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第四魔法学園防衛戦(後編)

 敵の攻撃が無くなったので、私は燃える物もなくなった教室に入り、窓から状況を確認した。
 やはり校舎には、もう我々しかいないようだった。
 東の方を見ると、寮棟辺りで魔法戦が繰り広げられているのだろう。
 時々爆発が起こっていた。
 私はみんなを集めると、寮棟へ戦場を移す事を皆に告げた。
「これから敵の背後をつく」
 そうは言ったものの、皆少し疲れているようだった。
「ちょっと休めないか。さっきの魔法で、魔力がまだ回復していない」
 魔法は、無尽蔵に使えるものではない。
 強力な魔法なら尚更だ。
「私も少し本気をだしてしまった。槍もこの通り折れているし、魔力の回復時間が欲しい」
 罵蝶のイザナギの召喚は、どうやら魔力消費がかなりあるようだ。
 跳雲も、罵蝶ほどではないにしても、当然魔力消費は激しいだろう。
 我が部隊のアタッカー三人がこの状況では、攻撃を仕掛けるのは無理か。
「ではこうしないか。幸い部隊室のある第二校舎は、戦場とは逆方向だ。鍛冶場もおそらく無事だろう。だから罵蝶は鍛冶場に行って、新しい槍を調達してくればいい。兎琴が一応同行した方が良いかな。歌琥、跳雲、香那は、第十八ルームで待機。私と凰印で、無茶しない程度に、敵に嫌がらせをする」
 愁癒の提案に、特に反対する者はいなかった。
 だけど、私と愁癒だけで、いったいどれだけの事ができるのだろうか。
「嫌がらせと言っても、二人では大した事はできないのではないか?勝算があるなら、私は構わないが」
 戦争じゃなければ、愁癒と二人っきりは喜ぶべきところだが、流石に現状では、そんな事は考えられなかった。
「作戦はある。それは、移動しながら話す」
 愁癒の顔には、自信の笑顔があった。
「よし分かった。では千里眼で一応状況を確認してから、行動を開始する。少し待っててくれ」
 私はそう言うと、千里眼で東の方角を見通した。
 北東へ続く道には敵がいて、その先には寮棟がある。
 各部屋から外に向けて、生徒たちが攻撃しているようだ。
 次に南東へ続く道には、一、二、三、四人の敵がいたが、その先の第二校舎にはどうやら誰もいないようだ。
 ただし、私の千里眼では此処までが限界で、その先まで見通す事はできなかった。
「よし。第二校舎方向には、敵は四人だけだ。その先は見通せなかったから、後何人かは、敵がいる事を想定して行動してくれ」
 私の言葉に、皆はそれぞれに返事を返して、私と愁癒を残して、先に校舎を後にした。
 少ししてから、私と愁癒も移動を開始する。
「で、作戦はどういうのだ?」
 正直、魔力球もそんなにあるわけではないし、私には敵に大きなダメージを与えられる術は思いつかない。
 敵も何度か魔力球の爆発を見て、密集隊形を取らないようにしているみたいだし、本当に嫌がらせ程度しかできないと思える。
 だけど、愁癒が本当に、嫌がらせをする為だけに危険を|冒《おか》すような事をするとは、私には到底考えられなかった。
「これを使うのよ」
 愁癒がそう言って、ポケットから取り出したのは、七つの魔力球だった。
 しかも、私が作った物よりも、感じる魔力は強い。
「私も作ってみたの。魔力はきっと凰印のよりも高いはずだけど、上手く爆発するかは、試してみないとわからない」
 私はそれを手に取って、構造を見てみた。
 外から見た感じは、上手くできているように思える。
「魔力は何にためてあるんだ?」
 問題は中の鉱物なので、私は愁癒に尋ねた。
「|蛍石《フローライト》よ」
 フローライトは、比較的安価で手に入りやすく、よく使われている鉱物だ。
 魔力を蓄えるのもさほど難しくなく、妥当な選択と言えるだろう。
「フローライトか。なるほど、より多く魔力を蓄えられるわけだ」
 だけど、実は少し懸念があった。
 私が使っているシェルよりも硬い分、魔法の矢で破壊できるかどうか。
 硬度はそんなに変わらないが、打撃に対しては、フローライトの方が硬いからね。
「凰印はシェルに蓄えているんだよね?生物鉱物に蓄えるのは不可能に近いと言われているのに、凄いよ」
 愁癒の言う通り、生物鉱物に魔力を蓄えるのは不可能に近いと言われている。
 なのにそれを可能にしたのは、私が魔力を扱うのに繊細で器用だからだろう。
 それは、魔力の少ない私が、それを補う為に努力し続けた結果だ。
 だから凄いと言われると嬉しいわけだけど、やはり魔力が少ないのは悲しい。
「問題は、私の魔法の矢で、フローライトを破壊できるかどうかだな」
「大丈夫。魔力の接触で爆発するようにしてあるから、それなりの魔力で十分よ」
 愁癒は、私が作る魔力球と違って、爆破する事だけを目的とし、その効果を付与して作っているという事か。
 ちなみに私の魔力球や、拳銃の弾薬の爆発の原理は、圧縮されたものを一気に解放するものである。
 それでも魔力の解放によって高温を発し、炎を伴って爆発するわけだが、爆発効果が付与された魔力球は、それ以上の爆発が期待できるだろう。
「一体どれほどの爆発になるのか、これをくらわされる方が、少し気の毒だな」
 私の言葉に、愁癒は「これで決めるつもりだから」と言って、白い歯を見せた。

 私と愁癒は、木の陰に隠れながら、敵の後ろへと近付いていた。
 戦況は一進一退のようだが、窓からこちらに向かって攻撃している学生の顔は、皆疲れて余裕などなさそうだった。
 だけど寮棟での攻防は、エントランスの中に入ってきたところを攻撃するグループと、窓から本体に攻撃するグループだけに分けていて、学生たちはうまく戦っていた。
 流石にここまで生き残っている学生たちだ。
 後しばらくは、戦線を維持できるだろう。
「では、いくよ」
「ああ」
 愁癒の言葉に、私は一言だけしか、返す事ができなかった。
 正直、大軍に二人だけで挑む状況に、少し緊張していた。
 笑顔をつくる事も出来なかった。
 愁癒は、私から少し離れたところで、一気に魔力を高め始めた。
 すると流石に、敵も尋常じゃない魔力に気が付き後ろを振り返る。
 防御態勢をとる者と、攻撃をしようとする者が、バランス良く組織的に対応してきた。
 敵は正規軍だ。
 反応が早い。
 間に合うだろうか。
 敵から攻撃魔法が放たれた。
 と同時に、愁癒も魔法を発動した。
 愁癒の目の前に、通りの幅いっぱいの、|炎の壁《ファイヤールォール》が一気に展開された。
 敵の攻撃魔法は、その炎の壁に当たって、全てがかき消されていた。
 間に合った。
 まずは作戦の第一歩が成功だ。
 愁癒は、更に魔力を高める。
 これだけ高められた魔力を、私は感じた事がない。
 それは、私が知る中で、一番の魔力の持ち主である事を意味しているのかもしれない。
 歌琥ですら、これほどまでに魔力を高める事は不可能だろう。
 愁癒は手を前にかざし、ファイヤーウォールを移動させ始めた。
 これは、広く陣取っている敵を、一か所に押し集める為だ。
 誰がこんな力押しの作戦を、この可愛い女の子が実行できると思うだろうか。
 愁癒の華麗な身のこなしと、器用なマジックシールドの扱いを見て、私はずっと、バランス型の魔法剣士だと思っていた。
 でも違ったみたいだ。
 愁癒の本分は、炎の精霊魔術師か。
 移動するファイヤーウォールは、徐々にその高さも空へと近くなる。
 それを越えて、敵が魔法で攻撃してきた。
 私はコントロールシールドたちを駆使して、愁癒を守る。
 天からイカズチも襲ってくるが、魔法反射の盾に全ての効果は発揮されない。
 敵は寮棟とファイヤーウォールの間に閉じ込められ、徐々に密集していった。
「そろそろかな・・・」
 私は息を一つ吐いた。
 と同時に愁癒が、ファイヤーウォールを一気に消失させ、七つの魔力球を次々と敵へと投げつけた。
 私はそれが敵の中に消える寸前に、魔法の矢を放った。
 私の魔法の矢は、魔法耐性のある人の皮膚すらも貫く事はできないが、愁癒の作った魔力球には見事に突き刺さった。
 次々に爆発が起こり、爆発音が鳴り響く。
 愁癒は自分を守る為に、既に魔法の盾を展開している。
 私のコントロールシールドも、同じく愁癒を守る。
 だが、爆発の圧力は半端なものではなかった。
 愁癒は後ろに吹き飛ばされていた。
 それでも愁癒は、爆風の中倒れた体を起こして、笑顔でサムズアップしてきた。
 どうやら大丈夫のようだ。
 私は安心した。
 それにしてもこの爆発、寮棟の生徒たちは、上手く退避してくれているのだろうか。
 愁癒が魔力球を投げた時点で、敵もそうだが、味方も爆発には対応しているだろうから、大丈夫だとは思うが。
 私は千里眼で、爆煙の中の様子を確認した。
 寮棟内の学生は、どうやら大丈夫そうだ。
 一方敵の多くは、一瞬にして死に絶えていた。
 しかし、一人だけほとんど無傷で残っている者がいた。
「火偽か!」
 敵の大将火偽だけは、爆炎を完全にレジストしたようだった。
 純粋に抵抗したのか、それとも回避したのか。
 どうやってあの爆炎をレジストできたのか気になるところだが、状況はそれどころではない。
 火偽が剣を持って、倒れた愁癒に襲いかかっていた。
 いくら愁癒でも、今、火偽に対抗できる術はないように見える。
 私のコントロールシールドも、物理攻撃に対しては限界がある。
 火偽の攻撃を止められるとは思えなかった。
 私は学ランの内にある拳銃を、ホルスターから抜き取り、火偽に狙いをつけた。
 テストはしていないが、きっと大丈夫。
 祈る気持ちでトリガーに指をかける。
 火偽は愁癒の前で、剣を振りかざした。
 だけど振り下ろす前に、辺りに再び、爆発音が鳴り響いた。
 私の拳銃から放たれた弾丸は、見事に火偽の頭を撃ち抜いていた。
 火偽がゆっくりと、後ろに倒れた。
 その後は、寮棟から打って出た生徒たちが、残党を掃討していた。
 私はすぐに愁癒に駆け寄って抱き起した。
「大丈夫か?」
 私がそう言うと、愁癒は笑顔で
「私たちの勝利だね」
 と言って、私の腕の中で気を失った。
 私が愁癒を抱きかかえるように持ちあげると、視線の先に、こちらに向かって歩いてくる、我が部隊の面々の姿があった。
 愁癒の作戦により、第四が見事に、反乱軍の侵攻を退けた戦いだった。

 戦いが終わり、私は愁癒を仲間に預けた後、一人校舎に戻っていた。
 理由はあまり話せるものではないが、良く言っても死体の掃除、やんわり言えば、魔界の住人に対して契約料を支払う為だ。
 私が、異世界とを繋ぐ為、空間に亀裂を生じさせると、そこから長い舌がでてきて、敵の死体を次から次へと呑み込んでいった。
 異次元アクセスの魔法によるアイテム収納は、アイテムに頼らなければならない私にとっては生命線だ。
 本当はこんな事、あまりしたくは無いが、どうせ燃やすなり埋めるなりするのなら、食べさせるのも変わらないと、自分に言い聞かせていた。
 しばらくしてみんなの所に戻ると、もう既に次の任務が言い渡されていた。
 楽浪城の奪取と、守備兵の殲滅だ。
 ただし現状皆疲れているので、半数以上が回復し次第との事。
 まああれだけの数で攻めてきて、火偽も戦列に加わっていた事を考えると、残っている兵では、大した抵抗もなさそうに思える。
 だけど、半数で動いて大丈夫だろうか。
 ゆっくりしていると援軍がきて、守りを固められるかもしれないし、判断が難しい。
「みんなはどう思う?」
 私たちは今、第十八ルームに集まって、テーブルを囲んでいた。
 跳雲は、一旦戦いが終わった事で学園長のところに行っているので、此処にはいない。
「どちらにしても、私には今日これ以上の戦いは無理そうだ」
 先ほど愁癒は目を覚ましたが、魔力を使い果たし、疲れはピークに達している。
「私は戦えなくはないが、この槍で戦うのはなぁ~」
 罵蝶は、部屋の隅に立てかけてある槍を見ながら、憂鬱そうだった。
 今まで使っていた物は、鍛冶場で直してもらっているらしい。
「俺も今日は、遠慮願いたい。だいたい、守るよりも攻める方が難しいし、敵の情報もわかっていないのだからな」
 歌琥の言う通り、もし援軍が来ていたら、もし強い奴がいたら、逆に全滅することだって考えられる。
 兎琴は聞くまでもなく、歌琥と同意見だろう。
 兎琴と目が合うと、笑顔で頷いていた。
 そして香那は、先ほど五人ほど蘇生をして、今は抜け殻状態だ。
 今日これから攻め込むとしても待機確定だ。
「元気なのは私だけか・・・」
 私も決して疲れていないわけではない。
 だが、疲れの意味がみんなとは違う。
 私はいくら疲れていても、魔法が使えなくなるわけではないのだ。
 ここで魔力について、少し詳しく説明する。
 たとえば私の魔力は数値化した場合、五十程度しかない。
 一方歌琥は、入学試験の魔力診断で、九千六百以上で学年三位だ。
 だけど、少しずつでも魔法を使い続けると、普通の人なら魔力数値はドンドン低下してゆく。
 そしていずれは、限りなくゼロに近づくわけだ。
 しかし私は、何度も何度も魔力をゼロにしてきた為、それに対して耐性ができてきた。
 回復力が尋常じゃない早さになり、いつの間にか、魔力を使い続けていても大丈夫な体になったのだ。
 とは言っても、魔力五十でできる魔法だけだから、強力な魔法は使えないので、戦力にはなりはしないのだけれどね。
 それに歌琥だって、魔力五十でできる魔法程度なら、一日続けて使う事もできるから、私の能力が劣っている事は言うまでもない。
 歌琥は水瓶に入った魔力という名の水を、大量に流す事も少しずつ飲む事もできるが、私は少しずつしか使えないって感じだろうか。
 いや、水瓶も小さく、雨が降り続いているだけか。
 そういうわけで、今此処で魔力が通常と変わらないのは、私だけだった。
「よし、我が部隊は今日は休もう。学生だし、別に手柄が欲しいわけではないからね」
 まっ、実際手柄を立てたら、将来領主や、皇帝の傍に仕える事も可能かもしれないが。
「とは言え、みんなが戦っている間に、寝ているわけにもいかないのだろうな」
「残ってる生徒は校舎防衛とか、機能回復に精を出す事になるか」
 歌琥や愁癒の言う事はもっともだ。
 だったら、残っていても楽はできないし参加しようか、なんて誘惑にも駆られたが、よく考えたら、戦争するよりはマシだと思い、私は参加しないと心に決めた。
 そう結論を出した時、部屋のドアがノックされた。
「はい、どうぞ」
 私がそう声をかけると、ドアを開けて入ってきたのは、跳雲だった。
「高村産学園長からの言葉を、伝えにきました」
 跳雲が、何やら改まったような言い方をしてきたので、私は嫌な予感がした。
 それはどうやら皆も同じだし、跳雲も言いたくなさそうだった。
 それでも跳雲は主席のプライドか、ただ単に任務に忠実なだけか、とにかく話し始めた。
「凰印部隊の者は、今晩の楽浪城攻略に参加するように。これは命令である。ただし、愁癒と香那は免除する。だそうだ」
 愁癒の大活躍はみんな見ていたし、香那は五人も蘇生したのだから当然だな。
 ハッキリ言って、予想の範囲内だった。
 そして命令と言う事は、これは実戦学習の一環であるって事だ。
「これが、学習ねぇ」
 私は異世界で見聞きした事を思い出していた。
 異世界の学生は、日々青春を謳歌していた。
 人を殺す事は悪とされ、戦争もやってはいけないものだと教育されている。
 当然学生が、命の危険にさらされるような事はないし、人を殺せと命令される事もない。
 一方我々の世界はどうだ?
 魔法という能力が使える事で文明は進まず、学生も人殺しの道具になるのがこの世界。
 今日半日で、第四の学生は、既に半分が死んでいる。
 魔法ってのは、いったいなんなんだろうか。
 生まれた時から、戦争の道具を持って生まれてくるって事だろうか。
 それとも、死地に赴く為の切符だろうか。
 だったら救われないな。
 私はそんな武器を持たずに生まれてきたのだから、もしかしたら幸せだったのかもしれない。
 何カ月か前までは。
 私は部隊の仲間を見回した。
 でも、もう今更引き返せないか。
「仕方ない。行くか!」
 私は笑顔で立ちあがった。
 するとみんなも、少し苦笑いを浮かべて立ちあがった。
「まあ最悪、逃げるさ」
 歌琥の言う通りだ。
「みんなが行くなら、私だけ休むつもりはない」
 愁癒は無茶をするなぁ。
 でも可愛いから、一緒にいてくれるって言うなら、お言葉に甘えよう。
 その代わり、絶対に守ってみせるよ。
「弘法筆を選ばずなんて嘘だが、大した戦力ダウンにはならないさ」
 罵蝶がね。
「うちを一人にしないで欲しいよ。私もついて行くよ」
 香那は、いざとなったらガブリエルが守ってくれるんだろう。
 問題無い。
 そして兎琴は、無言のまま歌琥に寄り添っていた。
 結局我が部隊は、メンバー全員が参加する事になった。
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ドクダミ

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