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闇太ギルドを取り戻せ!日頃の行いが悪かった?

憲法には二つの意味がある。
一つはルールブックとしての意味。
どうやって国家政府を運営するのかということ。
そしてもう一つが|國體《こくたい》だね。
その国がどういう国なのかが憲法典には記されている。
もちろん憲法典には記されていない部分も多々あるけれど、当然全てを書き記しておく事はできない。
どんな国なのか説明したら、無限に表現できるだろうしね。
だからその国の『特に重要な部分』だけが憲法典には記されているのだ。
つまりその国で当たり前の常識と云われるものは、憲法典には書かれていなくても実は全て憲法なのである。
では法律とはなんだろうか。
その守られるべき常識(憲法)が守られなくなった時など、改めてルール化され記されたものである。
或いは常識が守られなかった時の罰則を定めたものだ。
それは法に、『犯罪抑止』と、犯罪によって被害にあった人が泣き寝入りしなくても良いようにする為の役割があるという事である。
つまり法治国家というのは、法によって『因果応報』がなされていると言えるのかもしれない。
或いは悪い事に対してだけなので、『人を呪わば穴二つ』かな。
悪い事をした人には、必ず報いを受けてもらう。
もしかしたら法律っていうのは、人が神の力を得る為に定められたものとも言えるのかもね。

この日の朝早くから、移動用の家の外では奇乃子と孔聞が模擬戦のような事をしていた。
俺は寝ながらもいくつかの意識思考で辺りを警戒しているので、ある程度全ての状況は把握している。
簡単に言うと奇乃子の魔道具が完成し、孔聞がそれを試しているといった所かな。
俺は気になって外へと出てみた。
ほう、なかなか使えそうな魔道具が完成したみたいだな。
奇乃子と孔聞は双子冒険者を相手にした時など、何度かコンビを組んで戦っている。
だから奇乃子は、孔聞の戦いに必要なものを十分に把握していた。
魔道具の一つは『|長籠手《ロンググローブ》』だ。
指の部分は出ていて、拳と肘での攻撃ができるようになっている。
そして腕で敵の攻撃をガードできる、か。
素材は見た目皮のようだけれど、伸縮自在の金属オリハルコンが使用され強度は万全だ。
もう一つはミリタリーブーツ。
孔聞の五十歩百歩真拳は、五十歩から百歩の距離でも一瞬に距離を詰められる技。
それがこのミリタリーブーツに付与された効果により、左右や後ろにも移動できるようになっている。
まさに香車が飛車になったような感じだ。
更に前に飛ぶ場合、百歩が二百歩までパワーアップされているようだった。
そしてこの効果によって、ヒットアンドアウェイの繰り返しが可能になる。
つまり連続五十歩百歩真拳になる訳だ。
技の最初に魔力をある程度ためておく必要が有るけれどね。
これにハマれば、同レベルの相手なら確実に殺られるな。
でも俺がこの魔道具で最も評価したいのは、逃げ足が速くなる事か。
これは俺の中だとかなりポイントが高い。
戦いはまず生き残る事が重要だからね。
尤もこの世界じゃ、冒険者だと死にたくても死ねないようだけれどさ。
「孔聞が強くなりすぎたのだ!自分で言うのもなんだけど、俺は凄いのだ!」
「いいえ。自分の実力があっての力ですよ。でも一応礼は言っておきます。ありがとうございます。いつかこの借りは必ず返します。簡単に返せるようなものではないと思いますけれど」
孔聞もなんだかんだメチャメチャ認めているみたいだな。
いや正直俺でもどういう理屈でこのアイテムが動いているのか分からない。
神眼で調べれば術式は分かるのだろうけれど、少なくとも俺が今持っている常識を破らないとできない魔道具だった。
「奇乃子、どうやら完成したみたいだな」
「改心のデキなのだ!これほどの物がデキてしまうと、正直自分用もそろそろパワーアップさせたくなるのだ」
「素材なら昨日色々と調達してきたから、必要な物があれば言ってくれ」
「分かったのだ。でも今日は眠いので、昼前まで寝るのだ」
「自分も寝ます。昼前に出かける準備をすれば大丈夫でしょう」
「そうだな」
まったく、午後から決闘があるかもしれないのに、孔聞はちゃんと寝ておけよ。
まあ徹夜は奇乃子だけで、孔聞はそれなりに寝ていたとは思うけれどね。
とりあえず俺は一旦家に戻って、ゆっくりと朝食をとるのだった。

昼少し前、みんなは少し早い昼食をとっていた。
おいおいみんな|朝昼兼用《ブランチ》かよ。
良いけどさ。
俺不老不死だから別に食事をとらなくても大丈夫だし。
しかし不老不死ってどういう理屈で体を維持しているんだろうね。
念力の永久機関的な感じなんだけれど、動力と言うかエネルギーを作る力というのが時間って事になるんだよな。
川の流れで発電するように、時の流れで発念する。
こんな夢のような事が現実にあっていいのだろうか。
本当に異世界って最高だよ。
そんな事を考えている間に食事は終わり、外で待っていた俺の所に皆が集まってきた。
全員が家から出た事を確認すると、俺は移動用の家をアイテムボックスに収納する。
今更だけれど、『移動用の家』ってネーミングはなんとなくダサイ気がしてきた。
だいたい家にいる間に移動しない訳だし、日本語的にもおかしい気がする。
正確には『移動している時用の家』なんだよね。
狛里や想香の持っている『独身用の家』は、最近『携帯用の家』と呼んでいるらしい。
気持ちは分からなくはない。
だったらこの家も『携帯用の家(大)』とか呼んだ方がしっくりきそうだ。
ただ文字なら分かりやすいけれど、言うとなると面倒だな。
ガゼボの方なら『携帯ガゼボ』で良いけれど、みんなの家の方はもう少し良いのを考えた方がいい。
!‥‥。
「おいみんな!これから移動用の家は『みんなの家』と呼ぶ事にするぞ。異論は認めない」
「どうしたの‥‥いきなりなの‥‥いきなり妖女隊って呼ばれるよりもビックリするの‥‥」
悪かったな。
妖女隊って呼んでなくて。
でも呼ぶのも呼ばれるのもお互い恥ずかしいだろ?
「何かが突然天から降って来たに違いないのです」
「今更言葉のおかしさに気がついただけに決まっているわぁ~」
これ天冉や、本当の事を言うんじゃありません。
「何でもいいのだ!でもみんなの家の方が可愛いのだ!」
「そうだな。可愛いは正義らしいからそれでいいんじゃねぇか?」
「そうですね。ただ二十も部屋があるのに此処には七人しかいません。みんなとは誰なのか知りたい所です」
孔聞は一々面倒くさい奴だ。
とはいえ一応他にも仲間の為にとってある部屋はある。
今でも猫蓮や陽蝕、或いは|尾花《すすき》や雪月花たちの部屋は空けてあるんだよな。
ちなみに尾花ってのは、現在イスカンデルの神である北都尚成の嫁だね。
そして雪月花というのは、猫蓮の眷属である三人娘だ。
つまり六人の部屋は今もキープしてあるって事になる。
百万診が使っていた部屋は既に天冉が片付けたから、空室は五部屋という事だな。
「そんな事はどうでもいいとしてぇ~、昨日色々調べた土筆ちん。闇に昇る太陽、略して|闇太《あんたい》ギルドのメンバーが集まっている場所は分かったのかしらぁ~?」
天冉、人が気になっている事を『どうでもいい』と切り捨てるのは無慈悲だぞ。
つかその略し方は大丈夫なのか?
とことん孔聞には冷たい気がするのだけれど、気の所為だろうか。
その略名がフラグにならなければいいけどな。
「闇太ギルドの連中が集まっているとされる砦はチェック済みだ。此処から北西にあるマップ【緑の里】の森の中みてぇだぞ」
「そう。じゃあ早速そこへぇ~‥‥」
「ちょっと待ってください。行く前に儀式をしておきます」
これからいよいよ闇太ギルドの砦へ向かおうとした所で、孔聞がそれを止めた。
何か儀式をするとか言っているけれど、一体なんだろうか。
「儀式ってなにかしらぁ~?」
「これは自分の固有能力なんですが‥‥まあ見ていてください」
孔聞はそう言うと、拳を地面に叩きつけた。
するとそこに拳よりも少し大きめの穴ができる。
更に横にもう一度拳を叩き込み、二つ目の穴を開けた。
すると孔聞は何やらブツブツと語りだす。
「人を呪わばアナスタシア‥‥我が名は堀田孔聞!そしてもう一人の名は闇に昇る太陽のギルドマスター、中村太郎!聞き入れよ!二つの穴!」
なんか微妙な能力名と‥‥ギルマスの名前がモブっぽいぞ。
嫌な予感しかしないな。
ちなみに『アナスタシア』ってのは何処かの国では一般的な女性の名前で、『復活』という意味があるらしい。
孔聞の儀式とやらが終了した。
「それはどういう儀式なのだ?」
「この能力は、名前にもある通り呪いです。但し呪いと言うのは、必ず自分にも返ってくるものですよね。だから日頃の行いによって、良い事も返ってくるようにしています。そして最高に良いのは、この呪いの効果がある間は、死んでもお互い復活できる点です。決闘の前にこの呪いをかけておけば、死なないので安心できるんですよ」
面白そうな能力だな。
既に神眼でコピーは可能か。
ただ使う事はあまりなさそうだけれどね。
日頃の行いなんてどう判断していいのか難しいし。
でも戦いに個人の行いが影響するってのは面白いよ。
この世界の神は、討伐対象になるほど日頃の行いが悪いとされている。
ならばこの能力を使えば効果を発揮しそうなんだけれど、死なないで復活する辺りがネックだよね。
しかし呪いと言うにはあまりに優しい呪いだな。
「それじゃ~まずは【緑の里】にある緑の町に行きましょう~。一度は町に寄って第四大陸にチェックを入れておかないとねぇ~」
そう言えばまだ町に寄っていないメンバーもいたな。
それをしておかないと、奇乃子なんかは死んだ時自力で戻ってはこられないだろう。
死からの復活は、最後に訪れた町や村の教会だから。
「ではまず緑の町に行くか!準備はいいか?」
「オッケーなのだ!」
俺の言葉に、一同頷き返事を返してきた。
瞬間移動魔法を発動すると、直ぐにみんなは光に包まれる。
次の瞬間には緑の町の前に立っていた。
「それじゃぁ~行きましょうかぁ~」
天冉に従い、俺たちは一旦緑の町へと入った。
町に入って直ぐに俺たちは驚いた。
「なにこれ?‥‥モンスターに襲われた後みたいなの‥‥」
狛里の言う通り、まさに町はそんな感じだ。
大きな建物ですら崩れていたり、道には戦闘の形跡が見られた。
「この町には結界が張ってありました。どうしてモンスターが町中で暴れたような痕があるのでしょうか?」
「俺には分からないのだ。一体何があったのだ?」
「モンスターを召喚できる奴はいるよな。サモナーの仕業じゃねぇのか?」
みんなの言う通り、町中でモンスターが暴れるなんて普通はありえない。
防壁を破壊して入ってくる事はあるけれど、今も結界は生きているし防壁に損傷は見られない。
ならば|召喚師《サモナー》しか考えられないか。
原因を調べたい気持ちもあるけれど、今はそれよりも優先する事があるよな。
「はい、みなさ~ん。この町が荒れているのは気になるけどぉ~、まずは闇太ギルドの方からよぉ~」
天冉はそう言うと、今入ってきた町の防壁門の方へと引き返そうとした。
しかし狛里の言葉に足を止める。
「天冉ちゃん‥‥何かあったのなら放ってはおけないの‥‥助けに行くの‥‥」
狛里の言う事も尤もだ。
とは言え孔聞が決意して此処まで来たのだから、そちらも放ってはおけない。
ならば‥‥。
「そうねぇ~。だったら狛里ちんと想香ちんは、この町で何があったのか調べてくれるかしらぁ~?」
「分かったの‥‥」
「オッケーボス!大船に乗ったつもりで任せてほしいのです」
想香を連れて行くのは、回復魔法が必要な時の為だろう。
でも想香が『大船に』なんて言うと逆に不安になるよな。
俺は一寸神を召喚し、想香の肩へと乗っけた。
「連れて行ってくれ!」
あっ、別に小さくする必要はなかったかな。
でも国盗りクエストでは一寸神ばかり使っていたから、そっちの方が慣れてしまったんだよね。
魔法も魔力操作も省エネで楽だし、俺ほどの魔力があれば小さい事はデメリットにはならない。
そんな訳で俺は、そのまま一寸神を使う事にした。
「それじゃあ私たちは闇太ギルドの砦に行くわよぉ~」
天冉に促され、俺たちは狛里と想香を町に残して砦を目指した。
ただし場所は誰も行った事がなく、ボスの情報を頼りに林を進んだ。
しばらく林を歩いただろうか。
間もなく強大な魔力が遠くから感じられた。
俺は尾花から探知魔法を拝借しており、魔力探知の能力は上昇しているんだよね。
それによると神クラスに近いモンスターの魔力が三つと、人間の魔力が一つと判断できた。
しかし人間の魔力は、失くなったり戻ってきたりを繰り返すようにそこにある。
一体何がどうなっているんだ?
「目的地方面から強大な魔力を感じるぞ。それも三体だ。人間も一人いるかもしれない」
「あらそれは大変ねぇ~。急ぎましょう!」
天冉がそう言って走りだすと、俺たちもそれに続いた。
直ぐに沢山の木々が生えていた林を抜けると、目の前には砦らしきものが見えた。
ただしそれはもう砦の体を成していない。
ボロボロに崩れ去っていた。
動く影が三体視界に入る。
大きなドラゴンのようなモンスターだった。
「何なのだあのモンスターは?俺は見た事がないのだ!」
「俺は見た事があるぜ。あの赤い奴はな。アレはレイド戦で倒すべきボスモンスターと呼ばれる『マグマドラゴン』だな」
なるほどこいつがマグマドラゴンか。
実際に見るとゲームの時とは迫力が違うな。
いや、今となってはゲームの時の方がドキドキしたかもしれない。
マグマドラゴンは、第一大陸のレイド戦に現れるイベントモンスターだ。
この世界では定期的に、同じ場所・同じ町にイベントモンスターがやってくる。
そういう仕様なんだよね。
という事は、こいつは此処にやってくる仕様なのだろうか。
否。
そんな所にわざわざ冒険者ギルドは砦を造らないだろう。
それにマグマドラゴンは第一大陸に出てくるボスだ。
第四大陸にも出てくる仕様かもしれないけれど、少なくともこれがイベントだという感じはしない。
何故なら、冒険者が集まってきていないからだ。
もしかしたら町に出たモンスターとも関係があるのかもしれない。
だとするとコレもサモナーの仕業か?
だとしてもボスモンスターを三体も召喚できるなんて、普通に考えてありえないよなぁ。
他の二体もボスモンスターって保証は無いけれど、そいつらも確実にマグマドラゴンよりも強そうなんだよね。
「レイドボスなんて普通倒せねぇぜ?此処は一旦逃げる事を進言する」
「そうなのだ。あんなのは相手にできないのだ!」
「いえちょっと待ってください。あそこで倒れているのは‥‥、自分の代わりにギルマスをしている中村太郎こと『海坊主』さんです!」
中村太郎、ギルドでの呼称が『海坊主』ね‥‥。
見た目からそのままじゃないか。
頭がツルツルのおっさんといった感じだ。
その海坊主が立ち上がると、直ぐにモンスターに殺されていた。
どうやら復活しては殺されを繰り返しているみたいだった。
これはおそらく人を呪わばアナスタシアの効果によるものか。
死んでも死んでも教会に送られる事はなく、ずっとこの状態を繰り返しているようだ。
殺られるたびに苦痛に溢れる声を上げる海坊主。
直ぐに復活してもまた殺られる海坊主。
この呪いの魔法はヤバすぎるのではないだろうか。
いや、不老不死ってそういうものだって事は、俺は猫蓮を見て知っていたはずだ。
実際に目の前で最悪な状況を見ると、恐ろしさが肌で感じられた。
この地獄は、呪いの効果が続く限り続くのだろう。
海坊王、こいつ絶対日頃の行い最悪だわ。
しかし見ているだけってのも心が痛む。
「助けてやるか」
「そうねぇ~。私も丁度自分の力を試したいと思っていた所なのよ。策也ちんは赤いのと黄色いのをお願いねぇ~」
「了解。ボス・奇乃子・孔聞は離れた所で待機していてくれ。アレは俺たちでなんとかする」
「へいへい」
「分かったのだ」
「了解しました」
三人は少し離れた瓦礫の向こうに身を隠した。
さて天冉は、この中で一番強そうな黒いのを殺るってのか。
まあ百万診が中にいるのなら、おそらくは余裕か。
百万診は武闘派では無いし、魔力も神の使いにしては低い方だけれど、天冉が本気になればおそらく敵にはなり得ない。
俺は妖糸で二体を一気に斬り刻んだ。
モンスターは血飛沫をあげていたけれど、直ぐには絶命しなかった。
あれ?思ったよりも強いなこいつら。
流石はレイドボスか。
「うわっ!何が起こったのだ?いきなりモンスターが殺られているのだ!」
「いやもう驚かいと決めたじゃねぇか」
「レイドボスがこんなにアッサリと殺られるなんて見た事がありません」
いやまだ殺ってないし。
手を抜く調整も本当に難しいよ。
「ダイヤモンドソード!」
俺は約百のダイヤモンドソードを召喚し、それを全て二体の敵に突き刺した。
今度は流石に絶命し、二体のモンスターは弾けて消えた。
ドロップアイテムは自動で俺のアイテムボックスへと収められる。
見ると魔石とドラゴンの鱗だった。
魔石は貴重だな。
こりゃラッキー。
さて天冉の方はどうなっているかな?
天冉は遊んでいた。
元々動きは疾いので、攻撃を食らうような事はないだろう。
そんな中、ジックリといたぶるように攻撃を繰り返していた。
武器は俺が作った羽衣のようにヒラヒラした羽衣袖。
フェンリルとなった尾花に乗っても振り落とされないようにと作った物だったけれど、今では完全に武器として使いこなしている。
これを自在に操り、天冉は敵を斬るのだ。
ちなみに想香の巫女服の袖も、似たような使い方ができるようになっているんだよね。
狛里のリビングバンテージもだけれど、俺たちは妖糸を使った武器を愛用していた。
「すげぇな天冉も、バケモンだ。マジであんたたち一体何者なんだよ‥‥」
「異世界人の友達って言うくらいだから、もしかしたらみんな宇宙人なのだ。強すぎるのだ」
「この世界を侵略にでも来ているのでしょうか?自分は仲間になって良かったんですかね?」
言いたい放題言われているな。
俺はみんなの所に向かって歩きながら答えた。
「いや別に侵略が目的じゃないよ。ただ悪い奴がこの世界にいるから、そいつを倒すために来たって感じかな」
流石に異世界人の友達を呼んだら言い訳できないよね。
この世界の神にバレるリスクはあるけれど、話せる所は話していくしかない。
そんな事を思っていると、天冉がモンスターを倒しきっていた。
少しずつ攻撃力を高め、どの程度で倒せるのか確認しているようだったな。
「百万診ちんの力があるから楽勝だったわぁ~」
そう言って天冉が戻ってきた。
「素の天冉でも一応勝てるレベルだったんだろ?」
「荒魂を使えばねぇ~。でもアレはなるべく使いたくないのよねぇ~」
天冉の荒魂というのは、分かりやすいたとえをするならバーサクモード。
それでとにかく強くなるけれど、あまり見た目がよろしく無い。
周りに被害が出る場合もあるので、天冉は今まで極力戦わずにいた。
でも百万診の力を得た事で、荒魂を使わなくても結構戦えるようになったから戦ってみたって所か。
ちなみに俺や想香も、天冉の一霊四魂をコピーしているので荒魂が使える。
しかしオリジナルの欠点を改良したものとなっており、使いやすいけれど威力は落ちる能力となっていた。
「俺は驚かないのだ」
「俺も驚かねぇよ」
「この世界の悪い奴を倒しに来たと言うのなら信じましょう」
納得してくれたなら良かったよ。
「あらこの世界に来た目的、話しちゃったのねぇ~」
「ああ。この世界の悪い奴を倒しに来たってね」
こういう話が出てくると、狛里や想香なら普通に全部話してしまいそうだな。
まあそうなったらそうなった時か。
この世界じゃこいつらも死なないし、なんとかなるだろう。
ただ逆に、この世界の神をどうやって倒すのかってのは、まだ今の所分からないんだよなぁ。
アナスタシアを使わなくても、当然不老不死だろうし。
やっぱり『垢バン』しかないのかねぇ。
「さてそれは良いとして、この人が孔聞ちんの探し人でしょ?」
気がつくと天冉の後ろに海坊主が立っていた。
「孔聞か‥‥」
「海坊主さん‥‥」
お互い再開した時には、おそらく決闘を決意していたに違いないのだ。
しかし海坊主は助けられ、なんとも言えない気持ちになっている。
孔聞も海坊主が地獄を味わっていた事に責任を感じているのかもしれない。
何度も何度も、苦痛の中で死ぬのを繰り返していたんだからね。
「何しに来たんだ?」
「闇に昇る太陽のギルマスに戻る為に来ました」
「いいんじゃねぇか?でももう、孔聞が望むメンバーはいないかもしれないぞ?」
そう言えば今更だけれど、海坊主の魔力は孔聞よりも小さく感じる。
今では孔聞よりもかなり強いという話だったけれど、どうなっているんだ?
「どういう事ですか?何かあったのですか?」
「何かって?今見ただろ?俺たちはバケモノモンスターが砦を襲ってきたから、ずっと何日も戦っていたんだ。でもその中でみんなレベルが下がって、気がつきゃほとんどもう戻ってはこなくなっていた」
何日も戦っていた?
それでこの海坊主はおそらく何度も死んだのだろう。
そのたびにレベルが下がって、気がついたらこの有り様か。
三日で十くらいは下がるからな。
もしかしたら一週間くらいは戦っていたのかもしれない。
或いはもっとか。
「撫子は?|大和撫子《やまとなでしこ》はどうなりました?」
「ああ。あいつならさっきまでいたぜ?また戻って来るんじゃないか?あいつだけだったよ。今日まで戦い続けていたのは‥‥」
なるほど。
孔聞と海坊主の反応を見てなんとなく分かったよ。
孔聞はその撫子って女性の為に此処まで頑張ってきたんだろうな。
取られた女を取り戻す為か。
或いはその撫子が、孔聞がギルマスとして戻って来るのを待ってくれていたのか。
「自分は、此処で撫子が戻って来るのを待ちます。どうやらギルマスにも戻れそうですし、もう助けてもらう事も何もないですね。皆さん付き合ってくれてありがとうございました」
なんだかスッキリしないな。
凄く空気が重い。
『ははは、ギルドは俺が乗っ取ったぜ!』『返してもらいにきた!勝負だ海坊主!』
みたいな展開を想像していたんだけれどさ。
自分のギルドを取り戻すために今まで頑張ってきたのに、その時が来たらもうギルドはほとんど崩壊状態だった訳だ。
それでも取り返せたなら、一応目的は達成できた事になる。
だけどこれをハッピーエンドと言って良いのだろうか。
「じゃあな。俺はやるだけやったし、跡は孔聞に引き継いだ。俺は別で一からやり直すぜ‥‥」
海坊主はそう言って立ち去ろうとする。
しかし立ち止まって俺たちの方を見た。
「所であのモンスターは何処に行っちまったんだ?あんたたちがおっぱらったのか?」
見ていなかったのか。
死んでも意識は此処に残っているものだと思っていたけれど、衝撃が大きければ気絶している事もあるのかもね。
「何処かにいっちゃったみたいねぇ~。良かったわぁ~」
「そうか‥‥」
天冉、迷わず嘘をつくー!
まあ強さってあまり見せない方が良い事は、今まで散々味わってきているものな。
狛里の強さは散々アピールしまくって、抑止力にしていたけれどさ。
思い起こせば天冉は、あまり問題にもしていなかったか。
海坊主は去っていった。
なんとなくだけれど、こいつとはもう二度と会わないような気がする。
そんな奴が案外神を討ったりするかもしれないけれど。
この後俺たちは、しばらく無言で立ち尽くしていた。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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