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2017年2月25日【土】11時13分21秒
【(゚∀゚)】フリー写真館を狛犬画像室にリニューアルしました♪
2013年11月4日【月】19時44分48秒
【(*´∇`*)】川柳と短歌を始めました。
2013年11月4日【月】19時43分21秒
【(*´ω`*)】現在エッセイ&詩以外の更新は休止しています。
2013年1月7日【月】18時48分51秒
【(*´∇`*)】サイトをリニューアルしました。他も徐々に変更中です‥‥
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秋華エントランス

皐月賞

4月18日、第70回皐月賞。
ゲートが開いた。
まずはスタンド前を通り過ぎてゆく。
ヴィクトワールピサは後方4番手といったところか。
二人の女子高生はそれを見て、「前へ前へ!」なんて言っているが、全く問題無い。
ペースは早くもなく遅くもなく。
前半1000mは60秒、思ったとおりだ。
俳優時代に鍛えた俺の体内時計はくるってはいない。
ヴィクトワールピサは、まだ馬群の中。
前と後ろが詰まって団子状態の進行。
ヴィクトワールピサは、此処から抜け出せるのか?
少し不安になった。
負けるとするならば、内に包まれて、抜け出せない時なのかもしれない。
俺は人生で、融通がきかず、自分で自分を閉じ込めた鳥かごから、抜け出せず終わりを迎えた。
嘘はつかない、信念はまげない、約束は絶対に守る、他人に迷惑をかけない。
もしかしたらどれも、どうでもいい事だったのかもしれない。
だけどその鎖に繋がれた俺は、そこから抜け出せず、誰の迷惑にもならないように、南極で死のうとしたんだ。
今の状況になってからは、盗聴したり、暴力団と手をとり、金を盗んだり、あこぎな商売もして、色々悪い事もしたように思う。
それでも今、何故か幸せを感じている。
なんだろうか、この状況は。
俺が俺ではないからだろうか。
俺が、西口悠二ではなく、高橋光一だから、幸せになれたのだろうか。
嫌だ。
俺は本当は、西口悠二として、幸せをつかみたかったのだ。
西口悠二として、俺は鳥かごから抜け出したかったのだ。
馬群の中に閉じ込められたビクトワールピサが、なんだか自分自身のように思えた。
「いけ!」
俺は叫んでいた。
もし、今からでも遅くないなら、西口悠二の人生を、西口悠二の幸せをつかみたい。
俺の声に、女子高生二人も、そして鈴木も、みんなで声を上げていた。
「いけぇ~!!」
その声にこたえるように、ヴィクトワールピサは内をついて、抜け出してきた。
一番の経済コース。
走る距離の短いコース。
上手く世の中を渡ってこれなかった俺とは対照的に、楽をして勝とうとしているように見える。
でも、それが悪いとは思わなかった。
抜け出せないところから抜け出す強さ、俺に無い強さを感じたから。
抜け出したヴィクトワールピサは、追撃も封じて、当然のように1着でゴールした。
感動した。
嬉しかった。
そして悲しかった。
自分が悩んでいた事が、バカバカしくなった。
またそれが悲しかった。
失笑が漏れた。
それでも、涙はでなかった。
とてもすがすがしい気分になった。
鈴木は、なんとも言えない表情で、ただ呆然とターフを見つめていた。
ゴール直前、ローズキングダムは4着に沈んでいた。
カエは俺を見ていた。
メグミは的中馬券を俺に見せていた。
二人の顔は、今日の俺の思いを知っているような表情だった。

皐月賞が確定したところで、メグミの的中馬券だけ換金して、俺は自分の単勝馬券はそのまま持って帰る事にした。
特に金が欲しくて買った馬券じゃない。
でもこの馬券には、俺の思いが詰まっている。
2.3倍で確定した馬券は、2万3千円の価値であるわけだが、俺にとってはそれ以上のものだ。
換金する気にはなれなかった。
さて、いよいよこれから、俺は鈴木に全て話す事になる。
抜け出せなかった鳥かごから、今更だけど俺は抜け出すのだ。
西口悠二に戻ったら、俺はまた不幸になるかもしれない。
少し怖かった。
それでも、俺は言うと決めたのだ。
やると決めたのだ。
「鈴木さん、この後、家にきませんか?話したい事があるので。」
俺はようやく、出る事の出来なかった卵の殻に、傷をつけた。
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