ネット小説

2012年2月7日【火】18時47分39秒

あなたの目の前で、今二人の異性が崖から落ちそうになっています。
あなたはどちらか一人を助ける事が可能ですが、もう一人は助ける事はかないません。
あなたはどちらを助けますか？
などという究極の選択がある。
この質問により、あなたにとってどちらが大切な人かがわかるとか、この質問に答えは無いとか、そんな事が言われている。
結論を言うと、それはどちらも正しくない。
まず、答えが無いなんて言う人は、ただ結論を出せない人か、もしくは出したくないだけの人だ。
もしくはどちらも助けないと言う人もいるかもしれない。
いずれにせよ、答えはある。
では、その結果から、どちらが大切かがわかるとか、愛しているかとか、そのような判断ができるかと言えばそうでもない。
それだけの理由で、人は人を助けたりしないのだ。
よく言われるのは、妻と母ならどちらを助けるかって質問。
助けた方が大切なのか、それともより愛しているのか。
たとえばこの場合、母の歳は１２０歳で、明日をもしれない命なら、おそらくは妻を助ける事になったりはしないだろうか。
たとえば妻を愛し、最高に大切にしていても、母への恩を感じて、母を助ける事になるかもしれない。
つまり言いたい事は、こんな質問は意味が無いって事だ。
意味のない質問って事では、「私と仕事、どっちが大事なのよ！」なんてのもある。
はっきり言って、こんな事を本人が聞いた時点で、私は仕事だとこたえるだろう。
こんな事を質問する神経が信じられないから。
仕事とは沢山の人との信頼と約束からなりたっていて、それは簡単に捨てる事ができるものではない。
人々の価値観から考えて、約束を破棄できる場合のみ、仕事はキャンセルできるものなのだ。
たとえば恋人が、寂しいから側にいてほしいという理由で、仕事を休んだ場合、少なくとも日本社会の価値観で言えば、それは認められるものではない。
一人の寂しさを和らげる為に、沢山の人に迷惑をかけ、更には金銭的損失を出す事になる可能性も十分にあるのだ。
しかし、仕事を休んでも、誰にも迷惑にならず、損失も無ければどうだろうか。
それは仕事を休んで、恋人の側にいてやったら良いのだ。
つまり言いたいのは、この質問も質問の意味が無いものなのだ。
あえて言うなら、「今日仕事をするのと、私の命はどちらが大事？」という質問になるのだろう。
まあでも、こんな質問をする人が、自分が助けないと死にそうになっているとは思えないから、やはり無意味なのだけれど。
なんて事を思っている私って、やはり優柔不断な奴なのだろうか？
愛する人よ、はっきりしなくてごめんなさい。