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国盗りゲームクエスト開始!まずは富国!

このウインバリアには、八種の|人間《ヒューマン》が存在する。
最も多いのは|人《ヒト》族。
他にもファンタジー世界にありがちな、『エルフ』『ドワーフ』『|鬼族《オーガ》』『獣人』が一般的な所だ。
しかし一部冒険者などに限り、『ドリアード』『妖精』『魔人』に属する者も存在する。
更に獣人とは違って獣に近い姿をした『|獣族《けものぞく》』という種族も存在していた。
ただこの獣族は人間種には数えられず、基本的にはあまり人間と関わらない。
しかし金の為なら何でもやる所のある種族として知られていた。
知能レベルは他の人間と比べてやや劣るものの、繁殖力が強く戦闘力に関してはやや高い。
だから傭兵として雇われる事の多い種族でもあった。

俺たちは今日から『等々力王』の部下としてクエストに参加する事となった。
クエストに参加した途端俺たちはそれぞれの場所へ飛ばされ、一部の者は状況によって能力が制限されるみたいだ。
ただし魔力は制限されないので、この辺りの敵相手なら大きなハンデにはならないだろう。
能力も攻撃に関しては制限されているものの、他は概ね使用が可能だった。
完全に使用が制限されているのは、どうやら町や村へ飛ぶ瞬間移動魔法くらいかな。
その辺り一応説明しておくと、まずは飛車の想香。
他の能力には全く制限はなく、基本的に全指揮権を持った『軍師』という立場になる。
等々力陣営で王様に次ぐナンバーツーって所だね。
次に角行の狛里も、他に能力制限は無し。
基本任務は王の『護衛』であり、軍師の命令により諜報工作活動などに動く事もある。
金将の奇乃子は、軍の『指揮官』である。
実際の戦闘で全てを指揮する立場であり、戦術レベルでは最も重要な役職だ。
こちらも他の能力に制限はない。
銀将のボスは、『第一部隊の隊長』となる。
桂馬・香車・歩兵の三人は全てこの第一部隊に所属するので、当然一番強い部隊の隊長って事になるね。
こちらも他の能力に制限はない。
桂馬の百万診は『サポート部隊の隊長』。
戦闘時はドロップアイテムの『十字架スタッフ』を必ず使用する必要があり、それによって魔法コントロールを困難にされている。
十字架スタッフが壊されると死亡判定となるので、そちらも守る必要が出てくる。
戦闘時攻撃魔法は使えない。
香車の孔聞は『魔法攻撃部隊の隊長』。
戦闘時ドロップアイテムの『木製ワンド』を必ず使用する必要があり、それによって魔法のコントロールを困難にされている。
ワンドが壊されると死亡判定となり、こちらも当然守らなければならない。
戦闘時使える攻撃魔法が低レベルのものに制限されている。
歩兵の俺は『歩兵部隊隊長』だね。
戦闘時竹槍を必ず使用する必要があり、とにかく戦いづらくなっている。
当然戦闘時の攻撃魔法は使えず、魔法コントロールも困難を極めるくらいになっていた。
それと壊れやすい武器だから、壊れないように使用するのも大変だね。
当然壊れると死亡判定になるからさ。
尤も俺なら強化して使えば良い訳で、武器が壊される心配はないだろう。
ただしあまり目立つ訳にもいかないので、ほどほどに戦うのが難しい所か。
別にこの世界の神に目をつけられた所で、刺客が送られてくるだけだとは思うけれどね。
俺にってよりは、一緒にいる男たちが狙われる可能性な。
仕事がやりづらくなるので、できれば避けたいって感じだ。
それで反物がドロップした銀将以上の者たちだけれど、それはそれぞれにあった衣装へと変わっていた。
割と防御力が高く、奇乃子やボスにとってはありがたい物だった。
狛里と想香には不要だったけれどね。

さて国盗りゲームが始まってまず最初に行うのは国を富ませる事となる。
それが定石だけれど、この国盗りクエストでそれが当てはまるかどうかはやってみないと分からない。
普通なら強い国を作る為には、富国強兵だよね。
経済がしっかりとしていなければ、強い国は作れない。
とは言え既にこのクエストは始まって|幾刻《いくとき》が経過しており、普通にやっていてはなかなか難しいだろう。
こういう時ゲームであれば、戦争準備の為の臨時徴収や、他国から金品を奪ってくる事になる。
『まず想香は王に減税を進言しろ。経済を良くするには減税が一番だ』
本当なら戦費を調達するのに悠長な事をしている場合ではない。
しかし我が等々力王国の王都は、守りに悪くない地形をしている。
背後は海で、前面には山だ。
山を越えるルートはほぼ一本道で、だから戦力も無いのに此処まで放置されてきたと言えるだろう。
同盟関係の国もないけれど、逆に敵対している国もない。
現状は完全に無視された状態の国だ。
尤も俺たち冒険者がクエストに参加した事で、これからはそうも言っていられないだろうけれど、多少の時間的猶予はあると見ていた。
俺が想香に命令してからしばらく経って、返事のテレパシー通信が返ってきた。
『直ぐに効果の出る消費税を減らすよう進言したのです』
『それはナイスな判断だ。経済に最も大きな影響を与える税だからな』
『だけどそれを下げたら今いる兵すら維持できないと断られたのです。何か代わりの税を考えろと言われました。殴っていいでしょうか?』
『殴るのは駄目だ!』
『そうですか。残念です‥‥』
全く想香は何を考えているんだ。
しかし俺が直接説得できればいいけれど、こんなテレパシー通信のやり取りを介していてはそれも難しい。
本当は代わりの税なんて認めたくはないけれど、今回は仕方がないか。
『酒税を提案しろ。消費税を下げるから軽く飲む程度の者にとっては影響はない。酒を飲まなければ払う必要も失くなるから、経済への影響は少なくて済む』
でも酒税って一度取ると失くすのは難しそうだし、民に申し訳ない気持ちにもなるよなぁ。
なんせ日本では『日露戦争の戦費調達』の為に導入したのに、俺が死ぬ時にもまだ残っていた訳だし。
酒を沢山飲む人ってのは極一部で、多くの人は別に構わないと思ってしまう。
アルコール依存の強い人からだけ沢山徴税する訳だからね。
そんなだから税を安定的に取る事もできてしまう。
面倒事が一部の者だけに押し付けられる事も賛同を得やすいしさ。
結果さらなる増税に繋がりやすい。
まあこの世界のこの後の事は考えていても仕方がないよな。
というか国盗りクエストが終わったら、この第三大陸はリセットでもされるのだろうか。
ちょっと気になる所だ。
『分かったのです。一応進言してみるのです』
『頼むぞ』
さて減税するとは言っても、その効果が出で税収が増えるのは先の話。
目の前の資金は必要な訳で、そこは狛里にやってもらうしかないんだよな。
『狛里にはなるべく遠くの国から金を奪って来てもらう。想香に命令されたって事で王には伝えてから行ってくれ』
『他人のお金を奪うのは良くないの‥‥』
『他の国の王は、みんなこの国を滅ぼそうとする悪い奴なんだ。金は全部この国の兵を殺す為に使われるんだぞ?だから問題ない』
『分かったの‥‥。悪い事はさせないの‥‥』
『頼んだぞ』
ふぅ~‥‥。
全くこんな世界創るなよなぁ。
どうしてこんなゲームモデルの世界を創ったのか。
おそらくウインバリアが好きだった奴が神になって創ったんだろうけれど、此処までゲームに忠実にしなくてもいいのに。
冒険者に盗みや戦争参加を強要するなんて、洒落にならない世界だわ。
だからこそこの世界の神を討伐して、変えようって思いもあるのかもしれないな。
さてこれで一応想香と狛里に関してはいいか。
分身ちゃんを二人の影に潜ませて、後はそちらに任せよう。
俺は分身を一寸まで小さくして、それぞれの影に放っておいた。
次は自分の仕事だな。
俺は第一歩兵部隊の隊長な訳で、訓練にも参加しなければならない。
ちなみに現在この国の軍は第一部隊しかないので、全ての歩兵の訓練が任されている。
竹槍持って『突くべし!突くべし!』とやりまくりだ。
今更こんな事をしないといけないなんて、ちょっとしんどいよ。
それで現在歩兵は人族が中心だけれど、金があれば獣族の傭兵が沢山雇えるようになる。
そうなればやはり人族よりも獣族中心の部隊にした方が戦力的にアップする訳で。
ならば訓練と一緒に農地改革とかした方がいいかもな。
そんな事を思った俺は、歩兵部隊を連れて町の外へと移動した。
そして竹槍の代わりに鍬を持たせて、畑を耕させる事にした。
「えっと、こんな事してて大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。そもそも竹槍で戦うなんてのがおかしな話でね。基礎体力とチームワークを鍛えるのならこっちの方がよっぽど為になる」
今は少しでも国を富ませ収入を増やす事が大切。
金さえあれば獣族の傭兵をいくらでも雇える訳だし。
竹槍を持った訓練は一日一時間で十分だ。
ゲームでもまずは開墾だよ。
ただ本当にゲームなら、直ぐにまとまった戦力を集めて攻めまくるのがセオリーなんだけどさ。
俺たちは既に出遅れている訳で、全うなやり方で行くしかなかった。
※『全う』を最近では『真っ当』と当て字で書く事が多いようだねw
休憩中は他のメンバーの所にも様子を見にいった。
「孔聞、調子はどうだ?」
「ん?策也ですか。どうもこうも自分はエネルギーブラストしか使えないのですよ。正直他のメンバーの方が魔法は上だし、教える事も何もなくて困っています」
司祭が香車を引いたのは失敗だったのかな。
でも攻撃面は駄目でも防御面では強い。
孔聞は防御結界が使えるので、やり方次第ではおそらく有利に戦えるはずだ。
上位職だし使い物にならないって事はないだろう。
「俺の希望としては、孔聞が死ななければそれでいいよ」
「なんですかいきなり。自分の事を気遣ってもらっても嬉しくなんかありませんからね!」
ツンデレかよ。
でも本当に最低限それだけやってくれれば、後は俺がなんとかするからな。
「じゃあな!」
俺はそれだけ言って今度は百万診の所へと移動した。
「どんな感じだ?」
「あら策也様。私が見ているのですから完璧以外にはありないわよ。ただ蘇生魔法を使える人が一人もいないのが欠点ね」
サポート部隊の一兵卒に流石にそれは求めすぎだろう。
ちなみに俺たち冒険者は死んだら第四大陸に行く権利を失いゲームオーバー。
だけれど兵は、蘇生魔法で生き返らせれば戦う事はできる。
ただし戦闘時の魔法は、桂馬・香車・歩兵の場合、ドロップアイテムを使った魔法発動が条件で、かなり魔法コントロールが困難だ。
蘇生なんかは奇乃子の活躍に期待したい所だな。
「まあ百万診にはできるだけ補助魔法で頑張ってもらえればいいよ。最初から死者を少なくする戦いでいきたいからな」
「分かりましたわ」
ゲームとは言え、やっはりこの世界の人もこの世界で生きているのだ。
できる限り死なないでほしいよね。
「じゃあな!」
俺はそう言って奇乃子とボスの所へと向かった。
二人は現在各部隊の様子を見て廻っていて、丁度俺の歩兵部隊の所に様子を見に来ていた。
「策也は一体何をさせてんだ?」
「そうなのだ。ちゃんと戦闘訓練をするのだ」
会うなりいきなりか。
まあでも軍の訓練なんて普通はどこも同じだと考えるよな。
「竹槍の訓練はちゃんとやっているよ。でもこっちの方がパワーも付くし役に立つだろ?常識に囚われていたら駄目だって」
尤も常識は常識で大切ではあるんだけどね。
「確かにこっちのがパワーは付くか‥‥」
「でも不安なのだ。いざって時に動けない気もするのだ」
「まだいきなり攻めてくるような事はないだろ。敵は敵で大変みたいだしな」
各国の情報に関しては、一応国家の諜報員が仕事をしてくれていた。
深くは分からないけれど、ざっくりした世界状況は想香から聞いて把握している。
「俺は不安なのだ。戦争指揮はボスの方が向いているのだ」
「代わってやりてぇ所だが、交換は無理みてぇだしな」
確かにここは逆の方が良かっただろう。
でも二人のコンビは悪くないし、部隊を増やさなければ俺たちそれぞれが指揮する事もできると俺は考えていた。
つまり第一歩兵部隊、第二歩兵部隊と分けるのではなく、第一歩兵部隊の第一陣、第二陣という風に分ける。
そうしてそれぞれを俺と孔聞と百万診が指揮しているなら、奇乃子とボスが自由に戦えて力は発揮できるはずなのだ。
「一応お前たちが自由に戦えるような方法は考えてある。安心しておいてくれ」
孔聞や百万診がちゃんと指揮できるかは知らないけれどね。
「まあどうせ戦闘になれば今まで通り戦うだけだな」
「そうなのだ。基本的にみんな命令はできる立場なのだ。ボスが言ってくれれば俺が同じ事を繰り返して言えばいいだけなのだ」
そういう事だな。
仮に俺の構想が上手く行かなかったとしても、それである程度ボスが指揮する事ができる。
ただギリギリの戦いでは、そのブランクが命取りになる事もあるかもしれない。
部隊編成権は軍師である想香にあるよな?
王様が出張ってこなければいいけれど。
そんな事を考えていると、丁度今想香が再び王に進言する所だった。
俺は影の中にいる分身と意識をリンクして様子を見る事にした。
「王様。消費税の減税の為に別の増税という話でしたよね?ならば酒税を取るというのはどうでしょうか?」
想香のやつ、なかなか良い感じで軍師を演じているじゃないか。
「酒税だとぉー?それはどういう税なのじゃぁー?」
‥‥ちょっとヤバそうなお殿様といった感じの王様だな。
無能の王様の典型と表現した方がいいか。
正直こんな王様の為に戦うと思うと、士気がだだ下がりになりそうだ。
できれば戦場へは来ないでほしいよ。
「えっと、お酒を売買する時にだけ高めの消費税をかけるような感じです。その分消費税を下げれば、一般庶民の生活は楽になります」
「ほうほう。それは面白そうじゃのぉーお」
「一部の人だけが払う税ですので、きっと採用し易いと思うのです」
想香もなかなかやるじゃないか。
一応みゆきの記憶も有るわけだから、これくらいは普通かな。
でも、その一言は言わなかった方が良かったかもしれない。
「確かに民の反対は少なそうじゃのぉーお。ならば今は戦時じゃー。酒税だけ採用するがよかろう」
「いえ、減税して経済を‥‥」
「黙れ!これは王の決定じゃ。酒税を取るように手配しておいてくれ」
最悪な王だよ。
確か王が死んでも国が滅びなければ負けにはならなかったよな。
死んでもらおうか?
此処で一応この国盗りクエストのルールについて軽く説明しておこう。
まず王国の滅亡条件は、跡継ぎがいなくなるまで王族が全滅するか、全ての領地を失った場合となる。
王族は『王様』『王妃』そしてその『子供たち』で、全てが死んだら領地は中立地帯と変わる。
領地はマップエリアごとに指定されていて、そのマップのチェックポイントを全て制圧したら領地として占拠できる。
チェックポイントの制圧は、登録された友軍兵を全てのチェックポイントに立たせる事で完了する。
つまりチェックポイントの数以上の兵で攻めないと、そこを領地とする事はできない。
兵は領地で事前登録しておく必要があり、その場で敵味方を入れ替えて占拠させる事は不可能である。
チェックポイントは、町なら城の中に百ヶ所。
砦なら中に五十ヶ所、村なら外に五十ヶ所となっていた。
‥‥。
しかしこの交渉は失敗だったな。
日本の政治でも、これはやってはいけないやり方だったと言える。
こっちの税を上げる代わりに、こっちの税を下げるなんて交渉は通用しない。
そんな事を提言すれば、上げられる所だけ上げられるに決まっているのだ。
だから全ての増税に反対しなければならない訳で。
増税をいい出した時点で俺たちは負けていた。
このクソ王様では、減税で民を富ませるのは無理そうだな。
やはり生産力アップと、直接金を調達するしかないようだ。
まずは国内の農地を全て豊穣魔法で豊作にしてやる。
今は丁度稲の収穫時期前だ。
まだ間に合うだろう。
俺は訓練時間が終わると、早速豊穣魔法をかけまくって廻った。
とにかく経済を活性化させて軍事予算を増やす。
俺は出遅れを取り戻す為にできるだけの事はやっていった。

仕事の後はみんなで集まって、民間の食堂を食べ歩いた。
ただ狛里は現在大陸中を飛び回っていたし、想香は城に常駐が基本なので此処にはいなかった。
食事が終わって俺たちはそれぞれの兵舎へと戻った。
俺たち七人が全員集合できる機会は少ない。
おそらく戦争時の作戦会議とか、限られた時だけになるだろう。
今日集まった五人なら、訓練時や食事時に集まる事も可能だけれどね。
だから本来は同じギルドのメンバーで、ギルド通信を使って作戦を考えるのだろうな。
とりあえず俺は神の使いである狛里、想香、百万診の三人とはテレパシー通信もできるし、メッセージだけなら奇乃子やボスに送る事も可能なので、そんなに苦労はしないと思うけれどね。
一寸の大きさの分身、略して|一寸身《いっすんしん》で話に行く事も可能だしさ。
さて一寸身と言えば、そろそろ狛里の様子を確認するか。
一寸身は魂を分けて作るゴーレムと違って、意識を完璧に分ける事も可能だ。
最初はできなかったんだけどさ。
だから常にいくつかの意識を同時に動かす必要はない。
ゴーレムを使っていた頃は色々大変だったよ。
尤も、今でもゴーレムを作れなくはないけれどね。
俺の中には妖凛や姫ちゃんもいるし、作る必要がないだけ。
俺は狛里に張り付けてあった一寸身と自分の意識をリンクした。
「‥‥ぁー‥‥」
狛里は何処かの町の何処かの食事処で、美味そうな飯を一人で食べていた。
まあ飯くらいはいいよね。
でも気になったのは店の様子だ。
とても庶民が利用するような店ではない。
そんなに金、持っていたっけ?
俺の一寸身は影から顔だけを出して狛里に話しかけた。
「おい。なんだか凄く豪盛な食事をしているようだけれど、金は持っているのか?」
俺は分かってはいたけれど聞いてみた。
すると当然の答えが返ってきた。
「大丈夫なの‥‥お金はいっぱい集まったの‥‥」
盗んだお金で食いまくる~♪
by十七の夜。
ちなみに狛里は現在十七歳だけれど、不老不死だし見た目年齢は十三歳くらいだけれどね。
ついでに俺は実質六十八歳、見た目年齢は十八歳である。
「で、一体いくら集まったんだ?」
この第三大陸の王国国家予算なんて、そんなに大きくはないよな。
一番大きい国が今の所十万の兵をもっていて、その次となると四万くらいまで落ちる。
兵の給料は月に十万円としても、大国で年間千二百億か。
そんな金をゴッソリ頂けたら最高だけれど、金なんてみんなアイテムボックスに入れているだろうし、数億も集まっていたら良いほうかな。
「二兆円くらい集まったの‥‥」
狛里はチートだったわー!
「なんでそんなに集まってるの?」
「半分くらいの国を見て廻ったの‥‥そしたら城にいっぱいお金があったの‥‥ついでに宝物も持ってきたの‥‥」
ヤバくね?
つかなんでアイテムボックスで保管しない?
いや、アイテムボックスを使えるのは冒険者だけなのか?
そんな事はないよな。
でも王が持てないなら、それを誰かに持たせる選択肢は無いのかもしれない。
となると手に入れた金を全て国に納めるのも問題がある気がする。
「その宝物とお金の殆どは俺が預かるよ。それでいくらかは狛里が持っていて、王様には二百億円くらい渡して様子を見る事にしよう」
「分かったの‥‥」
一寸身の俺はアイテムボックスを開いて、その中にお金とアイテムを入れさせた。
ん~‥‥、まさかこんなに簡単に金が手に入るとは思っていなかった。
そして奪えるとも思っていなかった。
これはちょっと大きな展開が待っているかもしれない。
有るはずの金が失くなった国はどうなるか。
給料の払えない国に雇われる傭兵なんていないよね。
しばらくして世界は俺の予想通り大きく動く事になった。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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