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2017年2月25日【土】11時13分21秒
【(゚∀゚)】フリー写真館を狛犬画像室にリニューアルしました♪
2013年11月4日【月】19時44分48秒
【(*´∇`*)】川柳と短歌を始めました。
2013年11月4日【月】19時43分21秒
【(*´ω`*)】現在エッセイ&詩以外の更新は休止しています。
2013年1月7日【月】18時48分51秒
【(*´∇`*)】サイトをリニューアルしました。他も徐々に変更中です‥‥
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秋華エントランス

猫ウィルス

 この日、転校生は学校に来なかった。
 昨日あれほど豊に話しかけていた幸恵の席には、花瓶が置かれていた。
 豊はそれを見て動揺した。
 川上さんが死んだのか。
 いやでも、1年後音子に話をするまでは、生きているのではなかったのか。
 豊は椎名を見た。
 椎名も豊を見ていた。
 目が合うと、椎名はただ首を横に振った。
 豊は動揺で、予習する事も、冷静に周りを見る事もできなくなっていた。
 朝のホームルーム、すぐに佐々木先生が教室へと入ってきた。
 するとすぐに、幸恵の机に置いてある花瓶に気がついた。
「ん?何故そんなところに花瓶が置いてあるんだ?日直、元の位置に戻しておいてくれ。」
 担任の言葉に、どうやら悪戯たった事が判明した。
 豊はホッと安心した。
 (全く、いったい誰だよ!)と、豊は心の中で思った。
 豊は落ちついてくると、何故此処まで心配してしまっていたのか、急に自分に疑問が生まれた。
 相手は昨日初めてあった子だ。
 ただのクラスメイトの死だったら、きっと此処まで心配しない。
 いや、正確に言うなら、必要以上に心配そうな顔をして、自分はショックを受けている事を主張するだろう。
 そう、冷静に受け止める自分が、何処かに残っているはずだ。
 でも今は違った。
 豊は本気で動揺してしまっていた。
 自分がどんな顔をしていたのかさえ覚えてはいない。
 ただ、冷静になってくると、豊にはその理由が分かった気がした。
 全てはきっと、音子なのだろうと。
 豊が音子と出会って、まだ一週間も経っていない。
 が、音子は豊にとって、何やら大きな存在になってきていた。
 さて、死んだわけではなかった幸恵だが、学校に来ていない事は変わらない事実だった。
 転校そうそう休みだなんて、何故だか豊は気になっていた。
 (まったく、音子と会ってから色々な事が起こる。)
 豊は考えていた。
 音子に会い、久しぶりに菜乃と話し、三杯の妹ののぞみに買い物を手伝ってもらって、可愛い転校生が来て、1カ月話した事もなかったクラスメイトの椎名と一緒に、ファストフード店にも行った。
 それも、たった5日間にあった事だ。
 豊には今まで、これほど色々な事が続いた記憶なんてほとんどない。
 普段なら、誰かと話す事さえそれほどない。
 スーパーで買い物をするにしても、全くコミュニケーションなんてない。
 発声は、授業で当てられた時と、昼休みに三杯と話す時だけだった。
 そんな事を考える中で、豊は、今日幸恵が休んだ事には、何か意味があるのではないかと思っていた。
  
 昨日あれほど椎名と話をしていた豊だったが、今日は話をする事は無かった。
 休み時間は、今までどおり予習復習する時間に充てていた。
 昼休みは、いつものように三杯と食堂へと向かった。
 豊はそこで、三杯にパソコンの事で相談していた。
「パソコンがさ、ウイルスに侵されちゃってさ。三杯そういうの得意だろ?直せないかな?」
 豊は目の前の海老フライ定食を食べながら尋ねた。
「ああ、ウイルスに侵される事十数回。対応は任せておけw」
 三杯の発言は、感心できる事ではなかった。
 失敗は成功の元だし、失敗があるからこそ、対処する術を学ぶ事ができる。
 だからバカにはできないが、できれば対処する事の無いまま過ごせるのが一番良いと、豊は思った。
 だいたい、失敗して学ぶなんておかしいと、豊は考えるところがあった。
 失敗する前に、準備や学習はできる環境にある。
 そう、今ではインターネットがあるのだから。
 調べられない事など、ほとんど有りはしないのだから。
 だけど、パソコンが壊れてしまっては、その直し方もわからない。
「よろしく頼む。」
 豊は、十数回もウイルスに侵される三杯に不安を感じたが、此処は素直に頼る事にした。
「で、どんな症状なんだ?」
 三杯は少し偉そうに、豊の海老フライ定食の海老を一匹、箸に突き刺して、自分の口の中に入れた。
「いや、なんか猫の写真がいっぱい出てきてさ。画面を埋めちゃって操作できないんだよ。」
 豊は何食わぬ顔をして、三杯の竜田揚げ定食の竜田揚げを、ちょいと箸でつまんで口の中に放り込んだ。
「ああそれか。猫ウイルスだな。別に大したウイルスじゃないけど、珍しいのに感染したな。」
 三杯は、豊の前にあった味噌汁のお椀を手に取ると、豆腐とわかめを|掻《カ》っ込んだ。
「珍しいのか。どういうふうに珍しいんだ?もしかして直せないか?」
 豊は、三杯の皿の上に並んでいるプチトマトを、グザグザと箸でつつきまくった。
「専門誌では、感染例がほとんどみられないから、感染すると運が良いとまで言われるウイルスだ。直せるが、PCに大切なファイルは入っているか?」
 三杯は、豊のご飯につまようじを突き立てていった。
「そうなんだ。今まで撮った写真とか、勉強用のファイルがあるから消したくはないな。」
 豊はテーブルにあったタバスコを、三杯のご飯にたっぷりかけた。
「そっか。なら1週間放置すれば、症状も治まるらしいぞ。最後に怪しいメッセージが出るらしくて、それ見たさに、感染したいって人もいるからな。」
 三杯は、豊の味噌汁を自分のご飯にかけ、食べ始めた。
「辛いの意外と平気なんだ?じゃあもっとかけるか。」
 豊は再びタバスコを、三杯の食べている味噌汁かけご飯に振りかけた。
「って、俺達、何やってるんだ?」
「仁義なき戦い?」
 今日の食事は、二人にとって忘れられない食事となった。
 豊は、二度と戦争はしないと心に誓った。
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