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ウインバリアに神降臨

道理や常識で考えるというのは、過去から学ぶという事である。
その道理や常識を持ってどれだけ話をしても、上手く分かりあえない人というのはいる。
それはその人が違う過去を見ている場合もあるけれど、多くの場合過去から学べない|輩《やから》だからだ。
自分の経験だけが常識だと考えるのである。
だから人は争わないのではなく、争いを避けようとするのだ。
話の通じない人に常識を説くよりも、別々に生きられるのならその方が幸せだからね。
逃げるが勝ちと云うけれど、本当に逃げられるのならそうした方がいい。
立ち向かう相手と方法を間違えてはならない。
おそらく敵や障害と思っているものは、そのほとんどがきっとどうでもいいものだから。

教会で目が冷めた時、中に差し込む光は少し赤みを帯びていた。
そう言えば教会に魂が送られてから、復活には六時間はかかるんだったな。
俺が目を覚ましたという事は、こいつらもおそらくもう目覚めているはずだ。
俺は立ち上がり、まだ眠ったように横になっている二人を見下ろした。
おそらく復活が完了していなければ、この場所に姿すら現さないはずだろう。
何故なら、先に目を覚ました奴に何をされるか分かったものではない。
こいつらが寝たフリを続けているのはどうしてだろうか。
何かイタズラされるのを待っているのだろうか?
いやそれはないな。
今下手にスキンシップを楽しんだら再び死ぬ事にもなりかねない。
「策也ちゃん‥‥私たちも‥‥コンビ名が欲しいの‥‥」
「少女隊だけ‥‥ズルいのです‥‥可愛い名前を付けてほしいのです‥‥」
‥‥。
寝言のつもりなのだろうか。
狛里の場合は、昔の喋り方とほとんど変わらなくて違和感がないぞ?
でもコンビ名か。
少女隊は俺と一心同体だから少女隊と名付けた。
こいつらは俺にとってなんだろうか。
嫁‥‥は少女隊もそう呼ばれてしまっていたな。
むしろ年齢的には娘、或いは孫のレベル。
「よし分かった。お前たちのコンビ名は『孫娘』だ!」
ほら朝なんとかの企画でデビューした『モーニングなんちゃら』みたいで可愛いよな?
「微妙なの‥‥もっと可愛いのがいいの‥‥」
「それに孫でも娘でもないのです‥‥全然あってないのです‥‥」
我儘いう奴らだなぁ。
だったら萬屋狛里と兎束想香だから‥‥。
「じゃあ『|兎犬《うさぎいぬ》』だ!どうだ可愛いだろ?」
「‥‥」
「‥‥」
「狛里の狛は狛犬の狛だろ?だから兎と犬で兎犬だ!」
「もう一息なの‥‥」
「少女隊みたいなのがいいのです‥‥」
全く面倒くさい。
少女隊みたいなのが良いなら、適当に似たようなのを付けるか。
こいつら子供だし、だったら‥‥。
「じゃあ『幼女隊』な!これでいいだろ?」
「私別に幼女じゃないの‥‥」
「そうです。もう大人なのです‥‥」
「いやお前ら勘違いするな。そういう意味の幼女じゃないぞ?妖しい大人の女性って意味の『妖女隊』だ。お前らにピッタリじゃないか!」
逆の意味でな。
「‥‥採用するの‥‥」
「おおまけにまけてそれでいいのです‥‥」
ようやく納得してくれたか。
しかし俺はこれからこいつらの事をそう呼ばなければならないのか?
音で聞いたら完全に『幼女』と勘違いするに違いない。
どう捉えられるかは本人次第という事で、もう俺は知らんぞ。
そんな訳で何故か突然二人のコンビ名が決定した。
『妖女隊』ね。
尤もこの先使うかどうかは気分次第だ。
「さあそろそろ起きろ妖女隊!日が沈む前にもう一度村の外に出るぞ」
「もうお腹が空いて動けないのです」
「美味しい物が食べたいの‥‥」
そう言いながらも二人はゆっくりと立ち上がった。
「とにかくまずはモンスター一匹だ!誰かが一匹でも狩れれば、後はなんとでもなる!そしたら俺が食材を探して料理してやるから」
この体だとマジで腹が減るな。
早く不老不死の体に戻らないと、ちょっとやってられないぜ。
「分かったの‥‥」
「策也タマが頑張ってほしいのです」
まあ俺一人で行ってもいいんだけどさ。
何処か納得いかないんだよね。
「よし行くぞ!」
俺は二人の手を取って、引きずるように教会を出た。
少し薄暗くなり始めている。
確か夜になると魔物は強くなるんだよなぁ。
さっさと村から出て弱い魔物を探さないと。
とは言え村の外にはまだあいつらがいるかもしれない。
俺たちになんとかできるのだろうか。
いやなんとかする必要もないよな。
出会わないように考えればいいのだ。
そういえばこの村には出口がもう一つあったな。
そちらから出れば見つからずに済むかもしれない。
先ほどは北側の出口から出たので、今度は南側から出る事にした。
出口にはほとんど人がおらず、なんとなく平和そうな気がした。
「よし!さっさと行くぞ!」
「美味しいものが食べたいの‥‥」
「僕もたらふく食べたいのです」
「後もう少しだ。頑張れ!」
俺は二人を励ましつつ、引きずるように二人を村の外に連れ出した。
しばらく歩くと‥‥はい、遠くに奴らの姿が見えてしまいました。
避けたつもりが再びこいつらのいる方に出てくるなんて。
流石にレベル壱の最弱冒険者。
運も何もないようだ。
「みんな別れるぞ!誰か一人でいいからモンスターを狩って力を取り戻すんだ。そしたら他のメンバーも楽勝で助けられる!」
「終わったら美味しいもの‥‥」
「大丈夫だ。用意してやる!」
「お腹いっぱいがいいのです」
「牛一頭分でいいな?」
「約束‥‥」
「なのです」
「分かったから。俺はこっちに行く。狛里はそっち、想香はどっち?まあ適当に行くぞ!」
俺はそう言って森が見える方へと走っていった。
狛里と想香もそれぞれ別の方向へと走り出した。
直ぐに気がついた奴らは、別れて俺たちを追ってきた。
ずっと走って逃げていたらいずれ追いつかれるだろう。
奴らの装備の方が重そうだけれど、レベルが圧倒的に違いすぎる。
森に入って姿を|晦《くら》まし、そこでモンスターを狩るのだ。
しかしマジで体が重いな。
しかも腹が減っているからか、体が思うように動かない。
腕が伸びる海賊とか、スーパーなんちゃら人が腹を減らせて弱くなるシーンを何度も見てきたけれど、アレはマジだった。
今の俺も強さが半減しているに違いない。
元々強さもへったくれもない弱さだけどさ。
俺は必死に森の中へと入って行った。
よし、ここならそう簡単には追っては来られないだろう。
ゲーム通りの設定なら、レベル五十くらいで人を探せるような魔法は使えない。
後は見つからないようにモンスターを見つけるのだ。
すると直ぐにモンスターは見つかった。
流石に森の中はモンスターが多いみたいだ。
日が既に沈んでいてかなり薄暗い。
これは夜へと切り替わっているな。
モンスターはウサチャンか。
できればスライムの方が良かったけれど、なんとか倒すしかないだろう。
攻撃力はスライムよりも下。
動きが速いので逃げられないようにしないとな。
俺はじっと身を潜めウサチャンを狩るチャンスを窺う。
チャンスは一度だけかもしれない。
「こんな所にいやがったか!」
しまった!
ウサチャンに気を取られ、こっちのPKおっさんの事を忘れてしまっていた!
ウサチャンはおっさんから逃げるようにこちらに向かってきた。
チャンスだ。
おっさんに殺られる前にウサチャンを殺る!
逃げてきたウサチャンが跳ねた。
俺の顔の横を通り過ぎようとする。
俺はタイミングを合わせて、ウサチャンの前にナイフを出した。
ウサチャンは自らナイフに突き刺さってくれた。
よし!やったぞ!
一気に俺の魔力が元の状態へと戻ってゆく。
ウインバリアにようやく神が降臨だぜ!
俺は直ぐに隠密の魔法を発動してみた。
この魔法は使えるようだね。
どの魔法が使えるかは調べていかないと分からないから、これから一つずつ見ていかないとな。
「一瞬何か凄い力を感じたが‥‥。アレ?どこ行きやがった?又隠れたのか?」
もうお前に俺は見つけられないよ。
俺は一気に上空へと上がった。
飛行魔法は当然使えるな。
なんの攻撃魔法が使えるのかはまだ分からないけれど、コレは使えるだろう。
俺は『追尾マジックミサイル改』を発動した。
この魔法は、見た事のある人物を探す探索魔法の効果をマジックミサイル改に付与したものだ。
マジックミサイル改とは、マジックミサイルという命中率百パーセントの初心者用攻撃魔法に全属性を付与したものになる。
魔法は普通に発動され、三つの矢が地上に向かって飛んでいった。
この世界ではどうやらある程度の魔法が引き継がれているようだな。
そもそもウインバリアというゲームは、ある時からオリジナル魔法が作れる仕様になっており、おそらく大丈夫だとは思っていたけれどね。
三本の矢は全て命中して、三人のPK野郎を瞬殺していた。
チートが戻った俺の敵ではないよ。
どうやら狛里と想香も無事なようだ。
そして今の俺なら、モンスターくらいは直ぐに見つけられる。
俺は再び森に降りて、ウサチャンを二匹捕まえた。
そして直ぐに狛里の所へと向かった。
テレパシー通信は使えるかな?
『想香!狛里の所に集合だ!』
あ、使えるみたいね。
でも向こうからの返事は無かった。
仕方ない。
一人ずつ回収するか。
俺はまず狛里の所へと行き、狛里にウサチャンを倒すよう促した。
「こんなに可愛いの‥‥殺すの残酷なの‥‥」
「今回だけだ。コレ以降はもう倒さなくていいから」
そう言って無理やり狛里の持ったナイフにウサチャンを突き刺した。
これで狛里も元に戻ったな。
直ぐに想香の所へと行き、想香にも同じ事をさせた。
「テレパシーが聞こえました!でも返事はできなかったのです!」
「そうだな。でも直ぐに使えるようになるよっと!」
ウサチャンが想香の持つナイフに刺さって絶命した途端、想香も元の魔力を取り戻していった。
ウサチャンは姿を消し、肉素材だけが残っていた。
さてようやくだな。
魔力はレベル百五十程度に見えるようになっている。
神と神の使いはそういう風になるように決められているんだよね。
だけれどこの世界にどんな人がいるのか分からない以上、できるだけ抑えておいた方がいいだろう。
確か俺がゲームをしていた頃は、トッププレイヤーのレベルは百くらいだった。
それから三十年以上経っている世界だから、おそらくもっと強い冒険者が沢山いるに違いない。
俺はレベル百くらいの魔力に見えるように抑える事にした。
「魔力を抑えるのですね?だったら僕はこれくらいにします」
想香は微妙に俺よりも強いくらいの魔力まで抑えた。
俺よりは強く見られたいんだろうなぁ。
狛里は‥‥抑えずそのまま百五十くらいだった。
後は体をオリハルコンアメーバ人間にして衣装も戻す。
普段の卵色パーカーになった。
妖凛を食ってから、実はデフォルトもオリハルコンアメーバ人間になったんだよな。
でもこの世界ではそうもいかないようだ。
後は神眼の確認も必要だな。
能力を整理して、魔眼、邪眼、千里眼、鑑定眼、深淵眼、暴露眼など能力ごとに分けたのだけれど、この中で千里眼と暴露眼は世界の仕様上使えないようだ。
千里眼とは広範囲サーチと遠すぎて見えない物まで見える眼。
暴露眼とは、それが何なのか本質を見極める為の眼だ。
例えばモンスターが化けた人がいれば、それを見抜きどんなモンスターかも分かる。
魔力からその正体を暴いたりもね。
概ね特殊な眼が必要なものが使えないといった所かな。
俺がアルカディアの神になるまでに使っていたものだね。
テレポテーションはやはり思った通り五百メートルが限界かな。
瞬間移動魔法は、一度行った町の入口なら飛ぶ事ができそうだ。
それではいよいよ最も大切な能力をチェックしよう。
これが使えれば俺はとりあえず大勝利‥‥。
キター!使えるぜ!
『闇の家』さえ使えれば、イスカンデルから物を持ち込み放題にできる。
そしてアルカディアから既に闇の家に持ち込んでいた物もね。
闇の家とは、イスカンデル出張時に使えるようになった、おそらくは俺固有の能力。
『深淵の闇世界に行く』魔法で、行った先に俺は秘密基地のような家を造った。
これで俺は、そこへの行き来が自由にできるって事になる。
「喜べ妖女隊!闇の家が使えるぞ!これで何時でも飯は食えるし、今まで装備していたアイテムも使えるぞ!」
「本当ですか!?ならば早くご飯が食べたいのです!」
「もうお腹が減って動けないの‥‥」
アイテムよりもやっぱり飯かよ。
「よし!じゃあ闇の家に行くぞ!」
俺は闇の家に通じる闇の穴を目の前に展開した。
ここに落ちれば、闇の家に行ける。
直ぐに想香が飛び込み、狛里が続いた。
そして最後に俺が飛び込んで、闇の穴を閉じた。
尤も、この闇の穴に入れるのは極一部の仲間だけである。
イスカンデルにいた頃、この中に入った事のある者だけが何故か入れる仕様となっていた。
そしてこれも何故かは分からないけれど、狛里だけは両方の世界を行き来できる事が分かっていた。
中に入ると、少女隊の気配を感じた。
「よしよし、あいつらちゃんと仕事をしているみたいだな」
俺がイスカンデルから帰って来た後、少女隊と出会えるのは此処だけとなった。
この闇の家を介しても、異世界へは移動できないからね。
そうすると少女隊は、俺の影としては全く仕事ができない事になる。
それがどうやら寂しいようで、何か仕事が欲しいと奴らは言い出した。
ならばこの闇の家の管理を任せると言ってみたら、大喜びでその役を引き受けてくれた。
今まで料理は絶対にしなかった二人だったけれど、料理でも俺の役に立てるのが嬉しいらしい。
それ以来少女隊の二人には、メイドとしてこの闇の家の管理を任せていた。
「おかえりなさいませ御主人タマ!なのです!」
「おかえりなさいませ御主人タマ!なのね!」
メイドになって依頼、俺の事は『御主人様』と呼ばせていた。
『様』じゃなくて『タマ』になってるけどさ。
「ははは。ウインバリアに行っても此処には来られたよ」
今日から出張だから、しばらく会えない可能性がある事は告げていた。
しかしそれはいらぬ心配だったよ。
「御主人タマなのですー!」
「会いたかったのねー!」
二人は俺に向かって走ってきた。
でも油断はできない。
俺たちの再会は常にプロレスなのだ。
「今日こそ一本取るのです!」
「御主人タマ覚悟なのね!」
「甘いわ!」
俺は二人の攻撃をかわしてウエスタンラリアートを御見舞する。
そしてそのままの勢いで二人の顔面を鷲掴みにし、流れのままに後頭部から頭を地面に叩き落とした。
大きな地響きが起こる。
うむ、今日も平和だなぁ。
「御主人タマはやっぱり容赦ないのね」
「ほとんど勝った記憶がないのです」
「勝ちたいなら北都尚成になればいいじゃないか。あの姿なら俺とスペックは同じはずだぞ?」
北都尚成は、俺と一心同体である少女隊が合体してなれるもう一人の俺の事だ。
そしてイスカンデルの神でもある。
ほぼ現時点では同一の神であり、俺がアルカディアとイスカンデルの神をやっているようなものだ。
ただ北都尚成がイスカンデルの神を始めてからは別々に生きる事となり、そこから少しずつ別人へと変わっていってはいるのだけれどね。
それでもこの闇の家は、俺たちを繋ぐ能力として残ってくれていた。
「北都尚成になって勝っても面白くないのです」
「そうなのね。プロレスは男同士でやっても楽しくないのね」
普通は男女でやるものでもないと思うけれどな。
まあこいつらにしたらそうなのだろう。
「それじゃ菜乃、妃子。狛里と想香がお腹を空かせて死にそうなんだ。何か用意してやってくれるか?」
「お願いします。もうお腹が空きすぎて幻覚が見えているのです」
「美味しいの‥‥たのむの‥‥」
「任せてほしいのです!」
「即行レンチンするのね」
レンチンかよ!
いやまあ別にいいんだけどさ。
冷凍食品も美味いものは美味いし。
一応言っておくけれど、この世界に電子レンジなんて物は存在しない。
でも魔法で電子運動を早める魔導具は作れた。
俺は魔法や魔導具の開発を続け、色々便利にしているのだよ。
ちなみに少女隊も神様になってからは暇らしく、ずっとこの闇の家だったり闇の魔法実験場で開発をしているらしい。
どんな物ができているのか、そのうち聞いてやるとしよう。
「チーン!チーン!」
どうやらできたみたいだな。
少女隊が料理を持ってやってきた。
俺たちは既にソファーに腰掛け待っていた。
「おまたせなのね!」
「たーんと食べて大きくなるのです!」
テーブルに料理が並べられると、狛里と想香は直ぐに料理を食べ始めた。
相当お腹が空いていたようだ。
しかしおかしいよなぁ。
俺は不老不死の体に戻ってからは、空腹という感覚を味わう事はできても、それほど苦しかったりはしない。
でも妖女隊の二人は凄くお腹が空くようなのだ。
それを望んでいるからなのかねぇ。
まあお腹が空いた方が、料理も美味しく感じるだろうし。
それからしばらくは、皆無言で料理を食べ続けた。
少女隊が料理を持って来ても、直ぐに妖女隊が平らげる。
その繰り返しだった。
そしてそれは二時間ほど続いた。

食事が終わった後、妖女隊の二人はそのままソファーで眠りについた。
一気に食ったらそりゃ血糖値が上がって眠くもなるか。
不老不死の体にそんな事が起こり得るのかどうかは知らないけどねw
「じゃあ俺も、ちょっと早いけれど風呂に入って寝るか」
こうしてウインパリアでの初日が終わった。
さてさてこれからこの世界でどんな冒険が待っているのか。
俺は頭の中でやるべき事を整理しながら眠りにつくのだった。
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