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奇乃子の成長とダンジョン攻略

積み上げて来たものが一瞬にして崩れ去る。
そういう事も時にはあるけれど、努力して積み上げて来たものはそう簡単には崩れない。
努力は必ずしも報われるものではないけれど、必ず何かのプラスにはなる。
目指した所に辿りつけなくても、その横にある何処かには行けるかもしれない。
もしかしたらその何処かは、目指した所よりも上の世界である可能性もある。
努力は裏切る事もあるけれど、少なくとも選択肢を増やしてくれる。
目標があるのなら、努力には方向性が重要だ。
きっと効率の良い努力の仕方というのも存在するだろう。
だけれど無駄の多い努力だって、使えば何かの役には立つ。
結局のところ、努力できる者が勝利を掴む可能性が高いって事だね。
それは決して運ではない‥‥。
人生は運だという要素も無いわけではないけれど、『半分以上は努力でなんとでもなる』と努力し続けた人は知っている。

ダンジョンに入って三日目、とうとう俺たちは最下層の地下五十階に到達していた。
此処まで順調に奇乃子もボスもレベルを上げ、今では百六十三にまで達している。
正直凄いスピードで成長していると言えるだろう。
死んでも俺たちが生き返らせる訳で、それがあったからという部分もきっとある。
或いはレベル不相応な超強力武器を持っている事も、レベルが早く上がる要因だろう。
でもやはり本人たちの気合とやる気が、この短期間にレベルを上げさせているのだろうな。
「もしかしたら俺、蘇生魔法が使えるかもしれないのだ!」
「マジか?!」
「何度も蘇生してもらっている内になんとなく分かったのだ。多分スクロールなどのアイテムを作る事は可能なのだ」
錬金術師としての芽が開花してきたか。
今は魔法使いじゃないけれど、奇乃子は元魔法使いでもある。
アイテム付与が可能なら、おそらく使う事もできるはずだ。
「じゃあ次にボスが死んだら試してみるか」
「ちょっと待てよ。死ぬ事前提かよ。俺はもう死ぬつもりはねぇぞ!」
そうは言ってもボスくん、これからラスボスとの対戦なんだよ。
正直君たち二人では荷が重いと思うんだよね。
ボスを倒す為のレベルってのは、ゲームならだいたいダンジョンを進んでいけば得られるようになっている。
でも二人で進んでいくなんてのはあまり想定されていない。
二人パーティーならもう少しレベルが必要だろうな。
そんな事を思いながら突入してみたラスボスの部屋。
フレイムドラゴンが厳つい顔で待ち構えていた。
「ちょっとマジであのドラゴンと戦うのかよ?」
「勝てる気がしないのだ。これは流石にお助け希望案件なのだ」
「何を言っているんだ?此処までやってこられたんだから、こいつも普通は倒せるはずだぞ?」
まあ数回は死ぬ事になるだろうけれどね。
しかしフレイムドラゴンか。
なんとなくアルカディアにいる友人の七魅を思いだすな。
喋り方も見た目も割と奇乃子に似ている所がある。
神が世界を作る時、世界に住む人や魔物を一つずつ創る事は難しい。
だから世界を創る神は、大半の設定を自動化しているようなのだ。
そうすると似たような人物や魔物も別の世界にいる訳で。
もしかしたら奇乃子は七魅と何か繋がりがあるのかもしれないな。
確率的にはほとんどゼロに近いだろうけれどね。
「くそが!やってやるよ!」
「ボス、落ち着くのだ!ちゃんと様子を見ながら戦うのだ!」
ボスは勇ましくドラゴンへ向かっていった。
でも考えなしに近づいたらヤバいよ。
ドラゴンがいきなり炎のブレスを吐く。
「あぶねぇ!でもこれくれぇなら‥‥」
ボスがそう言って避けた先に、尾の攻撃が飛んでゆく。
咄嗟に腕のトンファーで受け止めるけれど、ボスは吹き飛ばされ|敢《あ》え無くご臨終となっていた。
「ボス!だから様子を見ろと言ったのだ!うっ‥‥蘇生を試したいのだけどドラゴンが邪魔で厳しいのだ」
「狛里、想香。ちょっとドラゴンの動きを止めてやってくれ」
「分かったの‥‥ちょっと言ってくるの‥‥」
「僕は行く必要もないと思いますが、一応何かあった時の為にスタンバっておくのです」
そういって妖女隊の二人はドラゴンの所へと飛んでいった。
そして狛里はドラゴンに一言告げた。
「ちょっとだけ大人しくまってるの‥‥動いたら半殺ししてから回復させるの‥‥」
「狛里さんの言ってる事はマジですから。動かない方がいいのです」
いや流石に言ったくらいでは‥‥。
ドラゴンは急に大人しくなって居住まいを正した。
ドラゴンは賢いモンスターだ。
言葉くらいは理解できるよね。
そして狛里の恐ろしさも‥‥。
「ドラゴンが待ってくれているのだ!信じられないけど今の内に蘇生を試すのだ!まずは加護の蘇生からなのだ!」
ほう、『まずは加護の蘇生』ときたか。
つまり全ての蘇生が使えるのかな。
ちなみに蘇生には三種類あって、加護の蘇生、治癒の蘇生、癒やしの蘇生となる。
加護の蘇生は僧侶が使う神の力を借りる蘇生だ。
この世界を創った神や、天界の神などの力を借りる事になる。
魂に肉体を再生させるイメージで行い、最も確実な蘇生が可能となるね。
治癒の蘇生は、治癒術師の魔力によって体を再生させる魔法だ。
その肉体に魂を戻す形で行われる。
時間が経つと失敗する可能性も高くなるので、なるべく早い対応が求められる。
癒やしの蘇生は、とにかく死体を復元するだけの蘇生だ。
だから魂が肉体にとどまっている事が条件となり、死後十分以内とだいたい決まっている。
ちなみに他のは三十分以内ね。
死体状況によっても蘇生の成功率が変わってくる、精霊魔術系の蘇生だな。
他にも『闇の蘇生』という暗黒界などに住む闇の神の力を借りて行う蘇生もあるけれど、あまり一般的には使われない。
精神的ダメージがあるからね。
さて奇乃子の蘇生は上手くいったようだ。
神は奇乃子に味方してくれたか。
「くっ‥‥。奇乃子に蘇生される日がこようとはな」
「上手くいったのだ。さあ今度はちゃんと考えて戦うのだ」
「へいへい」
ボスが立ち上がるのを見てから、狛里はドラゴンにサムズアップして戦場を離れた。
想香もそれに続く。
そしてドラゴンは一息吐いて、再び奇乃子たちへの攻撃を再会した。
この世界のモンスターは、実は優しいのかもしれない。
やはりゲームモデルの世界だと改めて思った。
ドラゴンの攻撃は、先ほどと比べてキレがなかった。
手を抜いているのとは違うけれど、無意識にストッパーがかかっていると言うか。
気合とかやる気が感じられなかった。
「チャンスなのだ!テーザー銃!」
よく魔力が練られた強力な電撃麻痺攻撃がドラゴンに命中した。
「よしっ!カースエンブレム!」
ドラゴンの魔法防御が緩んだ隙をついて、ボスが呪いの魔法を放つ。
普通なら通用しない魔法も、少しずつ弱らせれば通用するか。
奇乃子は動きの重くなったドラゴンに、更にテーザー銃で直接攻撃を重ねていった。
ドラゴンの皮膚から血しぶきが飛び散っていった。
確実にダメージを与えている。
ボスのマーストンファーの攻撃も、状態異常をドラゴンに付与していった。
なんだかドラゴンが苦しそうだ。
狛里に脅され、その後状態異常だらけの苦しみに耐えるドラゴン。
可哀想に見えてくる。
さっさとトドメを刺してあげてくれ。
といってもこれだけでかいドラゴンに、奇乃子やボスの武器だと瞬殺とはなかなか行かない。
ジワリジワリと痛めつけ、最後はやっぱり魔法で仕留めるしか無かった。
「ライトニングアローエンブレム!なのだ!」
雷撃の鷹がドラゴンを瀕死の状態にする。
そして最後はボスか。
「デススペル!」
最後の最後に優しい死が与えられた。
よく頑張ったな、フレイムドラゴン‥‥。
あれ?いつの間にかドラゴンに同情していたな。
「やったー!ドラゴンを倒したのだ!」
「おう!なんだか魔力レベルも一気に上がった気がするぞ?」
本当ならもっと苦戦する相手だったよな。
やっぱりドラゴンには悪い事をした気がするぜ。
それでもとりあえずラスボスを倒した訳だ。
一応ダンジョンはクリアとなる訳だけれど、さて第三世界へと行く事はできるのだろうか。
「何かドロップされていたみたいだけれど、何が手に入ったんだ?」
俺はドラゴンにトドメを刺したボスに聞いてみた。
「そういや何かアイテムボックスに入ってたみてぇだな」
ボスはそう言ってドロップアイテムを取り出した。
見るとそれは宝石のような雫のような赤い石だった。
「魔石なのだ?」
「魔石とは違うみたいなの‥‥」
「中に星のようなのがありますね。これには四つあるように見えます」
中に星だと!?
ドラゴンボー‥‥ドラゴンシズクなんじゃねぇだろうな!
危ない危ない。
またパクリかよ。
そう言えば生前、ゲームウインバリアに関して伝わってきていた情報の中に、『パクリ批判』みたいなのもあったかも知れない。
もしかしてこれの事か。
となるとダンジョンを七つ廻って全部集める?
「それとこんな物もドロップしてたみてぇだぞ?」
ボスはそう言ってもう一つアイテムを取り出した。
もう一つあったのか。
「バンテージなの‥‥」
「反物ですね。自分で服を作れという事でしょうか?」
ドラゴンから反物がドロップするとか、少し想像できないな。
神眼で解析してみたけれど、この状態では単なる反物としか分からない。
「俺にもそれが何かは分からないな。ただ、ダンジョン攻略が第三大陸に行く為に必要な事だとしたら、それらのアイテムが何かしら必要なのだと考えられる。一度ギルドで確認してもらうのも良いかもしれない」
教えてくれるかどうかは分からないけれど、とにかくこれらのアイテムが俺たちに必要なのは間違いないだろう。
売ったりはせず、まずは確認が必要だと考えられた。

そんな訳で俺たちは直ぐにダンジョンを引き返した。
ダンジョンの外まで飛べるゲートもなく、瞬間移動魔法も封じられているようだからそうするしかない。
行きよりは楽に進む事ができたけれど、ダンジョンから出たのは次の日の昼過ぎだった。
俺たちはそれから直ぐに冒険者ギルドへと向かった。
狛里と想香は先に食事処のテーブルに着き、俺と奇乃子とボスは受付カウンターへと向かった。
「灼熱ダンジョンへ行ってきたんだが、このようなドロップアイテムが手に入った。なんだか分からねぇから鑑定を依頼できねぇか?」
「少々お待ち下さい」
ギルドの受付職員は、手元に置いてある対応マニュアル本のような物をパラパラとめくり確認する。
すると直ぐにそれは見つかったようだった。
「これはフレイムドラゴンのシズクと、反物ですね。鑑定はしなくても説明は可能です。その前に冒険者カードの確認をさせてもらっても宜しいでしょうか?」
「あ、ああ」
「冒険者カードなのだ」
俺は無言で冒険者カードを渡した。
するとカードを読み取り用の魔導具に置いて内容を確認しているようだった。
「えっと‥‥。秋葉原土筆さんと、秋葉原奇乃子さんは‥‥二人でパーティーを組んでおられるのですね?」
現在レベル上げの最中って事もあり、今は奇乃子とボスは二人パーティーに変更していた。
つか土筆も名字は秋葉原だったんだな。
「そうだな」
「そして此花策也さんは別のお二人とパーティー登録しておられると‥‥」
「ああ」
「このドロップアイテムは、秋葉原土筆さんがフレイムドラゴンにトドメを刺して手に入れたのでしょうか?」
「そうだが?」
「つまり貴方がた二人のパーティーの戦利品という訳で間違いありませんね?」
「間違いないのだ」
なんだろう。
このアイテムはその辺り何か関係がある物なのだろうか。
「このアイテムについての説明は、手に入れたパーティーメンバーだけにしかお話ができません。効果もそのようになっております。ですから此花策也さんは席を外していただけますでしょうか?」
そう言って受付嬢は二人を裏の部屋へと促すような仕草をした。
そんなアイテムなのか。
「それは構わないけれど、後で聞いたら同じじゃないのか?」
「いえ、聞いた話を誰かに話す事はできません。話してしまうとその効果が失われてしまうからです」
なんだか面倒なアイテムだな。
このアイテムの事は、このアイテムを手にした者のみが知る事ができる。
「分かった。俺はみんなと飯でも食って待っているよ」
「俺たちは聞いてくるのだ」
「俺も飯食いてぇんだけど‥‥。ちょっくら聞いてくるわ」
二人はそう言って、裏の部屋へと歩いていった。

俺が注文した料理がやってきた十分後、奇乃子とボスが戻ってきた。
「どうだった?と聞いても話せないか」
「まあな。ただ一つ言えんのは、今までの予定通りダンジョン攻略を続けるだけだ」
やっぱりドラゴンボー‥‥と同じようにドラゴンシズクを七つ集める必要がありそうだな。
「じゃあちょっと質問するけど、答えなくていいからな」
「なんだそりゃ?」
「気にするな。答えなくていいからな?まず、第三大陸に行く為に必要なアイテムなのか?」
「‥‥」
「‥‥危うく答えそうになるのだ」
ふむふむ、やはり関係がありそうだな。
「じゃあ次な。それを七つ集めればいいのか?」
「‥‥」
「‥‥俺は答えないのだ」
なるほどなるほど。
七つ集める必要はなさそうだな。
じゃあドラゴンボー‥‥よりもマシか。
「だったらその集める数はパーティーの人数に関係しているのか?」
「‥‥」
「策也は意地悪なのだ」
分かったよ。
集める数はパーティー数に関係がある、つまり二つの可能性が高そうだ。
「それで、次は何処のダンジョンを攻略するんだ?」
「‥‥」
「‥‥」
そこはもう答えてくれていいんだけどね。
「アイテムの話はおしまいだ。とりあえず飯を食おう」
そう言って俺はきたばかりの食事を食べ始めた。
「俺も食うぞ!」
「注文をお願いするのだ!」
さてそうなると、俺たちもパーティーで三つのダンジョンをクリアする必要がありそうだ。
どういう風に第三大陸に行くのかにもよるけれど、もしかしたら別々になるかもしれない。
とはいえ死んで終わりの世界でもないし、一日あれば探せるだろう。
夜はおそらく町か村の宿屋にはいるだろうし。
そんな訳で次の日は、岩の荒野にある岩石ダンジョンの攻略に向かう事が決定した。

岩石ダンジョンは、第二大陸の始まりの草原から南西に八十キロほど離れた所にある。
ダンジョンレベルは灼熱のダンジョンよりもワンランク上との事だ。
どういう判断で此処を選んだのかは分からないけれど、決めたのは奇乃子とボス。
此処が最適と考えたのは、奇乃子の魔法の相性か、それとも第三大陸に行くのに都合が良いからかは分からない。
俺は最も難易度の高い『栄光ダンジョン』を推したのだけれどね。
ただ言えるのは、二人が十分に納得しているので問題はないだろうという事。
それだけでまあ十分かな。
二人のレベルが上がってきている事もあり、灼熱ダンジョンよりも進行はスムーズだった。
ボスが死ぬ事も何度かあったけれど、それは奇乃子の蘇生魔法を試す場として有効に利用された。
「どの蘇生魔法も十分に使えたのだ!回復魔法も楽勝なのだ!」
奇乃子の錬金術師としての目は良い。
俺の神眼ほどではないけれど、何度か魔法を見れば自分のものにできる可能性がある。
賢者が秀才だとすると、錬金術師ってのは天才か。
男になる魔法も割とアッサリ使えるようになるのかもな。
アルカディア仕込の『死んだら性別が戻る』ような、上辺だけの魔法じゃない完璧なやつがね。
現在魔力レベルは、フレイムドラゴンを倒したボスの方が上だ。
武器もマーストンファーの方がテーザー銃よりも上位武器となるのだろう。
でも戦いは奇乃子の方が上手いように見えた。
「素質だけを見たら奇乃子の方が神候補に近いよな」
「でもやっぱり女の子なの‥‥女の子じゃ神を倒せないの‥‥」
「女の子だと倒せないのは不公平なのです。世界の神様にもなれないのです」
それだけ見ると神の世界は女性差別かと思うかもしれないけれど、世界の創造神はほぼほぼ女性と決まっている。
死者の案内役も女神が行っている事が多い。
世界の神はむしろ一番下っ端な訳で、実は男性差別なんだよね。
地球もおそらくは遠い昔に作られた世界。
そして創造したのは女神なのだ。
天皇皇族は一番下っ端、世界の神である男系の子孫。
それを女系にしようって声は、地球の神の否定にも繋がるとんでもない発言と言えるだろう。
そこまで知るのは死んでからなんだけどさ。
それでも日本人はそれを肌で感じているのだろうか。
ずっと男系を守り続けて来たわけだし。
「想香は世界の神になりたかったのか?」
「まったくなりたくないのです。神になりたいなんて普通の女の子は考えないと思います」
なるほどそういう理由もあるのかもなぁ。
男女ではきっと求める幸せも違いそうだ。
そう考えると、俺はもしかしたら女性に近いのかもしれない。
そもそもみゆきがいなければ、神になんてなりたくなかったからさ。
ボスは、或いは奇乃子は神になりたいと思うのだろうか。
なりたくないのに無理をさせるのも気が引けるよなぁ。
俺はなんとなく、二人の戦いを見ながらそんな事を考えていた。
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