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2013年11月4日【月】19時44分48秒
【(*´∇`*)】川柳と短歌を始めました。
2013年11月4日【月】19時43分21秒
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2013年1月7日【月】18時48分51秒
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食べたくなるほど可愛い

この日も俺は雑用係。
普段スクロールを作る以外は、ほとんど鍛錬と研究しかしていないわけで、偶に頼まれる雑用くらい喜んでやるべきだろう。
しかし雑用ってのはいつも嫌なモノばかりで、今日もそういう|類《タグイ》の任務が言い渡されていた。
「この町の地下に住み着く魔獣を退治するのじゃ!!!」
卑弥呼にそう云われてやってきたのは町の地下にある下水道。
一緒に来た朝里ちゃんも当然憂鬱な顔をしていた。
「卑弥呼殺す‥‥絶対殺す‥‥なんでわたくしがこんな臭い所に‥‥」
いや、憂鬱ではなくて凄く怖い暗殺者モードに入ってました。
一方もう一人ついてきたミケは、テンションが上がっていた。
「うっひょー!ここにいるのだ?捕まえて食べたいのだ!」
いや正直こんな所に住んでいる魔獣とか食べたくないんですけど。
淀川のウナギを食べるようなもんだよ。
魔獣の名前は『ピカ獣』とか。
どこかで聞いた事のあるような名前だが、資料を見せてもらった時は驚いた。
黄色いネズミの魔獣で、得意技は百万ボルト。
正に前世で大人気だったアニメのメインモンスターによく似ていた。
まだ実物は見ていないんだけど、ビジュアルも同じような感じだと、退治するとか無理だと思う。
そんな思いで、俺たちは並んで下水が流れる地下通路を進んだ。
ライトは備え付けのもあるが、俺はよりよく見えるように、自前でライトの魔法を照らしていた。
「ね~この主食は~ねずみだよぉ~♪かくれてないで~出ておいで~♪」
ミケはこの臭い中でも元気に歌を歌っていた。
猫の嗅覚って、人間よりも弱いんだっけ?
ぶっちゃけうんこ魔獣よりもウンコの臭いでクラクラするんですが。
朝里ちゃんはもう既に真っ白に燃え尽きているようだった。
そのネタは嬢ちゃんがするべきネタだけど、まあ今回は仕方がないだろう。
この任務に嬢ちゃんは適さない。
何故なら、万一が有ったら町が消えてなくなるからだ。
驚いてうっかり最大魔法を発動した日には、『うっかり発動しちゃったwテヘペロ!』では済まされない。
ここは朝里ちゃんに頑張ってもらうしかないだろう。
つか本来なら俺一人でも良かったのだろうが、話の都合上‥‥
おっと、話は此処までだ。
ようやく今日のターゲットがお出ましのようだ。
光に照らされ光る眼は、軽く百は超えているだろう。
数がべらぼうに多い。
ライトをしっかり当てた。
するとそこには、正にあのモンスターそっくりの、可愛らしい魔獣が沢山いた。
「あら、想像していたのと違いますね」
「食事たーいむ!美味そうなネズミがいっぱいなのだ!」
「ちょっと待てミケ。お前にはあの愛らしいモンスターを食べる事ができるというのか?!」
奴らの瞳は、まるでチワワのように澄んでいた。
「普通に美味そうなのだ。あの目はどう見ても食べてほしいと言っているのだ」
「そうですね。食べちゃいたいくらいに可愛いです」
ん~‥‥両方とも同じ事を言っているようで、実は真逆の事を言っていて話がかみ合っていない。
しかもどちらも間違っている気がするのは、きっと其の他全ての人類に違いない。
朝里ちゃんが優しい笑顔で近づいて行った。
するといきなりピカ獣たちはハンターの目に変わり、電撃で攻撃してきた!
資料によると百万ボルトだ。
俺は声を上げた。
「朝里ちゃん危ない!!」
しかし朝里ちゃんはあえなく電撃を食らってしまった。
大丈夫‥‥か‥‥
電撃を食らった朝里ちゃんだったが、何やら気持ち良さ気な顔をしていた。
「気持ちいいです」
俺も電撃を食らってみた。
ああ、これは気持ちがいい。
疲れが癒されるような微弱な電流で、体がほぐれていくようだった。
そんな俺たちを見て、ピカ獣たちは再び愛らしい瞳に変わった。
お前ら、それで騙せているつもりか。
さっきの殺気の目は、間違いなく俺たちを|殺《ヤ》りにきていただろ?
この電撃も、耐性の高い俺たちだからマッサージ程度に感じるが、普通の人なら気絶していてもおかしくない。
「もう我慢できないのだー!」
ピカ獣が可愛い瞳をしたところで、ミケがピカ獣たちに飛びかかって行った。
可愛いと食べたくなるの意味が違うくね?
すると再びピカ獣は、ハンターの目に変わった。
今度は手の爪で攻撃してきた。
「速い!」
ミケはギリギリの所で攻撃をかわしたが、別のピカ獣が飛び蹴りしてくる。
木刀を抜いたミケは、突き攻撃でピカ獣たちを倒し始めた。
木刀神剣炸裂だ。
しかし敵も数は多い。
スピードに乗った体当たり攻撃は、ミケの傍をかすめた。
直後、そのピカ獣は真っ二つに斬られていた。
朝里ちゃんも刀を抜き、暗殺者モードの戦闘態勢に入っていた。
可愛くしていれば、朝里ちゃんを敵に回さなくて済んだものを。
こうなると、もうピカ獣なぞ敵ではなかった。
斬られたピカ獣は、綺麗に肉と皮と魔石に分けられていた。
朝里ちゃんの剣の腕は、一流料理人も負けない太刀さばきだった。
凄いんだけどさ、その肉本当に食うのかね。
ミケの倒した方なんか、魔石取ったら動物のネズミの姿に戻ってるわけじゃん。
この世界に来て色々食べてきたけど、流石にこれは食べられないと思った。

地下下水道の魔獣退治を終えた数日後、朝食に食べた事のない味の肉がでてきていた。
最近の朝食は、朝里ちゃんが作っている。
姐さんがいなくなったからね。
朝里ちゃんの料理は美味しくは無かったけれど、料理できないけど一生懸命作りました感があふれていて、俺はそれだけで美味しいと感じていた。
そんなわけで出てきたものはすべて食べる事にしているのだけれど、その肉は食べた事がない肉の味がした。
「朝里ちゃん。この肉、食べた事ない肉の気がするんだけど、何の肉なの?」
不味くもなく美味しくもない辺りはいつも通りなので、特にこの肉が良いわけでも悪いわけでもない。
ただ疑問だった。
「それは、アレですよ」
「アレ?」
なんだろう。
するとミケが元気に答えた。
「これはアレです!ネズミなのだぁ!」
「えっ?もしかしてピカ獣だったりするの?」
「はい。臭みを取るのに苦労しました。あの子たちはどうしても食べたかったので」
どうしてそこまで食べたかったのだろうか。
可愛かったから?
それとも逆にむかついたから?
答えは分からないけれど、ピカ獣を食っちまったショックは、しばらく後に引いた。
「ピカ獣‥‥美味しい‥‥」
嬢ちゃん、マジかい?
ちなみに地下下水道のピカ獣の一部は、東のコロポックルの森に逃がしてあげました。
やっぱ可愛いからね。
【<┃】 【┃┃】 【┃>】
ドクダミ

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