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初めて売れたよ!インテリジェンスジュエル

『亭主関白』という言葉がある。
これは『家庭で権力を持ち威張っている亭主』を表していると思われがちだけれど、よくよく考えるとそれは間違っている。
そもそも関白とは天皇の代わりに仕事をする人の事だ。
つまり偉いのは、本人よりも女房という事になるんだよね。
女房の代わりに外で働くのが亭主なのだから。
家庭の中では女性の方が偉い。
その代わり、外では男性を立てるという形になる。
『かかあ天下』は『亭主関白』と逆の意味だと考える人もいるけれど、本当は並立すると言えるだろう。
こうして役割分担しながら、男女が平等でいられたのが昭和だったんだよな。
いや、昭和だけじゃない。
もしかしたら日本では、ずっと昔からそうだったのではないだろうか。
何故なら、それが一番自然で居心地がいいから。

「策也ち~ん!肩叩いてぇ~!」
「はいはい」
「策也ちゃん、私は足を揉んでほしいの‥‥」
「おう。ちょっと待っててな」
って、俺は一体何をしているのだろうか。
肩が凝ってるとか足が|痙《つ》ったとか、俺たち不老不死なのになんでそうなるんだよ。
こいつらただ単に、気持ちよくなる為に俺を使っているだけだよな。
何故俺がこんな事を‥‥。
とは言え家だとどうしても逆らえない訳で。
「策也ちん、次は胸を揉んでぇ~!」
「いきなり何を言い出すんだ!そんな事は旦那である陽触にしてもらえ!闇の家で会えるだろ!」
「旦那はもう飽きたのよぉ~」
おいおい本当にそれでいいのか?
陽触が可哀想になってくる。
「天冉ちゃん駄目なの‥‥」
そうだそうだ。
狛里、言ってやってくれ!
「策也ちゃんは私のなの‥‥」
そうくるんかーい!
「でも狛里ちん胸ないじゃない~」
‥‥。
それは言っては駄目な所だろ。
つか、俺は一体どうしたらいいのだろうか。
天冉は既に結婚していて一児の母だ。
イスカンデルという世界には旦那である陽触がいて、陽触はまあ、一応、俺の友人という事になっている。
そんな彼とは時々闇の家で会うのだけれど、正直とても寂しそうだ。
ごめんよ陽触。
俺も天冉には逆らえないんだよ。
そして狛里は、今は一応俺の女房代理となっている。
俺にはみゆきという妻がいる訳だけれど、みゆきは一足先に天界の神となり、今は会えない状態だ。
だからと言って俺は浮気はしないのだけれど、ちょっとした間違いで、狛里には萬屋家ルールでプロポーズをしてしまった。
その責任はとらないといけないとかそんな話もあり、狛里とだけは仲良くしてもみゆきは許してくれる事になっている。
いや、狛里だけでもないんだけれどさ。
闇の家を管理する、俺自身でもある菜乃と妃子もか。
そっちは俺自信も同然って話な訳で、狛里はみゆきの代理というか、あの世ではみゆき、現世では狛里と言った方がしっくりくるかもしれない。
まあ何にしてもそんな感じで、俺は狛里のものであるという彼女の言は、それなりに正しい。
何にしても俺は二人には少し引け目を感じている所もあり、家では頭が上がらない所もあるのだ。
亭主関白を目指していたのに、どうしてこうなった?
尤も、みゆきにも弱いから、俺には亭主関白の素質が無いのかもしれない。
或いはみゆきたちは天皇なんだよ。
俺は彼女たちの為に働く男なのです。
外ではそれなりに俺を立ててくれるし、それで十分だよね。
「策也ちゃんは胸がない方が好きなの‥‥」
えっ?まだ話は続いてたんだ。
「‥‥。おう!」
肯定してしまった。
「ロリコンねぇ~」
ずっと否定していたけれど、6歳のみゆきに一目惚れしたのだから、事実として認めるべきなのだろうか。
「違うの‥‥。私には胸はないけど色気があるの‥‥」
それは無理がありすぎるー!
「‥‥。分かったわぁ~‥‥。策也ちんわぁ~狛里ちんに譲るわねぇ~」
納得するんかーい!
納得はしてないと思うけれど。
「最初からそうなの‥‥」
「だったら策也ちんわぁ~、私の下僕ねぇ~」
「分かったの‥‥。それで手を打つの‥‥」
俺の意思はそこに存在させられなかった。

そんな感じで今日も愉快に、売れない店の番をしている。
まだ一つもインテリジェンスジュエルは売れていない。
高すぎる事もないと思うんだけどなぁ。
そんな事を思っていると、久しぶりに客がやってきた。
まあこの所正月だったし、初詣に行ったり炬燵で丸くなっていたり忙しかったからな。
客が来なくて当たり前だ。
「ごめんください」
店に入って来たのはいかにもな執事の爺さんだった。
「いらっしゃいましぃ~」
「いらっしゃいなの‥‥」
うちの嫁隊が客を出迎えた。
ちなみに一人は|他人妻《ひとづま》ですよ。
何度も言うけれどもう一人は妻代理ですからね!
「どうもどうも。こちらは‥‥、プロデンジャーの店だと聞いたのですが」
いきなりお子様たちが出迎えたら、こういう反応にもなりますわな。
少しキョロキョロとしながら驚いているご様子で。
でもこれでもプロなんです。
「そうよぉ~。少し前には私たちテレビにも出たわよねぇ~」
「そうなの‥‥」
商店街がテレビで紹介された時、スタッフの女の子として出てました。
これでもアルバイトの子ではなく、彼女たちこそプロのデンジャーなのです。
「そう言えば、確かに見覚えがありますな。これは失礼いたしました」
納得してくれたか。
というかこの執事、割と侮れない雰囲気が伝わってくる。
もしかしたらこの人もデンジャーかもしれない。
「お仕事の依頼かしらぁ~?でしたらこちらで話をお伺いするわよぉ~」
「ええ。そうです」
「ならどうぞなの‥‥」
狛里が爺さんを迎え入れ席に案内した。
とりあえずいつものように俺たちは席に座った。
爺さんの向かいのソファーに、狛里、天冉、俺の順番で座る。
話は天冉に任せ、俺はお茶を入れて差し出した。
「これはどうも」
爺さんは差し出したお茶を一口すすった。
それに合わせてこちらも少しだけ茶を飲んだ。
皆が茶のみを受け皿に置いた所で、爺さんは話しだした。
「私、四つ星グループの会長に仕えております、セバス‥‥」
おいおいまたベタな名前だな。
みたまの創造した世界だからそんなもんか。
「セバスクンと申します」
セバスクンかーい!
少しだけ捻ってきたか。
セバスクンはそう言って、名刺を差し出してきた。
執事兼秘書兼ボディーガードか。
やはり強いって訳だ。
「これはご丁寧にぃ~。私はマネージャーの天冉よぉ~。こっちは店長の狛里ちん、こっちは私たちの旦那様ねぇ~。仕事の話は一応私がする事になっているのでよろしくぅ~」
お前の旦那になった覚えはないけどな。
でもまあ一応自分が一番下の立場として話を聞くという姿勢は評価しよう。
つか本当はみたまが憑依しているのだから、娘みたいなもんってのが一番しっくりくる。
天冉はいつの間にか作っていた名刺をセバスクンに差し出した。
「はあ‥‥。そうですか」
普通はこの状況、旦那である俺か、店長である狛里が話を聞くべきなのだろうな。
でも実質店長は天冉なのです。
そしてそれを操る影の支配者が俺です。
「それで話を聞かせてもらえるかしらぁ~」
「はい。今日お伺いしたのは、デンジャー協会の推薦でして。ボディーガードを探していると言ったら、こちらにデンジャーが三人いると紹介された訳です」
「ボディーガードねぇ~。やってるわよぉ~。核ミサイルからでもお守りできるわぁ~」
「えっ?そ、そうですか‥‥」
まあそんな事言われても信用できないよな。
もう少し現実的な所を攻めてくれよ。
「それで具体的にわぁ~?」
「はい。実は一週間後、香港で世界一のオークションイベントが開催されるのですが、そこに会長とお嬢様が参加する事になりまして。しかしその目玉イベントが、世界的犯罪集団『帝国雑技団』のターゲットになっているという話があるのです。そこでボディーガードをできるだけ多く付けようという話になりまして‥‥」
おっ!これはあの漫画であった話とリンクしていそうな感じだな。
それにしても帝国雑技団って、別アニメのネーミングもパクっている感じか。
「その目玉イベント中、私たちで会長やお嬢様をお守りすればよろしいのねぇ~」
「いえ、イベント期間中の一週間、日本を発つ時から日本に帰って来るまで、できればプロのデンジャーの皆さんでお願いしたいと考えています」
プロのデンジャーって一応確認を入れてきたな。
しかし期間中ずっとか。
すぐに天冉からテレパスが入った。
『一週間ずっとなんて私は嫌よぉ~。狛里ちんだってきっと無理だわぁ~』
正直ちょっとしんどい所はあるな。
俺はチラッと狛里を見た。
退屈なのか意識が半分飛んでいる。
俺だけならまあなんとかなるけれど、相手が帝国雑技団となるとできれば三人一緒が望ましい。
どんな事が起こるか、どんな能力があるのか。
まだまだこの世界の事は分かっていないし。
かといってこいつらに無理強いはできそうもない‥‥。
『俺が話すよ』
『分かったわぁ~』
「相手が帝国雑技団となれば、こちらとしてもプロの三人で行動したい。しかし目玉イベント以外の時間なら、俺一人でも対応できるんじゃないかな?どうだろう。そういう形でやらせてもらっても大丈夫そうか?」
尤も、よっぽどの事がない限りは、二人を呼び出す事は簡単にできる。
その場で瞬時の行動ができないだけで、セーブポイントである俺のいる場所へと瞬間移動できるからね。
「そうですねぇ。貴方がたがどれくらいできるのかも分かりませんし何とも言えませんが、目玉イベントの時以外、お嬢様にはホテルで大人しくしておいて貰えば大丈夫だとは思います」
「そっか。俺たちの強さが知りたければ、一度手合わせしてもいいぞ。セバスクンもボディーガードをやっているのなら戦えるんだろ?」
「はい。それはこちらも確認させてもらおうと思っておりました」
そりゃそうか。
いくらプロのデンジャーと言っても、帝国雑技団があの漫画のあの集団をモデルにしているのなら、普通勝てないだろうしね。
「分かった。強さに関しては期待に応えられると思う。それで三人での護衛は目玉イベントの時だけで、後は俺がやるって事ならこの話は受けよう」
「分かりました。それでは明日、四つ星グループ本社まで来ていただけますか?地下に手合わせできる場所がありますから。その後でギャラなど細かい打ち合わせはする事にしましょう」
こうして俺たちは、この仕事を受ける事となった。
まあ手合わせの結果なんて分かりきっているからね。
できるかぎり手を抜いて、十分納得できる強さは示せましたよ。

そんな訳で一週間後、俺たちは香港へと来ていた。
香港は中国の一部ではあるけれど、この世界ではまだ中国の影響力がほとんどない。
みたまが亡くなった時はまだそんな感じだったからね。
だから比較的自由で安全。
言葉も日本語だから、日本と大きく違う所は少ない。
むしろ自由度は香港の方が圧倒的に上な所もある。
その分町は雑然としているんだけれどね。

それでここまで俺たちは、四つ星グループの専用機に乗って香港までやってきた。
ゆったりとした機内は、狛里や天冉でも文句が口から出る事はなかった。
到着してからは俺を残し、狛里と天冉は街に出て現地確認だ。
正確には、俺は分身を残して狛里や天冉と共に街に出ていた。
色々やりたい事もあるから、等サイズな普通の分身を作り姿を俺と全く同じに変化させて残しておいたんだよね。
おそらくこの世界なら、今の所分身でも十分やれるだろう。
探知魔法や神眼もあるし、危険を感じれば直ぐに駆けつける事もできる。
俺は常にそちらに意識をリンクさせ、この貰ったせっかくの機会を有効活用しようと考えていた。
「狛里、天冉。とりあえず目玉イベントのオークションがある四日後までは、この街でフリーマッケットをやろうと思う」
「あら面白そうねぇ~」
「ここで萬屋するの?‥‥」
「まあそういう事だな。フリーマーケットの許可はとってあるから、後は売る商品があればできる。俺はこれから商品を仕入れに回るからお前たちは店を出していてくれ。最初何も無いのはアレだから、これを売ってもらおうかな」
俺はそう言って、萬屋で売ってるインテリジェンスジュエルが入ったケースを取り出した。
今まで一つも売れてないのは、高すぎるからだろうか。
でもおそらく価値はあると思うんだよね。
「インテリジェンスジュエルねぇ~。いくらで売るのかしらぁ~?」
「そうだな。とりあえずちょっと高めに十億で出してみよう。フリマの価格じゃないけど、まあそれは売るのが目的じゃない。話題になって人が集まってくれればって所だ」
「分かったわぁ~」
「じゃあ俺は売る物を仕入れてくるから店は頼む」
こうして俺は、イベント会場となっている街全体を見て回る事にした。
ちなみに嫁隊二人の影には、一寸神が忍んでいる。
一応何かあった時の為にね。
決して仕事をサボらないか監視している訳じゃないよ?
マジで‥‥。

とりあえず俺は、フリーマーケットで掘り出し物がないか探す。
確かあの漫画だと、魔力的なモノが残っているアイテムに価値があるという事だったな。
だけれど俺の場合、鑑定スキルがあるからそんな方法で見分ける必要もない。
桁違いに安い物は片っ端から買って、少し安いくらいの価格で売ればいいだろう。
俺は見つけ次第ドンドンアイテムを買っていった。
買った物はトランクに詰め込むフリをして異次元収納に入れてゆく。
その時値札も付けておく。
それを狛里たちが取り出して売る流れだ。
するとそんな中、見知った顔を見つけた。
「あー!策也だー!」
「ういっす!」
ゴルゴとキルリアか。
やっぱり来てるんだな。
どうやらいきなり襲って来る様子もなさそうで、とりあえずは安心したよ。
「お前たちも来てたのか」
少し会っていなかった間に、二人共かなり強くなった雰囲気がある。
この世界だと一目で強さは分からないけれど、俺の勘がそう告げていた。
「何か買いに来たのー?」
「まあな。俺たち萬屋をやっているから、そこで売れそうな物を仕入れにね」
「へぇ~。って事は、割と良い物が見極められるって事なんだよな?」
「まあな。一応プロだし」
プロっつっても、アイテム売りの萬屋は仮の姿なんだけどな。
「教えて教えてー!俺たちも金が欲しくて掘り出し物を探してるんだけど、どれが良いのか分からないんだよー!」
その辺りはあの漫画の設定と同じかな?
だとしたら、デンジャー専用ゲームを買う為に金を集めているって所か。
でもそんな必要はなくて、ちゃんとゲームはできるのだろうけれど、一応教えてやるか。
「お前たちは魔力を見る事ができるか?」
「あ、うん!ちゃんとできるようになって裏試験も合格したよ!」
「当然」
そんなに簡単に裏試験の事話していいのかな。
まあ当然俺は知っていると分かっているか。
「ならば簡単だ。それで並べられたアイテムを見てみな。魔力を帯びたアイテムが偶にある。それは人が思いを込めて作ったものの可能性が高いから、きっと良い物だと思うぞ。それだけだと確信は持ていないけどな」
「おおー!なるほど!」
「そんな方法があったか‥‥」
あの漫画だったら、自分で気がついた事だった気がするし、教えても問題ないよね。
というかもう漫画の内容ほとんど覚えてないんだけどさ。
「じゃあ俺は仕入れの続きをするから、またな!」
「うん。ありがとうー!」
「じゃっ!」
と、俺は少し急ぐようにその場を去った。
いや天冉が今客と話しているのだけれど、インテリジェンスジュエルを売る気満々なご様子で気になった。
俺の一寸神が影の中から様子を見守る。
「この宝石わぁ~、分からない人が持っても三百万円程度のタダのダイヤよぉ~。でも分かる人が使いこなせればぁ~、おそらく十億円以上になるのよねぇ~」
「そ、そうなのか」
客はおそらく、目玉のオークション目当てでここに来た大金持ちだな。
本番前にフリマで掘り出し物を探しに来たと言った所か。
「ゲリゲロ、どう思う?」
大金持ちのおっさんが、付き人っぽい男に尋ねた。
つかその名前はヤバいだろ。
偶に思うんだけれど、外国人の名前って日本語だとヤバいのアルアルだよね。
「これですか。ふむ‥‥。何やら魔力を感じるので、普通のダイヤでない事は分かります。邪悪な気配も感じられませんし、呪の宝石でもなさそうですね。正直それ以上はなんとも。見たこともないですから。触らせてもらえれば何かが分かるかもしれませんが」
「そうか。それ、触らせてもらう事は可能か?」
「そうねぇ~。この宝石は人を選ぶ事もあるのよねぇ~。だからもしも触った人を選んでしまったらぁ~、このダイヤはその人の物になっちゃうのよぉ~。もしもそうなったらぁ~、触った人が買うって事で約束してもらう必要があるわぁ~」
天冉のヤツ、触ったら確実に売れるように話を付ける気か。
インテリジェンスジュエルは、俺以外で最初に素手で触った者に一応力を貸すようにできている。
ただし何処まで本気でそうするかは相性次第。
或いはそこから信頼関係を築く必要がある。
できなければ全く力を貸さなくなる事もあるはずだ。
犬や猫などペットを飼うのに近いかもしれないけれど、知的レベルが高いのでそれ以上に難しい。
「お前たち、プロのデンジャーなんだよな?この宝石に価値がなかったら、お前たちのせいでデンジャー協会の評判が悪くなる事にもなるんだぞ。それでもこの宝石を勧められるのか?」
天冉たちがプロのデンジャーである事を知っているのは、提示しているフリーマーケットの許可証を見れば分かるようになっているのだろう。
「そんなの関係ないの‥‥。それにインテリジェンスジュエルは相手を選ぶの‥‥。価値がないと感じるのはあなたの責任なの‥‥」
「そうなのよねぇ~。自分が使いこなせないのを私たちのせいにされても困るのよぉ~」
その通りなんだけれど、一応上手く使う為のコツみたいなものはあるんだから、それも一緒に教えてやれよ。
インテリジェンスジュエルは人間と同じように感情があるのだから、仲良くしようとする意思が必要だ。
大切なパートナーになるんだから当然だよね。
「分かった。たかが十億だ。騙されたと思って買ってやる」
「そう~。それじゃあどうぞぉ~」
天冉はそう言って、魔法のケースを開けてケースごと前に差し出した。
これで客は宝石を掴む事ができる。
客は慎重に宝石を摘んで手に取った。
さて相性やいかに。
「おおっ!何か感じるぞ?」
ほう、一応反応はしているな。
完全に拒否はしていない。
主と認めてはいるようだ。
しかし本来の能力とは到底言えない。
『片手間に少しだけ力を貸してやるか』
そんなインテリジェンスジュエルの声が聞こえてくるようだった。
「これは凄い。今まで感じた事のない魔力が感じられる。これは‥‥。もしかしたら、コレを身につければ私もデンジャーになれるのではないか?」
「|主《あるじ》、これは掘り出し物だったかもしれませんな。魔法が使えない者でも魔法が使えるようになるアイテムかもしれません」
まあ使えるようにはなるだろうな。
でもこの人だと、デンジャー試験で落ちていった人レベルくらいがせいぜいか。
この後インテリジェンスジュエルと仲良くなれれば、デンジャー試験に受かるくらいにはなれるかもしれないけれどね。
ゲリゲロは小切手を差し出してきた。
「約束の十億だ。いい買い物ができたぞ。ありがとう。これだけでも今年ここに来た価値はあった」
「そう~。それなら良かったわぁ~」
天冉は小切手を受け取り、財布にしまい込むフリをして異次元収納に入れた。
ゲリゲロはそれに少し反応した。
もしかして異次元収納に気がついた?
使用魔力はほとんどないから、感づかれたとしたらこの人はなかなかのデンジャーだ。
「主。あの件にこの者たちも参加してもらってはどうでしょう?」
あの件?
「そうだな。コレだけの物を売っているのだ。それにプロのデンジャーなら問題はないだろう」
「分かりました。お前たち、このイベントが終わった後、依頼したい仕事がある。もし良ければイベントが終わってから、こちらに連絡をしてくれ」
そう言ってゲリゲロは名刺を差し出してきた。
一寸神の俺は影を移動して、天冉が持つ名刺を覗き込んだ。
なんと!あの超大企業、マイクログーの社長補佐だと!?
こりゃまいったね。
つまりこっちのはマイクログーの社長って事か。
そんな人の補佐から名刺が貰えるとか、これは良いコネができたと言わざるを得ないな。
これは仕事を受けるべきだろう。
だけれど多分、この流れはおそらくあのゲームへの誘いかもしれない。
原作では、主人公たちが参加する事になる。
俺たちが参加する事で、人数制限で主人公たちが追い出される可能性はないだろうか。
そんな事を考えながら本体の俺が歩いていると、丁度そのゲームがフリーマーケットで売られているのを見つけた。
一千万円だと?!
ちょっと高すぎじゃないだろうか。
原作だともっと高かった気もするけれど‥‥。
これも何かの縁かもしれなない。
鑑定だと価値は三百万円くらいだけれど、俺はそれを買う事にした。
その横には一千万円相当のエロメスのバッグが五十万円で売られているしね。
両方買えばむしろ儲かっているのよ。
つかエロメスって‥‥。
ネーミングセンス良すぎだろう。
みたまの設定か、それとも自動設定かは分からなないけどさ。
そんな感じで俺たちは、ゲーム『グレートアイランド』と大金をアッサリと手に入れるのだった。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
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