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2013年11月4日【月】19時44分48秒
【(*´∇`*)】川柳と短歌を始めました。
2013年11月4日【月】19時43分21秒
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リカちゃんのテスト勉強

 俺は別に、萌えを推進したいわけではなかった。
 ただ、萌えキャラである愛美に、いつまでも萌えていたかっただけだ。
 だからぶっちゃけ、萌え萌え推進委員会の活動に、興味などはない。
 だけど、何故かここに来れば、俺はやる気に満ちあふれるのだった。
「よし、萌えの為に俺はやってやるぜ!」
 俺たち委員会メンバーは、空き教室に机と椅子を持ってきて、中間試験対策として、一緒に勉強をしていた。
 真嶋先輩は、見た目通り、どうやら勉強はかなりできるようだ。
 美剣先輩は予想通りバカだったが、そもそも萌えキャラでもなんでもないし、委員会での役割も別なので、勉強する必要はない。
 美沙太郎と副委員長は、一応勉強はできるようで、特に俺が手を貸す必要はなかった
 有沢と冷子も、先輩たちを愛する気持ちで、計り知れないパワーを発揮する。
 と言う事で、問題は、愛美とリカちゃんである。
 愛美に関しては、俺にできるのは、無事にテストを受けさせる事だけだ。
 予備の鉛筆や消しゴムの用意、後は遅刻しないようにする事くらいか。
 それらは今できる事ではなく、となると、今なんとかしなければならないのは‥‥
 俺は向かいに座るリカちゃんを見た。
 あどけない顔で、リカちゃんが俺を見つめている。
「お兄ちゃん、リカは何すればいいの?」
 いや、何するって、勉強しろよマジで。
「そうだねぇ~じゃあまずは、数学の例題でも解いてみようか?」
「うん、分かったぁ~」
 まったく、どうして俺がリカちゃんに勉強教えにゃならんのだ?
 いくら俺でも、三年の問題なんて分からんっての。
 まあ教科書があるから、ちゃんと読めば、理解できないものでもないが、俺自身の勉強はどうなるのだろうか?
 でも、リカちゃんに言われると、俺はどうしても断れなかった。
 だって、やっぱり超可愛いんだもん。
 それで勉強を教える事になったわけだが、リカちゃんの学力は、壊滅的なものだった。
 どうやって高校に合格したんだ?
 どうやって進級できたんだ?
 全ては謎だが、間違いなく不正が何処かにあったのだろう。
 リカちゃん自身が不正をする事は考えられないから、それを行った人、お疲れ様です。
 俺は、リカちゃんを思う何処かの誰かに、敬意を表した。
 それにしても、やはり勉強は大変だった。
「お兄ちゃん、この答えなぁに?」
「えっとそれは、この式に当てはめて‥‥X=5で、Y=2だな。って、自分で解かないとダメだよぉ~」
 何故か答えを教えてしまったり‥‥
「お兄ちゃん、リカってやっぱりツインテールが似合うかな?」
「そうだな、怪獣になりたいなら、それもいいかもね」
 と、訳の分からない会話をしたり‥‥
「お兄ちゃん、美沙太郎って気持ち悪いよね」
「奴にだけは近づいちゃダメだよ。妊娠しちゃうからね」
 と、世界の常識を教えたり‥‥
「お兄ちゃん、リカの誕生日はいつだかわかる?」
「一九八二年五月三日かな?」
「それ、前世のリカの誕生日だよぉ~」
 など、とても充実した時間を過ごした。
「これだけ勉強すれば、きっと大丈夫だね」
 俺がそう言うと、リカちゃんは笑顔で大きく頷いた。
 後で振り返ってみると、この時、どうして俺は、大丈夫だなんて思ったのだろう。
 理由は分からないが、とにかくこの時は、なんの心配もしていなかった。

 試験の前日、俺たち萌え萌え委員会のメンバーは、再び集まって、中間試験への最終チェックを行っていた。
 俺はまあなんとか間に合ったし、愛美はトラブルが無ければ楽勝だろう。
 問題は、リカちゃんだった。
 俺が作ってきたテストをやってもらったが、清々しいくらいに丸が一つだけだった。
 おかしい、何故あの時あんなに勉強したのに、こんな事になってしまうのだろうか。
 俺は再び、その辺から参考書を集めて、リカちゃんに勉強を教える事にした。
「えっと、まずは数学だ。けんたくんは、百円持っています。回転寿司屋で、二百円皿のイクラとウニを、四皿ずつ食べました。さて、この後けんたくんはどうなったでしょう?」
「えっとね、うんとね、持っていたスマートフォンでね、店員を殴って逃げた」
「正解!」
 なんだ、問題無いじゃないか。
 こんなに難しそうな、俺には理解できない問題でも、あっさり正解だもんな。
 一応、もう一問出してみるか。
「じゃあ次ね。三角竜とはいったい何の事?」
「そんなの、生まれたばかりの妖精さんでも分かるよ。それは恐竜のトリケラトプスだね」
「正解!」
 やっぱり問題無いな。
 この問題も、俺には数学の問題とすら分からなかったのに、凄いなおい。
 まあ三年の勉強だから、分からなくて当然だけど。
「じゃあ次は、英語の問題ね」
「英語は得意だよ~」
 ほう、そうなんだ。
 リカちゃんだから、お菓子作りが得意なんだと思っていたよ。
「ほにゃららぺらぺらほにゃら~ら、訳すと?」
「私はヤンバルクイナさんが好きです。でも、ニューギニアヒメテングフルーツコウモリさんの方が、もっと好きです、だよ~」
「おお~!正解だ!」
 これはマジで凄い。
 俺なんか、自分が言葉を喋っている感覚すらなかったのに。
 英語も進化してるんだな。
「次は世界史いくよ」
「うん、お兄ちゃん、ドンドンきちゃってw」
「西暦、二八〇一年、銀河連邦が成立しましたが、銀河連邦が崩壊したのは、西暦で言うと何年でしょう?」
「えっとね、三一一〇年かな。ちょっと自信ないけど~」
「正解だよ~凄いねぇ~」
 俺は感動して、リカちゃんの頭をなでた。
 リカちゃんって実は、超のつく天才なんじゃね?
 もしかしたら、成長力を全て脳に持っていかれているのかも。
「じゃあ次で最後だ。最後は現国ね」
「現国は苦手だけど、リカ、ばんがっちゃうよ」
 ほう、現国が苦手なのか。
 でも、此処までこれだけ正解したんだから、とりあえず、一番難しそうな問題を出してみるか。
 この問題なんか、俺には問題の意味すら分からないからな。
「あなたは、萌えッ子と言われていますね?」
「うん、言われているよぉ~」
「だから何?」
 さあ、リカちゃんは正解できるのだろうか?
「ん~‥‥髪の色がオレンジのキャラは、空気が読めない、だったかな?」
「おお~すっげぇ~リカちゃん、マジでヤバイよ」
 俺はがむしゃらにリカちゃんの頭をなでた。
 これだけできれば、全教科百点も夢ではないだろう。
 たとえそうならなくても、学年トップは間違いないな。
 俺は確信していた。
 しかし、後日返ってきたテストの点数は、|惨憺《さんたん》たるものだった。
 どうしてこうなった‥‥
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ドクダミ

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