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俺たちセカラシカ即席防衛軍は、敵から見れば渓谷の出口、こちらから見れば入口を少し入った所で敵を待ち構えていた。
こういう渓谷での戦いは、本来罠をはって待ち構えるのがセオリーではあるけれど、そんな事をしたら敵兵に大量の死者がでるだろう。
嬢ちゃんはもう二度とオーラが禍々しくなるような事はしたくないだろうし、俺もあまり人は殺したくない。
だから殺さずの戦いを強いられているわけで、真っ向から戦うしかなかった。
だから俺たちは、渓谷の出口付近、通路が細くなっている所を選び、そこで待つ事にした。
少数で十万の兵相手にするにはそれしかなかった。
俺は少し渓谷の奥、崖の上から敵を偵察していた。
普通に十万の兵が行軍してくる。
こちらにバレているとも知らずに来ているのだろう。
警戒している様子はなかった。
もしも容赦なくやっていれば、俺は天才軍師とか言われて英雄になれたかもしれない。
俺はそんな妄想をしてにやけていた。
さて、そろそろ戻ってみんなに伝えるか‥‥
そう思って戻ろうとしたが、俺は少し違和感を覚えてもう一度敵を確認した。
そうなのだ。
敵に強いヤツが二人いると聞いていたが、それほどのヤツが確認できないのだ。
俺は嬢ちゃんが魔力を隠していても見えるくらい、敵の魔力を見抜く力には優れている。
だから万一にもそういう奴を見逃すわけがないのだ。
しかしこの軍勢の中にそういう奴はない。
悪魔が見間違えたのだろうか。
俺はあの中継地点の事件を思い出した。
アレはどう考えても、かなりの達人の仕業に見える。
ギルド協会職員に全く反撃の余地を与えないなんて、普通の使い手じゃない。
もしもアレをやったのが軍と繋がっているとしたら、二人は既に国内のどこかで‥‥
俺は嫌な予感がして急いで嬢ちゃんたちの所へと戻った。
「もうすぐ敵が来る。あと一時間くらいだと思う。それでちょっと俺は気になる事があるから、敵は嬢ちゃん、ミケ、任せていいか?」
「分かった‥‥私が‥‥頑張る」
「大丈夫なのさ!仲間もみんないるのさ」
猫魔獣たちがここにいてくれるのは頼もしかった。
「一応耳は隠しておけよ。魔獣と一緒に戦っていたとバレたら、色々と面倒な事になるかも分からないからな」
俺はミケの頭をポンポンと叩いた。
ミケはくすぐったそうな顔をして少し喜んでいた。
「南!どこかへ行くのか?まあわしも一緒に戦ってやるから安心していいぞ」
おいおい、まさか領主自ら出陣かよ。
卑弥呼もかなり強いのは分かっている。
だから、そういう意味での心配はないのだが、だからこそ実は町に残っていてほしかったと思ったのは、ここでは内緒にしておく。
俺の想像している懸念が外れてくれれば問題ないのだから。
「では卑弥呼も後は頼む。問題が無ければすぐに戻ってくる!」
俺は一人でセカラシカの町へと向かった。
俺の懸念は、強い使い手が既に国内に入り込んで何かを狙っている可能性だった。
十万の兵もあれば、普通ならセカラシカの町なんて軽く落とせると誰もが思う。
その時防ぎたい事はなんだろうか。
インターネット回線を切断した目的は?
セカラシカの町の状況を、本国に伝えさせない為だとしたら、その道で逃げてくる者を待ち構えている可能性もある。
まずは町だ。
町の安全確認の為、俺は町へと急いだ。

町に着いたが、特に何かが起こっているようには見えなかった。
此処に二人が来るとしても、まだ来ていないようだ。
となると来るにしてもルートはこの道を真っすぐだ。
俺は今度は町から南へと真っすぐ道を進んだ。
ほどなくして、俺が探していた人物が、俺の行く手に立っていた。
出で立ちが少し朝里ちゃんに似ている。
というか武士といった感じだ。
腰に刀を差し、そのオーラはまさしく俺に匹敵するレベル。
男と女のようだが、男の方は俺以上にも感じた。
「こんにちは。こんな所で何をしておられるのですか」
俺は軽く挨拶をした。
「お前は何処に向かっているんだ?」
男に、逆に質問を返された。
「なんか戦争が起こるみたいでね。本国に報告に向かおうかと思っているんですよ」
俺がそう言うと、二人の雰囲気が一気に変わった。
強烈な殺気が伝わってくる。
そしていきなり斬りかかってきた。
「マジかよ!」
剣先が俺の首元をかすめる。
間違いない。
中継地点を襲ったのはこいつらだと確信した。
俺は木塵の入ったロージンバッグを水晶から取り出し手に付けた。
なんとか木塵拳で動きを止めてやる。
しかし体術では全く勝てない。
朝里ちゃんのバーサク時以上にヤバい。
敵は俺と同じくらいのオーラだけど、俺は戦闘に対しては素人だ。
だが敵は剣術を極めた者のように思えた。
こりゃマジで殺される。
俺は魔法を使った。
「ドラゴンクラスアイス!」
放たれた魔力は男を捕らえ、凍らせてゆく。
しかしすぐにレジストされた。
女の方が斬りかかってくる。
俺は後ろへと跳んだ。
即座に男が俺の横までついてくる。
人間技とは思えない。
同じくらいの魔力でどうしてこんな動きができるのか。
力の差を感じた。
なんとか男の攻撃をかわしたが、女の攻撃をかわす余裕はもう俺にはなかった。
こうなったら斬られると同時に|蘇生《リザレクション》でも試してみるか。
みじけぇ人生だったな。
いや、俺の防御力を信じろ!
俺のチャームポイントは超絶高い防御力だ。
女の方の攻撃なら耐えられる!
俺は体を堅くした。
その時だった。
女の剣を受け止めてくれるヤツがいた。
「おっ!助かったのか?」
見るとそこにいたのは、勇者だった。
「ギルドの雑用係。苦戦しているようだな」
「ああ。流石にあいつら半端ねぇし」
まさかあの勇者に助けられるとは思っていなかった。
あの時雑に扱ってすみません。
でもアレは悪魔のやった事だから‥‥
「俺たち四人を『アッサリ』と倒したサターンが、こんな所で負けるんじゃねぇよ」
あれ?バレてる?
つか何?
今敵の二人が何か反応した?
いやそれよりも‥‥
「あ、いや、アレはね」
「いや構わんよ。アレで俺たちは目が覚めた。調子に乗り過ぎていた」
まあそうなんだけどね。
つか普通こうやって喋っている時は攻撃を中断してくれるのがセオリーじゃないのかよ!
勇者と再会を語る時間も与えてくれないとか、こいつらマジ鬼畜だ。
「とりあえず女の方頼む。俺は男の方をやる」
「了解した!」
これで少しは戦える。
しかし力の差は間違いなくあって、俺はなんとか回避するのが精一杯だった。
勇者も同じだ。
力は完全に相手の方が上に見えた。
このままじゃやられる。
俺は魔王クラスのファイヤ系魔法を使う事にした。
地獄の業火で焼き尽くすアレね。
死んだらゴメンね。
「イキナリ!」
これは俺が付けた魔法の名前である。
この意味が分かる人は、多分昭和の人間だ。
男が炎に包まれた。
これでいい具合に焼け焦げてくれれば、俺にも勝機があるのだが‥‥
「この程度の魔法で倒せると思ったか!」
結構いい所まで行ったがレジストされた。
んー‥‥
これではもう勝ち目はないか。
いや、勝つだけなら最後の手段もあるが、さてどうするべきか。
俺がそんな事を考えていたら、一人の少女がやってきた。
「父さん!母さん!」
そこにいたのは朝里ちゃんだった。
いや、なんとなく想像はしていましたよ。
なるほどねぇ。
この二人が逃げた両親か。
朝里ちゃんの登場で、流石に戦闘は一時止まった。
「朝里か‥‥生きていたのか」
「はい」
久しぶりの娘との再会なのに、父親は喜んでいるようには見えなかった。
「あなたのせいで、私たちがどれだけ酷い目にあったか‥‥」
「本当にすみませんでした」
朝里ちゃんはただただ頭を下げていた。
なんだこれ?
どう見ても親が子供に再会した時のシーンには見えない。
とにかくむかつく。
「お前がちゃんとやっていれば、今頃俺たちは上流貴族だったんだ」
「せっかくいい女に産んで育ててあげたのに、恩を仇で返すなんて」
朝里ちゃんはただただ寂しそうな悔しそうな顔で俯いていた。
もう我慢できねぇ。
俺は朝里ちゃんの前に立った。
「おいお前らが朝里ちゃんの両親かよ。何言ってんだお前ら?頭おかしいのか?」
「お前は朝里の知り合いか?」
「馬鹿そうな顔してますわね」
くっそなんだこいつら、煽りのプロなのか?
「さっきから聞いてりゃ、朝里のせい朝里のせいって。全部自分たちのせいじゃねぇか!だいたい子供が失敗したら、守ってやるのが親の役目だろうが!なのに逃げやがって」
「何か朝里から聞いているようだが、本当の事を何も知らないくせに偉そうにいうな」
「知ってるよ!王子をボコボコにして婚約破棄されて町中から白い目で見れれるようになったんだろ?」
「聞いているなら分かるでしょ。誰がどう見ても朝里のせいよね」
この両親は知らないのだ。
何故朝里がそんな事をしたのか。
「ちがう!朝里ちゃんはなあ、その時バーサーカーに目覚めてしまってたんだよ。これは一種の病気みたいなもんだ。それをお前らは知ってたのかよ。知ってて王子と模擬試合させたのかよ!」
「なに?バーサーカーだと?そんなはずは‥‥」
「ほら知らなかったんだ。王子ですら後で気が付いていたんだぜ?それを実の両親が気づいてないとか、ありえなくないか?てめえらが子供の事しっかり見てなかった証拠じゃねぇかよ!」
「そんな‥‥私たちは‥‥」
「でももう今更だな。俺たちはもう戻れない所にきてしまっているんだ」
真実を知らされショックを受けていた二人だが、既に過去は取り戻せないと悟ったのか、再び戦闘態勢に入ろうとしていた。
俺は勇者に小さい声で伝えた。
「この辺りの住民を避難させておいてくれ」
勇者は黙ってこの場から離れた。
「今更ってなんだよ!戻れない所ってなんだよ!今目の前に可愛い娘がいるんだから、抱きしめてやれよ!謝ってやれよ!愛してやれよ!もうお前らみたいなのは、いっぺん死ぬしかないかもな」
朝里ちゃんが少し震えていた。
俺は朝里ちゃんに近づき、頭に手を乗せポンポンと叩いた。
「大丈夫。俺を最後まで信じろ!両親は必ず取り戻してやる」
朝里ちゃんは少しだけ驚いた表情をしたが、直ぐに笑顔になった。
「うん。おまかせします。どういう結果になっても、最後まで‥‥」
俺は笑顔を返した。
俺は二人を睨みつけた。
「覚悟しろよ」
もう俺は怒った。
本気で全力だ。
勇者から合図が送られてきた。
避難はできたようだな。
「お前では俺たちには勝てないぞ!こちらは剣を極めた道場師範だった人間なんだからな」
「そうです。勝ち目なんて一切ありません」
「へぇ~そうなんだ。でもな。俺には俺で極めたもんがあるんだよ」
俺が努力して極めたわけじゃないけどね。
あのチートの嬢ちゃん以上にできる魔力コントロール!
今まで使った事ない魔法だけど、これで俺は確実に勝てるという確信があった。
「俺は魔法じゃクッソチート女にも負けないんだよ!喰らいやがれ!コロニーレーザー!」
俺がそう言うと、頭上に長さ二十メートルで、直径五メートルの円柱が現れた。
「ゴミムシどもを薙ぎ払え!」
一瞬の出来事だった。
誰も一歩も動けない刹那、魔法は二人を飲み込んだ。

魔法が終わった時、二人はボロボロになって死んでいた。
「朝里ちゃん。両親の名前はなんて言ったっけ?」
「えっ?時東剣心と時任朝美です」
「そっか。今!時東剣心と時東朝美は死んだ!勇者よ!確認してくれ!」
俺にいきなりそう言われ、勇者は驚いて死んだ二人を確認した。
「ああ、死んでるが‥‥」
「よし!では、今から蘇生する。生まれ変わった二人は、上杉剣心と上杉朝美となる!」
俺は二人に蘇生魔法を施した。
一瞬光が二人を包んだ。
ほどなくして二人は生き返った。
俺への従属の印をつけてね。
俺のリザレクションは、普通のリザレクションよりも魔法消費が少ない。
その代わり、必ず俺に従属しなければならなくなる印が刻まれる事になる。
まあその後大量の魔力を消費して消す事も可能だが、これは後で朝里ちゃんだけに話しておこう。
「さあお前らは生まれ変わった。これからは娘を大切にして、セカラシカの町で暮らすがいいさ」
「いやしかし、既に俺たちは完全な罪人だぞ?そんな簡単にそんな事ができるのか?」
「だーかーらー!時東剣心と時東朝美はさっき死んだよね?勇者?」
「ああ、間違いなく」
「ほらぁ!で、今あんたたちは此処で産まれた俺の子供みたいなもんだ。身分証明書の手続きとかはほら、俺はギルドの雑用係だし、何とでもなる。そうだよな朝里ちゃん!」
頷く朝里ちゃんは泣いていた。
朝里ちゃんが、どんな親であっても両親を大好きなのは伝わってきていた。
その両親が救えて本当に良かったと俺は思った。
両親も二人抱き合って泣いていた。
俺は気が抜けた。
もう立っていられず、その場に倒れた。
俺に駆け寄ってきた勇者を追っ払い、俺は朝里ちゃんに負ぶってもらった。
「とりあえず、あっちで戦闘が続いているはずだ。つれてってくれ」
既に体力は戻ってきていたが、俺はそのまま朝里ちゃんの背中をキープした。
朝里ちゃんは強い子なので、これくらい大丈夫なのだ。
俺を負ぶったまま東へ向かって走る朝里ちゃんは、何処か楽しそうに見えた。
もうすぐ渓谷に到着しそうなところで、俺は朝里ちゃんの背中から降り、みんなの所へと向かった。

渓谷に到着した時、渓谷での戦闘は既に終わっていた。
十万の敵兵は、皆縛り上げられていた。
「こちらの死者はゼロ、敵の死者は三名じゃ。まさか嬢ちゃんがこんな魔法が使えるとはのう」
卑弥呼の話によると、戦闘が始まってしばらくは、普通に戦っていたらしい。
しかしふとある所で嬢ちゃんが何かに気が付いて、魔法を使ったそうだ。
洗脳の魔法である。
敵を全員洗脳し、味方を縛るよう指示して一瞬にして全ての敵を捕まえる事に成功したらしい。
「でもさ、この捕虜たちどうすんの?」
「どうしよう‥‥私が‥‥飼わないと‥‥ダメかな?」
「いやいや、人間飼うとかありえないし」
「リリースするしかないんじゃないでしょうか」
「朝里ちゃんの云う通りだよね。こんな小物は逃がしてあげるのがマナーだよ」
「分かった‥‥じゃあ‥‥そうする‥‥」
「お前ら!全員聞け!お前らのボス、時東剣心と時任朝美は死んだ!俺が殺した!戦争はもう終わったからさっさと家族の所に帰りやがれ!」
ま、こんなもんでいいだろう。
それでもまたかかってくるヤツがいるならぶっ飛ばすだけだ。
もう体力残ってないけどな。
解放された兵士たちは、ゆっくりと東へ向かって歩き出した。
とりあえずこれで、今回の騒動は終わるだろう。
何にしても町が守られて良かったよ。
「ところで‥‥南ちゃん‥‥どこ行ってたの?」
「ああ。ちょっと朝里ちゃんの両親と遊びにね」
「ずるいよお兄ちゃん!私も遊んで欲しいのに!」
「私も‥‥どこに‥‥朝里ちゃんの‥‥両親いる?」
ずっと後ろの方で、勇者と一緒に立っている二人を指さした。
嬢ちゃんがそちらに向かって歩き出した。
「さて、みんな町に戻るか」
こうして俺たちの戦争は終わった。
朝里ちゃんがその時にいった『ありがとう』の言葉は、とても小さな声だったけど、俺の心臓を少し揺らした気がした。
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ドクダミ

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