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押勝家

日本人として生まれたら、家には家紋というものが受け継がれていたりする。
おそらく七・八割の家にはあるのではないだろうか。
俺の家にも、父系と母系両方に家紋があった。
こういうものがあると、家を受け継いで行かなければならないという使命感が湧いてくる。
更に家系図も受け継がれていれば、その使命感はとても大きなものに感じられるね。
しかし日本は少子化に悩まされていた。
それはきっと、多くの家庭で家紋も家系図も知らされていなかったからかもしれない。
もしも少子化を本気で止めたければ、マイナポータルで家系図を調べられるようにすればいいのではないだろうか。
そして家紋も登録でき、それが代々受け継がれるようにしてゆく。
俺が子供の頃に全てを知らされていたら、きっと子供は三人以上つくったに違いない。

オークション二日目の朝、俺は闇の魔法実験場で、昨日落札した仏像を調べていた。
魔法実験場というのは、俺が行ける俺の世界の中の一つ。
闇の家とは同じ闇の中に存在するのだけれど、詳しくは過去作を読んでほしい。
「これはただの坐像なのです」
「顔が気持ち悪いのね」
当然闇の中に入れば、こいつらはやってくるんだよな。
少女隊と呼んでいる菜乃と妃子ね。
「確かに顔は、仏像と言うにはちょっとヤバいな。ワザと嫌われるような顔をしているのが逆に引っかかる」
「人を遠ざけようとしているのです」
「妃子はぶん殴りたくなるのね」
ぶん殴りたくなる仏像ってなんだよ。
それはおそらく仏像ではないのかもしれない。
或いは殴らせて罰を与えるとか、或いは暴力を抑える我慢強さを養う為のものなのか。
何にしてもこれが十億円以上の価値ある物には見えない。
となると中に何か秘密がある。
「さっさと分解するのね」
「そうなのです。こんな顔は見ていられないのです。吐きそうなのです」
ここまで言われるとなんか逆に可哀想になってくるな。
とはいえ分解はするんだけれど、どうやって分解するか。
きっと何処かに何かがあるはず。
そしてそれが見つかっていないとしたら‥‥。
俺はサイコキネシスで仏像を持ち上げた。
これ、クッソ重いんだよな。
俺の力なら楽勝だけれど、ほぼ銅製なら完全に詰まっている重さ。
だから素材の価格よりも少し高いくらいの開始価格が設定されていた訳で。
俺の神眼でも中が見通せない辺り、当然魔力によって何かしら仕掛けがしてあるんだろうなぁ。
俺は銅像の下に入り、普段は見えない所を重点的に調べてみた。
すると針に糸を通す程度の小さな穴が空いている事に気がついた。
「おっ?穴が空いているな」
「本当なのです?」
「それは怪しいのね。妃子にも見せるのね」
そう言って妃子は銅像の下へと入ってきた。
俺はスッと妃子に場所を譲る。
「丁度肛門辺りに穴があるのね。これはスマホのSIMカードを取り出す時に使う穴に似ているのね」
なんで妃子がそんな事を‥‥。
そう言えば俺に抜けている記憶をこいつらが持っているんだよな。
となるとそこに何かを挿せば、何かが起こるかもしれない。
俺は不意に、仏像を持ち上げていた念力を解除した。
仏像は即落下して、妃子をぺしゃんこにした。
「うげっ!ご主人タマ何をするのね。痛いのね」
「あ、いや、なんとなくこうしたら面白そうだなと」
「それなら仕方がないのです」
「面白いなら良かったのね」
いや、大して面白くもなかったんだけど、まあいいか。
俺は再び仏像を念力で持ち上げた。
「菜乃。針は持ってないか?」
「いきなり言われても持ってないのです」
そらそうか。
ならば‥‥。
俺は異次元収納からミスリルを取り出し、それで針を瞬時に作成した。
「コレを挿してみよう」
「何かが起こるのね?」
「お尻の穴がムズムズするのです」
仏像にある穴は、確かにケツの穴がある辺りなんだよな。
|浣腸《かんちょう》みたいで、俺は少し|躊躇《ちゅうちょ》しながらも針を挿し込む。
ふむ‥‥。
針を挿しても、限界点から更に少し押してみても、スマホのSIMカードトレイが飛び出すようにはいかなかった。
となるとコレはアレかな。
漫画の原作からヒントを得るならやはり魔力がポイントだろう。
俺は指先に、マジックミサイルを針の形にした『魔力針』を作った。
「今度はコレを挿す」
「更にお尻の穴が痛いのです」
「仏像が可哀想なのね」
確かにケツの穴にこれを挿したら痛いだろうけれど、相手は仏像だぞ。
そんな訳ないだろうが。
俺は今度は躊躇せず、一気に魔力針をケツの穴にぶち込んだ。
「いてっ!」
「えっ?」
「やっぱり痛かったのです」
「仏像が喋ったのね!」
まさかマジで仏像が痛みを感じた?
いやそんな訳ないだろ?
そんな事を思っていた次の瞬間、穴が大きく開いて中から何かの塊が落ちてきた。
「ウンコなのね?」
「赤ちゃんなのです!」
「えっ?おっ?」
俺はとっさにそれを受け止めた。
いやまさか‥‥。
出てきたのは、ウンコでも赤ちゃんでもなく黄金の仏像だった。
「まさかこんなのが中に入っていたとは‥‥」
「神眼で調べても分からなかったのね」
「魔法で分からないようにしていたのです」
菜乃の言う通りだとは思うけれど、誰が一体どうしてこんな仕掛けの中に純金の仏像を隠したのだろうか。
そう思った時、後から一枚の紙切れが落ちてきた。
俺はそれを手に取る。
見るとそこには何かが書かれてあった。
「何々?この黄金の仏像は、次期デンジャー協会会長の証となる。これを手に入れた者は、時期が来たらコレを持って協会本部へ来るように‥‥」
「ご主人タマがデンジャー協会の会長になるのね?」
「それってご主人タマが所属している協会なのです。菜乃はよく知らないのですが、統括ギルド長みたいなものなのです?」
統括ギルド長というか、ぶっちゃけ世界の最高権力者なんだよな。
俺は全てを地面に降ろした。
「菜乃、妃子。コレらは闇の家の倉庫に入れておいてくれ。もう二度と出す事は無いから、一番奥にしまっておいてくれていいぞ」
「会長はやりたくないのね」
「ご主人タマは神様なのです。下々の仕事はしたくないのです」
そうい訳ではなくむしろ逆なんだけどな。
俺にまた世界を動かせというのか。
そんなのはアルカディアだけで十分だ。
あの時は楽しくもあったけれど、マジで必死だった。
そもそも俺に権力者なんてものは向いていない。
「じゃあ俺はエルドラールに戻る。後は頼んだぞ!」
俺はそう言って、エルドラールへと戻るのだった。

戻った俺は、護衛任務をしている分身と入れ替わった。
今日はいよいよ目玉オークション二日目、押勝家の目的であるとある物が出品される日だ。
目的の物が何かは知らないけれど、押勝家にとってはとても大切な何からしい。
ぶっちゃけそれさえ落札できれば、最終日のオークションには参加しなくても問題なく、場合によっては明日の朝には日本に帰る事も検討していたとか。
しかし雇用主の事情で、きっちり最終日もオークションには参加する事が決まっていた。
何かが起こる可能性が高いのに、わざわざそこに行くのには、俺たちへの信頼もあるのだろうか。
なんとかなるとは思っているけれど、この世界の魔法能力についてはまだまだ未知数な所が多い。
恵美の『落札』能力だって、これが戦闘で使われたら、必ず一瞬の隙を作られる事になる。
その一瞬に、更に別の強制力の強い能力にやられれば、誰かを守れない可能性も無いとは言えない。
相手がゲジだし、気合を入れていかないとな。
今日は来ないとは思うけれど、俺は一応気を引き締めた。

さて昨日と同じようにオークションは開始された。
今日も割安な物があれば入札して、値に割安感が失くなれば下りるを繰り返す。
なかなか良い物ってのは無いものだ。
尤もオークションなんて金持ちの道楽な訳だし、価値の無い物の価値を釣り上げる為にあるようなもの。
金持ち以外には価値の無い世界でもある。
俺たちは既に金持ちの域かもしれないけれど、正直自分には無縁の世界で良いと思った。
そんな事をボーっと考えていると、恵美の父親である会長が恵美に指示を出した。
「恵美、頼むぞ」
恵美は頷き、一拍置いてから声を上げた。
「一千万だし!」
とうとう目的のブツか。
これが押勝家の狙っていた物ね。
鑑定すると、価値は一千万円程度。
開始価格とほぼ同じ。
ターゲットは絵のようで、そこにはそれなりな藤の絵と『藤紋』が描かれていた。
なるほど藤紋か。
最初に恵美の名前を聞いた時に思ったんだよな。
『|藤原仲麻呂《ふじわらのなかまろ》』かよって。
|恵美押勝《えみのおしかつ》と言えば生前の世界では藤原仲麻呂の別名で藤原家だ。
家紋も藤紋の可能性が高い。
この世界は生前の世界と半分程度は関係があるから、おそらくこの押勝家は藤原家の血筋なのだろう。
つまりこの絵は、ご先祖様と関係のある絵って事だ。
だからなんとしても手に入れたい理由にもなるのだと想像できた。
しかしこの程度の絵でこの価格なら、競ってくる人もいないのではないだろうか。
正直到底一千万もする絵には見えない。
古いから価値もあるのだろうけれど、飾っていて見栄えするものでもないからね。
そう思ったのだけれど、他に入札してくる者がいた。
「一千百万円!」
「はい、百十二番の方!一千百万円!」
俺と同じように競ってくる者がいないと思っていた恵美は、慌てて入札額を上げた。
「一千二百万だし!」
すると直ぐに、百十二番の者も上げてくる。
「一千三百万円!」
あれ?どういう事だ?
恵美は能力を使って入札しているにも関わらず、なぜ百十二番の者は入札できている?
「なんで?また私の能力が破られてるし‥‥」
恵美も動揺している。
これを落札する為に来ている限り、おそらくある程度高くても買うつもりではいたはずだ。
だけれど、まさか競ってこられる者がいるとは予想していなかっただろう。
恵美の『落札』は、オークションではかなり無敵の能力だ。
オークションをする限り参加すらできないのだから。
そうか。
つまり百十二番の者は、これを競り落とす事が目的じゃないんだ。
となると目的は、値の釣り上げか。
「一千四百万だし!」
「一千五百万円!」
まだそれほど高くはなっていないし、そもそもこの絵は高くない。
今日は五億円以下での落札が想定される物が出品される。
にも関わらず一千万円スタートは、値上げを想定してのもの。
「一千六百万だし!」
「二千万円!」
一気に増やしてきたぞ。
それでも恵美は入札するしかない。
必ず買うと決めているものだから。
「助けてやろうか?」
「えっ?」
「恵美の能力が通じないのは、あいつが値の釣り上げを目的としていて、最後はオークションから降りるつもりだからだ。俺も恵美と似たような能力が使えるって言っただろ?アイツがやろうとしている事を邪魔する事ができるが。どうする?」
何も言わずに助けてやる事もできたけれど、一応雇用主には許可を得る。
すると恵美はニッコリと笑った。
「そういう事だし。だったら自分でなんとかするし」
俺の助けを断わるのを見て、会長が慌てて恵美を説得する。
「恵美。助けてくれるというのだから、助けて貰えばいいじゃないか」
「大丈夫だし。やらせてほしいし。それに今まで無かった物なんだし、手に入れられなくてもいいし!」
恵美は最後の所だけ大きな声で父親に言い放った。
というか、会場の者たちにも聞こえるようにね。
ふむ‥‥。
会長はどうしていいか分からないと言った感じだ。
だけれど恵美には余裕がある。
会長は諦めて椅子に座り直した。
恵美も前を見て札を膝の上に置いた。
一見諦めたかのようなポーズ。
しかし本当に諦めた訳じゃない。
百十二番が値を釣り上げるだけの存在だとしたら、最後は降りる。
ならば降りるのを待てばいい。
しかし百十二番が出品者の身内だったら、ただ売らなかっただけで損はしない。
身内が値を釣り上げる行為は禁止されているとは言え、バレなきゃやる奴もいるんだぞ。
百十二番がただの雇われ値上げ屋だとしたら、流石に下りるとは思うけれど‥‥。
「他にいませんか?それでは‥‥百十二番」
「ちょっと待ってくれ!俺は下りる!」
恵美の思惑通り下りてきたか。
俺は横目で、座る恵美たちの顔を見た。
会長はホッとした表情で、恵美は少し笑みを浮かべていた。
「恵美は百十二番が下りる事を分かっていたかのようだな」
「この絵。私たち以外にはあまり価値のない物なのだし。そこそこの評価はされているけれど、維持管理にもお金がかかるし、あとどれくらい持つか疑問だし。良血だけれど走る子を産めていない、十四・五歳の繁殖牝馬みたいなものだし」
「そういう事か」
って、その例えはどうかと思うぞ。
左側から『歳をとった女性には価値が無いというのか!?子供が産めないと駄目なのか?!』なんて批判されそうだ。
でもなるほど分かりやすくはあったな。
「それでは三百二番!一千六百万円で落札です!百十二番は四百万円支払っていただきます」
百十二番が釣り上げ屋だとして、六百万円上げたのだから、一応出品者としては勝ちかな。
負けたのはこちら側だけれど、百十二番の表情を見るに、彼らもまた負けたようだ。
おそらく釣り上げた額の何割かをもらう契約だったのだろう。
仮に半分だと、差し引き百万円の損か。
恵美も六百万円の損。
だけれど落札できたのだから、これは勝ちだなと思った。

オークションの後、俺たちは藤と藤紋の絵を受け取ってホテルへと戻ってきた。
恵美はそこで、俺たちに絵を見せるから部屋に来るよう誘ってきた。
「それじゃ後でだし」
俺たちは一旦自室に戻って、少し休んでから恵美たちの部屋へと出向いていった。
「遠くからしか見ていないけれど、今更絵を見せられても特に思う所はないよな」
俺はそう言いながらも、この絵には何かがあるのだろうと感じていて、それが何かを知りたいという欲求もあった。
恵美たちがいる部屋に入ると、テーブルの真ん中に先ほどの絵が置かれていた。
既に額からは出されていて、何かしら加工もされた後だった。
「ラミネート加工?」
「そう、もうこのままだと絵が持ちそうに無かったし」
そういう恵美の横まで俺たちは歩いていった。
「大した絵じゃないの‥‥」
これ狛里くん。
そんな本当の事を言っちゃ駄目でしょ。
「そうねぇ~。骨董品としての価値って所なのかしらぁ~?」
天冉も言っちゃうのね。
でも確かに、色はほとんど使われていないし、ただの落書きにも見える。
大和絵ってヤツだっけ?
それもかなり古いんだよな。
重要文化財級の価値ある物なのだろうけれど、その中では質が悪すぎてこの程度の値段で取引されていると、そんな所か。
「確かに大した物ではないかもしれないし。ただ、私たち押勝家にとっては重要な物だし」
恵美はそう言って、ラミネート加工された絵を裏返した。
するとそこには『藤原仲麻呂』と書かれていた。
まさかこの人が作者だったのか。
「この絵を書いた人が藤原仲麻呂って訳じゃないし」
「そうなの?」
恵美はテーブルに置いてあったノートパソコンを操作して、ある画面を表示させた。
そこには家系図らしきものがあった。
「これは押勝家の家系図みたいねぇ~」
「そう。これは我が押勝家に伝わる家系図の巻物をデジタルデータにして取り込んだモノだし。一部数字が書かれていて名前が無い所があるでしょ?」
見ると確かに名前が無い所がある。
一番、三番、四番、五番‥‥。
それ以降は番号の下に名前が書かれてあった。
「こっちの絵を見てほしいし」
「ふむ」
恵美に促され絵を見ると、隅に『一』と書かれてあった。
「この一番の所にこの人が入るの‥‥」
そういう事ね。
おそらくだけれど、絵を集めれば抜けた家系図が完成する寸法なんだ。
「藤原仲麻呂から始まる押勝家の家系図は、絵によって受け継がれてきたって所か」
「うん。父上の代までは、これで全部絵が揃ったし」
こうやって絵によって家系を繋げてきた訳か。
なんとなく仲麻呂の思いみたいなモノも感じてしまうね。
押勝家を未来永劫発展させてくれ、みたいな。
だけれど‥‥。
俺は気になった。
この家系図は全て男で、男系継承だ。
もしかしたら恵美の代で終わるのではないだろうか。
「恵美ちんは兄弟はいるのぉ~?」
「うん。兄が三人ほどいるし」
いるんかーい!
ここで終わるから絵をどうしても集めたかったとか、そんな事を考えてしまったぞ。
「なら安心なの‥‥」
「だな。しかし仲麻呂がこんな物を残していたなんてな」
ご先祖様の思いって重いよね。
それがこうして恵美たちを動かしているんだから。
「ん?この絵は多分本人が描いたんじゃないと思うし。だって三番、四番、五番のご先祖様の名前は、この家系図が描かれた巻物の作者として最初から名前が分かっているし」
恵美は巻物の画像を見せてくれた。
なるほど、確かに数字と名前が三人分書かれている。
恵美は全ての絵が揃ったと言っていた。
三番から五番だけ名前が無かったのはその為か。
家系図の巻物を作ったのがこの三人で、その誰かがご先祖様を思って絵を描いたのかもしれない。
もちろん先に絵があった可能性もあるけれど、この家系図のリレーはこの三人が決めたのだから、普通に考えればそういう事だよな。
恵美はパソコンを操作して、一番の所に『藤原仲麻呂』と書き足した。
そして三番から五番にも、カッコ付きで名前を追加していった。
これで押勝家の家系図は完成した訳だ。
俺は再びご先祖様の思いを感じずにはいられなかった。
重い。
もしも我が家にも家系図があったら、或いは家紋などをしっかりと受け継いでいたら、きっと子供はみたまだけでは終わらせなかっただろうな。
家の跡継ぎが欲しいって心底思ったに違いない。
尤も生前俺の名字だった御伽家は他にもあるから、俺の代で止まった所でどこかでは続いているのだろうけれどね。
何にしても、俺は今回の仕事がここまで無事達成できて、本当に良かったと思った。
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