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神との戦い

千九百九十九年。
地球は滅亡すると言われていた。
子供だった俺はそれを信じ、その歳まで好き放題生きてやろうと考えていた。
学校ではあまり勉強もせず、今を楽しむ事に全力を尽くした。
ある時、俺はそれが嘘で、地球が滅亡するなんてほぼほぼ無いという事を悟った。
でも時既に遅し。
そこから若かりし頃のマイナス分を取り戻す事なんてできはしなかった。
それでも俺は、一つだけ誓った。
千九百九十九年には死なないけれど、両親よりは長生きしようと。
親よりも長生きする事が最高の親孝行だから。
しかしそれは果たせぬまま、俺は先に死ぬ事となった。

会いに行こうとすれば止められて、やめれば会ってしまう。
こういう事は、往々にして起こるもの。
の訳がないだろう。
それでも偶然は起こり得るものだ。
俺たちは既に、見えない神と対峙していた。
「深雪さん‥‥。ここにはもう、深雪さんの居場所はありませんよ」
「分かってるよー。ただ、この人たちが香ちゃんに会って話がしたいって言うから‥‥。違うな。香ちゃんは、今本当に幸せなの?」
「もちろんですよ。私を助けてくれた唯一の人と、今幸せに暮らせているのだから」
唯一なのか?
確かに他は知らないけれど、流石に友達とか色々いただろ?
とは言え、本当に辛い時に助けてくれる人なんて、家族くらいなものなのかもしれない。
香はその家族を失った訳で、他に誰もいなかったって事なんだろう。
「この世界は、わたしたちが暮らしていた日本とは違うし、尚成だって全くの別人なんだよ?」
「そんな事はない。策也さんは違うかもしれないけれど、尚成さんは策也さんなんだよ」
策也は違うけれど尚成は策也?
意味が分からないな。
俺が策也だとは知らないはずで、だから俺が策也ではないと言っている訳でもないだろうし。
つかこの二人、こんな風に言い合う間柄だったのか。
「またその策也なのね。尚成の中に策也がいるとか、別にいるんだとか言われても‥‥。その策也と一緒にならなくて良かったの?」
「駄目なのよ。策也さんの代わりが尚成さんなんだから」
全く話が分からんな。
もっと詳しく深雪に聞いておけば良かった。
とは言え、深雪もあまりよく分かっていない感じだ。
つかこの状況を神も見ているよな。
襲ってくる気配は今の所ないけれど、何故黙って見ている?
俺たちが神を倒すためにやってきた事くらいは、おそらく察しがついているはず。
そうか。
ここは神の領域じゃないからか。
それに町中で核兵器級の戦いをする訳にもいかないと考えている?
それでも‥‥。
『狛里、想香、天冉、神が見ているのは気がついているな?襲ってくるようなら、みんなを連れてバグ世界に逃げるぞ』
『ぶっ飛ばせばいいの‥‥』
『神が襲ってきたら、狛里は一度試してみてくれ。ただ、この世界で俺たちがどこまでできるのか。ハッキリ言って何も分からんからな』
『分かったの‥‥ぶっ飛ばすの‥‥』
狛里はそう言うけれど、この世界はかなり理が歪んでいる。
たぶん俺たちは神に干渉する事すらできないんじゃないだろうか。
「もうこの話も何度目だろうねー?」
「私は今の生活に満足しているの。もう放っておいてくれないかしら?」
「でもこの世界は歪んでいるよ?この天界を支える為に、下の大陸では多くの人々が自由を奪われ、命も軽く扱われている」
「命は奪ってないでしょ?生まれ変わってやりたい事ができたはずだよ」
「記憶が無ければ死んでいるのと同じだよー。それは香ちゃんならよく分かっているよね?」
深雪が理解していたかどうかは知らないけれど、やはり香が創造の神で間違いはなさそうだ。
この世界の理を理解している。
「私は全てを忘れて生まれ変わりたいと思ったよ。策也さんの隣にみゆきさんがいる世界だったもの」
「だけどこの世界には、前世の記憶を持ってやってきた?」
「策也さんの事だけは、忘れたくなかったから」
「そう思っているのは香ちゃんだけじゃないんだよー」
「でも忘れてしまえば、辛い事もないはずなのよ」
うん、なんだかなぁ。
正直今さらそんな話をしても、おそらく創造の神である香には何もできないんじゃなかろうか。
結局の所、神を倒して新たな神に期待するしかない。
ただ少なくとも、香はこの世界に来て良かったんだろう。
あの時よりも元気になっている気がするよ。
いや、俺の見ていない所では、こうしてみゆきと話していたのだろうか。
なんだか怖いよ。
これ、いつ終わるんだろうなぁ。
そんな風に思って少し気を抜いた時だった。
突如強力な魔力が辺りを包んだ。
「なんなのだ?何かを感じたのだ」
奇乃子でも気がつくか。
これは、神の領域か?
神の領域が移動するとか、そんな話は聞いてないよ。
これは一刻も早く逃げた方が良いかもしれない。
そう思った時、脇道から尚成が歩いて出てきた。
「あ‥‥、香!町に来ていたんだ?」
今俺たちを見て、何か言いそうになっていたよな。
でも香がいるから他人のフリか?
違うな。
尚成なら、香と俺たちが一緒にいる事なんて分かっていたと思う。
なんせ森では、俺たちが来る事が分かっていたかのように現れたんだから。
つまりこれは、俺たちに余計な事は言うなってところだろう。
しかしどういう事だ?
味方のはずの尚成が、神の領域?
というか、スッカリ神の領域の中ってのはヤバいな。
『どう対処していいのか分からない。深雪以外は尚成と初めて会った感じでいくぞ』
俺はテレパシーを使って、皆にそれを伝えた。
|女手《じょしゅ》以外にもメッセージを伝えるだけなら可能だからね。
さて尚成は何を考えている?
つか神の領域を持って移動しているって事は、尚成は神の味方じゃないのか?
尚成がやっていると断言はできないけれど‥‥。
「香!おっ?お前ら!香に何かしようってのか?香もこの世界も俺が絶対に守るぜ!」
アチャー‥‥。
黒川よ。
せっかく他人のフリでとりあえずこの場を乗り切ろうとしていたのに、いかにも俺たちが香や世界の敵であるかのように言いやがって。
「えっ?この人たちは‥‥」
「私たちは敵じゃないわよぉ~。ちょっと香ちんに話を聞きたかったから会いにきただけよぉ~」
「でもこの世界を変えようとしているんだよな。ならば敵だってことだ。香、俺が守ってやるからな」
「黒川くん‥‥」
こいつ、香の前だから格好つけたいんだろうな。
そのおかげで、雲行きがかなり怪しくなってきたんだけれど。
「やるしかない気がするの‥‥」
「いや、まだ相手に戦う意思はない。つか何かあれば逃げるぞ」
今のレベルで、神の領域内じゃどうにもならない。
しかし襲ってくる様子が無いのはどういう事だろうか。
神は自分を倒しに来たのが俺たちだって分かっているはずだ。
余裕なのか?
それとも何か理由があるのか。
「本当なのですか?あなたたちはこの世界を変えようとしているのですか?」
適当に嘘を言ってごまかすか。
「別に香ちんに悪いようにはしないのだ。ただおかしなこの世界のあり方を変えたいだけなのだ」
バカ!奇乃子!
もう分かるだろ!?
香がこの世界の創造神だ。
そしてこの世界の神も近くにいる。
香がこの世界に本当に満足しているのかどうかは分からないけれど、流石に神は今の言葉、捨て置け無いだろ。
それでも神は動かない、か?‥‥。
「私の世界を壊しに来たのね‥‥。見かけない顔だから、分かっていたわよ‥‥。策也さん!この人たちを排除してください」
「えっ?」
策也さん?
「やっぱりそうなんだー‥‥」
深雪?
やっぱりそうってどういう事?
一瞬呆けていると、香の背後に亀裂のようなものができて、そこから一人の男が現れた。
それは、紛れもなく神であると分かった。
そして驚いた。
その容姿は、生前の俺そのものだったから。
年齢は三十前後の頃だろうか。
深雪と同じくらいの頃だね。
そして更に驚いたのが、その気配。
何処かで知っている。
ある意味俺本人であるような、だけれど何かが違う。
一人じゃなくて二人。
「これは‥‥おとうちゃんとおかあちゃん‥‥」
俺の両親。
どういう訳か、俺の両親の気配を持ったこいつがこの世界の神『策也』‥‥。
「そっか。わたしだけじゃ、策也の魂も無いのに尚成を作り上げるなんてできないよね。策也をよく知る人物が、他にもいると思っていたんだよ」
深雪、そういうの、先に言っておいてよね。
漠然と言葉にできないものってあるかも知れないけれどさ。
「私は神の分身のようなものなんだよ。そして最も私を知る人物は、やはり両親って訳さ。ちなみに私は神の盾であり鉾。神の気配はないけれど、そのものと言ってもいい。君たちじゃ私をどうこうする事はできないよ」
ちょっと待て。
整理しないと頭がこんがらがるぞ。
だったら両親は殺されて、魂はこのウインバリアにつれて来られた?
いや、みゆきと違って両親は生きていた。
「念の為に言っておくけど、両親は今も生きているよ。忘れ去られた記憶だけでも、結構あるものだからね」
そうか。
生きているんだ。
人は歳をとる事で、記憶が奪われなくても沢山忘れてゆくもの。
その記憶を拾い集め、この世界の神を作り上げたんだ。
そうする事で、俺本人に限りなく近い俺を作り出せると考えた。
尤も、それでも同じと言うにはまだまだ差は大きいみたいだけどな。
つか教えてくれてありがとう尚成。
ちょっと安心したよ。
俺も異世界で生きているから、神の向こうの両親にそれが届けばいいな。
きっとわざとだよね。
尚成。
それにしても、魂が作られたものとは言え、両親を倒すのはちょっと気が重いぜ。
そして神も尚成も、俺たち異世界組じゃまず倒せない。
「逃げるぞ!」
俺は瞬時に、深淵の闇を俺たちの下に作った。
皆をバグ世界に落とすのだ。
「ここは逃げるが勝ち!」
「甘いよ」
しかし瞬時に神は香を連れて、尚成は黒川を連れて、落としたみんなを追って闇へと入っていった。
神の領域じゃ、俺のスピードにも付いてこられるか。
だけどバグ世界なら、神の領域は‥‥。
って、尚成も入って行ったって事は、神の領域もバグ世界に移動している?
おいおい、尚成は味方じゃなかったのかよ。
いや、神の分身みたいなものだって言っていたな。
だったら何故今まで味方のような真似を?
神は討たれたがっている?
だけれど、香の前で手を抜くような真似はできないって事か。
だったら香を置いていけよ。
俺が最後まで残っているから、置いていく訳にもいかないんだろうけどさ。
もうややこし過ぎて、俺ですら何がどうなっているのか分からなくなるぜ。
俺はすぐにバグ世界へとみんなの後を追った。

バグ世界に入ると、上下がすぐに入れ替わる。
なんとかみんな対処したようだな。
しかし神は本気か。
ここで俺たちを排除しようとしている。
もちろん神である俺とその女手である姦し娘たちは神に殺られる事はない。
おそらくね。
だけど他のみんなは、殺られたら助からない可能性が高い。
逃がしたいけれど、俺たちが何処まで神を抑えられるか。
見ると既に狛里が神を殴りにいっていた。
それを神は何もせず受けようとする。
次の瞬間、狛里の体は神の向こう側へとすり抜けていた。
これはヤバいな。
この世界では神に対して、異世界人は全くの不干渉という事か。
だったらこの世界の女性はどうだろうか?
「この世界にみゆきは必要ない」
「だからもう別れてるんだってば!」
神が深雪に襲いかかっていた。
その攻撃は深雪を傷つけている。
という事は逆も然り。
この世界の女性ならば、倒せないまでも神にダメージを与える事はできそうだ。
だけど今の深雪じゃ、神に少しのダメージも与える事ができないだろう。
力に差がありすぎる。
今は神も手を抜いてくれているようだから瞬殺されずに済んでいるけれど‥‥。
手を抜いている?
やはり尚成同様、神もこの世界を変えたいと思っているのか?
「全く残念だよ。君は異世界の神だよね?悪いけど今回は、深雪も含めて五人には死んでもらう。深雪には生きていてほしかったのに‥‥」
尚成が寄ってきて耳元でそう言ってきた。
弱いアイツラには負けられないか。
わざと負けたりしたら、香を裏切る事にもなるからな。
そしたら香の心は救われない。
この世界は香の作った香の為の世界だ。
でもそんななんでも思い通りになるおかしな世界にいて、本当の幸せが得られる訳もない。
神もそう考えているのだろう。
だから強い者が現れて、それを変えてくれる事を望んだ。
もしかしたらおかしな世界にしたのは、討たれる為に神自身がそうしていたのではないだろうか。
でも今回討たれるのは駄目だと判断した訳か。
だけれど、俺もそうやすやすと深雪やみんなを殺させたりはしないぞ。
何か手はあるはずだ。
既に撫子が『|絶対共産主義《まっかなおんなのこ》』を発動し、俺と狛里から魔力を吸収し始めている。
「神よ!貴方の名前はなんですか?!」
孔聞、イキナリ何を聞いているんだ?
つか香は策也と呼んでいたけれど、普通に考えれば御伽策也か?
「私の名は御伽策也だ!」
やっぱりね。
「分かった!礼を言う!」
孔聞はそう言って穴を二つ掘った。
「人を呪わばアナスタシア‥‥我が名は堀田孔聞!そしてもう一人の名はウインバリアの神、御伽策也!聞き入れよ二つの穴!」
なるほど、アナスタシアを使う為に聞いたのね。
「割と粘るね」
「そう簡単にはやられねぇぞ!」
尚成が襲いかかる所を、土筆がガードしていた。
その攻撃を止められるとは、土筆もそこそこ強くなったよなぁ。
だけど、今のままじゃ勝てないよ。
孔聞はアナスタシアで負けないようにはしたけれど、よっぽど神の行いが悪くないと大して何も変わらないだろう。
俺の両親の記憶を持った神だからなんとなく分かる気がするんだけれど、俺の考えが正しければ、神は神で善意で行動しているような気もする。
土筆じゃ力は完全に劣っているし、撫子はそれなりに戦えるようになると思うけれど、決して勝てはしない。
奇乃子もそうだ。
一発勝負で神に大きなダメージを与えられる可能性はあるけれど、それを孔聞や土筆が活かしきれるとも思えない。
そして深雪。
深雪がせめて尚成を抑えられれば、他で少しは可能性が見えてくるんだけどな。
俺たちは見てるだけしかできないのか。
香を人質に取る?
流石に神の所業じゃないよな。
「僕が深雪さんと一緒になるのです」
「無駄だろ。想香が深雪を吸収した所で、おそらく神に干渉する事はできないぞ?」
「違うのです。僕が深雪さんに吸収されるのです」
「えっ?」
いやちょっと待て。
想香が吸収される?
姫ちゃんが吸収された時のように、いや、それ以上にそれは寂しいぞ。
それはもう想香に二度と会えない可能性もあるって事だ。
おそらく、この仕事が終わってアルカディアに帰れば、結局みゆきと一緒になってしまうのかもしれない。
でもまだ今の想香にお別れもできていないし、心の準備だって‥‥。
「なに蛆虫みたいな顔をしているんですか。僕は別に消えませんよ。それにいつかはみゆきさんと一緒になるのです。それが少し早まっただけの事なのです」
「早すぎるんだよ‥‥」
納得いかねぇ。
なんだよ神の仕事って。
そうなる事は分かっていたけれど、まだまだ先の話だと思っていた。
永遠の命があっても、結局別れはあるのか。
分かっている。
そして全て見送る側になる。
それが辛いってのは、分かっていたつもりなんだけどな。
「深雪さん!僕を吸収するのです!」
「えっ?そんな事できるの?」
「できます!」
おいおい、勝手に話を進めるなよ。
「策也タマは仕方がないですね。だったら冥凛を上げるのです。僕の半分は、ずっと策也タマと一緒です」
想香から冥凛が分裂し、俺の方へと飛んできた。
「想香‥‥」
「ん‥‥」
冥凛が俺の胸に飛び込んでくると、妖凛がそれを迎え入れた。
そして俺と一緒になってゆく。
「お別れは冥凛としておいてください!では深雪さん行きますよ!僕の力を得て、尚成さんを抑えてください!」
「えっ?何?心の準備がー!」
「あー‥‥」
深雪‥‥。
みゆきだな。
想香が光となり、深雪の中へと消えていった。
すると深雪が、新たな深雪の姿へと変化してゆく。
中身はそのままの見た目だけれど、衣装は巫女服に。
武器はスォードから刀へ。
「あっ‥‥。そっか‥‥。やっぱり想香ちゃんはわたしなんだ‥‥」
どうやら合体は上手くいったか‥‥。
心の中で、冥凛が俺の心をつついている。
そうだな。
ここまでやったんだからやるしかない。
深雪も殺させやしない。
「深雪は尚成を抑えていてくれ!天冉と狛里はそれをサポート!俺はみんなが神を倒すのを助ける!」
「私のパンチは当たらないの‥‥。でも助けるの‥‥」
「何か方法はあるはずよねぇ~。想香ちんと合体したんだったらぁ~、息も合わせられると思うわよぉ~」
狛里は頷くと、天冉と共に深雪に取り付くようにサポートを始める。
直接戦えないなら、深雪を動かして戦うか。
想香が合体したからこそできる戦い方。
ならば俺は、誰かを念力で動かすか。
いや、神の領域内じゃ、既に魔力レベルで俺ですら負けている。
そんな小細工が通用するとも思えない。
相手が本気を出す前に、なんとか隙をついて奇乃子の一撃にかける。
そして土筆か孔聞がトドメを刺すしかないだろう。
「撫子。そろそろ準備はいいか?」
「こんなに大きな魔力を得られるとは思ってもいませんでしたよ。相手はこれ以上って事なのですよね?」
「ああ。でも今ならまだいい勝負はできるはずだ。とにかく隙を作り出し、奇乃子たちにかけよう。もう逃げる事もできそうにないからな」
「分かりました」
イキナリ死ぬかもしれない状況。
戦う必要もなかったかもしれないみんな。
それでも何も言わずにただ戦ってくれている。
自分の為かもしれないけれど、神と戦う事になったのは俺が関わったからだ。
なんとか生かしてやりたい。
撫子が参戦して、奇乃子たちにも余裕がでてきた。
しかしその余裕もいつまで続くか。
相手もそろそろ本気を出さないと駄目だろう。
ここは香の創った世界だから。
深雪は尚成と何か話しながら、互角の戦いをしていた。
流石に神の分身は想香よりも強い。
狛里たちもよくサポートしているけれど、やはり直接戦うのとは訳が違う。
それでも尚成は、抑えられればそれでいい。
倒した所で神の領域は失くならないだろうし、尚成もすぐに復活するに違いないのだ。
「赤華!」
「効かぬのだ!サギ!」
「‥‥」
流石俺の両親の記憶を持った御伽策也だ。
俺が言いそうな事をよく知っている。
著作権に抵触しないように、微妙に変えている辺りもね。
でも少し効いているみたいだぞ。
「調教してやる!調教してやる!」
おっ、動きが一瞬だけれど止まった?
「今だ!喰らえ!」
「五十歩百歩真拳!」
土筆がマーストンファーで攻撃し、孔聞が拳を叩き込んだ。
隙ができた。
「喰らうのだ!ゲーム調整なのだ!」
奇乃子は隙を逃さず魔力を数割開放し、ゲーム調整効果を付与したファイヤーエンブレムを神にぶち込んだ。
コレをまともに喰らえば、普通なら魂もろとも焼けて消失する。
当然奇乃子は女だから、そうはならないし勝利はできない。
そこに更に土筆と孔聞が畳み掛けた。
「カースエンブレム!」
「連続五十歩百歩真拳!」
二人の攻撃は、まともに神に決まっていた。
勝ったのか?
両親の記憶と出会えてすぐに別れるのも、ちょっと寂しい気もするぞ?
少しくらい話をしたかったな。
なんて事を思えるほど、みんなの攻撃は完璧だった。
この流れは、俺たちが勝つ為に描いた理想通りだよ。
これで勝てなければ勝てる見込みはゼロだろう。
どうだ?
「やっぱりこの程度か。コレじゃ俺を倒すなんて不可能だな‥‥」
神は少し寂しそうな顔で俺を見ていた。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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