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初めてのプロレスとダンジョン攻略開始!

一を聞いて十を知る。
そんな事は現実には不可能だ。
だけれど、八や九を知る事は十分にあり得る。
そして百聞は一見に如かず。
見る事で全てが理解できる事もある。
但しどちらの場合でも、ある程度の知識や知恵が必要にはなってくる。
そんな知識や知恵を、俺は必然的に持っているみたいだ。

町での戦闘でレベル上げを行った次の日は、様子見の為に昼過ぎまで町に滞在した。
しかし何も起こる様子が無かったので、俺は少女隊の所に遊びに行く事にした。
やはり暇な時は、少女隊とプロレスをして体を動かすのが一番だからな。
運動ってのは毎日欠かさずやると健康に良いんだよね。
尤も不老不死の俺にはそんな事は関係がないんだけどさ。
「じゃあ俺はちょっとプロレスしに行ってくるよ」
「少女隊の所なの?‥‥羨ましいの‥‥私もプロレスやってみたいの‥‥」
「僕もプロレスの相手をするのはやぶさかではありません。策也タマがどうしてもと言うのなら相手してあげなくはないのです」
おいおいいきなり何を言い出すんだ狛里は?
お前がマジでプロレスしたら、この世界が滅ぶかもしれないじゃないか。
想香はなんとかなるかもしれないけれど、実はプロレスがしたかったとは‥‥。
そんな気もしていたけれど、まあ楽しいからな。
「想香はともかく、狛里がマジでやるとこの世界がヤバくね?」
「大丈夫なの‥‥もう魔力操作は完璧なの‥‥」
いやいやいや。
そんな訳ないやろう。
仮にある程度抑えられたとしても、神クラスのドラゴンが大暴れする程度の惨状にはなるはずだ。
せめてカチューシャは付けさせないとだけれど、プロレスで壊してしまう恐れもある。
狛里のカチューシャは、今の俺では複製どころか修理もできないのだ。
特別な魔道具って事だね。
一応セーラースカーフを上手く使えば抑えられなくはないけれど‥‥。
なるべく体の強化に使って貰えばいいか。
それに俺たちなら死ぬ事はない。
「分かった。でもセーラースカーフを使って魔力を抑え、できるだけ体が壊れないように魔力は使ってくれ。攻撃には魔力を使うなよ」
「分かっているの‥‥。私はバカじゃないの‥‥」
バカじゃないけどアホなんだよな。
まあ場所を選べば多少はなんとかなるだろう。
そんな訳で俺たちは、町も村も近くに無い何も無い荒野へと移動した。
「俺は日頃プロレス三昧でほとんど少女隊に負けた事がない。此処でも壱対弐でやることにする」
「分かったの‥‥」
「特にハンデは不要ですが、いいでしょう!負けても人数のせいにはしないでくださいね」
「分かっているよ」
想香は問題じゃない。
やはり気をつけるべきは狛里だ。
ん?
「一応言っておくけど、魔法は禁止だからな」
「うっ。どうして僕がやろうとしている事がバレたのでしょうか?」
「想香だからな」
やっぱり何か姑息な手を使おうとしていたか。
今や想香も俺に近い数の魔法が使えるようになっている。
合体すると魔法や能力の共有が可能だからだ。
そんな訳で想香なら、あらゆる手を使いたくなるだろうと俺は予想していた。
「じゃあ始めるの‥‥」
「よし、何時でもかかってこい!」
俺がそう言うと狛里は、初めて出会った時のようにいきなり襲いかかってきた。
いや、初めて出会った頃よりも圧倒的に疾く威圧感が半端ない。
しかしそれはセーラースカーフの効果によるスーパーなんちゃら人的なものであり、実際は弱くなっているはずだ。
それでも狛里の魔力は格段に高い訳で、ちゃんと魔力を抑えてくれないとヤバいぞ。
尤も想香もそうだけれど、俺はオリハルコンアメーバ人間なので、物理ダメージは食らわないんだよね。
例え猛烈なパワーで地面に叩きつけられる事があっても、水玉風船が割れるように破裂するだけだ。
そして直ぐに元に戻る事ができる。
心配は地面、第四大陸の方だ。
頼むから世界は壊さないでくれよ。
狛里のチープなウエスタンラリアットが飛んできた。
というか腕で首を殴ると言った方が正しいか。
プロレスのセオリー的なものなんてなにもない。
俺は狛里が振った腕に合わせて逆方向に体を入れ、背中に回り込んで体を掴んだ。
ジャーマンスープレックスだぜ!
「そうはいかないのです!狛里さんを助けるのです!」
「いや、ちょっと、おまっ!」
想香は俺の後ろに回って狛里を助けようとした。
しかしそんな所に立たれたら‥‥。
狛里の頭が想香の頭に直撃し、両者諸とも地面に叩きつけた。
「うおー!痛いのです!」
痛覚はほとんど機能させていないとは言え、全く感じないと問題があるので多少は感じられるようになっている。
そりゃ頭同士ぶつけ合えば痛いだろう。
「私は平気なの‥‥」
見ると想香の頭だけが大きく凹んでいた。
顔が歪んで気持ち悪い。
想香の見た目はみゆきな訳で、むしろもう一心同体なのにこんな気持ちにさせないでくれ。
なんて事しやがる。
そんな事を思っている間に、立ち上がった狛里が再び向かってきた。
狛里は手刀で俺の首から肩辺りを狙ってくる。
俺は直ぐに狛里との距離をこちらから詰めて、今度は狛里の懐へと入った。
そしてセーラー服の胸ぐらを掴み、体をひねる。
少女隊とのプロレスでこの技を使うと、少し胸の感触が伝わってきて邪念に包まれるのだけれど、今日はそういう事はなかった。
残念‥‥、じゃないよ?
「背負投げじゃ!」
「投げ飛ばされちゃうの‥‥此処を掴めば大丈夫なの‥‥」
狛里は俺の顎辺りを掴んだ。
そんな所を持っても叩きつければ‥‥。
俺が狛里を地面に叩きつけようとしたら、彼女は遠心力を利用して自ら前方に体を投げ出した。
「うげっ!」
首が持っていかれる。
狛里は上手く足から着地して、俺の顎に手をかけたまま頭を持ち、スローイングするように体を地面に叩きつけようとした。
「狛里さん任せてください!」
想香はそう言って、俺が叩きつけられそうな所で膝を立てた。
俺の体をエビ折りにするつもりか?
でも狛里のパワーだと‥‥。
声が出る間もなく俺は想香もろとも地面に叩きつけられた。
というか、大気圏から二人で落ちてきたように、地面に大きなクレーターが一瞬にして形成された。
辺りが大きく揺れる。
こりゃ町でも地震騒ぎになるんじゃないか?
建物が壊れていなければいいけどなぁ。
俺も想香も体はアメーバ状になって飛び散っていた。
しかし当然この程度で死ぬ事はない。
直ぐに体は元の状態へと戻っていった。
「俺の負けだよ‥‥」
「ちょっとやりすぎたの‥‥負けそうになってつい力が入ったの‥‥」
「いや、まあしゃーなしだな。今度プロレスをする時は、バグ世界でやることにしよう」
「策也タマはまだやる気なのですね‥‥」
「負けたままじゃ悔しいからな」
今回のプロレスは一瞬にして俺と想香が負けた。
想香は狛里の味方だから、勝負は引き分けだな。
でも勝者は狛里だった。

そんな休日を過ごした次の日の午後、俺たちはダンジョンの入口へと向かっていた。
様子を見ていたけれど、これ以上第五大陸から法螺貝野郎たちが来る気配はないからね。
「今日もダンジョンではレベルを上げながら行くわよぉ~。当然撫子ちんもねぇ~」
今日も撫子には戦ってもらう。
『|絶対共産主義《まっかなおんなのこ》』は強いし、それで魔力が吸い取られないよう『|減税《プロテクトプロパティ》』の魔法も完成させている。
魔封じ耐性、或いは魔力ドレイン耐性を付与する魔法だ。
必要な時にこれをかけておけば、魔力を吸われても問題が無い俺や狛里だけから吸い取らせる事も可能って訳ね。
「はい。レベルが上がると戦うのも楽しくなってきますね。それに今回は皆様に迷惑をかけなくて済みそうですから、わたくし、心置きなく戦えそうです」
いや前回も結構普通に戦っていたように思うぞ。
むしろ本質は戦闘向きなんだよな。
第五大陸に行ったら転職するのも有りかもしれない。
そう思いながら何気にコンソール画面で撫子の情報を確認していたら、|職業《クラス》が『戦闘司祭』に変わっていた。
おい!
どうやら能力がふさわしい所まで上がれば、肩書も変わるのね。
転職の泉は、まだまだ能力がついていかない第一大陸でこそ必要とされる場所だったのかもしれない。
孔聞だっておそらく転職せずに今の強さを得ていたら、ふさわしい職業に変わっていたのだろう。
さて俺たちは町の中心部へとやってきた。
此処にダンジョンへの入口がある。
見た所そこは、ダンジョンの入口といった風ではなかった。
いかにも神殿といった建物ではあったけれど、コレはコレで既視感もあるように思えた。
その神殿のような所に入ると、そこはダンジョンらしいダンジョンだった。
自然の洞窟とは思えない。
人の手によって作られた感じがする。
つまりこのダンジョンはそういう設定の場所なのだろう。
というか初期RPGのダンジョンそのままなんだよな。
進む方向は東西南北だけで、階層を上り下りするのは階段。
一旦下りてから再び上る事もあったりしたけれど、なんとなくこのダンジョンもそのような気がした。
まずは地下一階へと下りる。
思った通りの階段だ。
やはりこの世界は日本人が作った世界だろう。
どう考えてもあのゲームやあのゲームみたいだ。
となると最初に出てくるモンスターは当然スライムかウサチャンか。
現れたのはウサチャンだった。
しかしこの世界に来て最初に倒したウサチャンとは色が違っていた。
いかにも邪悪そうな毒々しいダーク紫色をしている。
はいはい、これもまたゲームでよくある『色違いで強さが桁違い』って奴だ。
同じモンスターの絵柄を使い回す為に、色と名前とステータスを変えてくる。
手抜き世界にもほどがあるな。
「ウサチャンなのです!でもちょっと色が可愛くないのはどういう事でしょうか?」
「呪われているみたいなの‥‥」
いやある意味そうかも知れないけれど、それはまた別ものだと見た方がいいぞ。
「何にしてもこの程度のモンスターなら楽勝じゃねぇか」
「無視して進んでも問題なさそうですね。つまりこのダンジョンは難易度が低いのでしょう」
土筆と孔聞は、モンスターを無視してダンジョンを進もとした。
するとダークなウサチャンはいきなり魔力を高めて襲いかかってきた。
「うおっ!なんだ?ウサチャンとは思えない魔力とスピードをしているぜ?」
「見た目は色が違うだけなのに、どうしてこのウサチャンはこんなにもポテンシャルが高いのでしょうか?」
いやそりゃゲーム世界だからだ。
と言って話が通じそうなのは想香だけ。
「理由は分からないけどぉ~、別のモンスターだと思った方が良さそうねぇ~」
「そうみたいなのだ。強いモンスターだと思って対処するのだ」
「それにしても違和感が半端ないですね。この見た目でこの大きさなのに、魔力はドラゴン並みにあるのですから」
撫子の言う通り、何気にドラゴンと同レベルの強さを持っている。
どう考えてもおかしいよね。
俺みたいな転生者ならゲーム世界だと思って割り切れば納得できるだろうけれど、他の面子はそうもいかないようだった。
しかしそんな事、異世界じゃ当たり前だと思うんだけどな。
狛里なんてただの可愛い女の子だけど、実際は魔神と呼ばれるほどの強者でもある。
強さが見た目だけじゃ判断できないのは、常識の世界なんだけどね。
とは言え強いと言ってもドラゴンクラス。
うちのメンバーは既に人間の到達出来得るレベルを超えて来ている。
色違いウサチャンなんて敵ではなかった。
結局雑魚モンスターは雑魚モンスターとして俺たちは蹴散らし、一階層目をくまなく探索していった。
ただモンスターを倒して深く潜れば良いというダンジョンではないって事は、既に情報としてある。
ならばRPGの定石通りに行かないとね。
そんな訳で俺たちはじっくりとダンジョンを進んでいった。
するといきなり地上に上がる階段が見つかった。
こういう所は先に上がって、場所を確認しておく必要があるだろう。
宝箱とか何かがあるのが定石だ。
「ここは上がっておいた方がいいのかしらぁ~?」
「もちろんだ。このダンジョンはとにかく面倒だと聞いている。きっとこういう所にも何かがある」
「そうなのねぇ。それじゃあ上がりましょう~」
そんな訳で俺たちは階段を上がってみた。
少し上った先の天井には、押し開けられそうな扉があった。
「開けるぜ?」
「罠とかないのだ?」
「まだ地下一階にある場所だし、大丈夫だろう?」
知らんけどw
俺の言葉を聞いてから、土筆はゆっくりと天井の扉を押し開けた。
するとそこは森の中だった。
「こんな所にダンジョンの裏口があんのか?」
「木々で覆われて見つけにくそうですし、外からは開けられない形です。つまり外からは入れないようになっていますね」
まあ扉を開けっ放しにしておけば、再び入る事もできそうだ。
そう思っていたのだけれど、皆が地上に出た途端にドアは自動で閉められた。
「つまり自分たちはダンジョンから追い出されたって事になるのではないでしょうか?」
「そのようですね‥‥」
噂通り面倒なダンジョンのようだな。
尤も、この程度の扉ならぶっ壊して中に戻る事も可能だけどさ。
「どうすんだ?」
「町に戻って入り直すのだ?」
「そうねぇ~。この程度の扉なら壊して戻れない事もないわよねぇ~?」
天冉はそう言って狛里を見た。
「大丈夫なの‥‥ぶっ壊すの‥‥」
「ちょっと待て狛里!こういうダンジョンで常識外の行動がどう作用するか分からない。中には町から戻ろう」
ゲームモデルの世界だからなぁ。
変な事するとまたバグが発生しそうだ。
第三大陸のように。
あの時は上手く行ったけれど、今回もそうなるとは限らないからな。
「残念なの‥‥」
狛里は扉を壊したかったのか。
いやでも、やはりそれはしない方がいいだろう。
俺は周りを見回した。
此処には俺の鑑定に引っかかる植物が大量にあるんだよな。
「この場所は破壊しない方がいい。おそらくだけれど、ここに出たのには意味があるんだ」
俺がそう言って手を広げると、撫子もそれに気がついた。
「あら、この辺りは素材になる薬草やキノコなんかがたくさん生えているようですね」
「本当ですね。コレは全部集めておきましょう!お金になるかもしれません!」
想香はやっぱり少女隊に似てきている。
集めるのとお金が大好きとか。
いや、俺も好きなんだけどね。
そんな訳で俺たちは、この辺りに生えている素材になり得る全てを集めていった。

集められる物を全て集めきった俺たちは、一度町へと戻って再びダンジョンへと入って行った。
先ほどの場所までは直ぐに到着した。
まだ地下一階だからね。
一応先ほど出た階段を上り、少し開けて外を確認してから次へと向かう。
「さっきの場所だな」
「出たら閉まるかもしれないのだ」
「もう出る必要はないでしょう」
開けた扉はそのままにして、土筆たちは階段を下りてきた。
するとまもなく扉は自動で閉じられた。
やはり開けっ放しにはできないか。
「それじゃぁ~ダンジョン攻略再開よぉ~」
こうして俺たちは再びダンジョン攻略の続きへと戻った。
一階は全て見て回り、地下二階へと下りる。
景色は先程までとまるで違いはなく、ほとんど迷路に迷い込んでいる感じだ。
尤もこういう時は、左なり右なりの|壁伝《かべづた》いに歩いて行けばいい。
ダンジョン攻略の基本だね。
でもそれでは行けない場所が存在する事もあったりするから、交差点やT字路ではどちらから来てどちらに進んだかは印を付けておく。
妖凛ストレージにマップ保存もしてあるので、あくまで確認の為だ。
そんな感じで俺たちは、順調にダンジョンを攻略していった。
三階層目では、外に出た時に集めた素材が活躍した。
素材を順番に並べていかないと開かない扉があったのだ。
尤も俺たちなら扉をぶち壊す事も可能だと思うけれど、そんな事をすると第五大陸には行けない可能性もある。
だからできる限りダンジョンのルールにしたがって進んでいった。
五階層目、再び俺たちの行く手を遮る黒い影‥‥。
じゃなくて扉があった。
「何々?ゴブリンとオークとコボルトの魔石を順番通りにはめ込めだと?」
「魔石はドロップ率が低いのだ。雑魚でもなかなか落とさないのだ」
「それに魔石なんてわたくしたちが持っていても使い道がありませんから、手に入っても直ぐに売ってしまっています。どこかで買ってくる必要がありそうです」
「でも高いのだ。俺は錬金術師だから魔石を扱うけど、貴重品だから持ってないのだ」
魔石か。
この世界だと魔石のドロップ率は低いんだよなぁ。
俺たちなら狩り場に行けば直ぐに手に入れられるとは思うけれど、第一大陸で派手な事はしたくないよ。
このダンジョン、とにかく面倒すぎる。
第五大陸に行くのをあからさまに拒否されている気分だ。
「みんな、自分がギルドマスターであるという事を忘れてはいないでしょうね?ギルド運営をしていたら、結構色々なレアアイテムが集まってくるもんなんですよ」
そう言って孔聞はプレイヤーズギルド用のアイテムボックスから三つの魔石を取り出した。
ギルドマスターは、ギルドの所有物を別のアイテムボックスで預かる事ができるようだ。
当然ギルド所有物は自由に使えるものではないけれど、闇太ギルドに所属している八人は此処に揃っている。
全員の許可があればそれは自由に使えた。
扉を開けて入ると、直ぐに何処かで見たような場所に到着した。
「此処はなんだ?」
「よく分からないのだ。何かの魔法装置のようなのだ」
俺はそこにある装置のような物を一目見て、それが何なのかを悟った。
これはおそらくセーブポイントだ。
このダンジョンはただ潜って行けば良い所ではない。
再び地上に出る事もある。
しかしさきほど開放した扉は既に閉まっている。
そうすると、毎回潜るたびに先ほど扉を開けた魔石が三つ必要になってくる。
流石にそれはゲームとしては厳しすぎるのだ。
ならば直ぐにここまで戻ってこられる何かがあると考えられた。
「こちらに何かが書かれてあるわねぇ~」
「セーブポイント?ですか。瞬間移動の魔法で、この場所が記録されるようです。つまり魔法やアイテムで直ぐにこの場所には戻って来られるって事ですね」
まあ予想通りだな。
「町にも直ぐに戻れるみたいなのだ。この石に触ると町に飛ばされるようなのだ」
「そうなの‥‥」
そう言って狛里はその石に触れていた。
「おいっ!触ると‥‥」
狛里の姿は一瞬にして目の前から消えていた。
「このように飛ばされるみたいなのです」
想香がそう言った瞬間、狛里は直ぐに目の前に戻ってきた。
「戻って来るのも楽なの‥‥」
狛里は瞬間移動魔法は使えなかったはずなのに。
魔神だから何でもアリだな。
「今私たちわぁ~、この場所へ瞬間移動する為の座標が記録されていないわぁ~。此処から一旦町に戻る事で戻って来られるようになるみたいねぇ~」
「じゃあ一旦町に戻んのか?」
「そうねぇ~。だったら今日はこの辺にしてぇ~、町で休む事にしましょう~」
天冉の言葉に、皆が頷いた。
こうして俺たちのダンジョン攻略初日は、地下五階までとなった。
まだまだモンスターが弱い段階でこれだけ時間がかかるとは。
噂通り面倒なダンジョンのようだ。
百階層以上あるとなると、一ヶ月を超えるかもしれない。
ゲームを楽しんでいた頃は、長く続く方が多く楽しめた記憶がある。
でもリアルに動くのはやっぱりダルいと思った。
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