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2013年11月4日【月】19時43分21秒
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 なんと!引っ越しパーティーに現れたのは、三杯のパーフェクトシスター、のぞみちゃんであった~!
 と、パーティーを盛り上げる流れになるのかと思いきや、特に何かがある訳でも無かった。
 普通に挨拶すると、のぞみは豊の向かいのソファーに座り「引っ越しおめでとう~」みたいな事を幸恵が言って、食事が始まる。
 音子はすぐに料理にかぶり付き、とにかく食事に夢中だった。
 そんな音子を見ても、すでに幸恵から音子の事は聞いていたのか、二人がそっくりな容姿なのにも、のぞみは特に驚く事もなく、パーティーはつつがなく終わりを迎えた。
 おっと、一つだけどうしても、伝えておかなければならない事があった。
 このパーティーの中での会話で、驚くべき事実が判明した。
 なんと!奥様は!じゃなくて、のぞみはまだ11歳だったって事。
 以前豊の買い物ミッションを遂行した際、豊は少し年下くらいだろうと思っていた。
 要するに、高校1年生くらいだと思っていたのだ。
 しかし、なんとまだ小学生だったのだ。
 豊は「女の子って怖い」と思った。
 そう言えば誰かが言っていた。
 今の女の子は「中学生時代が無い」と。
「小学生から、一気に高校生になる」と。
 話がそれてしまいまいて失礼しました。
 それで後は特に面白い話もなかったが、一応伝えておくと、幸恵とのぞみは5年ほど前、偶々公園で知り合って、それから仲良しなのだとか。
 まあそんな話、聞いたところで面白くもなんともないよね。
 ぶっちゃけ、黙々とモクモクと料理を食べ続ける音子を見ていた方が、豊にとってはよっぽど喜びを感じられる時間になっていた。
 パーティーが終わった後、豊は自室で、音子と色々と話をしていた。
「やっぱり、川上さんの気配は変わらないか?」
 何がきっかけで、死への運命が変わるかもしれない。
 だから豊は、きっかけとなりそうな事がある度に、音子に状況を確認していた。
「変わらないのさ。だけど変なのさ。」
「何が変なの?」
 音子の表情からは、特にどうとらえていいのか分かるところは無かった。
 だから豊は、そのまま質問を返すしかなかった。
「ん~前に見た三毛猫や、椎名のお兄ちゃんの時とは、少し違う気がするのさ。」
 手をあごににあてて考える音子は、なんとなく白々しい演技をしているようだったが、本人はいたって真面目である事は、豊には伝わっていた。
「少し違うか・・・」
 豊は考えた。
 やはり普通に考えて、音子と何らかの関係がある事は間違いない。
 でも、猫が人間になってる時点で、豊にとっては自分の想像を超えていた。
 豊は結局、考えても無駄だと結論をだした。
「ところでさ、音子って人の寿命とか見えたりしないの?たとえば僕のとか。」
 豊はなんとなく思った事を口に出していた。
 しかし、言ってから、少し後悔していた。
 これで「すぐには死なないけど、後3年くらいかな?」とか言われた日には、ショックがでかすぎる。
 豊はすぐに「やっぱりいいや」と言おうとした。
 当然、それよりも先に、音子がこたえてしまう事は、お約束である。
「豊は死なないのさ。サリンを一気飲みとか、スカイツリーのてっぺんから飛び降りでもしない限り、大丈夫なのさ。」
 いや流石に、それをする前に死にそうだとか思うわけだが、音子の表情は真面目だった。
「え?マジで?」
 豊には音子が嘘を言っているようには見えなかったので、信じようとしていた。
 だけど、音子の顔は、すぐに笑顔に変わった。
「そんな訳ないのさwははは~」
 豊は音子に騙された。
 というか、音子が冗談を言った。
 単純な音子が冗談を言うなんて、今まではあり得なかった。
 音子が成長していると豊は感心し、どこか嬉しい気持ちがわき上がってきた。
「ははは。冗談か、流石にそれは無いよね。」
 豊としては、コレで自分がすぐに死ぬ事は無いと判断できていた。
 冗談が言えるわけだから。
 でも、実はあながち嘘でも無かったようだった。
「豊は中心世界の中心人物なのさ。全ての世界から必要とされているから、自分から死のうなんて考えない限り、無茶しなければ死なないさ。」
「はは・・・」
 どうやら豊の人生は、良くも悪くも長そうだ。
 豊の乾いた笑いが、妙に頭に残る夜だった。
  
 豊が音子とそんな話をしている時、リビングでは幸恵とのぞみが話をしていた。
 幸恵は、テーブルにタロットカードを並べていた。
 ぶつぶつ呪文のようなものを唱えた後、カードを1枚めくった。
「どう?」
 のぞみが心配そうに、幸恵の顔を覗き込む。
「ん~死ぬ確率は、40%くらいかなぁ。悪いカードじゃないけど、まだまだ可能性は残されてるぅ。」
 実は幸恵のタロットカード占いは、100%的中するらしい。
 何故そんな能力が自分にあるのか、幸恵自身にも分からない。
 身体にハンデを持つ者が、時々超人的な能力を発揮する事があるが、正にそんな感じだろうか。
 ただし、幸恵が占えるのは、自分の命に関する事だけだった。
 以前、教室で泣いていたのは、自分の命が後わずかである事を、再確認していたからである。
 ちなみに、この能力について知る者はのぞみだけであり、明子は何かを感じているかもしれないが、話してはいなかった。
「世界の中心人物である、豊さんにこれだけ関わっても、40%か。なんとか0%にしたいね。」
 のぞみはそう言って、幸恵に寄り添った。
「最初は100%だったんだから、もう少しだよぉ。」
 幸恵はのぞみの頭をなでた。
「でも、駄目な時は・・・」
「だめだよぉ。音子ちゃんの邪魔だけは、ね。のぞみちゃん。」
 のぞみは幸恵にしばらくなでられた後、明子の用意した車に乗って帰っていった。
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ドクダミ

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