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シギントで最強!竹槍で超弱体化!

シギントとは、『通信や電磁波、信号などの傍受を利用した軍事・安全保障上の諜報活動の総称』となっている。
現代の諜報活動ではとても重要なものであり、シギントを制するものが世界を制すると言っても過言ではない。
多分‥‥。
気持ち的には‥‥。
さてこのウインバリアでは、地球世界のような情報通信は行われていない。
しかしプレイヤーズギルドのメンバー同士なら、メールのような魔法による通信が可能となっている。
プレイヤーズギルドのメンバーは、普通は最低でも三十人。
多ければ百人を超える訳だけれど、さてこの大陸のクエストにはギルドから何人が参加しているのだろうか。
そう、たったの七人だけである。
ならば他のメンバーはその時どこで何をしているのだろうか。
もしも協力しているとしたら、色々な国で諜報工作活動をしている者もいるに違いない。
ならばその者とのギルド通信をジャックできれば、何もしなくとも世界の情報が得られる事になる‥‥。

狛里が金品を集めてきた事で、我が国の財政は‥‥一転しなかった。
二百億もの金を受け取った等々力王は、それを私利私欲の為にほとんどを懐に入れた。
結局雇えた獣族の傭兵は、犬獣族の歩兵が千人だけだった。
まあ元々兵がいなかった国だから戦力は倍増した訳だけれど、他国と張り合うには少ない兵力だった。
もう少し金を渡しておけば良かったのだろうか。
いや結果は変わらなかっただろう。
ならば私兵を雇った方がいいよな。
俺は個人的に獣族を私兵として雇う方向で考えていた。
さて戦力はさほど増えなかったけれど、狛里の功績は大きなものとなっていた。
あれから一週間が過ぎた今、等々力国から遠い北東の国々で混乱が生じていた。
金が失くなった事で、傭兵に給料を支払えなくなったのだからね。
当然兵は暴徒と化し、いくつかの国では大打撃を被っていた。
尤も各国冒険者が参加しているので、獣族の傭兵に負けるような事はなかったけれど、戦力は一気に半数以下になっていた。
そうなると被害の無かった南西の国々は、こぞって北東へと軍を進め始めていた。
正直これはラッキーな展開と言えるだろう。
まだしばらくは、等々力王国が狙われる事はなさそうだ。
それともう一つ、狛里の功績により我軍の諜報部隊が、レベルを爆上げしてしまっていたのである。
この世界ではあらゆる所に経験値が設定されているようで、グループ内で功績を上げる者がいると他もレベルが上がるようなのだ。
諜報員たちはギルド通信をジャックする事ができるようになっており、世界の情勢が深くまで分かるようになっていた。
まさか此処までできるようになるとは、おそらくどの陣営も知らない事だろうな。
『隣の山ノ内王国も北東への遠征を始めているのです。だから現在、隣の山の砦には兵がほとんどいないみたいですね』
『マジか。コレはチャンスだな‥‥』
俺たちの等々力領は、小さな町がある一つのマップエリアだけだ。
しかし山の砦からしかほぼ攻め込むのは不可能で、此処まで放置されてきていた。
逆に言うと我々が戦争に参加するには、まずはこの山の砦を攻略しなければならなかった。
此処は山に囲まれていて、普通に見れば攻略が困難な場所である。
俺たちなら力押しで奪う事もできるだろうけれど、あまり目立ちすぎて世界中から目をつけられるような事も避けたい。
落とせるタイミングで落とせるのならそれに越した事はなかった。
『どうしますか?王様に進言するのです?』
『そうだな。しかしクソ王が自ら戦争を始めるかな?』
金にしか興味がないようなクソ王だから、コレまで他から敵対されず生き残って来られたのもある。
でもコレからも今まで通りではいずれ滅ぼされるだろう。
だからと言ってそう説明した所でクソ王が動くとも思えない。
『何か攻めるメリットはないのか?金が儲かりそうな情報だ』
『そうですねぇ‥‥。そう言えば山の砦の近くの山で、鉄鉱石が沢山取れるそうですよ。売れば多少お金になるのです』
『なんだと!それを早く言ってくれよ!』
『でも鉄なんて高くないのです』
『売るんじゃないんだよ。それは使えるんだ』
『使えるのですか?』
まさかそんな所までゲームに似た設定がされた世界なのか。
こういう国盗りゲームで鉄と言えば、兵を武装する為に必要な資源なのだ。
それが得られる場所を持っているってのは、戦略的に大きなアドバンテージとなる。
攻めるなら今しかない。
武装された兵で固められたら、我軍では全く刃が立たない。
なんせ竹槍だからな。
俺と奇乃子とボスだけで戦っても勝てるとは思うけれど、まだ実際に戦闘した訳じゃないし無理は禁物だ。
ならばまだ武装が行き届いていない今やらないと、面倒な事になるかもしれない。
狛里が持って返ってきた金を小出しにしておいて良かったぜ。
『想香。とにかく山の砦を攻める許可を得て奇乃子に出撃命令を出してくれ。王様の説得には『山の砦は現在ガラ空きで大量の金が放置されている。取れば大儲けですよ』とか言ってなんとか了承させるんだ』
『そんなのでカス王が納得するのでしょうか?』
クソとかカスとか散々言われてしまう王も少し可哀想だな。
『大丈夫だろう。クソ王は金に目がない奴だよ』
『分かったのです。言ってみるのです』
とにかく出撃だ。
できなければ満州事変を演じてでも攻め込むしかない。
俺は皆に出撃準備を指示し、命令が出るのを待っていた。
『命令が出たのです。ただし金が無かったら僕の給料から差し引くと脅されました』
全くせこいクソ王だな。
コレがクエストでなければわざと負けてやる所なんだけどな。
『よくやった想香!後でナデナデしてやるからな!』
しまった!
ついうっかり少女隊を相手にしているノリで言ってしまった。
『べ、別にナデナデしてほしい訳ではありませんが、よろしくお願いするのです』
ナデナデしてほしいんかーい!
まあ兎白と岩永姫、そしてみゆきの意識が混じっているからな。
ならばこういう反応は意外でもなんでもないか。
『じゃあ後はよろしく!』
俺は早速山の砦へ向けて侵攻を開始するのだった。

現在等々力王国の王都には、想香と狛里が残っている。
それと兵は近衛兵が約五百人だけだ。
とは言え他から攻められる心配は皆無と言っていい。
なんせ此処に来る為の道は一本だけだからね。
それでも冒険者クラスの諜報員なら、山を単独で越えてくる事もあり得るし、町民に扮して諜報工作活動にやってくる可能性もある。
だから俺は一応王都には、設置型フィールド魔法『テリトリー』を設置していた。
これで強い奴や妖しい動きをする者は、直ぐに感知する事ができるからね。
ただそうすると戦いの時に『テリトリー』を使う事ができなくなる。
だから俺は狛里が持ち帰った宝物の中から使えそうな宝石を集め、更に強力なテリトリー|Ⅱ《ツー》を作っておいた。
テリトリーは一キロ四方くらいしかサポートできなかったけれど、テリトリーⅡは二キロ四方くらいの効果範囲を得る事ができるようになっている。
きっと今後の戦闘で役立つ事だろう。
さて侵攻を開始して三時間。
山道を警戒しながら、俺たちは慎重に進んでいた。
先頭を行くのは俺とボス。
その後に犬獣族歩兵部隊が千人と歩兵部隊五百人が続き、魔法攻撃部隊五百人、サポート部隊五百人が続く。
奇乃子と百万診は最後方から付いてきていた。
仮に後ろを取られてもなんとかなるだろう。
尤も、後ろに回り込まれるような事が無いように、十分注意して侵攻してはいるけれどね。
「ソロソロ砦が見えてくるはずだ」
「じゃあ此処からは作戦通りって事でやるぜ」
作戦は道すがら相談していた。
現在山の砦には冒険者はいないという情報を得ている。
だから正面突破でも普通に攻略は可能だろう。
でもこちらの被害は最小限に留めたい。
ならばという事で、まずは敵をできるだけ砦から引きずり出して叩きたい。
冒険者が関わっているだけあって、砦にはかなり強力な結界や強化が施されているらしいからさ。
まともにやれば相応の被害は受けそうなんだよな。
そんな訳でまずはボスが単騎で行く。
それに百人ほどの犬獣族歩兵が付いて行った。
俺も影を移動しながら前線の様子を窺った。
砦が見えてきた。
こちらから見えるという事は当然向こうからもボスが見えているだろう。
どういう反応をするか分からないけれど、俺は影から岩の陰に出て竹槍を持ってテリトリーⅡの宝石を四方八方へと飛ばした。
なんじゃこりゃー!
竹槍を持っての魔力コントロールは超絶難しい。
ただの神通力で此処まで集中する必要があるのか。
俺は戦闘よりもサポートに力を入れた方がいいかもしれないな。
なんとか宝石の設置を完了した頃、敵の砦に動きが見える。
砦の指揮官らしき者が防壁の上に出て声を張り上げた。
「何用だ!?」
それに対してボスも答える。
「我は等々力軍のボス!この砦、頂戴しに来た!大人しく明け渡してくれねぇか?!」
「何をふざけた事を?等々力は山ノ内を敵にするという事で間違いないな!?」
「この砦を明け渡してくれねぇならそういう事になるな」
「明け渡す訳がなかろう」
「こっちは平和的に話し合いで済ませたかったが、そっちがやるってなら仕方ねぇな」
どこが平和的な話し合いだよw
なんとなく相手が戦争しにきたみたいになっているぞ?
「舐めやがって!痛い目みせてやる!全軍開門と同時に突撃だ!」
相手はやはりタダの雑魚大将のようだな。
だったら‥‥。
犬獣族の残りの九百人が気づかれないよう、意識阻害と認識阻害の魔法を使った。
うおぉー!
この程度の魔法でもかなり魔法構築が難しい。
マジでやべぇぞこの竹槍。
俺は犬獣族の九百人に合図を出した。
その合図を受けて、犬獣族の九百人は息を潜ませて左右に散開していった。
砦から出てきた|鼠《ねずみ》獣族歩兵は、ボスたちへと襲いかかる。
敵は二千人以上で、数では圧倒的に負けていた。
しかも武器は竹槍じゃなく普通の槍だ。
防具も割としっかりとしたものを着用している。
一方こちら側は、RPGで言えば初期装備に竹槍だ。
このままでは流石にマズイ。
俺はテリトリーⅡの強化を発動した。
単純なパワーアップでもこれだけ色々な魔法を発動しているとコントロールが辛い。
こりゃ思った以上に竹槍ヤベェよ。
それでもなんとか踏ん張りつつ、徐々に後退してゆく。
さてどこまで誘い込めるか。
じわりじわりと後退して、ボスの合図で一気に撤退した。
さて追って来てくれるか?
流石に百対二千で楽勝と思っているのだろう。
敵は追いかけて来てくれた。
冒険者がいなくてこちらの作戦に気づく者は無しか。
ゲームならNPCは馬鹿だからな。
初陣に冒険者がいなくてマジ良かったよ。
俺は今度は砦の門を守る敵兵百人ほどに洗脳の魔法をかけて同士討ちをさせる。
やっぱり魔法つれぇ~!
使いづらい魔法を魔力の力技で発動しているから、魔力消費が半端なかった。
こりゃ手を抜く必要なんてないかもしれない。
或いはもしかしたら、強いなりに使いにくくなるようにできているのかもしれないな。
何にしても此処までは作戦通り上手くいっている。
というかなんとかやり遂げているといった感じだ。
俺は頃合いを見て隠していた犬獣族九百人を突撃させた。
「なんだ?同士討ち?いや何処から敵が湧いて出てきたんだ?門を閉めろ!」
おいおい、仲間の帰還を待たずに閉めるのか?
まあでももう遅いけれどね。
門を守っていた五百人ほどの敵兵は右往左往し、そこにこちらの兵が流れ込む。
門を六百人ほどが突破し、一気に敵を殲滅していった。
「トドメを刺す必要はない。戦闘不能の状態にするだけでいいぞー!」
負傷兵を放置するのは戦いの常道。
それだけで戦況は有利になる。
「突入できなかった兵は敵歩兵の背後を付け!」
尤も、魔法攻撃部隊と奇乃子がいるから、助ける必要はないかもしれないけれどね。
さて俺は砦への突入に成功した者たちを助ける。
影を移動して中に入ると、とりあえず友軍歩兵たちを強化しまくった。
砦の中にいるのは、敵の魔法攻撃部隊とサポート部隊が二百名ずつくらいか。
このまま正面対決でも勝てるとは思うけれど、下手に魔法攻撃を食らったら死者が増える可能性もある。
離れた所からこちらを狙い撃ちされるのはマズイから、なるべく近くで戦えるよう誘導してやるか。
「お前らこっちに行け!そっちの百名ほどはあっちな!あっちはそっち!どっちはどっち?」
「分からねぇがとにかく分かった‥‥」
これでこの砦は落ちたな。
後は砦の大将に降伏勧告に行くとしよう。
俺は探知魔法で砦の大将を見つけそこまで移動した。
「はいゲームオーバーね」
俺は背後から忍び寄って足を竹槍で軽く突いた。
「うごぉっ!」
大将は声を上げてその場に崩れた。
「もうほぼ砦のチェックポイントは占拠したよ。これ以上の犠牲は無意味だ。みんなに戦闘をやめるように言ったらどうだ?」
そうは言ってもどうやって伝えるのかって話にもなるんだけどね。
「負けだ。言う通りに従うが、私が今皆にそれを伝える術はない‥‥」
「そう」
でももう負けを認めたよな。
だったら戦闘中じゃないから竹槍を持たなくても魔法が使えるかなぁ。
俺は大将から少し離れてから竹槍を壁に立て掛け魔法を使おうとした。
しかし魔法は使えなかった。
こりゃ思った以上にマズイ状態だよな。
この状態でもまだ戦闘中判定だし、マジで竹槍無いと魔法は駄目なのかよ。
俺は竹槍を持って再び魔法を発動した。
「ツアール!」
この魔法は自分の姿を色々な所に投影するものだ。
「戦争は終わった。砦の大将は今此処で降伏を宣言したぞ。これ以上の戦いは無意味だ。今すぐ投降すれば命は保証しよう」
くはぁー!
この程度の魔法でも必死だわ。
何度も言うけど、竹槍恐るべし。
こうして戦闘は終わった。
友軍側の戦死者は犬獣族の歩兵が二名。
敵軍側の戦死者は鼠獣族の歩兵が三十五名、人族の歩兵が四名、魔法攻撃部隊が十名だった。

戦闘が終わると、俺たちは敵味方関係なく全員を回復させていった。
当然暴れられても困るので、一応後ろ手にロープで縛っておいた。
「それで君たち、どうする?このまま逃がしてまた敵になっても困るんだよね。だから囚われの身で一生過ごすか、俺たちの仲間になるか選んでくれないか?」
戦いの中で裏切られても困るけれど、陣営登録は戦時には使えず変更できない訳で。
戦時に裏切れないならば、殺さずに仲間にする方が良いはずだ。
それに最悪戦闘時以外に裏切られても、その時は魔法を自由に使える。
裏切りそうな奴がいれば、軽く洗脳して使えるように仕立てよう。
「俺たちは家族があるんだ。山ノ内とは戦えない‥‥」
「だから俺たちは捕虜の道を選ぶよ」
「俺たち鼠獣族は単なる雇われだ。ちゃんと給料が貰えるのならコレからは等々力の為に働くぜ」
「なるほどなるほど。ならば鼠獣族の方々は俺の直属の部下として今後は頼む。人族のみんなはしばらく捕虜生活だ。でも山ノ内は早い内に蹴散らすから、その後にまたどうするか聞かせてくれ」
家族を持つ人はなかなか国を裏切る事はできないよな。
ならば捕らえておく所を確保しないと駄目か。
この世界の深淵の闇はどうなっているのか、ソロソロ調べてみる必要があるな。
さてとりあえず後は兵たちに任せ、俺たちは祝勝会と洒落込んだ。
「良かったのだ!ほとんど犠牲なく勝てたのだ!」
「だけど砦にお金は全く無かったわね。等々力王にはなんと言うのかしら?」
「いや最初から金は別に用意してるんだ。それにこちらにはほとんど被害はでていない。数億円掴ませておけば満足するだろ」
「クソな王だからな。あんな奴の為に戦っているのかと思うと、マジでやる気が失くなるぜ」
「それにしても楽勝でしたね。自分は結局何もせず楽勝でしたよ」
何もせず楽勝とか、働かなかっただけじゃねぇか。
まあ孔聞には期待していないけれどさ。
俺はこの後、砦の中に魔封じの檻を沢山作って捕虜を入れていった。
普通の檻でも抜け出せる奴なんていないとは思うけれど、一応念の為ね。
というか魔法で作れるからこの檻は楽なのだ。
しかし砦の中だとどんな檻にしても逃げられる可能性はある。
トイレは檻の中に設置しておいたけれど、捕虜の出入りをゼロにはできない。
新たに雇った鼠獣族の誰かが裏切って逃がす可能性もある。
だから俺は絶対に逃げられない檻を作るために、この世界の深淵の闇の中を調べる事にした。
まずはバクゥの目で深淵の闇を開く。
次に一寸身を作って闇の中へと放り込んだ。
ほぼ真っ暗な場所へとやってきた。
一寸身はライトの魔法で辺りを照らす。
そこはなんと表現したら良いか難しい、複雑な世界が存在していた。
空気と重力はある。
というか深淵の闇に入ってこちらに来た瞬間、既に地面に立っていた。
地面?
見える範囲には地面もあれば、ただまっ平らな黒い場所も存在する。
俺はそこに移動してみた。
特に何もない。
アルカディアの深淵の闇よりも、イスカンデルの方に近い感じかな。
アルカディアでは世界を移動するだけだった。
暗黒界にある深淵の闇には入った事がないけれどね。
そしてイスカンデルは何もない重力だけが存在する宇宙空間のような所だった。
此処には重力もあれば空気もある。
そして地面もあるけれど、別世界という感じではない。
こういう風景は何処かで見た事があるような気もする。
あっ‥‥、これゲームのバグ世界に似ているんだ。
なるほどだとすると此処は世界の裏側、或いはバグに飛び込んだ時の世界か。
ならば戻る事も可能かもしれない。
一寸身は再び深淵の闇を開いてそこに飛び込んだ。
すると入った場所から少し移動した所から出てきた。
これは表裏一体の世界だな。
アルカディアで言えば、人間界と魔界の関係に近いかもしれない。
でもおそらく人間は住んでいないだろう。
バグ世界には光りがないからな。
でもこの場所は使える。
この砦を俺たちの本拠地として、裏の世界に色々と施設を作っていこう。
裏の世界で等々力王都と繋げておけば、コッソリ狛里たちと会う事もできるはずだ。
一寸身では何時でも会えるんだけどね。
できればみんなで話し合いができる場所はあった方がいいでしょ。
とにかく闇の中は有効活用させてもらおう。
闇の住人妖凛も、此処は使えると言ってくれているし大丈夫なはずだ。
俺は早速作業に取り掛かるべく準備を始めるのだった。
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