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第三十八話 最強コンビ誕生

最近は、舞も一緒に部活をする事が多くなった。
もうすっかり部員の一員だ。
舞の事を先生だと意識しすぎる部員もいない。
俺も先生の頃、ココまで馴染める事が出来ていたならば嬉しいなと思った。
で、今日の部活なのだけど、また美鈴がきていた。
新しいゲームを買ったのだけど、どうやら1人でやっていても面白く無かったらしい。
ゲームは、1対1、もしくは2対2で戦闘する、ネットゲーム。
ロボットと戦闘機と戦車と戦艦を足して4で割ったような機体に搭乗し、相手とバトルする。
機体はいろいろとチューニングできるから、自分の好みの機体で対戦できるところが面白い。
まずはゲーム部の元双璧、美鈴とチリちゃんがプレイしてみた。
2人でやる場合は、1人が機体の操作を中心に行い、もう1人が攻撃を行う。
2人の息が合う事が重要だ。
美鈴は既にいくらかやっていたので、移動はスムーズだ。
敵の死角へとうまく操る。
そこでチリちゃんが攻撃するわけだけど、今一まだなれていないようで、思うようにはいかない。
結局時間切れ判定で負けてしまった。
 知里「う~ん。今度は逆でやらせてぇ~」
どうやらチリちゃんは納得いかないようだ。
そして今、はまりはじめている。
このままはまったら、チリちゃんはこのゲームを極める事になるのだろう。
逆での戦闘が始まった。
今度は動きはぎこちないけど、攻撃と防御はスムーズだ。
 知里「なるほどぉ~この機体だと、重量が重い分反応が遅れるんだぁ」
チリちゃんはなにやら納得したようで、だんだんと動きが良くなってゆく。
なるほど。
少し早めに先を読んで操作しているようだ。
直ぐにそれに気がつき、それを実戦できるチリちゃんは流石だ。
俺だったらやりこまないと、ココまではきっとできないだろう。
今度はバトルタイム5分以内に相手の機体を破壊していた。
 知里「やったぁ~」
それほど嬉しくない人が、大げさに喜んでいるようなチリちゃんの言葉だったけど、チリちゃんはこれで本気に喜んでいる事が伝わってきた。
簡単に言えばチリちゃんの言葉は、下手な台詞っぽい喋り?
 達也「初めてやったのに、いきなりあれだけ動かせるなんて、流石にチリちゃんだね」
 美鈴「やっぱチリはスゴイは。これ結構難しいのに」
みんなでチリちゃんをほめていると、それが面白くないのか、夢ちゃんがコントローラーをひとつ取った。
 夢「今度は私の番」
夢ちゃんはそういうと、俺にコントローラーを取れと、目で訴えてきた。
俺はコントローラーを取る。
夢ちゃんが勝手に機体を設定する。
軽くて小回りの利く設定にしたようだ。
これだと火力と防御力が低い上、弾薬を多く積めない。
超玄人好みな感じだろうか。
 夢「達也ちゃんが操縦ね」
おいおい、これだけの機体を、素人の俺に扱わせるつもりかね。
 達也「俺、素人だぞ?うまく動かせないって」
 夢「期待してないから」
夢ちゃんはそう言いながら、対戦登録を済ませた。
直ぐに対戦相手が決まった。
 美鈴「あ、この人、結構強いよ」
どうやら美鈴が知ってる相手らしい。
しかしこのゲームは、最初の頃は勝ち数が同じ機体同士で対戦相手が決まるから、相手も0勝って事になるのだけど。
 達也「でも0勝でしょ?」
 美鈴「このゲーム、連勝が止まると、また0からになるんだよ。この機体、昨日15連勝までいっていたよ」
 夢「ふん。私の力を見せるには、丁度いい相手ね」
夢ちゃんがそう言ったところでゲームがスタートした。
 達也「うお!早すぎて操作ムズ!」
 夢「ブースト20%程度で良いから、確実に操作して」
 達也「それだと、機体を軽くした意味なくね?」
 夢「軽くしたのは、移動だけが目的じゃ無いよ」
俺はパワーを落として、自分が操作出来るところを探った。
25%くらいか。
 夢「少しはできるようね」
こんな小娘にバカにされるのはちょっと納得いかないけど、必死だったので反論はできなかった。
動きだと相手と五分。
この機体で五分だと、完全に負けている事になるのだが、戦闘は意外と優位に進んだ。
火力も装甲も完全に負けてはいたけど、相手の攻撃をことごとく防ぐ夢ちゃん。
そしてこちらの攻撃は的確に命中する。
なんだこのうまさ。
経験者か?
 達也「夢ちゃん、このゲームやった事あるんだ?」
 夢「無いよ?似たのはあるけど」
夢ちゃんは画面から視線をそらす事なく、楽しそうにこたえた。
終わってみると楽勝だった。
 美鈴「この子何者?」
 達也「さあ、ただのアホの子ではないだろうけど」
 夢「だれがアホの子よ」
睨まれた。
 知里「すご~い。夢ちゃんかっこいい~」
チリちゃんをみて、俺も美鈴も、おそらく部員がみんな思った。
2人が組んだらどうなるのだろうかと。
やらせてみた。
チリちゃんは2ゲームやったところで、夢ちゃんの機体の100%についていっていた。
 美鈴「これは面白いわね。連勝バトルにチャレンジしてみない?」
 夢「何それ?」
 美鈴「これよ」
夢ちゃんに見せたのは、ゲーム雑誌のとあるページ、このゲーム「バトルグリード」の紹介ページだった。
 達也「なになに?1000連勝で賞金100万円?」
夢ちゃんの目の色が変わった。
 夢「やる」
やる気満々だ。
 達也「それじゃ、みんな参加するか。今ココに10人いるから、5チームつくれるし」
 きらら「さんせー!」
皆賛成の意志を表した。
舞だけは何も言わなかったけど、笑顔だったからいいだろう。
ルールは単純で、1つの機体で1000連勝すれば100万円がもらえる。
まあ勝ち続けると、勝率の高い機体が相手に選ばれる仕組みなので、だんだん勝つことが難しくなる。
更に不正を防ぐ為に、同じ相手とのバトルは1週間組まれる事は無い。
それで1000連勝なんて、ほぼ無理な事ではあるけど、まあ楽しそうだ。
機体は10まで登録できるので、とりあえず各チーム2機づつは登録できる。
本番用とテスト用、そんな感じで使う事になるのか。
 美鈴「私受験生なんだけど」
そういう美鈴も、参加する気満々であるように感じられる。
 達也「では、チーム編成するか。とりあえず暫定で。やってれば他のが良いかもしれないから、その時は臨機応変に」
俺はチームを俺の独断と偏見で決めた。
まずは美鈴と舞。
これは引退してる人間だから、とりあえず先生と組ませた。
文句はなかった。
吉田君と新垣さんこれも反対はない。
てか、そうしないと文句を言われるのは確実。
後はうららときらら、俺とまこちゃん、そしてもちろんチリちゃんと夢ちゃんだ。
後にネットゲーム界に名を轟かせる、「ドリームダスト」の誕生だった。
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