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巨大魔法が町を襲う?

「霧雨。本当にやるつもりなのか?」
「当たり前だ。あいつらはいずれ天界へとたどりつくぞ?」
「しかしアイツらを皆殺しにするのは、香の望むものではない気がする。直接会って確認を取らなければ」
「お前はただ会いたいだけなんじゃないのか?」
「ああそうだよ。とにかく天界へ行ってくる!」
「好きにすればいい。だけど間もなく、俺たちは奴らを皆殺しにする‥‥」
「この世界は香の世界だ。そんな事ができるとも思えないけどな」
「できるさ‥‥」

未発見のダンジョンも、俺たちの手にかかれば一日一ダンジョンの攻略は容易かった。
尤も、攻略したと言えるのかは謎だけれどね。
全てが邪神のいるダンジョンであり、そして全て謎の人物によって攻略はされた後だったから。
「結局、謎の誰かが全部攻略済ってかぁ?」
「でも良いじゃないですか。危険な相手を回避できて、宝物やアイテムはゲットできたのですから」
邪神は、魂すらも食らう奴がいるし、レベル上げで相手にするようなモンスターじゃない。
そういう意味では、この流れを良しとする事もできるだろう。
でもこれで、当面のやるべき事は終わらせてしまった訳だ。
土筆や孔聞、左之助にはレベルを上げる為に頑張ってもらいたい。
奇乃子も、先の見えない魔法研究ってのがあるだろう。
町はアーニャンたちに任せるとして、姦し娘たちに仕事を与えるのは、俺の役割なんだよなぁ。
さて何をすればいいのやら。
「とりあえず町に戻りましょう~」
「今日はもう休んで、明日からの事は明日考えるのです」
「妄想タイムなの‥‥」
いやだから‥‥。
せいぜい楽しい夢を見てくれ。
「狛里さん、また策也タマをボコボコにする妄想なのです?面白い妄想が見られたら話してくださいね」
おいおい、なんだか物騒な妄想をしているな。
まあ心の中だからいいけどね。
「違うの‥‥ボコボコにするんじゃなくてされるの‥‥」
狛里はそう言って、嬉しそうな顔でポワポワしていた。
おい待て!
もしかして狛里はドMだったのか?
そんな事はなかったはずだ。
最近目覚めてしまったか?
いや、これは聞かなかった事にしよう。
俺はそそくさと、真っ先にダンジョンの出口へと向かうのだった。

町に戻った俺たちは、姦し娘たちを除いて今後の事で話し合いをしていた。
この世界の事を真剣に考えているのは、やはりこの世界の人間だからな。
「強いモンスターが出るダンジョンってのは、これで全部なのか?」
「第五大陸にあるのはこれだけね」
アーニャンの言い方は、第五大陸以外にならそんなダンジョンがあると言わんばかりだった。
「第五大陸以外にならあると?」
「あるにはあるんだけどね。上級冒険者専用の狩り場で、私たちがそこに入れば、いよいよ全ての冒険者が敵になるわよ」
そんなダンジョンがあるんだ。
一度どんな所か見ておきたいな。
「どこにあるんだ?」
「第一大陸の初めの村よ。教会にある祭壇の裏から潜れるようになっているわ」
こりゃまたベタな設定だな。
確かにゲームの方でも、そんな所に何かがあるような話はあったかと思う。
俺がゲームをプレイしている間にそれが明らかになる事は無かったけれど、第五大陸の後にそれが開放されていたのだろうか。
「アーニャンはそのダンジョン、入った事はあるのか?」
「私と左之助はあるわよ」
「ああ。俺が昔あんたらに売った『状態異常のトンファー』も、そのダンジョンで手に入れたものだ。色々なアイテムがドロップされるから、冒険者ギルドも一部のハイレベル冒険者にしか公開していない」
そこはなんだか、やはりゲームで言えば次のステージ臭がプンプンする場所だな。
「他にも大きな法螺貝がドロップされる場所ね。ここで法螺貝を集めて、他の大陸でそれが使われているのよ」
「おお!法螺貝はそこで集められていたのか」
他の大陸で使用って事は、もしかしたらレイドイベントのモンスター全てが、大きな血塗られた法螺貝によって生み出されていたのかもしれないな。
でもそんなのがドロップするのなら、レベル上げに集めたい所だ。
アーニャンくらいになればもうレベル上げに使う事はできないだろう。
左之助でももう無理かな。
でもまだ土筆や孔聞のレベル上げには使えるはずだ。
「一応言っておくけどそのダンジョン、私と左之助は冒険者を辞める時に『二度と入らない』と約束させられているの。誰かに話す事も禁じられている。今話しちゃったから、ダンジョンに行かなくても、全ての冒険者が私たちを消しにくるかもね」
アーニャンの言葉に、俺は何かの魔力を感じた。
どうやら契約の魔法で、約束を破ったかどうかが分かるようにされていたようだな。
俺のテリトリー内でも気付けないなんて、なかなかハイレベルの魔法に違いない。
もちろん同意が必要な魔法だから、条件が厳しい分強力ってヤツなんだけどさ。
「話しちゃって良かったのか?」
「どっちにしてもいずれ敵対するんだし、敵対するタイミングはこっちで決められた方が対処しやすいでしょ?」
まあそうか。
いつ敵とされて襲われるか分からないよりも、今からもうずっと襲われるとして行動できる方が対応しやすいと言えばそうかもしれない。
或いはこちらからという選択肢もある。
流石にそれはできないとしても、町の要塞化は進めておくか。
幸いまだ町には元冒険者がほとんどで、一般の人々は僅かしかいないからね。
第一大陸にあるダンジョンも気になるけれど、まずは冒険者ギルドとの問題から解決していこう。
そんな訳で俺たちは、これから起こるであろう冒険者ギルドとの戦いに備える事にしたのだった。

だけれど‥‥。
「直ぐにやることもなくなるんだよな」
町は最初から結構な防衛システムを備えている。
追加する事といえば、新たに手に入れた宝石や魔石を使って、防御魔法の強化くらいだ。
それも順次やってきたから、今やるべき事は直ぐに終わっていた。
他に警戒すべきは、敵対冒険者の町への侵入。
中に入ってから暴れられたら被害は出るだろうけれど、冒険者の出入りはちゃんと管理できるようにしてあるし、結局問題になるのは数万を超える冒険者による攻撃くらいなんだよね。
いや、問題にもならないか。
俺たちがいれば、きっとどうにでもなる。
冒険者は殺しても死なないわけで、心置きなく全員ぶっ殺せるのだから。
この世界の神にはある程度把握されているだろうし、もう遠慮する所は何もない訳で。
そんな訳で結局時間を持て余し、部屋でお茶をしていると、そこに仲間の一人が飛び込んできた。
「大変だ!冒険者ギルドがとうとう俺たちに攻撃を仕掛けてくるらしいぞ!千人からなる攻撃魔法で、この町ごと俺たちを皆殺しにするつもりだ!」
やはり動いてくるか。
きっとダンジョンのことを話したのがバレたんだろうなぁ。
俺たちを殺る大義名分ができて、これで冒険者たちも納得させられるってか。
「分かったわ。引き続き情報収集お願いね」
「えっ?それだけ?」
アーニャンの返事に、そいつは少し戸惑っている様子だった。
まあ普通なら、第五大陸の冒険者千人からなる魔法と聞けば、転生したばかりの俺が全力で放つ攻撃魔法よりも強力なのが撃てるかもしれない。
つまりあの空中都市バルスから、海に向けて放ったような魔法だな。
でも今じゃその程度、アーニャンでも止められるって所か。
それにここにっこりタウンは、霧雨のいる『中心の町』の近くにある。
そんな魔法を放ったら、おそらくこのマップエリアは全て被害にあうだろう。
強力な魔法にしても、そんなに当たり構わずのものは使えない。
ならば今の防衛魔法で十分対処が可能なんだよな。
「私なら多分千人相手でもなんとかできるわ。尤も、私が何もしなくても、この町の防衛システムなら十分対応可能なのよね?」
「まあな。町を破壊するようなヤツなら、過去にも対応はしている。それ以上もね」
それに俺は、この世界にも『なんでもできちゃう謎のバット』を持ち込む事ができる。
闇の家にあるからね。
仮にこの世界を滅ぼすような魔法が相手でも、問題はないさ。
「それでいつ冒険者ギルドが攻撃を仕掛けてくるのかしら?」
「もう間もなくだけど、楽勝そうだな」
「それを先に言ってよねー!」
本当に。
いきなりでも対処は可能だけれど、心の準備はあった方がいいだろう。
それにこの町に出入りを始めた者たちにも、前もって言っておいた方がいいよな。
「だったら町に出入りしている一般人には伝えておいた方がいいだろう」
「いや。この話、元々民のタレコミから調べたもんなんだ。だから既に出入りしている一般人は、今日は皆帰っている」
「なら問題はないわねぇ~。それじゃぁ~、今日は町を閉めて攻撃に備える事にしましょうねぇ~」
手を打ち鳴らして、天冉がみんなに腰を上げるように促した。
グータラしていた狛里と想香はそれでも動かず。
仕方ない。
俺は『なんでもできちゃう謎のバット』を取ってくるか。
「町に近づく敵はいないと思うけれど、みんなはそれの対処を頼む。俺は町を破壊するような魔法に備えるよ」
俺はそう言いながら一寸神を召喚し、その場に残して部屋を出た。
直ぐに闇の家へと落ちて、バットを持って戻って来る。
すると既に巨大な魔力が感じられた。
と言っても、本当に感じた訳ではなく、俺の未来を感じる力によってだ。
間もなく来る。
俺は外へと瞬時に移動し、町の上空で辺りを窺った。
「来てるの‥‥。あの山から狙っているの‥‥」
いつの間にかやってきた狛里が、という表現は少し適切ではないけれど、俺を追ってきた狛里が山の方を見ていた。
「そうみたいだな。あそこからだと遠いし、丁度いい具合の魔法が放てるんだろう」
その山は町の様子を窺うには遠すぎる。
だからここに町を作ったわけだけれど、特大魔法で町を狙うには丁度良い距離だったか。
町が攻撃される事は想定してはいたけれど、可能性としては低いと考えていた。
町になったら、一般人も多く住む訳だからね。
でもその前に破壊にくるのは、考えていなかったなぁ。
邪魔はされると思っていたけれど。
「という事は、あの山は邪魔って事ですね?だったらあの山には退場いただいたらどうでしょうか?」
今度は想香も俺の横に来ていた。
「なかなか過激だな。だけど‥‥。あの山には冒険者以外は来ていないよな?」
「腐っても世界をまとめる冒険者ギルドなのです。そんな事はしないと信じています」
信じているだけかーい!
何でもできちゃう謎のバットで攻撃魔法を打ち返してやろうかと思っていたけれど、その前に一応確認は必要そうだな。
俺は一寸神を召喚し、全速力で山の様子を見に行かせた。
そのついでに概ね倒してしまうって事もできるだろうけれど、話の都合上それはやめておく。
ほら、相手にこの方法は通用しないって、見せつけておきたいしね。
それにしても、本当に冒険者ギルドとの戦争になるのか。
別に俺たちは、この世界を壊したい訳じゃないんだけどな。
ただ少し、人々が幸せに暮らせる世界にしたいだけだ。
だけれどそれは、この世界の神にとっては不都合なのだろう。
そしてきっと、今の状態が正しいと考えている。
日本国憲法の憲法典には、確かに『思想及び良心の自由』が記されている。
でも戦争を始める人ってのは、それが正しいと思って戦争を始める訳だ。
正義の暴走だな。
良心と良心との決着は、結局『力』だけなのかもしれない。
だから俺は、この世界の神を倒す為に仕事をしなくちゃならない訳で。
「どうやら山に来ているのは冒険者だけみたいだ。霧雨が指揮をとっている。間もなく強力な魔法が飛んでくるぞ」
「どうするの?‥‥」
俺は『なんでもできちゃう謎のバット』を、アイテムボックスから取り出した。
「これで打ち返すよ」
「打ち返すの‥‥。私、やってみたいの‥‥」
狛里が少し目を輝かせていた。
人は殺さないように気をつける狛里なのに、何故か破壊活動や暴力は否定しないんだよな。
「空振りしても町は大丈夫だろうけれど、変な方向に打ち返すとヤバい。ちゃんとあの山を狙えるのか?」
「大丈夫なの‥‥。楽勝なの‥‥」
愚問だったかな。
俺よりも圧倒的な魔力を持っている狛里だ。
飛んでくる魔法も止まって見えるに違いない。
俺は狛里にバットを渡した。
すると想香が近づいてきて、俺に耳打ちしてきた。
「本当に大丈夫なのです?僕は嫌な予感しかしないのです」
「想香、もう遅い。今の狛里は既に自分の世界に入っている」
狛里はバットを見つめて、うっとりとした表情をしていた。
だんだん俺も嫌な予感しかしなくなってきた。
一応空振りしても大丈夫だけれど、変な方向に打ち返すのがマズイ。
ならばサファイアシールドとエメラルドプリズムで、その場合の軌道修正を準備しておくか。
俺は一寸神も利用して、できる限りの準備はしておいた。
「これで大丈夫だよな?」
「策也タマはできる事はやりました」
想香よ。
それじゃ嫌な何かは起こってしまうって事なんじゃないのか?
でも俺も嫌な予感はするんだよな。
かといって、今更狛里からバットを取り上げたら、この世界だけでなく大宇宙が不安定化する可能性も排除できない。
それは言い過ぎだとしても、可愛い女の子のガッカリとした顔なんて見たくないよね。
つまり俺にはそんな事はできなかった。
「そろそろ魔力を高め始めたぞ。思ったよりも大きな魔法が飛んできそうだな。にっこりタウンを壊すのに、そこまで魔力は必要ないと思うんだけど」
「力を見せつけたいのです。僕たちが魔法を打ち返そうとしているのも同じ理由なのです」
なるほどね。
相手も相手で、圧倒的な力を見せればこちらが大人しくなると考えているのか。
今まで通り別の大陸でコソコソと生きろと。
いや、町を破壊する時点で皆殺しを狙っているのだ。
確実に全員を殺し、尚且つここに集まっていないのまど民に知らしめる為って事ね。
「狛里!そろそろ来るぞ!」
俺は、山と町を結ぶライン上に移動している狛里に声をかけた。
「分かっているの!‥‥。集中するから声をかけないでほしいの!‥‥」
「おっ、おう!」
集中って、逆に不安だな。
これくらい適当にやっても狛里なら楽勝のはずだろ?
逆に力が入るとダメにならないか?
声をかけてリラックスさせるか?
適当に気をそらした方が、ちゃんと打ち返せるんじゃね?
考えている間に、今魔法が放たれた。
山の上からの魔法は、まっすぐ町をめがけて飛んでくる。
それはまるで、長身のピッチャーがマウンドから投げ下ろす超低めへのストレートだ。
地上スレスレまでくると、地面を削りながら少しホップするように向かってきた。
思っていた軌道よりも少し低い。
狛里は瞬時に地面近くまで降りてバットを構える。
そして魔法に向けてバットを出した。
「あ‥‥」
魔力の弾はバットの上っ面に当たって、少し上へと軌道を変え、町の上空から見ていた俺の方へと向かってきた。
「なんですとー!」
狛里はなんと、打ち返すでも空振りするでもなく、タイミングのあったファールチップを打ちやがった。
俺と想香はとっさにそれをかわす。
あれ?かわしちゃダメなんじゃね?
魔法はにっこりタウンの上空ギリギリを通過してゆく。
防衛システムは起動する事なく、なれば当然町に被害は出なかった。
しかしその放たれた魔法は、先にある中心の町へと向かっていった。
魔法の射程距離は考えているよな?
だけどファールチップで少し勢いが付いているかもしれない。
町まで届いたら、それで命中でもしたら完全破壊だぞ?
この世界じゃ瞬間移動魔法は五百メートルが限界だ。
つか第五大陸で中心の町だけは、瞬間移動ができる。
でも移動は瞬間だけれど、発動までの時間などは瞬間ではない。
一般人から見れば瞬間だけれどね。
そんな事を考えている間に、魔法は中心の町から少しこちら側で地面へ落ちた。
大きな爆発が地面を揺らす。
その爆発音は少し遅れてこちらまで届いてきた。
地面が揺れているようだ。
にっこりタウンの建物は耐震性を考えて作られているので、これくらいなら大丈夫だろう。
しかし魔法が落ちた震源に近い中心の町はどうなっているか。
爆風も緩やかに頬を撫でる。
これはかなりの被害が出ているに違いない。
「策也ちゃん‥‥失敗しちゃったの‥‥」
狛里が目を潤ませ訴えるように俺の腕を掴んできた。
「狛里は悪くないよ。人も町も破壊しようとしたアイツらが悪いんだ。きっと神様が天誅を食らわせたんだよ」
尤も、その神様が自らの意思でにっこりタウンの破壊を行った可能性もあるんだけれどね。
「策也タマ、町の人を助けたいのです」
「おっとそうだな。ただ俺たちが町に入って大丈夫かは分からないけれど」
俺はそう言いながら、想香と共に中心の町へ向かって飛び立った。
すると狛里も後から付いてくる。
まあ崩れた建物の下敷きになっているような人なら、狛里も助けたりはできるか。
回復系魔法は、自ら以外には使えなかったはずだし。
そんな事を考えている間に、魔法の着弾地点を通り過ぎ町の上空へと到着した。
一応防壁が、爆発の被害を多少は防いだようだな。
しかし多くの建物が倒潰し、町は半壊状態に見えた。
人々の悲鳴があちこちから聞こえてくる。
だいたい異世界ってのはヨーロッパ的な建物が多い。
つまり地震には弱いのだ。
俺の作ったにっこりタウンは日本的な建物が多いから、今回の爆発による揺れ程度なら全く問題ないんだけどね。
とにかく救助活動だ。
俺は町に降りようとした。
しかし強力な結界に阻まれる。
「おっと。こりゃかなり強い結界だ」
この結界を防衛に使っておけば良かったんじゃないのか?
元冒険者を排除する為だけに使うなんてバカだろ。
そしてこの結界は、魔導具による永続的な魔法だから、俺の能力で排除するにも時間がかかりそうだ。
でも自分だけなら無効化して入る事はできる。
となると想香も入れる訳だけれど、狛里は‥‥。
見ると狛里は力ずくで結界を破り町へと入っていった。
全く出鱈目な奴だな。
俺と想香も後に続いた。
町の中は悲惨な状況だった。
ひと目見ただけで、倒れた人が何人も目に入る。
俺たちは何も言わず、片っ端から助けていった。
見ると狛里も、何故か回復魔法を使っていた。
助けたいという強い思いがあれば、こいつは何でもできるみたいだな。
世界のバグは、何でもありってね。
とにかく助けていこう。
蘇生にはタイムリミットもある訳だし、早いに越したことはない。
霧雨が戻ってきても面倒だからな。
俺たちはできるだけ早く助けられる人々を助けていった。

十分ほどで助けられそうな者は全て助けた。
霧雨もどうやら町に戻ってきているし、後は冒険者たちに任せよう。
「狛里、想香、戻るぞ。霧雨たちに出くわしたら戦闘になるからな」
「分かったの‥‥」
「狛里さん、狛里さんのせいじゃないのです。それにみんな生きています。後はお金でいくらでも立て直せるのです」
「そうだな。復興支援金としていくらか置いていこう」
金さえあれば、きっと直ぐに町は元に戻る。
俺は助けた住民の何人かに、みんなで復興する為の金として十億円を渡しておいた。
「ありがとうございます!」
「このお金は、確実にみんなで使わせていただきます」
お礼を言う人々に手を振って、俺たちは速やかに町を出るのだった。
さてしかし、今回はこのような結果になったけれど、冒険者ギルドは今後も俺たちの命を狙ってくるだろう。
今回町を助けた事が、別の可能性に繋がらないか、俺は少しだけ期待しているんだけれどね。
どうなるかは、神のみぞ知るか‥‥。
俺も神だけれどw
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