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課金ガチャは大成功?無理も通せば道理は引っ込む?

RPGだと大体共通するのが|下位職《かいしょく》と|上位職《じょういしょく》の存在だ。
大抵のゲームなら、スタート時は『|戦士《ファイター》』『|僧侶《クレリック》』『|魔道士《メイジ》』『|盗賊《シーフ》』の四種類が基本となる。
これらは下位職と呼ばれ、他にも、『|武道家《ぶどうか》』『|治癒術師《ヒーラー》』『|魔術師《ソーサラー》』『|魔法使い《ウォーロック》或いは女性の場合ウィッチ』『魔導師《ウィザード》』『|召喚師《サモナー》』『|鍛冶師《ブラックスミス》』等がよく見られる。
ちなみに魔導師や魔道士の『導』と『道』の違いは、導き手となっているか己の道に進んでいるかの違い。
或いは『師』と『士』も似たようなもので、自らの能力を極め先生と呼ばれる者か、あくまで自分や人の為に能力を発揮している者の違いがある。
どちらかと言うと『道』よりも『導』、『士』よりも『師』が上位になるけれど、人によって差は失くなる。
こういった下位職から、複数の職業を掛け持ちしたようなのが上位職だ。
或いは特別強力な能力を持っていたりね。
そういった上位職は、掛け持っている職の数によってレベル上げが難しくなる。
二つの職であれば二倍、三つ以上の職であれば更に倍レベルは上げづらい。
しかしレベルが上ってくるとその差があまり気にならなくなってくるので、やはり|職業《クラス》はできるだけ良い上位職が求められるだろう。
そんな訳で俺たち『秋葉原フォウ』は、その日の内から『欲望ズ』とは別行動で、まずは奇乃子の転職から始める事にした。

「そんな簡単に課金の泉は使えないのだー!」
「大丈夫大丈夫。たかが五億じゃないか」
確か俺がゲームを終えた時、金は三十億ほど持っていた気がする。
つまり五億くらいならきっと直ぐに集められるはずだ。
俺たちチートだしさ。
ただドラゴンとか、強くて金を持っていそうな所から調達するような事は難しそうだ。
そこがゲーム仕様の世界の辛さか。
盗賊から奪うにしても、きっと第一大陸にいる盗賊団は大して金を持っていない。
ならば狩りをして真っ当に稼ぐしかなかった。
確か一番金が稼げたのは、マップ『金の岩山』だったかな。
「それで奇乃子は金の岩山へは行った事があるのか?」
「無いのだ。まだそんな所で戦えるほど強くはないのだ」
「じゃあ走って行くか」
「えっ?」
「楓の町からだと三百六十キロくらいだから、ゆっくり走っても六時間で着くな。いや最初の村に一旦飛べば三時間半くらいで着けるか」
「何恐ろしい事さらっと言っているのだ?!隣の動物の森には行った事があるから、そこまでなら連れて行くのだ!」
「ん?そうか?走った方が鍛えられると思うんだけどな。まあその後死ぬほど頑張る事になるからいいか」
「嫌な予感しかしないのだ‥‥」
なんて言っているけれど、ドワーフのくせに魔法使いで此処までレベルを上げてきたんだ。
どんな特訓にもついて来られるだろう。
別に命の危険に晒そうって訳でもないし。
そんな訳で俺たちは、一旦森の国に寄ってから金の村へと行き、岩山の狩り場へと移動した。
「ところでどうして俺までこんな所に来てるのだ?俺には倒せないのだ」
「ん?倒せるだろ?レベル七十の魔法使いなら、最大火力で魔法をぶち込めば二・三発で倒せると思ったが?」
「最大火力で二・三発とか、軽々しく言えるのはおかしいのだ!最大火力だと発動までに十五秒は時間もかかるのだ。戦うなんて到底無理なのだ」
「何言ってるんだ?今はお前一人じゃないだろ?心配するな。危険はないから、心置きなく最大火力でぶっ放せるよう魔力をためてくれ」
奇乃子はおそらく此処までずっと一人でやってきたのだろう。
だからどうしても一人で倒す事を考えてしまう。
この凝り固まった常識を、少しずつほぐしていってやらないとな。
無理も通せば道理は引っ込むはずだ。
「どんな戦いをしたらそんな事ができるのだ‥‥」
「こうするの‥‥」
「策也タマ、捕まえてきましたよ!」
狛里と想香が早速アイアンゴーレムを連れてきた。
三メートルくらいか。
思ったよりも小さかったな。
ゲームの時の感覚とは違うって事か。
「どうしてそんなでかいモンスターを、そんな涼しい顔で持って来られるのだ?!」
「だから俺たちは強いって言ってるだろ?さあ狛里や想香も一緒で良いから、最大魔法で攻撃してみろ」
「そんな事したら狛里ちんや想香ちんが死んでしまうのだ!」
「大丈夫なの‥‥」
「そうです。奇乃子さんのへっぽこ魔法程度では痛くも痒くもないのです」
確かにそうだけれど、そう本当の事を言ってやるな。
奇乃子がショックを受けるだろう。
「言ったのだ?俺の魔法がぺっぽこと言ったのだ?だったら望み通りにしてやるのだ!死んでも知らんのだ?!」
奇乃子はそう言って魔力を高め始めた。
ショックを受けるよりもキレて向かっていくか。
なかなか強い子だ。
戦いの中では冷静さも大切だけれど、キレて強くなる場合も往々にしてある。
新巻鮭の天冉もそうだったよな。
まあ天冉の場合、普段から別の意味で強かったけどさ。
「では行くのだ!ファイヤーエンブレム!」
おいその名前はどういう意味だ?
かなり強そうだけれど、なんでエンブレムなんだよ?!
奇乃子が放った魔法は炎の鷹となって、矢のように凄いスピードで想香の持つゴーレムへと体当たりした。
するとゴーレムは一瞬にして消滅し、そこに銀の塊を落とした。
「おっ!幸先がいいな。いきなり銀が落ちるか」
「なかなかの魔法だったのです」
「じゃあ次はこっちなの‥‥」
「何サラッと笑顔で生きているのだ?!マスタークラスでも即死コースの魔法なのだ!」
「常識の色眼鏡で見たら駄目なの‥‥事実だけを受け入れるの‥‥」
「その通りだ奇乃子。さっさとゴーレムを狩りまくるぞ!ドンドン集めてくるからお前が全部倒すんだ」
「分かったのだ‥‥もう何も考えちゃ駄目なのだ‥‥」
よしよしやる気になってくれたか。
それにしてもこの世界はこういう所が楽だよなぁ。
普通の世界だと強くなる為にはただモンスターを倒せばいいって訳じゃない。
他の世界だと魔獣との駆け引きや経験によって、本当の意味でのレベルアップが必要になる。
でもこの世界はゲーム仕様だ。
モンスターを倒しさえすれば、いくらでもレベルは上げられる。
尤も俺たちがレベルを上げられるような敵はほぼいないだろうけれどね。
「うおー!ファイヤーエンブレム!」
「次を捕まえてきたのです! ドンドン行きましょう!」
「ちょっと待つのだ!まだ魔力が‥‥」
「まだなの?‥‥二匹同時に捕まえてきたの‥‥」
「うおー!ファイヤーエンブレム!」
順調順調。
さて奇乃子は何処まで魔法を撃ち続けられるのかな。
魔力の容量は、平均で魔力レベルの百倍程度。
つまり普通の使い手が最大火力で魔法を放ち続ければ、百回撃てばだいたい打ち止めになる。
俺のように回復力があっても、このペースなら精々百二十回って所か。
俺は普通よりも魔力容量が七倍大きいから、おそらくそう簡単には尽きないけれどね。
尤も俺の場合は使用魔力のリミッターが無いに等しいから、単純に計算はできない訳だけれど。
ちなみに魔力容量のバケモノである想香は、魔力レベルの千倍以上の魔力容量を持っている。
正確には千四百倍だったかな。
想香はイスカンデルの『みゆき』の体を継承しているからさ。
俺の嫁がバケモノって話なんだけれどね。
奇乃子は疲れる様子もなく魔法を撃ち続けていた。
百回を超えても二百回を超えても疲れる様子は見えなかった。
この子も魔力容量が大きいか。
俺の周りにはどうしてそんな子ばかりが集まるのだろう。
ちなみに狛里も言うまでもなくバケモノである。
みゆきほどではないけれどね。

時間は流れ、気がつけば四百回を超え、千回を超えていた。
俺よりも魔力容量は上か。
強くなる素質が半端ない。
やはり男じゃ魔力容量では女に勝てないのだろうか。
別に容量が強さを測るバロメーターって訳でもないんだけどね。
しかし奇乃子も流石に疲れてきたように見える。
おそらくこの子の魔力容量は千倍って所か。
「疲れてきたのだ‥‥そろそろ休みたいのだ‥‥」
「何を言っている?疲れてからが本番だぞ?自分の魔力を感じてみろ!奇乃子のレベルは今ドンドン上がっている」
実際は疲れていてもいなくても関係が無いけれどさ。
限界までやっておけば、今後の戦いでそれが活かせる場面もあるだろう。
ほら言うじゃん?
自分がどれだけ酒が飲めるのか知っておけば、良い酒の飲み方が分かるって。
「本当なのだ‥‥信じられないくらい魔力が上がっているのだ‥‥」
逆らう元気もそろそろ失くなってきたか。
ん?コレは魔力をためきれていないな。
「ストップ!そこまでにしよう!」
俺がそう声をかけると、奇乃子は電池のキレた人形のように崩れ落ちそうになっていた。
「よく頑張ったの‥‥かなり強くなったの‥‥」
狛里は捕まえていたゴーレムを瞬殺して、奇乃子の体を受け止めた。
想香もそれを見てゴーレムを瞬殺した。
合計千二百体ほど倒したかな。
ドロップは、金塊が二十四、銀塊が六十、銅塊が四百三、鉄塊が七百十六で、魔石はゼロ。
ざっと計算すると合計五億三千二百四十七万八千円になる。
しっかりと五億円稼いだじゃないか。
時間にすると一時間に一億稼げた計算か。
俺たちが本気でやればもっと稼げるだろうけれど、モンスターの湧きが追いつかない。
稼げても精々倍くらいだな。
そんな訳で俺たちは、一旦動物の森にある森の町へと戻った。
そこで全ての戦利品を売ってしまう。
「あわわわわ。信じられないのだ。五億円本当に集まってしまったのだ。しかも俺のレベルが既にマスタークラスを超えているのだ」
奇乃子の魔力レベルは百三まで上がっていた。
そりゃレベル九十相等のモンスターを千二百体狩ったのだ。
それくらいにはなる。
「それじゃ早速課金の泉で称号変更するぞ!」
「えっ?今から行くのだ?もう暗くなり始めているのだ」
「それがどうかしたのか?」
「夜はモンスターが強くなるのだ。数が増えるのだ」
「大丈夫大丈夫。さっさと行くぞ」
「泉の村には行った事がないのだ」
「だったら走っていくの‥‥」
「隣の『林の町』までなら行けるのだ‥‥」
「だったらそこに行くのです!」
「少しずつお前らの対応に慣れてきている自分が怖いのだ」
こうして俺たちは林の町へと瞬間移動した。
瞬間移動して町の前に到着すると、奇乃子がいきなり奇声を上げた。
「やっちまったのだー!」
なんだよいきなり。
町に出入りしている人たちが不審な目で見ているじゃないか。
「どうしたの?‥‥」
「もしかしてウンコでも漏らしてしまったのでしょうか?」
うんこネタは少女隊の専売特許なんだけどな。
今はいないから想香が受け継ぐのだろうか。
「い、い、今の瞬間移動で、瞬間移動の魔法が覚えられたのだ!」
それは良かったな。
「おめでとー{棒}」
「おめでとうなの‥‥」
「それは良かったのです。これからは二万円が必要失くなるので沢山ご飯が食べられますね」
「あ、ありがとうなのだ」
奇乃子はやたら嬉しそうなホクホク顔をしていた。
そう言えば俺もゲームをしていた頃は、こういう気持ちにもなっていたかもしれない。
少しだけ喜びのお裾分けを貰った気がした。
さてその後は直ぐに町に入って、そして泉の村を目指した。
課金の泉は村の中にあるらしい。
かなり暗くなってきているけれど、村の中ならモンスターが出る心配もないだろう。
村に着くまでには結構なモンスターが襲ってきたけれど、狛里と想香が何事もなく倒してドロップも回収していた。
奇乃子のペースで走っているからな。
倒して追いつくのに何秒も必要はないのよね。
そんな感じで俺たちは走り続け、一時間ほどで泉の村に到着した。
もう辺りは真っ暗になっていた。
俺はライトの魔法を灯して村へと入っていった。
歩いている人もおらず、ただただ静かだった。
何処に課金の泉があるのか聞く必要があるかと思っていたけれど、それは直ぐに見つかった。
「これが課金の泉か」
「俺も初めて見るのだ」
「普通の泉なの‥‥」
「水が透明で凄く綺麗ですよ。とても美味しそうなのです。かなりお腹が空いてきました」
そう言えば森の町で食事をしてからずいぶんと経つな。
「コレが終わったら豪盛な食事にしよう」
「じゃあ早く済ませるの‥‥」
「えっと‥‥どうすればいいのだ?」
説明の立て札には、この泉に五億円分の金を投げ込めば良いと書かれている。
しかしこんなんで本当に転職ができるのかねぇ。
ゲーム世界はリアルからかけ離れた仕様が多いからちょっと戸惑うよ。
「この泉にとにかく五億円ぶち込めばいいみたいだな。でもその前に‥‥」
俺は奇乃子に『祝福』の魔法を掛けた。
特にラックが上がるようにね。
運を最大限高めて勝負しないと。
これで失敗したら、また明日同じ事をしなければならない。
まあこれだけ魔力も上がっているし、どんな職業になっても明日は倍は稼げると思うけれどね。
「何をしたのだ?」
「奇乃子のラッキーを上げたんだよ。きっとお前にピッタリの上位職になれる」
「でも魔法が使えない職になったら変更はしないのだ」
へぇ~、そんな仕様なのか。
選べるとは知らなかった。
「じゃあ行け!」
「五億は流石に惜しいのだ。投げ入れるのが勿体ないのだ」
五億は百万円金貨が五百枚だ。
相当重いけれど奇乃子は軽々とそれを投げた。
一応魔力レベルはマスタークラスだしドワーフだからな。
パワーはあるよ。
さて何が出るか。
お金を投げ入れると泉の色が金色に変わった。
「おお!コレは上位職がでる演出なのだ!」
そうなんだ。
そう言えばだいたい最高レアは虹色、レアは金色、アンコ(アンコモン)が銀色でコモンは銅色だったりするよな。
希望通り上位職なのはいいな。
後はどんな職なのか。
湖の中から、小さな妖精のようなのが出てきた。
そいつはプラカードに『|錬金術師《アルケミスト》』と書かれたものを持っていた。
「あなたは錬金術師になる事ができます。転職されますか?」
「錬金術師‥‥魔法職じゃないのだ‥‥」
ふむ。
錬金術師が魔法職じゃない、か。
奇乃子は知らないようだな。
この職業が魔法使いよりも魔法使いなのを。
「奇乃子、これは大当たりだぞ!お前は男になる魔法を求めて魔法使いになったんだよな?だったらアルケミストは最高だぞ!魔法を作ったり魔法を付与したりが得意なんだ。つまりまだ見ぬ魔法を覚えられる可能性が一番大きい職業でもある」
「そ、そうなのだ?」
「あくまで魔法使用にバフが付かないだけで、魔法に最も長けた者の称号だよ。これを受け入れよう!」
「わ、分かったのだ!転職するのだ!」
「畏まりました。では、今日から貴方は錬金術師です」
この職はいいぞ。
鍛冶職が付いているから、ドワーフもレベルが上げやすい。
たしか奇乃子は王様から専属鍛冶師になるよう言われていたんだったよな。
ならば既に鍛冶師としてのスキルはある程度持っているだろう。
普通上位職に転職した場合レベルがだいたい十四下がるはずだけれど、それが最小限で済むかもしれない。
奇乃子の体が少し七色に光り輝いた。
俺はその姿を見て、少し自分が死んだ時の事を思い出した。
気がついたら辺りは元の暗い景色へと戻っていた。
課金ガチャは大成功した。
「奇乃子、どんな感じだ?」
「おかしいのだ。転職したのに魔力が増えているのだ」
「なんだって?」
それはおかしい。
いくらなんでもそんな事があり得るのだろうか‥‥。
俺は自分の冒険者カードからコンソール画面を開いて、パーティーメンバーのステータスを確認してみた。
職業、錬金術師。
これはしっかりと変わっている。
魔力レベルは百三十八?
つまり単純に考えて、鍛冶師としてこいつは既に百七十三レベル相等の力を持っていた事になる。
錬金術師が魔法使いとして半分の能力と考えても、百五十五レベル相等。
鍛冶師なら既にドラゴンクラスだったんだ。
そりゃ王様も専属鍛冶師として欲しがる訳だよ。
とにかくこの職業は奇乃子にとって最高だ。
錬金術師なら武器を持って戦うのもデバフ対象にはならない。
もちろん魔法もだ。
普通に戦えて、普通に魔法も使える職業。
その上ドワーフにも適している。
「これで一歩第二大陸に近づいたな」
「なんか凄いのだ。忘れていた鍛冶師としての力も戻ってきたみたいなのだ。今なら何でもできそうな気がするのだ!」
「なんでもできるの‥‥。だからソロソロ美味しい物を作ってほしいの‥‥」
「そうです。錬金術で食事も沢山錬成してください」
流石に食事は錬成できんよ。
「分かったのだ!今日はギルド砦で俺が美味しい物を沢山作ってやるのだ!」
へぇ~、マジで食事が錬成できるって事はないよな。
肉を鍛え抜いて美味しいステーキに‥‥。
ありえんな。
そう思っていたけれど、ギルドに戻ってから奇乃子が作った食事は最高に美味かった。
単純に料理ができただけなんだけどね。
ギルドに戻ってきていた何人かも、奇乃子の料理を食べて満足していたようだった。
早速仲良くやっていけそうな雰囲気になって、良かった良かった。

この日の夜は、割り当てられたギルドの一室で寝る事になった。
というかこの砦を占拠している間は、此処で寝泊まりする事になるのだろう。
部屋は悪くないので、まあ良いか。
でも当然風呂に入りたい狛里と想香は部屋にやってきて、闇の家へと落ちていった。
当然俺も後を追いかける。
そして少女隊と軽くプロレスをしてから風呂に入り、部屋へと戻ってきた。
さて今日は寝るか。
おっとその前に‥‥。
『|妖凛《あやりん》出てきてくれ』と声を掛けた。
すると俺から分裂して小さな妖凛が姿を表す。
妖凛とは、邪神ニョグタの魂を持つ、俺の中にいる別人格の女の子だ。
俺がこの子を食った事で、今では完全な一心同体となっている。
だけれどこうして分裂も可能で、完全に別の人としての行動もできた。
「悪いんだけど、寝ている間に第一大陸の町と村、全て廻ってきてくれないか?」
すると妖凛はいつも通り「コクコク」と頷いてから影の中へと消えていった。
寝ている間に小人さんが働いてくれるのです。
なんて素晴らしい小人さんなのでしょう。
俺はそんな事を思いながら眠りにつくのだった。
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