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第二次試験開始!二人の少年

デンジャーは、危険な仕事をするからそう呼ばれている。
しかし、危険な試験に合格した者という意味もあるらしい。
神の俺から見れば大した試験ではないけれど、普通の人が挑めばだいたい死ぬんだろう。
仮に死ぬ事はなかったにしても、危険で過酷な試験にかわりはない。
そしてまた、『デンジャーとなった人は危険である』という認識も必要なのかもしれないね。

第一次試験が終わった後、俺たちは一日ここで夜を明かす事となった。
正確には、次の日の朝十時にここに集合すれば、何処で何をしていても構わない。
でも普通に考えれば、ここで上手く夜を明かすのが一番良い選択肢と言えるだろう。
ここが何処かは知らないけれど、この辺り一帯森や荒野が広がっているだけの場所だから。
ある意味コレも、試験の一環なのかもしれないと思うよ。
当然俺たちは闇の家に落ちて、ゆったりたっぷりのんびりだけどね。
だから次の日も、俺たちは完璧な状態で試験に挑めてしまうのだ。

「皆さん、第二次試験を任された『|眼付《がんつけ》』と」
「俺は『|出武《でぶ》』って言うんだな」
「ブッー!」
吹いちまったぜ。
コレもまた見るからにパクリかよ。
でももしもそうなら、この試験は一筋縄ではいかないかもしれない。
「みんなには、私達の指定した料理を作ってもらうよ。大した料理じゃない。でもデンジャーとして必要なスキルは要求される。材料はこの森の中で自力で集めてね」
デンジャーに必要なスキルか。
まあ俺には料理魔法もあるし、どんな課題が出てもなんとかなるとは思うけれどね。
「課題料理は二つ。まず私が出す課題は、|黒死鳥《こくしちょう》の卵を使ったゆで卵よ!」
おい!
今度はみゆきの小説をパクってるのかよ。
黒死鳥はアルカディアオリジナルの魔鳥だからね。
「俺が出す課題料理は、食べられるウンコの丸焼きなんだな。コレがまた美味いんだな」
‥‥。
そんなの食うの?
つか、いくら食えて美味しいからって、俺は絶対に食いたくねぇ。
「なんだか美味しそうなの‥‥」
マジで言ってるのかこの子。
「ばっちいからそれだけは駄目だぞ?」
「策也ちゃんがそう言うなら食べないの‥‥」
ふー‥‥、危ない危ない。
ウンコなんて食べたら、もう人間とは言えないからな。
俺的に。
‥‥。
そう言えば、菜乃は食った事あったっけ?
人間じゃないからセーフって事で。
しかし食べられるウンコと、食べられないウンコって見分けられるのだろうか。
「質問いいー!?」
そう声を掛けたのは、またも主人公っぽい少年だった。
「構わないわよ」
「卵の方は分かるんだけど、食べられるウンコの見分け方ってあるのー?」
「あるんだな。できれば食べて確かめてほしいんだな。だけど食べられないウンコを食べると体に悪いから、特別に教えてあげるんだな。植物豚のウンコが食べられるんだな」
植物豚ねぇ。
豚だけど、植物みたいな感じだろうか。
或いはまんま植物で、ウンコのような実が生るってところか。
何にしても、やはりまんまウンコって訳ではなさそうだ。
「分かったー!ありがとう!」
「他に質問はある?無ければ始めるわよ。制限時間は夕方五時まで。或いは私たちがお腹いっぱいになったらそこで試験は終了よ。私たちが食べて、両方が美味しいと言えば合格。不味ければやり直しだからね」
本当にパクリまくっているな。
お腹いっぱいになると終了だから、早さも求められる。
とは言え八十八名。
おそらく一回ずつくらいは食べられるだろう。
ん?八十八名いない?
どうやら二名ほど戻っては来なかったみたいだな。
俺たち以外に合格者が何人いる事やら。
「それでは始め!」
眼付の号令で、受験者は一斉に動きだした。
「じゃあ俺たちも行くか」
「探索魔法で簡単に見つけられるぅ~?」
「駄目だな。その物を見た事が無いし、魔力も知らない。一つ見つかれば、その後は直ぐに二つ見つける事ができると思うけどな」
「仕方がないわねぇ~。手分けして探しましょうかぁ~」
「そうだな」
「分かったの‥‥」
そんな訳で俺たちは、一旦別行動をとる事にした。
さて、俺は一寸神を使うか。
そしたら八倍早く見つけられるだろう。
すると、ついさっき別れたばかりの狛里からテレパスが入った。
『両方みつけたの‥‥』
早すぎるんちゃうんかーい!
流石は狛里だな。
伊達に宇宙じゃないよ。
『そうか。ならば先程の場所に、それらを持って戻ってきてくれ。天冉もな』
『了解よぉ~』
「戻ってきたの‥‥」
一瞬だったな。
こんなデンジャー試験じゃ、狛里にとってはお遊びにもならないか。
「早かったわねぇ~。あらぁ~、もう三つずつ揃っているのねぇ~」
うむ、流石は狛里。
それにしても、黒死鳥の卵は少しでかいな。
高さ五十センチはありそうだし、そう何個も食べられるものじゃないぞ?
俺たちみたいな暴食者でも無い限り、せいぜい食べられて一個。
そしてもう一つのウンコは、見た目はまさにウンコだけれど、触れば直ぐに植物の実と分かる。
でもこれを食べようとは思わないよね。
臭いもほとんどウンコで、焼いたらもう区別がつかなくなりそうだ。
「それじゃ直ぐに料理するか」
俺は料理魔法で三つの卵を茹でて、三つのウンコを丸焼きにした。
やはり本物のウンコと全く見分けがつかないようになってしまったぞ。
本当にコレを食うのかね。
「それじゃぁ~、持っていきましょう~」
「分かったの‥‥」
「そうだな」
ウンコは適当な葉っぱに乗せて、俺たちは試験官の元へと持っていった。
「あら早かったわねぇ~。えっ?その卵、黒死鳥の中でもレアな女王の卵じゃないの!それを三人とも?」
そうなのか?
これはちょっと目立ってしまうか?
実はあまり目立ちたくないんだよな。
目立つとやはり神の討伐にはマイナスな訳で。
「どうぞ召し上がれ、なの‥‥」
「そ、そうね」
狛里から卵を受け取ると、眼付は殻を割って食べ始めた。
「‥‥」
どうなんだ?
「‥‥」
黙々と食べてるな。
「‥‥」
全部食べてしまう勢いだぞ?
「ふぅー。これは美味しすぎて全部食べちゃった。お腹いっぱい‥‥」
おいっ!
やっぱりそうなるのかよ。
「合格なの?‥‥」
「そうね。貴方は合格よ‥‥」
「それじゃぁ~、次は私のを食べていただこうかしらぁ~?」
「‥‥」
食べられないんじゃね?
「ゲプッ!」
だよね。
「一応ルールだし、私の試験で合格者は貴方だけね‥‥」
ふむ。
この展開は少し違うけれど同じと言うか。
となると‥‥。
「合格者が一人というのは駄目じゃろう?」
やってきたのは会長らしき人だった。
どう考えてもアレな爺さんそのままだよ。
「テヘペロ会長!」
テヘペロ会長って‥‥。
みたまのネーミングセンスは期待通りだな。
「流石に合格者が一人ってのは駄目じゃろ。審査に卵を全部食べる必要はあったのか?」
「いえ、一口食べればその美味しさは分かりました」
「ならばそれはお主のミスでもある」
「その通りです。分かりました。私は審査員を降ります。全ては出武の方で判断する事とします」
やはりなんとかなったか。
これで、黒死鳥のゆで卵は必要なくなった訳だ。
だったらこの卵は、後で俺が食べる事にしよう。
「その卵、美味そうじゃの?一度食べてみたいのぉ。いいなぁ。いいなぁ」
なんだこのテヘペロ会長。
俺の卵を奪おうと言うのか?
しゃーねーな。
「食べる?」
「おお!これは催促したようで悪いの」
催促したようっていうか、催促してたんじゃねぇか。
「はい」
「ずっしりくるの」
テヘペロ会長は手刀で殻を割ると、ゆで卵にかぶりついた。
「こりゃ美味い!眼付が全部食べてしまったのも頷けるわい。よし、君たち三人は全員合格じゃ。もうデンジャー試験自体合格でええぞ」
「会長!」
「俺、まだ食べてないんだな」
「出武は引っ込んでな。会長、それはやり過ぎでは?」
「そうかの?じゃあもう一つの料理も合格なら合格でどうじゃ?」
「俺は厳しく採点するんだな」
そう言って出武は、俺たち三人からウンコを奪うように取って、一気に口に放り込んだ。
「このほのかに香るウンコ臭‥‥。最高に美味なんだな」
うえっ‥‥。
僅かに漂ってくるウンコ臭でも吐き気がするぞ。
「合格なんだな」
アッサリ合格しちまったな。
「そうかの。だったらもうデンジャー試験、お主たち三人は合格じゃ!」
本当にこんなにアッサリ合格しちまっていいのか?
神としてはあまり目立ちたくないんだよな。
「ちょっと待ってくれ。合格は良いんだけどさ、俺たちはあまり目立ちたくないんだよ。だから一応試験はみんなと同じ所までやらせてもらっていいか?」
俺たちだけ特別扱いされれば、きっと目立って名前が売れてしまう。
「ふむ。まあええじゃろ。でも合格に変更はないからの」
まあ会長の立場からすれば、俺たちのような人材は協会に入れておきたいんだろうな。
一応俺たちも合格はするつもりだった訳だし、当然それでいいんだけど。
「了解」
そんな訳で俺たちは、第二次試験を始めた所で既にデンジャー試験に合格したのだった。

しばらくすると、受験者が続々と卵とウンコを持って集まってきた。
「卵はもう良いわよ。自分で食べてみてね」
「ウンコはこっちに持ってくるんだな。俺が味見してやるんだな」
試験官の言葉に、受験者は出武の前にならんで料理を渡していた。
「これは美味いんだな。合格なんだな。こっちは‥‥。本物の豚のウンコなんだな。やり直しなんだな」
おいおい、本物のウンコを持って来てるヤツもいるのかよ。
しかもそれを食って平然と審査している出武。
あいつ、並じゃないな。
俺は少し出武に恐怖した。

そんなこんなで試験は|恙無《つつがな》く進められ‥‥。
第二次試験が終わった所で、残っているのは俺たちを除いて二十名にも満たなかった。
完全に不作と言わざるを得ない。
あの漫画とはかなり違う展開となったな。
「そいじゃ、次の試験会場へは、あの飛行船に乗って移動してもらうぞ」
テヘペロ会長が指差す空には、一隻の飛行船の姿が見えた。
確かあの漫画だと、塔の上に降ろされるんだったかな?
まさかそこまでパクってはいないだろうと思いたいけれど、みたまだからなぁ。
俺はチラッと天冉に視線をやってはみるものの、特に動揺するような素振りは見られなかった。
パクってはいないのかな。
とにかく行けば分かる事だ。
俺たちは降りてくる飛行船を待って、順番に乗船していった。
皆が乗船すると、直ぐにテヘペロ会長から説明があった。
「この飛行船はこれから第三次試験会場へ向かい、明日の午前十時には到着する。そこから直ぐに第三次試験が始まるので、それまで船の中では自由行動じゃ。ただし受験者同士の争いはご法度じゃぞ?見つけたら即失格にするのでそのつもりで」
普通に考えれば、明日に向けて体を休めたい所だろうな。
俺たちは不老不死だし、寝る必要性もあまりない訳だけど。
それでも寝るという行為は、割と効果もある気がするんだよね。
やはり頭がスッキリするというか。
どっちにしても俺たちは既に合格確定な訳で、狛里も天冉も好きにすればいいさ。
「それじゃ解散じゃ。部屋は早いもの勝ちで好きな部屋を使ってくれ。数は余りまくっておるしな」
つまり今年の受験者は不作だという事だろう。
本当はもっと合格者が出ると予想していて、部屋を準備していたか。
「とりあえず自由行動らしいぞ?」
「ワクワクするの‥‥。自由行動は大切な時間なの‥‥」
いや狛里、修学旅行に来ているJKじゃないんだからさ。
「トランプでもしましょうかぁ~」
だから天冉、JKじゃないんだって。
「部屋はみんな一緒でいいの‥‥」
いやそれはまずいだろ。
狛里はともかく、天冉は人妻だし。
ん?三人だからむしろそっちの方がいいのか?
二人きりの方が不味い訳だから。
いやいや、俺だけが別の部屋でいいんじゃん。
そんな事を考えていたら、いつの間にか俺は二人と同じ三人部屋に入っていた。
「‥‥」
まあいいだろう。
気にしなければ自然な流れだった。
何も問題はないはずだ。
しかしなんとなく気まずくなった俺は、一旦部屋を出る事にした。
「それじゃ俺は、ちょっと飛行船を見て回るよ」
「策也ちゃんトランプなの‥‥」
「この後イベントが起こる予定なんだ。俺一応神だし、仕事しなくちゃならんのよ。ゴメンね」
別に遊んでいても良いんだけどさ、修学旅行で女子部屋に男一人はちょっと苦しいんだよ。
「それじゃ仕方ないの‥‥」
「じゃぁ~、私たちはお風呂にでも入ってましょう~」
なに?風呂があるのか?
なかなかできた飛行船じゃないか。
入りたい気持ちもあるけれど、見て回ると言った手前それはできん。
風呂なら闇の家やバグ世界にもあるし、べ、別に飛行船の風呂なんて‥‥。
夜中に入ることにしよう。
俺はそんな事を思いながら部屋をあとにした。
さて、とはいえ見て回っても何もなさそうだ。
あの漫画では何かあったような気もするけれど、正直読んだのって何十年も前の話。
日本で暮らしていた頃の記憶は、記憶魔法にもないんだよね。
だからどんなだったか思い出せない。
それにみたまだって、色々と忘れている所があるだろう。
漫画通りの展開にはならないはずだ。
仕方がないから、適当に散歩して戻る事にするか。
そんな風に思っていたら、いきなり声をかけられた。
「おお!お主。こんな所におったんじゃな」
振り返るとそこには、テヘペロ会長と主人公っぽい少年、そしてその友達が立っていた。
その姿を見て少し思い出した。
そんな話もあったよな。
「ん?俺を探していたのか?」
「そうなんじゃ。小奴らがお主と手合わせしてみたいと言っておっての」
「そうなんだー!」
「会長の爺さんが、あんたら三人の誰かに勝てば、デンジャー試験合格にしてくれるってさ」
それ、テヘペロ会長がこいつらと俺を戦わせたいだけじゃねぇか。
漫画だと自分で何かしてただろ。
「どうじゃ?ちょっとやってはくれんかの?」
「俺、一番強い人と戦いたいんだー」
「まっ、俺は誰でもいいけどね。合格にかわりはないんだし」
「でもそれ、俺たちにメリットないよね?」
あまり目立ちたくはないんだよな。
でも、こいつらの強さを見極めるチャンスでもあるか。
まだ神候補には出会えないとは思っているけれど、もしかしたらってのもある。
できればテヘペロ会長自らやってくれるのが一番いいのに。
もしかしたらテヘペロ会長が神候補かもしれないからな。
「そうじゃのぉ。もし小奴らに勝てたら、わしができるかぎり何か一回だけお願いを聞いてやるぞい」
ふむ。
デンジャー協会会長が何でも一回お願いを聞いてくれるのか。
それは美味しいな。
仮にこの人が神候補だとしたら、神を倒すようお願いする事もできる。
「まあ俺はいいけど?」
「他のお姉ちゃんたちは?一番強いのは誰なのー?」
「一番強いのか‥‥」
それぞれに強さは違うんだよな。
だから一概に誰が一番強いかなんて言えない。
「得意分野が違うからな。ルールや状況にもよるだろうし」
単純な殺し合いをしたら、世界の神である俺を殺せるのは男に限られる。
それも概ね同じ世界の人間だ。
魂を漂わせるような死と同じ状況でも良いなら、別世界の人間でも可能かもしれないけれど、少なくとも狛里や天冉が俺を殺す事はできない。
だから俺が勝つのは間違いないはずだ。
しかしルールを決めてやるようなプロレスなら、俺は前に狛里に負けている。
そして天冉の場合、その目には逆らえないし、今はみたまも憑依している訳で強さも未知数だ。
「ルール無しの殺し合いをしたら、誰が一番強いの?」
「それなら簡単だな。おそらく俺が勝つだろう」
「だったら俺と戦って!」
「俺は誰でもいいけど、あんたが良いなら」
臆する所は全くなさそうだな。
殺し合いで強いって言っているのに、殺される可能性を考えないのだろうか。
「殺し合いは駄目じゃぞ?ルールは一応設けるぞい。戦闘はこの船の中心にある広間。どちらかが気絶するか『まいった』と言えば負けとする。武器の使用も自由じゃ」
ここで最終試験のような展開か。
となるとこの少年はきっと強いのだろうな。
ただ、気絶でもオッケーなら、俺が負ける要素はない。
「わかった!」
「オッケー」
俺は軽く人差し指と親指で円を作り、了解した事を伝えた。

中央の広間に移動すると、早速戦いが始まる。
まずは主人公っぽい少年が一人で挑んで来るようだ。
「二人一緒でもいいぞ?」
「なめないでよね。こう見えて俺、有名な暗殺者一家の一員なんだから」
えっ?
この主人公っぽい方がそうなの?
逆なのかな?
「へぇ。それは気を引き締めていかないとな」
まだこの世界の能力に関しては、ハッキリと確信を持っている訳じゃない。
油断はしないでいこう。
「じゃあいくよ!」
「どうぞ」
俺が返事を返すと、少年は一気に距離を詰めてきた。
速い、が、それは一般レベルと比べてだ。
俺から見れば、正直止まって見えるレベル。
俺は軽く少年のパンチとキックをかわした。
「かわされるとは思わなかったよ!」
「だとしたら、俺を侮りすぎじゃないか?」
あまり力の差があるようには見せたくないよな。
テヘペロ会長も見ているし、必要以上に強いと思われたくはない。
今はまだね。
俺は極力魔力や念力をセーブしつつ、紙一重で少年の攻撃をかわし続けた。
「おっかしいなー?全く俺の攻撃が当たらないなんて」
「おいゴルゴ!俺と交代だ!」
おいおい、少年の名前はゴルゴかよ。
暗殺者にはふさわしい名前だけれど、そんな顔してないだろ。
「わかったよキルリア」
そしてこっちはキルリアかい。
なんか誰かにゲットされそうな名前だな。
「よそ見してる場合じゃねーぞ!」
キルリアはいきなり襲いかかってくる。
でもこっちもゴルゴと大して変わらない動き。
俺は紙一重でかわそうとする。
するとフェイントを入れて別の攻撃をくりだしてきた。
パンチに見せかけて蹴りか。
「おっと!」
だけど残念ながら、お前たちの攻撃は止まって見えるレベルなんだよね。
「ちっ!今のをかわすのかよ。だったらこれならどうだ!」
キルリアは何かの液体を飛ばしてきた。
これは毒か何かかな?
武器の使用もオッケーだったか。
まあ受けてもいいんだけれど、わざと受けるのも強さを強調するような気がする。
俺は液体をかわしてキルリアの後ろに回り込んだ。
そして手刀を一発入れる。
撫でるようにね。
それでもキルリアはその場に倒れた。
「ぐおー!いってぇー!」
そりゃ痛いよ。
並の人間が喰らったら気絶するレベルだ。
でも流石はキルリア。
この程度なら耐えられるか。
「ゴルゴ!ちょっと交代だ!」
「オッケー!」
二人は手を合わせ、再びゴルゴが出てきた。
「なめてたよ。強かったんだね。キルリアがあんなにアッサリ背後を取られるなんて」
俺はそんな事を言うゴルゴの後ろに瞬時に回り込んだ。
「話してる場合じゃないよ」
俺は同じ手刀をゴルゴにも入れた。
「うんごー!これはきくー!」
こっちもこの程度では気絶しないか。
この二人の強さは思っていた以上だ。
それでも想定の範囲内。
中級冒険者レベルではなかったけれど、せいぜい上級冒険者レベル。
ここから神を倒せるまでになるには、相当訓練が必要だぞ。
「くっそー!俺はまだ負けてないぞー!」
ゴルゴはそう言って再び向かってきた。
これでも向かってくるか。
俺は再び後ろに回って、手刀を一発かました。
「ぐはっ!」
ゴルゴは膝をつく。
しかし直ぐに立ち上がり、まっすぐに向かってきた。
「ちっくしょー!俺は最強になる男なんだ!こんな所で同じ受験者には負けられない!」
俺は今度は、正面から顔面を殴った。
流石にこれでは‥‥。
ゴルゴはふっとばされながらも足を踏ん張り倒れはしなかった。
「デンジャー王に、俺はなる!」
どこかの海賊みたいなセリフを言いやがる。
ゴルゴの魂はかなり強い。
ならば敬意を表して、もう少し力を出してやるか。
「テヘペロ会長!殺しても生き返ればオッケーだよな?」
「ふむ。最終的に生きておればの。お主はそんな能力も持っておるのか?」
「俺は本来治すのが専門だからな」
嘘だけど。
でもこいつを気絶させようと思えば、殺すくらいじゃないと無理だろう。
ちなみにこの世界で蘇生は可能だ。
誰かを不老不死にするような事はできないけれどね。
俺は少々力を出してゴルゴの腹にパンチを入れた。
流石のゴルゴも、この一撃には耐えられなかったようだ。
膝をついて倒れた。
しかしまだ息はあった。
生きているだけでも凄いよ。
上級冒険者以上の耐久力はあるみたいだな。
俺は直ぐに治癒魔法を施した。
体は治しても、失った意識までは戻さなかった。
目覚めると悔しがりそうだし、我を忘れて向かってくるかもしれない。
そう思ったから。
「勝負あり、じゃの」
「俺も降参するよ」
キルリアも手を上げて負けを認めた。
性格的には、あの漫画に似た所がある。
でもゴルゴの負けず嫌いは、ちょっとヤバいレベルだけど。
「俺の名前はキルリア・ムラサメだ。あんた、名前は?」
いきなり名前を聞かれた。
つかムラサメって、強化人間かよ。
「俺は策也。策也・此花だ。で、あっちの少年はゴルゴ、だよな?」
きっと名字は縁起の悪そうな数字ではないだろうか。
「あいつはゴルゴ・エイティーエイトだよ。エイティーエイト家って言えば、暗殺者一家として有名だぜ?」
そうなのか。
つか別の作品が混じったような名前じゃん。
絶対戦闘機に乗ってるだろ。
「ちなみにムラサメと言えば、五つ星デンジャーにウォッカ・ムラサメってのがおっての。こいつはその息子じゃろうて」
「まあな。親父の仕事がどんなもんか知りたくて、デンジャー試験を受けにきたんだ」
聞いてもいないのに色々と話してくれるんだな。
でもなるほど。
やはりこの二人は逆の設定になっているようだ。
「殺す‥‥。いつかあんたは俺が殺す‥‥。俺はデンジャー王になるんだ!」
ゴルゴが立ち上がり、そんな事を言ってきた。
まさにデンジャーだな。
ちょっと怖いぞ。
これがアニメ作品なら『おう、殺しにこい!何時でも相手になってやるぜ!』とか言うシーンかもしれない。
でも‥‥。
「それはちょっと‥‥」
俺がそう言うと、ゴルゴは再び気を失って倒れそうになった。
その体をキルリアが抱きとめる。
「策也とかいったな。ゴルゴに目をつけられたのはヤバいね。今殺しておかないと、いつか殺されるよ?」
「目が冷めたら、『俺よりも強いヤツはこの世界にいる』って伝えておいてくれ」
俺はそう言ってみんなに背を向け、手を上げて振り返らずに去っていった。
こえぇよ。
ゴルゴがデンジャー過ぎて恐ろしい。
なるほど、確かにデンジャーだと思った。
【<┃】 【┃┃】 【┃Ξ】
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