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2013年11月4日【月】19時44分48秒
【(*´∇`*)】川柳と短歌を始めました。
2013年11月4日【月】19時43分21秒
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二十八回目

 いつの間にか、季節は文化祭を行う頃まで進んでいた。
 ゲームを始めたのが今年の三月だったから、既に八か月ゲームを続けている事になる。
 このゲームは、いったいどんだけ時間がかかるんだ。
 昔のゲームなら、二十四時間体制で、三日もあればクリアできたのに。
 おかげでこんなに健康的な体を手に入れてしまったぞ?
 勉強する癖がついてしまって成績は上がるし、買い物の手伝いをするから小遣いも上がるし、近所の人達とは仲良くなってしまうし、深淵の住人だった俺は、いったいどうしちまったんだよ。
 俺はこのままではいけないと思った。
 何故ならこのまま行くと、ゲームできないは、税金いっぱい払うは、良いところ無しの出世街道に乗って、勝ち組になってしまう。
 俺は定時きっかりに家に帰って、今と変わらないゲーム三昧な人生を送りたいんだ。
 しかし、此処まで頑張ったゲームを投げ出すわけにもいかない。
 仕方あるまい。
 俺は全てを棚に上げて、とりあえず今は、クリアを目指す事を決意した。
 で、文化祭だが、俺たちはリアのプレイヤを集めて、グランドにモンスターをいっぱい放って、「リアフィールド」を作って、お客様方をもてなす事にしていた。
 要するに、文化祭に来たリアプレイヤを、一網打尽にする訳だ。
 かつての敵だった荒川先輩も、今日明日だけは味方だった。
 まあ今となっては、俺たちパーティの敵は、この学校にはいないし、俺はその中でトップだから、もう荒川先輩なんて眼中に無いけどね。
 文化祭は、問題無く一日目を終了した。
 そして二日目も、大した勇者はやってこない。
 流石に文化祭なんかには、そうそう勇者がくるわけもないか。
 せっかくこれだけ大量のモンスターを放っておいたのに。
 どうするよ?このモンスター達。
 我が校のプレイヤみんなで仲間登録して、みんなで放ったモンスターだから、俺たちじゃ倒せないし、ずっとグラウンドに残り続けるのか?
 ちょっとくらい倒してくれないと、肉眼で見えないモンスターとはいえ、気持ち悪いじゃないか。
「ゾンビ」とか、朝礼台の上に配置してあるのヤバイだろ。
 校長の挨拶を見る度に、「ゾンビ」がオーバーラップしてくるぞ。
 それにサッカーゴールの前に、「でかいゴーレム」配置しやがって。
 シュート打っても、全部止められそうだろうが。
 あ~あ、誰か強い奴らこねぇかなぁ。
 そう思って校庭の隅のベンチでグラウンドを眺めていると、六人の他校の生徒が、グラウンドに入って行くのが見えた。
「きたか!」
 俺は期待に胸を膨らませ、スマフォでコッソリ奴らを見る。
 思った通り、勇者だった。
 一人が、スマフォでグランド内を確認し始めた。
 どうやらモンスターに気が付き、倒すかどうか話しあっているようだ。
 すぐに奴らは再び動き出し、モンスター退治を始めていった。
 弱そうなモンスターから倒しているようだ。
 そらそうだろう。
 最初に強いのからチャレンジして、負けたら残りは倒せないからな。
 でもこの中には、俺たちのパーティでも、かろうじて勝てたモンスターも忍ばせてある。
 そのモンスターの見た目は、それほど強そうではない。
 そいつがきっと、奴らをぬっ殺してくれるだろう。
 ドキドキしながら、奴らの行動をコッソリと監視する。
 いつの間にか、我がパーティメンバーが、俺の回りに集まってきていた。
「なかなかやるな。でも、アレは倒せないだろう」
 吉田の言うアレとは、先ほど話していた、俺たちパーティがかろうじて勝てたモンスター、その名も「駄々っ子」だ。
「駄々をこねる」攻撃は、思わず無駄にアイテムを使わされたり、味方に魔法攻撃をさせられたり、マジでヤバイのだ。
 パーティメンバーのバランスが良いと、同士討ちで全滅するぜ。
「なんだかドキドキするね」
 さっちゃんは、とても怖い笑みを浮かべていた。
「きっとアレは倒せないお。僕たちでも苦労したお」
 佐藤が何を言っているのか分からなかったが、その顔はエロ本にかぶりつく、思春期のサルのようだった。
 高橋は、人目もはばからず鼻くそをほじり、取れたブツを佐藤になすりつけていた。
 佐藤は高橋が何やら触ってくるので、少し嬉しそうだった。
 南は相変わらず、無言で目を輝かせていた。
 そして、八割がたモンスターも片付いたところで、奴らはとうとう「駄々っ子」へと向かって歩いていった。
 俺たちは注目した。
 何故か校長も注目していた。
 通りすがりの恵子先生は、校長のケツを注目していた。
 何故そんなところを!
 なんて思って校長のケツを見ると、ズボンのケツの部分が破れているようだった。
 が、今はそれどころではない。
 俺は気になる校長のケツから目をそらし、グラウンドの奴らに視線を戻した。
 そしてとうとう、「駄々っ子」と接触した。
 すぐに結果がでた。
 奴らは膝を落とし、手を地面につけていた。
 勝った!
 俺たちは勝ったのだ!
 一斉にみんな声を上げた。
「ひゃっほーい!」
「よし!ざまあみろだ」
「勝ったお。僕達最強だお」
 俺たちは有頂天になって、その場でみんなで踊り出した。
 すると、グランドの真ん中でガックシしていた奴らが、怒ってこちらに向かって走ってきていた。
 流石に、ちょっとバカにしすぎたか?
 俺たちは一斉に逃げ出した。
 女子たちは当然のように、既にその場にいなかった。
 奴らは俺たち三人を追いかけてきていたが、俺は日頃から走りまくっているので、楽勝で逃げ切る事ができた。
 なんだか楽しかった。
 こうして、文化祭は終わった。
 後日、登校日の朝、佐藤の顔が美男子に変わっていた。
 理由を聞くと、文化祭の日、奴らに捕まってボコられたら、顔の形が変わったとか。
「整形代ういたお」とか、意味の分からない事を言って喜んでいたので、俺は後ろからこっそり佐藤を殴り、元に戻してやった。
 全てが丸くおさまって、めでたしめでたし。
 だけど、朝礼台の「ゾンビ」と、サッカーゴール前の「でかいゴーレム」は、しばらくその場に居座り続けていた。
 まあこれくらいならいいかw
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ドクダミ

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