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2013年11月4日【月】19時44分48秒
【(*´∇`*)】川柳と短歌を始めました。
2013年11月4日【月】19時43分21秒
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デンジャー試験終了

心に余裕がある人は、更に余裕な未来が待っている。
心に余裕が無ければ、何事も上手くはいかない。
成功者は更に成功を積み重ね、脱落者は二度と這い上がれない。
失敗は成功の元ではあるけれど、それは余裕のある内だけだ。
失敗したら終わり。
失敗したらどうしよう。
そしたらどうなるんだろう。
そんな事を思うようになったら、もうそのチャレンジはやめた方が良いかもしれない。
だから何かに挑戦する時は、まず余裕から手に入れよう。
背水の陣なんて、それなりに信じる心がないと成功しないんだよね。

飛行船が俺たちを運んだ先は、洞窟の前だった。
塔の上を予想していたんだけれど、流石に変えてきたか。
「僕が第三次試験を担当する『|眼鏡《めがね》』だ!」
おいおいそれ、名前かよ。
名字だったらありそうだけどさ。
「それじゃー、早速試験のルールを説明するぞー!」
この熱い喋りは、とにかくうるせい奴な。
もう少し落ち着いて喋ってくれ。
「この洞窟は、トリックダンジョンと云われているぞー!入ったら沢山の罠や魔物が待っている!ここから洞窟に入り、三日以内に出口から出てこられたら合格だ。出口は一つ。僕は出口で待ってるぞ。ただ、早ければ一時間で出てくる者もいるかもしれない。でもすぐには合格としないぞ。明日の十時から明々後日の十時の間に、出口を出た所にいた者を合格とする。早すぎても合格にはならないからそのつもりで」
何か引っかかる言い方だな。
どうでも良い事を言っている気がしたりしなかったり。
というか、どうして早すぎちゃ駄目なんだろうか。
こういう時は、言葉の意味をよく考えた方がいい。
おそらく何かが隠されている。
‥‥。
まあいい。
三日もあれば俺たちなら楽勝だろう。
それに既に俺たちは合格内定だしな。
クリアする必要も本当はない。
だけどこれ、マジで楽にクリアできてしまいそうなんだよね。
心に余裕があると、普通なら見えないものも見えてくる。
おそらくこの試験は‥‥。
「質問はあるかー?」
「無いよー!」
勝手に決めてるよ‥‥。
つか、ゴルゴはもう立ち直って元気なようだ。
昨晩はそうとう悔しがっていたのにな。
‥‥。
いつか俺、マジで命を狙われるのかね。
ガクガクブルブル。
俺は世界の神だけれど、異世界だと普通に殺される事もあるんだよな。
この世界はアルカディアの理とは違うから。
その辺りのルール、結構曖昧な所も多かったりする。
国際法は、必ずしも世界共通のルールとは限らないってか。
「それじゃ行くの‥‥」
「そうねぇ~。クリアする必要が無くてもぉ~、一応楽しみましょう~」
「いやそれなんだけどさ‥‥」
俺は試験官を振り返った。
腕を組んで、仁王立ちしてこちらを見ている。
他の受験者はみんな洞窟に入っていったか。
ならば聞いても大丈夫かな?
「試験官は明日の十時には出口へと向かうんだよね?だったらそれについて行ってもいいのか?」
そうだ。
試験官が出口で待っていて、そこにいた者が合格なんだからこういう手も使えるはずだ。
「さあどうだろう?僕はちゃんと説明はしたぞ。それで合格できると思うのならそうすればいい。できればだけどね」
ふむ。
まあできなくはないと思う。
ただもう一度思い出してみよう。
『ここから洞窟に入り』とあるから、一度は入る必要があるか。
それに『出口から出てこられたら合格』という言葉もある。
つまりこれらの要素全てを揃えなければいけない。
俺の中で一つの答えはあるんだけどさ。
「狛里、天冉。それじゃあダンジョンに入るぞ」
「分かったの‥‥。余裕でクリアすの‥‥」
「戦闘は任せるわよぉ~。尤も、その必要はないかもしれないけれどぉ~」
天冉は分かっているか。
みたまが創った世界なら、当然知っていてもおかしくない。
言わずに俺を試している可能性はあるし、尤も、知らないって事もあるかもしれないけれど。
俺はコッソリと一寸神を召喚し、それをダンジョンの外に残しておいた。
そして眼鏡を見張らせておく。
というか俺が見張っているのと同じなんだけどさ。
そうして俺たちは、ダンジョンへと入っていった。
少し入っていって、暗くなった辺りで俺は立ち止まった。
「この辺りでいいだろう」
「どうしたの?‥‥。進まないの?‥‥」
体を少し光らせている狛里が不思議そうにこちらを見ていた。
「思うんだけどさ、もしも俺の勘が正しければ、ゴールは今入ってきた入口だと思うんだ」
そうなんだ。
試験官は『出口は一つ』とも言っていた。
ダンジョンの出口なんて、本来は入口と同じで一つだけのはず。
仮に入口と出口が分かれているとして、どちらが入口でどちらが出口なんて決めようがない。
トンネルのように入口と出口がある場合、どちらも入口と出口に成り得る訳で、出口が一つとはならないだろう。
中から見ればどちらも出口なのだ。
それに試験官は、入口から入るようには言っていないしね。
つまり今引き返せば、俺たちはあっさりとトリックダンジョンをクリアした事になる。
それを確信できたのは、試験官の眼鏡が飛行船には戻らず、少し離れた所でキャンプ準備を始めた事か。
きっと明日の朝、奴は涼しい顔をして入口に戻ってくるのだ。
「それじゃトリックダンジョンとは言わないの‥‥」
「これは言葉のトリックなんだよ。今入ってきた洞窟の入口も、今の俺たちから見れば出口だ。そして出口は一つしかない」
俺がそこまで言うと、天冉は今来た方向に戻り始めた。
「策也ちゃん賢いの‥‥」
そう言って狛里も、天冉に付いて戻り始める。
それに俺は並んだ。
「賢いっていうか、こういう言葉遊びってのは子供の頃からよくやっていたんだ」
「そうなの?‥‥」
「そうだ!やってやろうか?」
俺はそう言って狛里の方に手を上げて、狐の形を作って見せた。
そしてそれを動かしながら、俺は狛里に話し始める。
「カエルが一匹ピョンピョンピョン、カエルが二匹ピョンピョンピョン、カエルが三匹ピョンピョンピョン」
「?」
首をかしげる狛里が可愛い。
「さて、カエルは何ヒキいたでしょうか?」
唐突な質問に狛里は訳が分からないと言った感じだ。
「いきなり聞かれても分からないの‥‥。もう一度頼むの‥‥」
「それじゃ、もう一度やるぞ」
俺はそう言って、全く同じように狛里にやって見せた。
「ん~‥‥。分からないの‥‥。でも六匹なの」
「六匹か。一応答えは三匹までで答えてもらいたいんだけど、六匹だとハズレだな」
「それは先に言っておいてほしかったの‥‥」
「だけど五匹なら正解だったんだよ。四匹でも正解だし、七匹でも正解。どうだ?分かるか?」
「もう一度頼むの‥‥」
俺は何度でもやってみせた。
しかし狛里は全く分からなかった。
「ん~‥‥。分からないの‥‥。手の動きは同じなの‥‥」
「そうだな。だから最初に言っただろ?言葉遊びだって」
「確かにそう言っていたの‥‥。でも違いはなかったの‥‥」
「そうか?一ヶ所、違っている所があったはずだぞ?」
「もう一度言ってほしいの‥‥」
狛里に頼まれ、俺は同じように繰り返した。
するとどうやら気がついたみたいで、狛里は答えを言い当てた。
「答えは二匹なの‥‥」
「正解!」
これは簡単な言葉遊び。
手の動きは全く関係がない。
マジシャンが他に気を反らせて細工をするように、この遊びにおいて手は単なる囮だ。
関係があるように見せて分からないようにしているだけ。
手が関係ないと分かれば、後は言葉の違いを探せばいい。
『何匹いるでしょうか?』
ここで、『匹』を、『ピキ』と言うか『ヒキ』と言うか『ビキ』と言うかで答えが変わる。
一匹なら『ピキ』と言うし、二匹なら『ヒキ』と言うし、『三匹』なら『ビキ』と言うからね。
他にもこんな言葉遊びがあった。
『にわにわにわとりがいる』
この状況を絵に書いて表せっての。
この文章は二種類の意味があって、『庭には鶏がいる』と『庭には二羽鳥がいる』だね。
だから答えとしては、庭に二羽鶏の絵を描けば確実に正解できるけれど、鶏を一羽描いたり、二羽鳥を描いただけだと間違いになる。
或いはそれらの絵を選ぶ場合もあるけれど、その場合どちらを選んでも間違いとされる訳だ。
子供の頃にやった言葉遊びは他にもあったけれど、全て伝えるとなるときりがないので、他は割愛する事にしよう。
尤も、今回の試験はそんな単純なものではないけれど、言葉を正しく理解し、その裏に隠されたものを探すってのは、ネットのSNSなんかでも鍛えられているからなぁ。
相手が何を云わんとしているのか、読み取る訓練は自然とさせられてきた訳で。
俺たちはアッサリと洞窟から出てきた。
出るのに何かしら障害があるかもしれないと思っていたけれど、それは無しか。
分かればその時点で合格という事なのだろう。
キャンプ準備を始めていた試験官も、慌てて陰から様子を窺っている。
もう間違いない。
ここがゴールで無ければ、普通に出てきて『どうして戻ってきたの?』とか声を掛けてきても良いはずだ。
ゴールだから出ては来られない。
「だから言ったじゃろ?こやつらはもう合格なんじゃ」
「会長の言う通りでしたな」
はい、そんな会話も聞いていますよ。
俺の一寸神は、影の中から二人の会話を盗み聞きしているからね。
「どうやらこれで正解みたいだな」
「そうみたいねぇ~」
「お腹すいたの‥‥。何か食べたいの‥‥」
狛里の意識は、既にそっちに切り替わっているか。
この辺りの森なら食える物は山程ありそうだけれど、どうせ食べるならやはり普通に美味しい物が食べたいよね。
ウンコは嫌だし。
闇の家なりバグ世界なりに行きたい所だけれど、今は見られているから少し移動してから行くか。
「じゃあ会長たちから見られない場所に移動して、闇の家に行くか」
「は~い!」
「分かったの‥‥」
俺たちは、会長たちが隠れて見ている場所とは反対の方向へと走り出した。
直ぐに二人の視線が届かないと思われる場所まで移動すると、俺たちはそれぞに闇の家へと落ちていった。

次の日の十時。
俺たちは洞窟の入口へと戻ってきた。
するとそこには、既に四人の受験者の姿があった。
ゴルゴとキルリア、それにその仲間が二人と言った所か。
名前は知らないけれど、あの赤い目になる人と、将来医者を目指している二人だね。
あくまであのキャラをモデルにしていると思われるだけで、本当はどういう人物なのか知らない。
ただ見た目は大体そう思わせる感じだった。
「あんたたちももう来ていたんだ」
「流石だねー!」
キルリアとゴルゴが話しかけてきた。
「まあね」
あれほどキレていたゴルゴも、今はもう普通なんだな。
でもおそらく、俺を殺すという思いは残っているものと思われる。
俺の勘がそう告げていた。
「ゴルゴ、その人たちと知り合いなのか?」
そう聞いたのは、あの赤い目になる人をモデルにしたような、俺と同じ女性的な容姿をした彼だ。
「まあね。でも話した事があるのは策也だけだけどさ」
「私の名はタピオカ。ゴルゴとはデンジャー試験に来る途中に知り合った」
「俺はモブエロだ。よろしくな」
タピオカって、みたまが好きなだけで付けた名前のようだな。
そしてモブエロって、どうでもいい感じで付けすぎだぞ。
みたまが付けたんじゃないにしても、世界には意思が反映されるからなぁ。
みたまにとって好きなキャラとどうでも良いキャラって所か。
「美味しそうな名前なの‥‥。私は狛里なの‥‥」
「私は天冉よぉ~。よろしくねぇ~」
「俺はゴルゴだよー!よろしくー!」
「俺はキルリアね」
こんな感じで俺たちは名前を告げあった。
そこにテヘペロ会長が近づいてきた。
「流石はお主たちじゃの。ここにいる七人は合格じゃ。というか、これを最後の試験とする事が決まった。デンジャー試験合格おめでとう!」
「えっ?マジ?ひゃっほーい!」
「まっ、俺は合格すると最初から分かっていたけどね」
「ありがとうございます。これで夢に一歩近づける」
「だな。俺の目的達成にも、必ずプロのデンジャーになりたかったからな」
普通は合格に喜ぶ所か。
『お前たちも少しは喜んでおけ。当たり前みたいな反応だと、目立つ事にもなりかねないからな』
俺はテレパスで二人に伝えた。
「わーい‥‥わーい‥‥」
「‥‥。ホッとしたわぁ~」
喜べない奴ら‥‥。
まあ良いけどさ。
でも、全く喜びが無い訳でもない。
やはりあの漫画のような世界で試験に合格したのだ。
少しはテンションも上がろうというもの。
当たり前の結果だったけれど、俺は内心少し嬉しかった。
「ところで、君たちもこのダンジョンの出口の謎に気がついたのか?ガチルートだとここまで早くは出てこられなかっただろ?」
そう聞いてきたのはタピオカだった。
なるほど、流石はタピオカだ。
コレに気がついたんだな。
「まあね。変な言い方するなって思ったから」
「だね。問題を解く為には、まずは言葉の意味をちゃんと理解しなければならない。割と分かりやすい問題だったよ」
問題か。
あの漫画でも、そのような問題がところどころにあったよな。
もう忘れているけれどさ。
こうして俺たちはデンジャー試験に合格した。
最終的な合格者は、俺達を含めて十三人だった。

合格者全員が飛行船に集まってから、俺たちはようやくデンジャー証を手に入れた。
「やっとか。これでこの世界でも生きていけるな。失くすなよ」
デンジャー証は、失くしても再発行はされない。
これを守るのもデンジャーならできて当たり前という事だ。
「失くさないの‥‥」
「それでこれからどうするのぉ~?」
「どうやら飛行船で北京まで連れて行ってくれるらしい。そしたらそこから日本へ行こうと思う」
俺たちが転生転移してきた先は、どうやら中国だったようだ。
デンジャー試験は、だいたい中国で行われると決まっているとか。
そしてデンジャー協会本部はアメリカにあり、各国に必ず支部がある。
「日本?‥‥」
「そうだ。日本だ」
俺はこの世界での活動拠点を日本と決めた。
理由は色々あるけれど、やはりデンジャーが一番自由に生きられる場所と判断したから。
中国はデンジャーの地位が高い。
というか能力者だね。
全ての人が能力者ではあるんだけれど、ここで言うのは一定の水準を満たした高い能力者の事だ。
この世界では、そういう人をプロアマ問わずデンジャーと呼び、中国ではデンジャーだけの組織であるデンジャー党が国を仕切っている。
つまりデンジャーが支配する国だ。
そういう国では正直俺は居心地が悪い。
アメリカも似たようなものだけれど、デンジャーに限らず能力主義で上層部が決まっている。
一方日本は、そういう垣根はなく、デンジャーも一般人も平等だそうだ。
だから俺には日本が一番合っているように思えた。
それに俺、日本人だからね。
他にも似たような国はあるだろうけれど、おそらく一番住みよい国のはずだ。
そして、異世界だけれど日本に帰れる。
そう思うと胸が高鳴った。
「よし行くぞ!」
俺たちは今、飛行船から北京空港へと降り立った。
【<┃】 【┃┃】 【┃Ξ】
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