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想香と合体?!月詠冥凛登場!

魔法をパワーアップする方法は色々とある。
簡単な所で言えば、聖職者系スキルの祝福とか、魔力をタメてから発動するとか。
逆に特別なもので言えば、俺がアルカディアの神を倒した時に使った『永久機関』なんかだね。
アレはもちろん完全に魔力ロスを失くす事は不可能だし、何処までもパワーアップさせられるものでは無かったよ。
それでもみゆきの魔力が上乗せされて、それに近い状態にはあった訳だけれど。
そもそも望海のパワーアップだと、本人の魔力がほぼゼロだったから一回しかパワーアップはできなかった。
逆に言うと魔力がほぼゼロだったからこそ、あんなとんでもないパワーアップ能力を得られていたんだと思う。
それを俺やみゆきが使えるようにしたのだから、イレギュラーが起こってしまった訳だね。
他にもパワーアップする為に、他人の力を取り込むってのもある。
一心同体合体もそうだけれど、食ったりして吸収する方法を此処までは多用しているかな。
さて今回奇乃子が扱えるようになったパワーアップは、そこまでインパクトの強いものではない。
しかしようやく神を倒せる可能性が見えて来るものではあった。
当然、いやが上にも期待してしまう訳で‥‥。

結局この日は、何も収穫はなかった。
まあ朝早くからニョグタを相手にしていたのだから、何も無かった訳ではないけれどね。
謎のホラ吹き刺客も、そんなに数が多くはなさそうだ。
そんな訳でみんなは、みんなの家へと戻ってきていた。
奇乃子の強化も、思ったようには上手くいかなかった。
テーザー銃の強化は割と簡単にできたんだけれど、奇乃子がそれを使いこなせないってね。
俺なら楽勝だけれど、やはり奇乃子は錬金術師なんだ。
結局使い勝手は悪くなるけれど、魔力開放を自在にできる武器ではなく、使用魔力を切り替えられる仕様に作り変えた。
最近はボスモンスターを結構な数狩っている訳で、魔石は色々と手に入っているから素材は揃っている。
魔石を使って『通常使用』の他に、魔力容量の『一割使用』『二割使用』『五割使用』の四チャンネル切り替えにした。
これが戦闘で何処まで使えるのかは分からないけれど、『調教してやる!』が通用するなら、一秒以内に切り替えて仕留める事も可能だろう。
条件付きではあるけれど、奇乃子の攻撃はこれで神クラスかな。
一応の完成を見て、みんなが戻って来る前に眠りについていた。

その後俺と帰ってきた姦し娘たちは、闇の家でゆっくりしようと落ちていった。
ゆっくりとできるかは微妙だけれどね。
「御主人タマが来たのです!」
「今日も美味しい料理を用意しているのね」
最近の少女隊は、どういう訳か料理を作って待っている事が多かった。
魔法の研究なんかを暇つぶしにやっていると思っていたけれど、それに飽きて今度は料理って事なのだろうか。
まあこいつらに魔法研究とか無理だと分かってはいたけれど、『やっぱりか』といった所だな。
それでも代わりに料理をしてくれているのだから、それはそれで俺たちにとっては良いことだ。
特に狛里は大喜びなんだよね。
コッソリ料理を食わせてもらう為だけに、闇の家に来る為の魔法を覚えたくらいだからさ。
よっぽど嬉しいのだろう。
ただ少女隊のこの暇つぶしが、いつまで続くのやら‥‥。
「今日の料理も新作みたいなの‥‥美味しそうなの‥‥」
確かに狛里の言う通り、美味しそうなんだよなぁ。
元々料理に関しては、できなかった訳じゃない。
やらなかっただけだ。
料理魔法も使えるし、俺と一心同体少女隊なのだから、俺がやれるくらいにはできるんだよね。
それが真面目に料理と向き合うようになって、一気に料理の腕が上がってきていた。
「美味しい料理わぁ~、不老不死になる前に食べておきたかったわぁ~」
天冉も例外なく割と食いしん坊な方だ。
ただ狛里や想香の中にあって目立たないだけ。
それでも不老不死になってから、どうやら人並みになってしまったようだった。
「僕もなのです。姫ちゃんを吸収してから、どうもお腹いっぱいになるのが早くなったのです」
想香の場合は、言ってもやはりよく食べるんだけどね。
それでも確かに姫ちゃんを吸収してからは、食べる量が少し減っているようだった。
「ふふふ‥‥そこが狙いなのです」
「みんなが悔しがる顔を見るために料理を頑張ったのね」
こいつら性格悪いな。
まあ今更だけどさ。
それでも大事な所は優しいし、俺は大好きなんだけれどね。
「ところで御主人タマ、さっき魔法実験場に行ったら、変なのがいたのね」
「そうなのです。暴れているので倒そうかとも思ったのですが、ペットにするつもりかもしれないので放置しておいたのです」
「ん?変なのがいた?」
魔法実験場に俺は何か入れただろうか?
すると妖凛が、俺の心の袖を引いてきた。
『どうした妖凛?何々?ニョグタの魂を入れた魂ボールがあったはず?』
妖凛との意思疎通は、瞬時に行う事ができていた。
しかし俺たちは今も普通に会話する事にしている。
その方がなんとなくいいよね?
ただ、これを普通の会話と呼べるのかは分からないけれどさ。
つか魂ボールから勝手に出て、元の姿に蘇生したとでもいうのだろうか。
この闇の家など四ヶ所は、俺の中の世界として今は存在している。
しかしそこでのことわりは、所属する世界に依存するのだ。
少女隊は当然イスカンデルだし、俺や姦し娘たちはウインバリアという事になる。
ただし俺や妖女隊は『神』や『女手』であるから、アルカディアにも所属している事になっているみたいだけどね。
だから元の世界に返す魔法がウインバリアにも存在するなら、俺たちはそれで戻される可能性はある。
天冉だけは既に純粋なウインバリア人へと変更されているから、戻されたりはしないみたいだけどさ。
何にしてもニョグタにとっては、この闇の魔法実験場もウインバリアにいるのと変わらないって事。
そして魂ボールに閉じ込める事はできても、何かの拍子で出てきて復活する可能性があるのだと考えられた。
「菜乃の目にはニョグタに見えたのです」
「そうなのね。妃子にもそう見えるのね」
「魂ボールに捕らえておいたんだけどな。それだと何かの拍子で出てくるみたいだ」
だとしたらやはりアイテムボックスに入れておくしかないのだろうか。
いや、アイテムボックスだってウインバリアのことわりの中にあるのだ。
復活の可能性が無い訳じゃない。
幸いあの程度のニョグタなら、魔法実験場で飼っておく事も可能だ。
だけれどどんな能力を持っていて、どんなことわりが作用するかも分からない。
なにか対処する必要がありそうだった。
「だったらどうするのね」
「あんなのがあそこに居座ると、菜乃たちが遊べないのです」
魔法実験場で遊ぶ気なのかよ。
まああそこなら少々暴れても平気だから、プロレスにはいい場所だけどさ。
「策也タマ、僕にいい考えがあるのです」
どうしようかと考えていると、想香が考えがあると言い出した。
「ん?そうなのか?」
「はい。とりあえず魂をボールに捕らえる事はできるのです。だったらその間にイスカンデルに持っていけばいいのです」
なるほど。
ウインバリアのことわりから外れる場所へ持っていけば復活はしないか。
「ならば少女隊に預かってもらえばいいか」
「魂なのです!」
「とっても美味しそうなのね」
いやこいつらに預けると、勝手に蘇生して遊びそうだな。
「僕の提案はそれだけじゃありません。いっそ蘇生してしまうのです。そしたらニョグタの姿では蘇生されないでしょう」
想香はドヤ顔だった。
「でもそれだと、アルカディアには連れていけないし、それどころかずっとイスカンデルにいる事にならないか?」
妖凛の友達にしたいんだよな。
そばにいられないと意味がない。
「とりあえずこの闇の世界には来られるわよねぇ。既に此処に入ってきているわけだしぃ~」
「そう言えばそうだな」
つかまさかこんな方法が通用するのだろうか。
この闇の家のある世界は、ここに入った事のある者だけが行き来できる。
だからここに来られるメンバーは限られていた。
しかし魂でなら入ってこられた訳で、まさかその手なら入れる人を増やせる?
ちょっと試してみたくなるな。
既に生きている俺の|人形《ゴーレム》を殺すのは気が引けるし、試すなら今はチャンスか。
「でもウインバリアやアルカディアには連れていけないの‥‥」
「それなんですが、妖凛みたいに食べたらどうでしょうか?」
ふむ、妖凛がこうして俺の中で生きているなら、このニョグタも同じように生きる可能性は高い。
「しかし邪神の本能が妖凛よりも強く残ると危険だ。食べたは良いけれど逆に体が乗っ取られる可能性もある」
そうなのだ。
邪神、特にニョグタを食って取り込むにはリスクがある。
それに俺が取り込めたのは、おそらく妖凛への愛があったから‥‥。
想像していてちょっと恥ずかしいな。
「そうですか‥‥。僕にも妖凛のような子が欲しかったのですが‥‥」
って想香、お前が食べる気やったんかーい!
まあ想香は、姫ちゃんを取り込み俺と合体した事で、俺とほとんど同じ能力が使える訳で、やってやれない事はないんだよな。
そんな事を思っていると、妖凛が再び話しかけてきた。
『どうした妖凛?何々?前に手に入れた、あそこに飾ってある愛の小石を使えば邪神の心は取り除かれる?』
俺は部屋に飾ってある『愛の小石』を見た。
ほう、そんな使い方ができる宝石だったか。
一見ルビーのように見えるんだけれど、どちらかというと賢者の石に近い性質を持っているんだよね。
言われてみれば確かにそういう使い方ができそうだ。
『妖凛はあの子が想香の中に吸収される事になってもいいのか?』
『コクコク』
むしろその方がいいのか。
分裂は自由にできるだろうし、想香はもうみゆきと同一と言っても良い『キャラ変したみゆき』みたいなものだ。
俺との繋がりはかなり強い。
俺と想香が仲良しであれば、妖凛とニョグタも近い関係になる。
「どうやらあの愛の小石を使えば、邪心は取り除かれるみたいだな。妖凛がそう言っている。想香、やってみるか?」
「もちろんです!直ぐにやるのです!」
想香は秒で返事を返してきた。
メチャメチャやる気だな。
俺の未来見の能力でも悪い予感はしないし、おそらく上手く行くだろう。
ならばやってみるか。
「よし!それでいこう!」
「おー!」
そんな訳で俺は、早速人形を作る所から始めた。

まずは俺の意思を込めたオリハルコンで、ニョグタの体を作る。
その前に名前は先に決めておきたいな。
「名前は‥‥そうだな。『|月詠冥凛《つくよみめいりん》』にしよう」
「なんだかとっても可愛い名前なのです」
「妖凛と姉妹みたいの‥‥」
『コクコク』
そして体は、やはり妖凛に似た感じがいいよな。
でも意識が込められたオリハルコンが少し足りない。
悪いけど妖凛よりは少し小さくなりそうだ。
愛の小石は目に使うか。
右目は似たようなルビーを使って色を揃える。
どうせ食われたら本人の意思で色々と変化するだろうけれど、俺は俺が納得できる容姿に作っていった。
「凄く可愛くできています!」
「うん‥‥。私も欲しいの‥‥」
『コクコク』
「菜乃よりも可愛いのは反則なのです」
「妃子と髪の色が同じだから可愛いのね」
髪の色は現在のパーティーメンバーに無い色にしたんだけれど、妃子とも別にした方が良かったかな。
でもこれがこの子には一番しっくりくるから、おそらくコレがいいのだろう。
とりあえず体は完成した。
その後直ぐに魔法実験場へと移動し、俺はニョグタを倒して魂を確保する。
そして少女隊に魂ボールと作った人形を持たせて、イスカンデルへと行ってもらった。
さて、蘇生によるゴーレム召喚は上手く行くのか。
此処へは帰って来られるのか。
俺たちはしばらくドキドキしながら魔法実験場で待っていた。
すると直ぐに、少女隊は冥凛を連れて帰ってきた。
「おお!帰って来られたのです!」
「良かったの‥‥」
「でもちっとも喋らないのです」
「そうなのね。『ん』しか言わないのね」
「ん‥‥」
もしかしたらニョグタはコミュ障なのかもしれない。
おっとゆっくりしている場合じゃないな。
「じゃあさっさと想香、食ってしまうぞ。もしかしたらこの状態でもニョグタになる可能性があるかもしれない」
おそらくもう大丈夫だろうけれど、急いだ方がいいよな。
でも少し、冥凛が怯えているようだった。
あっ‥‥食うとか言ったのは駄目だったか?
それにこの子の意思はまるで考えていなかったぞ。
俺がそう思った時、妖凛が分裂して冥凛の前に立った。
そして何やら意思を伝えていた。
二人は笑顔で通じ合っているようだ。
どうやら妖凛が話をしてくれているみたいだな。
準備が整ったのか、妖凛は俺の中へと戻っていった。
冥凛も心の準備ができたみたいね。
ゆっくりと想香の前に歩いていった。
「じゃあまず、想香はアメーバ人間に変化だな」
「分かりました」
そう言って想香は直ぐに変化した。
見た目は変わらないけれど、少し人形のような雰囲気になった。
「冥凛、準備はいいか?」
「ん‥‥」
俺がそう言うと、冥凛は頷いた。
初めて聞いた名前も、妖凛が伝えてくれていたのか、それが自分の事だと理解しているようだった。
「じゃあいきます。食べるのです!」
想香はそう言ってアメーバ状になり、冥凛を包みこんだ。
冥凛の体は徐々に溶けてゆき、そして十秒もしない間に想香に取り込まれた。
果たして上手くいったのだろうか。
みんなが見つめる中、想香は元の姿へと戻っていった。
「おおお!凄いのです!僕の体のデフォルトがオリハルコンアメーバになりました!」
この喋り方はまさしく想香だな。
「それで冥凛はどうなった?」
俺がそう声をかけると、想香の体から分裂して冥凛が現れた。
そして俺からも再び妖凛が分裂して、冥凛に抱きついていた。
良かった。
どうやら成功したみたいだな。
ただしまだ油断はできないんだけれどね。
俺たちはまだウインバリアのことわりの中で生きていかなければならない。
ニョグタに戻る可能性が完全にゼロになった訳じゃないのだ。
おそらく大丈夫だとは思うけれど、想香には気を付けておいてもらわないとね。
兎にも角にも、こうして俺たちに新たな仲間が加わったのだった。

冥凛が仲間に加わって、次の日からは大変だった。
再び謎の刺客がギルド砦跡にやってきて、ボスモンスターを撒き散らして行く。
それはこちらも望む所だった訳だけれど、刺客も含めて冥凛が食べてしまっていたから困ったものだ。
『食べるな!』と怒る訳にもいかないし、かといって想香は分裂を制限して止める事もできない。
能力的にはそれも可能だけれど、閉じ込める為に食べた訳じゃないからね。
それに妖凛も時々制御が効かない事もあったし、無下に止める訳にもいかなかった。
妖凛の場合、どれも意味があったように思えるからさ。
きっと冥凛が今食べまくるのも、きっと意味があるに違いないと思えた。
そうやって諦めていたら、三日が過ぎた所でパタリと食べるのをやめてくれた。
妖凛曰く、おそらく世界のことわりに抗う為に必要だったのだろうという事だった。
まあ何にしても、コレでようやく次に進む準備ができたのだろう。
次こそは謎の刺客を捕らえようと決意した。
それに奇乃子たちの力もようやく試せるはずだ。
俺はそれが楽しみだった。

今日も朝から謎の刺客はやってきた。
昨日よりも数が多い。
日に日に数は増えているんだよな。
でもこうやって徐々に増やすってのは愚策だと思うよ。
だってレベル上げがやりやすいからさ。
そして当然捕まえやすくもなる。
「今日は逃がしませんよ。自分のスピードからは逃げられないのです」
一瞬にして距離を詰める孔聞に、謎の刺客は殴られ吹き飛ばされた。
ボスモンスターに対しては、ボスと奇乃子が向かっていった。
ボスにとっては一枚も二枚も上の相手だけれど、バリアはかなり強固だ。
そしてそれに攻撃をしたボスモンスターは、一瞬にして巨大棺桶に閉じ込められていた。
ただ、あまりに消費魔力が大きすぎて、それ以上の攻撃には繋がらなかった。
「駄目だ。流石に限界みてぇだ。後は奇乃子、頼む」
自分の限界と見て、ダイヤモンドソードの攻撃は自ら止めたか。
魔力のコントロール技術がかなり上がってきている。
「分かったのだ!一撃で決めてやるのだ!ファイヤーエンブレムなのだ!」
奇乃子はどうやら魔力容量の一割を使って魔法を放った。
つまり普段の百倍の魔力。
このボスモンスター相手でも十分に通用する。
炎の鷹はモンスターを覆って、そして焼き尽くしていった。
「やったか‥‥」
「やったのだ!土筆くん!俺たち二人だけでレイドモンスターを倒したのだ!」
「ボスと呼べと‥‥」
「もうボスじゃないのだ」
倒した相手は第一大陸のボスモンスターだったとはいえ、二人で倒せたのは凄い事だ。
少なくとも第四大陸の住人だった、猫なめのギルマスや雄猫では到底倒せるレベルではない。
一つのギルドが総出でようやく倒せるくらいの相手なのだ。
奇乃子の作った魔道具の強さが証明されたと言えるのだろうな。
そしてボス、いやもう土筆と呼んだ方がいいか。
土筆も魔道具の力を百パーセント以上使いこなしている。
俺たちがいなくても、第四大陸最強パーティーだよ。
撫子だって、面白い能力を持っているし。
「撫子七変化!地属性の拘束!」
際どい能力名だなおい!
しかし自分の属性を自在に変えられる能力か。
それに合わせて髪や何から色が変わるのも面白い。
そして元の属性の力が弱くならないのが良いね。
ただ惜しむらくは、元々の属性が水と光なんだよなぁ。
光はまだマシだけれど、どんな魔法でも水と相性のいい属性って少ないんだよ。
だから合せ技が難しそうだ。
とにかくその能力を使って、孔聞が倒していった謎の刺客を次々と捕らえていった。
「俺たちの出る幕が失くなってゆくな」
「良いことよねぇ~。楽できるわぁ~」
他のボスモンスターも、妖凛と冥凛が楽しそうに倒している。
今日は食べずにちゃんとドロップアイテムを回収していた。
俺と姦し娘たちは、ただみんなの活躍を見ているのだった。

捕らえた謎の刺客は、みんな自害していった。
しかしそれを黙って見逃す俺たちじゃない。
魂ボールで多くの魂は確保していた。
その中で毛色の違う指揮官っぽい奴を、俺はスマホ蘇生して話を聞く事にした。
スマホ蘇生ってのは、俺が作ったスマホゴーレムに魂を入れて、生きたスマホに生まれ変わらせる事。
このスマホの特徴は、質問に全て答えるようにしてある所だ。
こうして全てを聞き出そうって訳。
しかも身動きできないからね。
再び自害する事も不可能。
バイブで少し震える事くらいはできるんだけどさ。
「お前たちはいったい何者なんだ?」
「私達はこの世界の秩序を守る者‥‥」
「モンスターに冒険者を襲わせる事が秩序を守る事になるって言うのか?」
「今の第四大陸には冒険者が多い。それを減らさないとこの世界の秩序は守れない」
「誰かの命令でやっているのか?」
「神のお告げである‥‥」
神のお告げねぇ。
この世界の神という事なのか、或いは神役の神の使いの言葉なのか。
はたまたこの世界が作られた時に、そのように作られているのか。
世界の為にバランスを取るのは、もしかしたら必要な事なのかもしれない。
だからと言って人を殺すのってどうなんだろうね。
それにしてもこいつの受け答え、機械的で心が無いようだ。
ゲームで言えばまさにNPC。
ニョグタの冥凛も、妖凛以上に喋らないし心が欠けている感じがする。
俺の意思が半分入っているからまだ心があるように見えるけれど、もしもそのまま蘇生していたら機械的な感じだったのだろうか。
かといってこの刺客たちにも心が無い訳じゃなく、それなりにはあるんだけれどね。
なんて言うのだろうか。
冷めているっていうか、悟っているっていうか。
あのアニメで何度も同じ時を繰り返してきた女の子のようだ。
そうだな。
そういう事なのかもしれない。
この世界は繰り返しの世界のようだから。
俺は他の魂にも同じように聞いてみたけれど、答えは大体似たようなものだった。
ならばこの世界で襲われないようにする為には、現状は第四大陸の冒険者を減らすか。
或いはこういった謎の刺客を減らして行くしかない。
当然冒険者を殺す訳にもいかないので、俺たちは謎の刺客を減らしていく事にした。
とりあえず捕まえた魂は、魂ボールのまま少女隊にイスカンデルに持って行ってもらう。
そうするとウインバリアのことわりや摂理から除外され、世界の歯車を欠けさせる事ができる訳だ。
これを続けて行けば、やがて歯車は正常に動かなくなるだろう。
そしたら俺たちを襲うものは失くなると考えた。

俺たちはとにかく謎の刺客の魂を捕まえる事に専念した。
すると三日が過ぎて四日目にはもう襲ってくる者がいなくなっていた。
「どうやら刺客の魂は除外できたかな」
「そうねぇ~。明日の午前中に襲ってこないようなら、いよいよダンジョン攻略に向かいましょうかぁ~」
「やっとですね。最近は毎日刺客のオッサンばかり見ていたので、欝になる所でした」
「うん‥‥表情が無いので気持ち悪いの‥‥」
そうなんだよなぁ。
刺客のオッサンたちは、無表情でやってくるんだよ。
最初は気にしていなかったんだけれど、気になりだすとゾンビよりも恐ろしい。
でもここ一週間くらいでみんな強くなれた。
常にボスモンスターを召喚しまくってくれる訳だし、それを少数で討伐できる。
特に奇乃子は毎回のトドメを担当する訳だから、一気に他とのレベル差が開いていった。
「俺は自分でも分かるくらいに強くなったのだ!」
「確かにな。でも俺だって負けてねぇぜ?かなり強くなったぞ?」
もう奇乃子なら、ボスモンスターを一人でも狩れる力を持っている。
土筆だって一番弱いのだったら、なんとか殺れるだろう。
おそらくもうこの世界の神に、異世界の神が関わっている事はバレているかな。
だけどそれが逆に良い結果をもたらしているのかもしれない。
刺客は強い訳だしさ。
いや‥‥でも此処までの刺客は、普通に冒険者なら倒せるレベルだけれど、異世界の神を倒すには足りなさすぎる。
バレていないどころか、もしかして意識もされていない?
とにかく俺たちは、次の日からダンジョン攻略に乗り出す事を決めていた。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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