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2017年2月25日【土】11時13分21秒
【(゚∀゚)】フリー写真館を狛犬画像室にリニューアルしました♪
2013年11月4日【月】19時44分48秒
【(*´∇`*)】川柳と短歌を始めました。
2013年11月4日【月】19時43分21秒
【(*´ω`*)】現在エッセイ&詩以外の更新は休止しています。
2013年1月7日【月】18時48分51秒
【(*´∇`*)】サイトをリニューアルしました。他も徐々に変更中です‥‥
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加速する時の流れ

 試験期間は、あっという間に終わった。
 音子も頑張ったし、豊にはある程度の手ごたえがあった。
 これならきっと、幸恵の父親は、考え直してくれるはずだと思った。
 マンションに帰ると、豊は既に日課となっている、トレーニングに汗を流す。
 こんな短期間のトレーニングで、そんなに大きな違いは無かったが、少しは体が引き締まってきたようだ。
 豊は大きな鏡の前で、ポーズをとって自己満足に浸った。
 リビングに戻ると、音子と幸恵が同じ服を着ていた。
 豊は一瞬、どっちがどっちか分からなかった。
 そんな豊に「さてぇ、私はどっちでしょう?」と、豊が音子だと思っていた方が質問してきた。
 当然音子だと思ったわけだが、喋り方が幸恵の喋り方だった。
 豊が少し動揺していると見るや、もう一方が「豊迷ってるのさ。おもしれぇ~」と笑いだした。
 今度は、幸恵だと思っていた方が、音子の喋り方をした。
 それでも、自分が間違えるはずはないと、豊は思ったとおりに対応する事にした。
「そっちが川上さんでしょ。音子のマネがうまいねwで、こっちが音子くんだね。」
 豊はそう言って、最初に話しかけてきた方の頭をなでた。
「なんでわかったのさ。くやしいのさ。」
 頭をなでられながら、音子は残念そうだった。
 でもすぐに、嬉しそうな顔になった。
「今度はもっと頑張ろうねぇ。」
 幸恵は凄く楽しそうだった。
 そんな事をしていたリビングに、明子が入ってきた。
 楽しそうな雰囲気に、明子も心なしか笑っているようだった。
 また、音子がはしゃぎ、幸恵が楽しそうに相手しているのを、豊と明子は、少し離れたところから眺めていた。
「正直最初、音子様に代わりに学校に行ってもらうのは、躊躇しました。」
 はしゃぐ二人を見たまま、明子が喋りだした。
「そうでしょうね。」
 豊も正直、音子が学校に行くなんて想像できなかったし、まずい事になりそうだと考えていた。
「だけど、今の幸恵お嬢様を見ていると、良かったと思っています。バカに見られたら嫌だとか、変に思われたら恥ずかしいとか、音子様を見ていると、なんだかどうでも良くなってきますね。」
 明子の気持ちは、豊も嫌と言うほど感じている。
 こんなバカな音子でも、常識はずれな女の子でも、学校では人気者だし、音子の周りには笑顔があふれている。
 そしてそれは、この部屋でもそうだ。
 更に言えば、人の命も救っていたりする。
 それが本当の事なのか、豊はまだ信じきれてはいなかったが、納得できるだけのものは、音子に見せてもらっている気がした。
「僕も同じ気持ちです。勉強で1番になっても、なんだか音子にはかなわない気がしますから。」
 何がかなわないのか、何が負けているのか、豊には説明できない。
 ただ、音子にはかなわないと感じた。
「幸恵もきっと、そう感じているみたいですよ。最近は記憶も安定してるんですよ。豊さんの事も、忘れずにちゃんと覚えていますし。」
 そう言って豊をみる明子の顔は、凄くやさしい笑顔だった。
 この時豊は、何か漠然と違和感のようなものを感じていたが、明子の笑顔がその感情を払拭していた。
  
 夕食の後は、相変わらずストリートビューで、発着点探しをしていた。
 地図にあるベクトルラインはまっすぐではないし、やや北寄りになっているものの、かなり東京都心へと近付いてきていた。
 このペースだと、もう間もなく事故現場を特定して、いよいよ本格的に、命の恩人探しに入れそうだと、豊は思った。
 だからパソコンに向かう時間はそこそこにして、テレビをつけてマッタリしていた。
 その頃、幸恵の部屋には、のぞみが遊びにきていた。
 といっても、音子のように暴れまわって遊ぶわけではない。
 静かに部屋でタロットカード占いだ。
「どう?減ってる?」
 のぞみの言葉に、幸恵は黙って首を振った。
 そして幸恵の口から出た言葉は、信じられないものだった。
「確率が増えてるぅ。もうすぐ死ぬ確率90%だって・・・」
 それを聞いて、のぞみは声をあげた。
「なんで!もしかして、手術の可能性が増えてるの?」
 そう、のぞみの言葉は、この時点では正しかった。
 実は父親は、幸恵がおとなしくしていれば、特に何かをするつもりはなかった。
 だが、最近学校に通い、やたら目立った行動をしている。
 それも、常識離れした行動をだ。
 それを知るに至った方法は、金の力と言えば、だいたい想像ができるだろう。
 だから、何か手を打たなければならないと考えていた。
 その為に、手術をする確率が上がっていた。
 幸恵が死へと向かう手術の確率が・・・
「行くの?」
 のぞみの質問に幸恵は、少し考えてからこたえた。
「行かないわけにはいかないよ。音子ちゃんの話を聞いたところ、私が音子ちゃんに色々教える事になってるみたいだから。」
 幸恵は笑顔だった。
「でも、手術からは絶対に逃げてね。」
 のぞみの顔は真剣で、不安があふれていた。
「うん、きっと・・・」
 幸恵とのぞみは、抱擁を交わした。
 もうすぐ尽きるかもしれない命のぬくもりを感じる為に。
 そしてこの時、幸恵は理解し始めていた。
 自分がどうして、生まれてきたのかを。
 何故、自分に瓜二つの音子が、未来からやってきたのかを。
  
 22時になろうかという時間、豊と音子は、テスト勉強に疲れていたのか、テレビをつけっぱなしにしながら、豊の部屋で眠っていた。
 テレビでは、ドラマのエンディング曲が流れていた。
 俳優のキャスト名の中に「福田明子」の名前がある事に、豊は気づく由も無かった。
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