何々?レベルや魔力は上がらないけれど、魔法やスキルはゲットだぜ?だけどスキルはもう覚えられないだろ?一つ捨てたから後でコピーしてほしい?なるほど、分かった」
妖凛は既に十の能力を持っていた。
だから別の能力を覚えるにはどれかを捨てる必要がある訳で。
でもみんなの能力は既にメモしたり他が持っていたりでいつでも戻す事が可能だ。
今回覚えた能力を別にコピーしたりメモしたりすれば、捨てた能力を戻す事もオッケーってね。
尤も、今回覚えた魔法や能力が使えるモノであれば、取捨選択に迫られる事になる訳だけれど。
「そんな事ができるのですか?」
ヤベッ!声に出して会話していたか。
つかマジで愛雪は普通に喋れたんだな。
いや、辛い中で自分を封印していたのだろう。
それが猫蓮の戦いを見て目覚めたんだ。
ベタでもなんでも『めでたしめでたし』、としておこう。
「まあ妖凛は俺の体の一部みたいなもんなんだ。意識が別にあるだけでね」
「へぇ~!なんだか魔物みてぇだな」
魔物っていうか、元邪神、今は神の使いなんだけれどね。
「ミィにもできるであろうか?」
「そうだな。猫蓮と気持ちを一つにする事ができれば或いはな」
「つまりできないって事であろう‥‥」
諦めるの早!
でも言葉でそうは言っていても、三人の雪月花と猫蓮の距離は大きく近づいているように感じた。
いずれは俺たちみたいになれるかもな。
とりあえず俺は建設の魔法を上手く使って、荒れ果てた戦場を元の状態へと戻しながら宿屋へ帰った。
猫蓮は部屋に寝かせ、後の事は雪月花たちに任せた。
その後は妖凛のゲットした魔法と|能力《スキル》の確認だ。
能力は『川口流剣術レベル四十』だった。
あらゆる両刃の剣を使えるスキルか。
レベル四十って事は、剣で戦った時はレベルが四十上乗せされたくらいの強さを発揮できる。
剣を使わない俺たちに意味は無いけれど、一応発動術式はメモしておこう。
魔法は三つ、厳選して得て来たようだ。
一つは結界。
色々な種類の結界を操れる能力ねぇ。
先ほど使った神の絶対防御と一緒にしてしまうか。
今回神の絶対防御は、広げて自分を含めた内側に全てを閉じ込めた。
でもこれだと必ず自分が内側にいる訳で、結界としては使い勝手が悪い。
その使い勝手を良くする為、指定場所に結界として発動できたらありがたい。
更に弱い結界を望む場合、用途を限定したい場合などの対応力も付く。
魔力消費は大きくなるけどさ。
次の魔法は‥‥『魔物コントロール』か。
レベル七十未満の魔物を従順させるとか。
割と使い所があるかもしれないから、一応俺と菜乃と妃子は覚えておく事にした。
最後の一つは『静寂』か。
場や誰かを落ち着かせる魔法。
戦いの中で冷静さを保つ事は重要な事だ。
或いは怒りの感情でパワーアップしたりする奴もいる。
そういうのを落ち着かせて戦いを有利にできるとしたら、もしかしたら使い所はあるかもしれないな。
俺も怒りに我を忘れてしまう事が時々あったし。
そんな時はみんなが止めてくれた。
これは一番冷静でいられそうな妖凛に覚えておいてもらおう。
こうして、猫蓮が大活躍した一日は終わる。
狛里たちが宿屋に帰ってくるのを確認してから俺は眠りについた。
一応領主宅の方に強力な魔力がないか、ずっと注意を払っていたからね。
皆が無事で良かったよ。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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