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幸恵の過去

 音子が学校に通い始めて、数日が過ぎた。
 言わなくてもわかると思うが、毎日騒がしかった。
 写した宿題は結局忘れるし、授業では先生に「イジメ格好悪い!」とか言うし、食事には相変わらずプリンとかお菓子は必ず付けるし、豊にとってはもう無茶苦茶だった。
 だけど、豊にとっては意外だったが、音子の周りには人が集まるようになっていた。
 要するに音子は、人気者になり始めていた。
「ねぇねぇ、なんで山下とか渡辺ちゃんからはネコって呼ばれているの?」
「猫だからさ!」
 (おいおい、あんまり変な事言うなよ。)
「そ、そうなんだ。そういえば前にタロットカードいじってたけど、占ってよw」
「あれは幸恵がやるのさ。」
 (バカ!お前が今川上さんなんだって!)
「え?あんた幸恵だよね?」
「あっ、そうだったのさ。すっかり忘れていたのさ。てへっ!」
 (舌だしてる場合じゃねえよ!しっかりしてくれよ。)
 離れた席で見ていた豊は「はぁ~」とため息をついた。
 すると椎名が豊のため息に気づき、豊の前の席に座って、豊の方を向いた。
「大丈夫だよ。そんなに心配しなくてもw」
 豊は、椎名の言葉にも、そう簡単に安心できる性格では無かった。
「だと良いんだけどさぁ~。それにしても、音子はおとなしくする事ができないのかね。」
 豊は呆れたように言ったが、顔は笑顔だった。
「でもさ、音子ちゃん、豊がいない時は、結構おとなしいよ?体育の時の更衣室とか、授業中とかも。」
 椎名の言葉は、豊にとっては意外だった。
 音子は、食事中と一人の時は、結構おとなしかったりする。
 でも誰かがいる時は、大概騒いでいるイメージだ。
 みんなの前で静かな音子なんて、あまり想像できない。
 川上さんなら想像に容易いが。
 豊がそんな事を考えてフリーズしていると、椎名が「豊がいる時だけ元気なのかもねw」と言って、席から立ち上がった。
 気がつくと、チャイムが鳴っていた。
 豊は、何故か湧き出る笑顔を、抑える事が出来なかった。
 昼休み、三杯は約束があるとかで、食堂には来なかった。
 椎名も、音子の登校初日以外は、食事を共にしていない。
 だから今日の食事は、音子と二人だけだった。
「うーまーいーぞー!」
 音子は豊と二人でも相変わらずだった。
「そんなに美味そうに食ってくれると、おじさんも嬉しいよ。」
「ほれ、これおまけしてあげるよ。」
 食堂のおっちゃんやおばちゃんとも、音子は既に仲良しだ。
 (全く、学食の飯なんて、そんなに美味いものではないだろうに。)
 そんな事を豊は考えていたが、口元は緩みっぱなしだった。
 音子はバカだけど、凄くみんなから愛されていた。
 豊には、何故かそれが嬉しかった。
 そして思った。
 勉強の必要性って、どれくらいあるのだろうかと。
 そしてもし、この学校を一つの企業と考えたら、自分はそれなりの役職にはありそうだけど、音子にはトップが似合うとも。
 豊は楽しそうに食べる音子を眺めながら、そして時々ツッコミを入れながら、今日はから揚げ定食を食べていた。
 すると、音子の後ろの席で、こちらに向いて座っている女生徒と目があった。
 相手は、風谷菜乃である。
 挨拶しないのもアレなので、豊は左手を挙げて「ニャー!」と挨拶した。
 最近の挨拶の半分以上が「ニャー!」なので、ついうっかり言ってしまって顔が赤くなったが、此処で動揺すると負けだと思い、何食わぬ顔で食事を続けた。
 すると菜乃も「ニャー!」と挨拶を返してきた。
 その声に気がついた音子も、後ろを振り返って「ニャー!」と挨拶した。
 が、すぐに深刻な顔で豊の方に向き直り「お友達?」と聞いてきた。
 音子のその表情がどういう事か、豊にはすぐには分からなかった。
 (あの女、コッソリと音子にイジメを働いているのか?)
 なんて思ったが、菜乃はそんな人ではない。
 でも深刻な音子の表情はただ事ではない。
 豊はそんな事を考えながら、音子に無意識のうちに返事をしていた。
「うん、友達だよ・・・」
 するとそれを聞いた菜乃がいきなり立ちあがり、豊の隣の席に移動してきた。
 その表情は、少し驚いているようだった。
 そして何故か、自分の海老フライ定食から、海老フライを一つ箸でつまんで、豊のお皿に移した。
「へぇ~友達だったんだ。じゃ、友達祝って事で。」
 菜乃の言葉は「ギャー殺される~何が望みだぁ!」なんて冗談がピッタリはまりそうな雰囲気だった。
 だけど、菜乃の表情を見て、豊は言うのをやめた。
 いつもの冷めた目だったが、豊には喜んでいるように見えたから。
 菜乃は携帯電話を取り出し「アドレス」と言いながらそれを揺らした。
 要するに、アドレス交換をしようと言うのだ。
 豊にもそれはすぐに理解できたので、得意げに赤外線通信で交換を果たした。
 気がつくと、音子が目をウルウルさせながら、笑顔だった。
 豊には意味が分からなかったが、悪い事ではないと判断し、その場は菜乃と、冗談で塗り固められた会話を楽しんだ。
 食堂を出た後、豊は音子に尋ねた。
 先ほど、深刻な顔をしたり、笑顔でウルウルしていたわけを。
 その答えは、豊にとっては大きな衝撃だった。
 最初に音子が菜乃を見た時、命がもうすぐ消えていく気配が、菜乃にはあった。
 だけど、豊が「友達だよ」とこたえた事で、その気配が消えたというのだ。
 そんな一言が、人の命運を左右する事に、豊は色々な意味で、世界の繊細さを感じずにはいられなかった。
 豊は音子を見た。
 命を救う事ができたのは、この小さな音子がいたからこそだ。
 なんとなく、今日はプリンを買って帰ろうと、豊は思った。
 学校が終わると豊は、コンビニでプリンいくつか買って、マンションに帰った。
 幸恵は、待ってましたとばかりに音子を招き入れた。
 音子が学校に通い始めてからは、毎日こんな感じだ。
 学校での事を、音子から聞くのが楽しみらしい。
 なんとなく豊は、幸恵の雰囲気が明るく変わってきているように感じた。
 別の言い方をすれば、音子に少し似てきていた。
 動物は飼い主に似ると言うが、その逆もあり得るのだなと豊は思った。
 豊は、とりあえずプリンを冷蔵庫に入れようと、キッチンへと向かった。
 するとそこには、電話している明子がいた。
 明子は豊がキッチンに来た事に気がつかず、そのまま電話を続けていた。
 豊は邪魔をしないように、プリンを冷蔵庫にいれたら、すぐにキッチンを出る予定だった。
 だけど、聞こえてくる明子の声に、歩みを止めざるを得なかった。
「最近はちゃんと学校にも通えるようになりました。手術はもう少し待ってください。」
 明子は、凄く切羽詰まった様子だった。
 ほんの少し聞いてしまったその言葉で、豊は状況をある程度理解していた。
 幸恵の記憶障害を直す為に、手術をする予定がある事。
 そしてその手術に、明子は反対している事。
 更には、なんのために音子に、学校に行くように勧めたのかも分かった。
 大丈夫である事を主張する為だ。
 そんな事を考え立ち止まる豊に気がついた明子は「また電話します」と言って、そそくさと電話を切った。
 電話を切るとすぐに「そういう事なんですよ。」と、明子は無理に笑顔を作って、豊に言った。
 その後、豊は明子から、色々と事情を説明される事になった。
 幸恵は、ある企業グループを束ねる会長の孫であり、父親はそのグループの中軸企業の社長だった。
 だけど、幸恵は望まれて生まれた子供ではなかった。
 父親は結婚が決まった後に、愛人から妊娠を告げられたのだ。
 そうやって愛人との間に生まれた私生児が、幸恵である。
 父親には、一応社会的立場もあり、公にならないように、母親が幸恵を育てる事になった。
 だけど愛人であった母親としては、納得できなかった。
 自分が結婚できるものだと思って、付き合っていたのだから。
 だから、なんとか見返してやろうと、幸恵を厳しく教育した。
 暴力こそ振るわなかったが、幼児虐待と言われても差支えないほどだった。
 でもそれは母親の、本心からの愛がなせるものだった。
 間違った愛でも、愛は愛だ。
 だが、それがきっかけだったのか、気がつくと幸恵には、記憶障害が起こるようになった。
 記憶障害の原因はハッキリしなかったが、それはすぐに父親の知るところとなった。
 父親は、結婚前に浮気をしていた事がばれるのを恐れ、幸恵の行動を規制した。
 普通の子なら、別に規制する必要はない。
 だけど、障害があると、やはり目立ってしまう。
 それでも、多少なりとも落ち着いて、普通に小中学校の義務教育は終える事ができた。
 高校は地元の高校に進んだ。
 しかしそこで待っていたのは、更なる競争や新しくなる人間関係。
 イジメもあったのかもしれない。
 幸恵は再び、記憶障害を起こすようになった。
 そこで、田舎の高校である、桜花高校に転校してきたというわけだ。
 だけど、此処にきても変わらなかった。
 登校初日、帰ってくると、記憶障害がおきていた。
 学校であった事を聞いても、何も覚えていなかった。
 再び、学校へは通えなくなった。
 そんな時に浮上した話が、手術である。
 だが、原因もわからない障害、治る可能性は限りなくゼロに近い。
 それでも父親は、手術を勧めてきた。
 明子は思った。
 手術を失敗させ、幸恵を殺そうとしているのではないかと。
 そんな時に、音子と出会った。
 音子がちゃんと学校に行って、ちゃんと普通の人のようにできれば、父親も治ったと思って、手術をやめてくれるかもしれないと。
 ザックリ話すとこんな感じだった。
 そうは言っても、豊にはずしりと重い話であった。
 最後に豊が「母親は何処にいるんですか?」と聞くと「おそらく死んだ」との事だった。
 あまりに無慈悲な話に、豊は少し涙がでた。
 できるものなら、なんとかしてあげたいと思った。
 明子から幸恵の話を聞いた豊は、なんとかテストで良い点数をとってもらおうと、必死になって音子に勉強をさせた。
「この人髭なげぇ~」
 音子は、歴史教科書に載っている人の絵を見て、やたらと喜んでいた。
 でも豊はそんな事にかまってはいられない。
「分かったからここ覚える!」
 音子はシュンとなって、再び教科書に向かう。
 しばらくすると、音子が教科書を閉じた。
「覚えたのさ!豊、テレビみるのさ。」
 音子が取ろうとしたリモコンを、豊は先につかんで腕の中に隠した。
「駄目!次、英語覚えるよ。」
 音子はまたシュンとして、ゆっくりと教科書を開いた。
 そんなやり取りを何度かしていると、いきなり音子が切れた。
「豊!それはイジメなのさ!先生より酷いのさ!」
 音子の目には、涙があふれていた。
 豊はハッとした。
 そして思い出していた。
 明子に聞かされた、幸恵の話を。
 もしかしたら今、自分は幸恵の母親と、同じ事をしていたのかもしれない。
 いくら良い点数を取る事が必要でも、無理をしすぎてはいけない。
 豊は素直に「ごめん」と謝った。
 そして「ちょっと休憩しよう。テレビ見るかw」と言って、持っていたリモコンでテレビをつけた。
 この後は、音子に無理をさせない程度に、なんとか予定の勉強を終えた。
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