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第五話 痴漢撃退

世の中に、死にたいなんて思っている人は、ごまんといるのだろう。
そのほとんどが、良い事と悪い事の割合、バランスが、悪い事の方が多い事を知っている。
そんな事無いと言える人は、実に幸せだ。
そしてそんな人は、きっと死にたいなんて思わない。
毎日毎日生きる事と戦って、心の中で泣いている人が、すぐ隣りにいる事に気がつかない。
今の世の中、一言で言って、優しい人に辛い世の中だ。
競争社会?
人をけ落としてでも幸せをつかもうとする人々。
まあ、それが別に悪いとはいわない。
ただ、それがお金につながる事がダメなのだ。
お金の無い人が、明日を不安に思いながら、生きなければならないのがいけないのだ。
今が楽しくても、明日が不安なのだ。
だからせめて、明日の不安以外の、負の感情を取り除けたなら。

ふかふかの布団、澄み切った空気、静かな目覚め。
なんだろう、この心地よさは。
俺は昨日家を出て、この河崎邸で暮らす事になった。
どうみても超大金持ちの家だから、この家で住まわせてもらえる以上、俺の生命が危機に犯される事は無い。
 華「命の恩人だからぁ~一生いてもいいよぉ~」
なんて、言ってくれていたし。
マジで一生いるよ?
俺の人生、これで全ての悩みが無くなったも同然だ。
それだけで、人はこれほど豊な気持ちになれるのか。
枕の横に置いてあるクッションをベットに、気持ちよさそうに眠るみかん。
話せる魔女ッ子もいるし、未来ノートっていう遊び道具もある。
きっと俺は、今初めて生きてる喜びを知ったに違いない。
今なら何もかもが許せる気がする。
 みかん「宗司の糞バカ!ホント私がいないとチキンなんだからぁ・・・むにゃむにゃ・・・」
なんだとこいつ。
寝言とはいえ、許されない暴言じゃないか。
俺はみかんのほっぺを、赤マジックで塗っておいた。
まだ気は晴れないが、これくらいで許してやろう。
俺は布団からでて、用意してあった服に着替えた。
・・・
ちょっとダンディーすぎないか?
俺の服は、着てきたものしかない。
それは今洗濯しているから、華ちゃんが用意してくれたのを着たのだけど。
 みかん「おおおぉぉぉぉ!!宗司、馬子にも衣装!!」
うむ、苦しゅうない。
って、馬子にも衣装って、正確な意味なんだっけ?
聞かれると説明って難しいよね?
 宗司「かなり大人っぽいスーツだな。ま、俺は何を着ても似合うけど。」
 みかん「中身の悪さは、衣装でカバーなのさ。」
・・・
まあいい。
ほっぺの赤いみかんを見てるいと、ちょっと面白いからな。
しかしこのスーツは、誰のだろうか?
この建物には、男の人は住んでいないって言っていたような。
今両親はいなくて、華ちゃんとお姉ちゃんと、お手伝いさん関係しかいないって言っていた。
もしかすると、お父さんのスーツかな?
深く考えても仕方がない。
俺は部屋を出た。
・・・
目の前に女の人がいる。
それもどこかで見た、少し目つきの鋭い時給1250円。
ああ、あの時の100万円じゃないか。
 女「きゃーー!!なんですの!!なんで屋敷に男が!!」
 みかん「きゃー!!」
みかんが一緒に驚いてるし。
って、おいおい、俺を不審人物と勘違いしているぞ。
なんとか説明せねば。
 宗司「落ち着きなさいませお嬢様。」
・・・あれ?
こんなんでいいのか?
 女「あら?あなた、新しい執事か何かですの?」
 みかん「違うよ。宗司は居候だよ。」
うむ、間違っちゃいないが、みかんの言葉は聞こえないのだよ。
 宗司「まあ、遠からずも近からず。華お嬢様のボディーガードにございます。」
まあ、命の恩人らしいし、嘘じゃないだろう。
 女「ああ、あなたが華の言っていた・・・」
 宗司「そうです。私が変なお兄さんです。」
・・・
 女「きゃーーー!!!」

10分後、ようやく落ち着いた。
俺が変な事言わなければ、すぐに理解してもらえたんだろうけどね。
 姫「私の名前は、河崎姫ともうします。」
 宗司「これはこれはご丁寧に。わたくし、尾北宗司ともうします。」
 姫「ええ、妹の華から聞いておりますわ。」
むむむ。
しかし時給1250円が、華ちゃんの姉とは。
て言うことは、俺と同じくらいの歳かな?
 宗司「まさか、あの猫100万円が姫さんだったとは、これは驚きですな。はっはっは!」
 姫「なんですの?それ?」
少し、疑問半分、不信感半分の表情になった。
 宗司「お忘れのようですな。数日前、公園のベンチに猫の入ったバックを、忘れておられたようですが?」
 姫「ああ、あの時の。助かりましたわ。ありがとう。」
うむ。
しかし、喋り辛いな。
この姫さんは、普段からこんな喋りなのだろうか?
 宗司「ところで姫さん、普段からそのような喋りをしておられるのですか?」
俺は、お嬢様だからってお嬢様の喋りをするのが、どうしても信じられない。
現に華ちゃんは普通だ。
・・・
いや、普通じゃないけど、お嬢様な喋りではない。
 姫「や、やっぱり、どこかおかしいでしょうか?」
やっぱり?
特におかしいって言うよりは、その喋りを使う事がおかしい。
つーか、お嬢様って実際なんね?
 宗司「お嬢様がお嬢様言葉を使う事がおかしい。」
俺は素直に指摘した。
 姫「そうだよね。おかしいよね。だけど他人と話す時は、お嬢様言葉をつかえって、お父様が無理強いするのよ。ひどくない?」
・・・
いきなり変わりまくるのもどうかと思うけど。
でも、こっちの方が可愛いし、親しみがわくなぁ。
 宗司「うん。そっちのが良いよ。可愛い。」
俺は感じたままを伝えた。
 姫「ええーー!!か、か、か、わいい?そんな事言っても、私は騙されませんわよ。」
あら、戻った。
結構しゃべり方が身に染みついてるのかな。
 宗司「別に騙さないし。俺は嘘とお世辞が大嫌いだから。」
お世辞って、ある意味嘘だから、結局のところ嘘が嫌いって事なわけだが。
 姫「そ、そう。」
少し姫さんは照れていた。
 姫「そう言えば、宗司さんって、高校時代は、屋上の尾北って呼ばれて、モテモテだったそうね。」
・・・
 宗司「何それ?」
聞いた事がない。
全くない。
つーか、俺今まで女と付き合ったこと、一回しかないんですけど?
 姫「華が言ってましたわよ。いつも屋上で哀愁漂わせてる尾北先輩は、1年生の間では人気あったって。」
なんじゃそりゃ?
確かに俺は、屋上にはよくいた。
ってか、いつもいた。
それはただ単に、友達がいなくて、死にたいなぁ~って思って、屋上に行っていただけだ。
でも飛び降りる勇気もなくて、いつもグラウンドを眺めていた。
まあ、別にいじめられていたとかってわけでもないけど、とにかく人と関わり合いたくなかったからなぁ。
でも、過去いじめられていた事はある。
いじめていた事もあるけど。
いじめられていた理由は、俺が目立つ存在だった事と、番長と呼ばれていた人の、好きな女に告白した事だ。
いやあ、女一人であの頃の俺は毎日が地獄だったな。
明日になるのがいやで、生きるのがいやで。
下手にプライドがあるから、下手に反抗とかして、より多く反感をかった。
一人の女が、俺のあの頃の人生を変えた。
でも、イジメもしていたから、文句ばかりも言えない。
いじめる理由は簡単。
友達がみんな嫌ってるから、俺は嫌いでもないんだけど一緒にいじめる。
今になって思うんだけど、俺が過去で一番後悔している事が、イジメをした事。
一番辛かったのが、いじめられた事。
だから俺のいる場所は屋上しかなかったんだ。
 姫「どうしたの?宗司さん。」
あっ!つい昔を思いだして、ボーっとしていたようだ。
 宗司「いや、確かに屋上にはいたけど、友達がいなかったから仕方なくいたんだけどねぇ。」
 姫「そうなの?宗司さん、友達いっぱいいたって、華が言ってたけど。」
友達?
んー・・・確かに時間を無駄に過ごすツレは、いっぱいいたかもな。
でもみんな、友達なんて言える奴じゃ無かった。
俺の友達の定義は、二人で遊びに行けるかどうか。
それくらいの関係でないと、友達と言えないと思っている。
だって、あの頃のツレとは、もう一切のつながりがないじゃないか。
 宗司「まあ、広く浅くはいたのかなぁ・・・」
昔を思い出すと、また死にたくなる。
未来に期待がもてなくなる。
 姫「まあ、少なくとも、華は宗司さんとお友達になりたいみたいですわね。」
友達になりたいか・・・
一度喋っただけで、そう思える人物に会った事なんてないから、気持ちがわからんな。
でも、華ちゃんとは魔女ッ子の事もあるし、それなりにつき合いはしなくてはならないだろう。
てか、家においてもらってるのに。
 宗司「俺は、いい子とだったら、友達になりたいな。」
 姫「華は良い子ですわよ。あれ?またしゃべり方が変わってるぅー!」
・・・
気がついてなかったのか?
だったらそれでもいいのに。
 姫「あっ!そうそう、宗司さんのが年上だから、姫と呼んでくれて良いよ。」
 宗司「ああ、姫。じゃあ俺の事も宗司で良いよ。俺、人は皆対等だと思ってるから。」
 姫「そう?じゃあそうする。」
なんとなく、この子好きになれそうだ。
 宗司「ところでさ、ちょっと聞いても良いかな?」
俺はどうしても聞きたい事があった。
 姫「うん。かまいませんよ。」
 宗司「なんで鞄に万札と猫が入ってたん?」
・・・
あれって不思議だよね?
だいたい猫を鞄にって、ありえない。
 姫「あっ!あれは、って、中みたの?」
・・・
 宗司「鞄の中からにゃーにゃー聞こえたら、普通中見るよね?」
 姫「・・・内緒だよ?」
 宗司「うん。」
 姫「猫、可愛かったから、こっそり持って帰って、飼おうと思って。」
じゃあ、あの猫は、姫のじゃなかったって事ね。
見つけて拾って鞄に入れて、そして持って帰るタイミングをはかってたのかもな。
 宗司「じゃあ、あの猫は今飼ってるの?」
 姫「どっか行っちゃった・・・」
まあ流石に、鞄に閉じこめられて怖かったか、野良だからなつかなかったか。
そんなところだな。
 姫「と、ところでさ!」
もうこの話は嫌らしい。
 姫「宗司は、ずっとこの家にいるの?」
えっと・・・
いたいんですけどダメですかね?
 宗司「そうしたいんですけど。」
 姫「ん?問題でも?」
 宗司「いや、俺に問題はないんですけど、何もしないでずっとおいてもらうのも気が引けるって言うか。」
 姫「気になさらずとも。」
これはどうとったら良いのだろう?
 宗司「タダでずっとなんて、普通まずいと思われますが?」
 姫「命の恩人ですわよ?お礼しなかったら、こっちの神経疑われます。」
 宗司「じゃあ、しばらくやっかいになります。」
 姫「ずっといてくださって結構ですわよ。」
金持ちって、みんなこんな感じなんだろうか?
もしこれが普通なら、金持ちって、何か辛い事があるのだろうか?
 宗司「姫って、何か欲しい物とか、希望とかってある?」
俺がそうたずねると、姫の顔に影が差した。
 みかん「金持ちでも、欲しい物や望みはあるのさ。」
みかんはそう言いながら、飛び回っていた。
 姫「特にはないですね。」
おいみかん、無いっていってるぞ?
 みかん「嘘なのだ。顔見ればわかるのさ。」
確かに、悩みがあって、それを話せない感じの顔をしている気がする。
 宗司「俺にできる事、なんかあったら言ってね。やっぱり何もせずにおいてもらうのも気がひけるから。」
 姫「気になさらないで。あえて言うなら、いてくださるだけで。この家、男の方がいないから。」
ふむ、力仕事とか、泥棒が入った時に頑張ってくれって事かね。
どっちもいやだけど、まあそんな事があったら、全力で頑張るか。
 宗司「うい!」
俺は了承した。
 姫「あー!やばいよ。待ち合わせ遅れちゃう!じゃあ、また!」
姫は右手を肩のあたりまで上げて横に振った。
 宗司「じゃね!」
どうやら何か用があったようだ。
引き留めてたわけではないけど、悪い事したかな?
走って立ち去る姫を見ながら、少しだけそう思った。

朝食を食べ、部屋に戻ってきた。
 宗司「さて、今日は何を書くかな?」
 みかん「なんでもいいのさ。でも、出来れば確実に実行できるけど、かなり難しい事がいいのだ。」
それ、なんでも良くねぇじゃん?
 宗司「難しいな。とりあえず、難しくても実行可能となると、善意で書く事になるな。」
俺は考えた。
俺が考える善意。
はっきり言って、あまり思いつかない。
良い事なんて、今まで全くしてきた記憶がないからな。
悪意だったらいくらでも思いつく。
てか、この世の中、悪意ばっかりだ。
だから死にたくなるんだよ。
高校時代、俺はいくつかのバイトをした。
最初にやったのはパン屋だった。
夏休み中だけだったけど、朝早起きは辛かった。
でも、あの頃の俺は、早く大人になりたかったから、頑張ってバイトしようと思った。
大人になりたかった理由は、子供社会の理不尽さがいやだったから。
イジメもちろんだけど、学校や勉強に関してもそう。
テストで俺は100点とった事がある。
でも俺はそこそこの高校を受験する予定だったから、成績表はそこそこだった。
進学校を目指す奴は、俺よりテストの点数が低かったのに、最高の評価を付けられていた。
頑張っても正当な評価をされない。
だから、正当な評価をされる大人の世界にあこがれた。
でも、違っていた。
大人の世界も同じ。
イジメはもちろんあるし、いくら働いても、社員より頑張っても、正当に評価される事は無かった。
それどころか、下っ端のつらさを知った。
店長が、落ちたパンをこっそり販売していた。
信じられなかった。
それどころか、5秒以内ならオッケーだから、お前もそうしろって言ってきた。
俺は逆らえなかった。
結構高級なパン屋だったのに、落ちたパンを平気で売るように強要された。
手も洗わずに調理していたりもした。
仕事は、罪悪感との戦いだった。
食べ物屋は辛かったので、次はチラシ配りをした。
俺に仕事を教えてくれる先輩。
仕事ではなく、さぼり方を教えてくれた。
ココでも強制された。
俺はチラシを少しだけ配り、残りは捨てて、ファーストフードでコーヒーを飲みながら時間をつぶした。
罪悪感から、3日で辞めた。
その後もいくつかやったが、皆同じ。
上から、俺の定義で悪いと思われる事を必ず強制される。
もちろん、やれと脅されるわけではない。
でも、被雇用者は、そうするようにと言われたら、やるしかないじゃん。
法律に反する事だってあった。
まあ、だから俺は、死にたいという気持ちも大きくなったし、働く気も無くなっていた。
これを、なんとか無くせやしないだろうか?
いや、仕事に限った事ではない。
人の悪意をこのノートで止められないか?
悪意を止める善意を、このノートに書く。
俺は考えた。
 みかん「あー!さっきから、何考えてるのさ?さっさと何か書くのだ。」
 宗司「ちょっと待て。もう少しで何かでてくる・・・」
悪意に、逆らいたいけど逆らえない。
それを助けてやれる事。
 宗司「これだ!!」
 みかん「それだ!!」
・・・
俺は早速ノートに書いた。

ノートに書いたのは、「初めて痴漢をしようとした人を、俺は止める事に成功した。犯罪は未然に防がれた。」と書いた。
その後その書いたところまでを、日記が自動で埋めた。
俺は日記のとおり、電車でターミナル駅を目指す。
なんで俺は、あまり嬉しくない事をされる為に、恥ずかしい目にあうとわかっているのに、こんな遠くまで出かけにゃならんのだ?
やる事はいたって簡単なんだけどさ。
 みかん「文句いわないのさ。私が感謝してやるのだ。」
なんだか偉そうだな?
みかんって、こんなキャラだっけ?
 みかん「お互いわかってくると、遠慮なく話すようになるのさ。」
まあ、わかるな。
俺が自分をそのまま出して喋るのって、母親くらいだもんな。
つき合いで言ったら、もうすぐ20年になるし。
って、うちの母親って、どう考えても普通じゃないよな。
昨日夜、河崎邸で目を覚ました後、俺は実家に電話をした。
しばらく家を出て暮らすからって。
そしたら、「ホントー?助かるわぁ。あんたの分の食費で、何買おうかしら~」なんて言って、軽く電話を切られた。
少しくらい心配するとかってないのかね?
気がついたら、俺は目的の駅に着いた。
ホームには、電車を待つ人々であふれかえってる。
 宗司「はぁ~」
ギュウギュウ詰めの電車に乗るのかと思うと、嫌になった。
 みかん「さっさと2両目の真ん中に行くのさ。」
みかんに言われるまま、俺は移動する。
いた。
セーラー服の女の子。
この子を狙う男が、どこかにいるはずだ。
俺は日記のとおり、その子の横に並ぶ。
日記は、俺が書いた後は何も書かれなかった。
だからその後どうなるかわからない。
もしかしたら怖い人の痴漢を阻止して、後で袋叩きにされたりしないだろうな。
うーこわいよー!
電車がホームに入ってきた。
電車が止まる。
大量の人々が、駅に降りてきた。
この駅に用がある人、降りる人の邪魔にならないように、一旦降りる人。
さて、並んでる列の前の人が、電車に乗り始める。
俺も少しずつ前進。
さて、ドアに入った瞬間に俺はやらねばならない。
ドキドキ。
 みかん「いくのだぁ!」
俺はみかんの言葉に押されて、セーラー服の女の子と背中合わせになるように、電車の中に入った。
前から人々が一気に押し寄せてきて・・・
 宗司「いやぁ~ん!」
目の前に近づいた、ちょっと真面目そうなスーツの人に、俺のあそこを揉まれた。
 スーツの男「あっ!いや、す、すみません。」
俺は無言で、男を睨んだ。
ドアが閉まった。
電車が走り出す。
電車に乗っている周りの人が、白い目で俺を見ていた。
「いやぁ~ん!」なんて言っちゃったからね。
恥ずかしい。
でもまあ、これでとりあえず、日記に書いてある事は全て達成だ。
で、この後、どうしたら良いの?
この男が降りるか、女の子が降りるまで、俺はずっと電車に乗り続けるのか?
って、何処まで行けば良いんだ?
 みかん「どちらかが降りるまでは、乗ってた方がいいのさ。」
ま、そうだろうな。
あーしんど。
しかし俺の不安はすぐに解消された。
男は次の駅で、そそくさと降りていった。
良かった良かった。
では俺も次の駅で降りて、家に、いや、河崎邸に戻るか。
次の駅で降りた俺は、ホームの逆側にそのまま向かう。
 宗司「痴漢撃退成功っと。」
 みかん「よくやったのだ。」
そのまま、ついたホームの逆側の列に並んだ。
クイクイ。
ん?なんだ?
並んでいると、後ろから袖を引っ張られた。
振り返った。
 みかん「おお!さっきのセーラー服なのさ。」
うむ、さっき痴漢にあいそうになっていた子だった。
もしかして、他からも痴漢されて、それが俺だと思って捕まえに来た?
いや、冤罪ですよ?
私は守ってあげたのですよ?
 セーラー「あ、ありがとう、です。」
・・・
もしかして、守ってあげた事、わかってたのかな?
 宗司「いえいえ、俺は女の子の味方ですから。ジェントルマンとして、当然の事をしたまでです。」
 セーラー「あっ!はい。では、です。」
女の子は走って・・・
ホームの反対側にそのままならんだ。
すぐそこなんだけど。
わざわざお礼を言うために、電車を降りてきてくれたようだ。
目があった。
女の子は照れていた。
でもすぐこちらの電車が来たから、俺は電車に乗った。
 宗司「ふふふ。」
 みかん「宗司、いきなり笑って、気持ち悪いのさ。」
お礼言われるって、結構良いな。
俺はルンルン気分で帰宅した。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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